「GCWの名前を日本でもっと広めたいんだ」
現在、アメリカNo.1インディー団体として君臨するGCW(ゲーム・チェンジャー・レスリング)のオーナー、ブレット・ローダーデールはこう語った。
5年前の夏、2019年8月に衝撃の日本初上陸を果たしたGCWを、“アメリカ最狂凶悪団体”と血生臭い呼称を付けたのは、何を隠そう私である。当時、GCWは先鋭的なデスマッチ団体として、その破天荒、破茶滅茶なスタイルがアメリカのマニアの間で話題になっており、日本にもそのアメリカナイズされた暴力性、残虐性をそのまま持ってきたことで、一躍、日本のデスマッチファンのハートを鷲掴みにした。
日本において、専門誌などにも掲載されない、ほとんど無名とも言える海外の団体が、これといった宣伝がないにもかかわらず、会場の新木場ファーストリングをソールドアウトにし、集まった観客たちを熱狂の渦に巻き込んだことで、まさに一夜にしてGCWの日本での知名度が飛躍的に広まっていったのは真夏の夜の奇跡であった。
GCWは、ヤバいデスマッチをやる、バイオレントなアメリカの団体であるとの共通認識が日本のファンや関係者、マスコミ等の間に植え付けられていったのである。
その後、2020年2月、2022年9月、2023年7月にも日本公演を開催し、“デスマッチのGCW”として、新木場ファーストリングでの満員記録を更新していく。昨年10月にはついに後楽園ホールへと初進出を果たしたことで、アメリカのデスマッチ団体として日本でやることなど、もはや無いのではと思えたが、GCWは更なる高みを目指していた。
「もっとGCWを日本で広めたい」と語るオーナーのブレットは、続けざまにこう語る。
「この日本において、GCWが“デスマッチだけ”の団体と思われていることは心外だ。私は日本で、GCWが更に人気が拡大することを望んでいるんだ」
デスマッチ団体であるGCWが何を言っているんだ、日本公演では蛍光灯など凶器を使った流血盛りだくさんのデスマッチが多いではないかと言う人も多いだろう。しかし、現在、GCWがアメリカで行なっている大会において、デスマッチの回数は減ってきている。年に2回行われるデスマッチトーナメント大会(「TOS」と「NGI」)は、その名の通りデスマッチをメインとした大会だが、それ以外は、むしろデスマッチを行わない大会の方が多いという事実を知らない日本のファンは少なからずいる。
2020年3月に発生した新型コロナウイルス感染拡大による国家非常事態宣言発令により、活動停止を余儀なくされたアメリカのインディープロレス界。この逆境を好機に変えたのがGCWであった。同年6月に他インディー団体に先駆け、活動再開したGCWはコロナ禍での運営規範を作成、遵守することで、米インディー団体のお手本となった。まだ他の団体がコロナ禍でもがき苦しむなか、業界の盟主として、GCWはその活動範囲を広げていく。
アメリカのインディー団体の多くは、地元の街で、月に1回程度の興行を行うのが通例であり、GCWも以前はそうであった。だが、コロナ以降、米インディーNo.1の称号を得たGCWはアメリカ各地だけでなく、国外のカナダ、メキシコ、イギリス、ドイツにも足を伸ばし、興行数も他団体より多く、月に6〜8大会を各地で開催するようになる。試合数が激増した結果、使用する会場側の制限もあって、デスマッチの頻度も減っていく。その分、ルチャや女子の参戦が増えていったことで、スタイルの異なる、バラエティーに富んだ試合が多くなっていったことが、GCWを更なる段階へと引き上げた。コロナ禍のパンデミックを経て、“最凶”から“最高”へと更なる進化を遂げたGCWは、群雄割拠する米インディー団体の中から、一歩抜け出た存在となった。
しかし、それでも日本ではGCWはデスマッチ団体として見られていた。アメリカでのGCWを見ているマニアックなファンからはそのギャップを指摘されてはいたものの、日本の多くのGCWファンは、GCWのアメリカの試合をほとんど見ないこともあってか、その認識が変わることはなかった。また、アメリカにおけるGCWの近年の躍進を啓蒙する人がいなかったこともあり、一般的にGCWが紹介される際には、必ずや枕詞として“アメリカ最凶(最狂)”が付くのは、その呼称を付けたのは私であるのだが、見ていて歯痒かった。
オーナーのブレットも日本での状況を変えたかった。アップデートしたGCWを、最先端のGCWを、日本のファンにも見せたかった。
「私はたとえデスマッチをやっていなくても、GCWは日本で人気を得たであろうと確信している。なぜならGCWの選手たちは素晴らしい才能を持った選手たちばかりなんだから」
そう語るブレットが、日本において、今のGCWを見せることのできるパートナーとして話を進めたのが、DDTだった。まず昨年4月にロサンゼルスでGCWが主催したレッスルマニアウィーク大会「ザ・コレクティブ」にDDTが参戦したことで友好関係を築きあげていく。DDTもアメリカでの活動を広げたいこともあって意気投合した両団体は、今年4月にもフィラデルフィアで行われた「ザ・コレクティブ」にDDTが参戦したことで、更なる絆を深めていく。デスマッチが減り、エンターテインメント要素を高めている、今のGCWのスタイルは、DDTとの融和性が驚くほど高かったのである。
そして、5月26日のDDT後楽園ホール大会のリング上で、DDTとGCWによる合同興行「Never Ending Noisy Summer」を、8月12日に後楽園ホールで開催することが、エフィーからのビデオメッセージにより電撃発表された。
約10ヶ月ぶりとなるGCWジャパンツアーは、後楽園大会の翌日13日に「The Sky is The Limit 〜青空ノムコウ〜」が、14日には「You Only Die Once 〜一度きりの人生〜」が、両日ともGCW単独大会として新宿FACEで行われる。GCWにとって、これが新宿FACE初進出となる。
来日する選手たちは、現GCW世界王者マンス・ワーナーをはじめ、ジョーイ・ジャネラ、エフィー、マーシャ・スラモビッチら、今のGCWを体現するベストメンバーが選ばれた。初来日となるダンハウゼンだが、アイルランドでの試合が入っていたために、来日は難しいとされていたが、日本のファンに最高のものを見てもらいたいというGCWとDDTの思いから、新宿大会のみの参戦が決定した。また、8月からアメリカ遠征に行っている伊藤麻希も、この大会のために、急遽、マキ・イトーとして特別来日することになった。そして、日本滞在中の山下りなも、GCWウルトラバイオレント王者リナ・ヤマシタとして来日する。
もうすぐGCWが、デスマッチだけの団体でないことを証明するためにやって来る。これまでデスマッチが駄目、流血が苦手という理由で、GCWを見るのを敬遠していた人たちにも、今回は是非、GCWを体感してもらいたい。GCWとDDTが織りなす新たなケミストリーを感じてもらいたい。
この8月のジャパンツアーで、GCWは新たな歴史を塗り替えるに違いない。そして、会場で貴方は歴史が変わる瞬間を目撃することになる。さぁ、みんなでいっしょに腹の底から叫ぼう! GCW! GCW! GCW!
8月12日(月=祝) 開場10:30 開始11:30
東京・後楽園ホール「DDT×GCW『Never Ending Noisy Summer』」
https://www.ddtpro.com/schedules/22813**
8月13日(火) 開場18:00 開始19:00
東京・新宿FACE「The Sky Is The Limit 〜青空ノムコウ〜」
https://www.ddtpro.com/schedules/22930**
8月14日(水) 開場18:00 開始19:00
東京・新宿FACE「You Only Die Once 〜一度きりの人生〜」
https://www.ddtpro.com/schedules/22932**
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◆アメリカンプロレスショップ フリーバーズ(Yahoo!ショッピング)
https://store.shopping.yahoo.co.jp/freebirds
店主 タカ中山



