DDTの不動のエースであり“ミスターDDT”HARASHIMAが団体の至宝KO-D無差別級王座への4年ぶり11度目の戴冠を狙っている。HARASHIMAは「Judgement2024〜旗揚げ27周年記念大会5時間スペシャル〜」(3月17日、東京・後楽園ホール)で、同王者・上野勇希に挑戦する。大一番を目前に控えたHARASHIMAに、その胸中を聞いた。
ーー最近のDDTは若い人にチャンスを与えようという雰囲気なのですが、客観的にどう思っていますか?
HARASHIMA それは当然のことだと思うし、実際若い子たちを中心にしてきて、若いファンの方が増えたり、興味を持ってくれてる人も増えてると思うんで、いいと思います。
ーーただ、そのなかで「ベテランもいるんだよ」というところは示したいですよね?
HARASHIMA もちろん。それはずっと思ってます。今回挑戦の名乗りを挙げさせてもらったのも、もともと(2・14新宿で)上野vs男色ディーノのタイトルマッチをやって、どっちが勝ってもいこうと思ってたんですけど。僕は同世代のディーノを応援してて、でもディーノが勝てなくて、上野に挑戦する形になって。若い人が頑張って盛り上がってるし、そんななかで自分は一歩引くような部分があったと思うんですけど、その前の週(2・7新宿)に坂口(征夫)さんが引退して。実際坂口さんの最後の試合で、蹴り合って戦って、試合後のマイクでしゃべって、託された思いというか…。まだまだ僕らの世代が頑張らなきゃいけないということを改めて言われたんで。坂口さんの後押しもあって、挑戦表明したんです。
ーー上野vsディーノ戦で、どっちが勝ってもいくつもりでいたんですね?
HARASHIMA ハイ。どっちが勝ってもいこうと思ってたんで。ただ僕は試合が始まる前からディーノを応援してました。
ーーやはり、それは同世代に頑張ってほしいという思いからですよね?
HARASHIMA そうですね。ただ、自分たちの興行(The37KAMIINAプロデュース興行)でありながら、アウエーな空気になって、会場の応援がほぼディーノ一色になるなかで、しっかり自分の技を出して、さらにディーノを超えて、しっかり勝った上野勇希はすごいと思いました。
ーーあの試合は30分超えの死闘でした。結果、上野選手が勝ちましたけど…。ディーノ選手は最近中盤から下で試合することが多いですが、まだまだ力はあるぞというのを再認識させられた試合でしたか?
HARASHIMA ハイ。コミカルな試合だったり、面白いだけじゃなくて、男色ディーノが強さなりすごさをしっかり見せられた。もともとそういうのはもってたけど、数年に1回しか出さないんで。それでも変わらず出してたんですごいなと思いました。
ーー上野選手とのシングルは昨年(12月16日、福岡・西鉄ホール)の「D王」までほとんどなかったんですよね?
HARASHIMA まだ黒のショートタイツで坊主頭の上野勇希としか戦ってなかったんで、前回のD王でやっと完成された上野と戦えたんです。
ーーその完成された上野選手とシングルでやってみて、どういう印象でしたか?
HARASHIMA いろんなことがちゃんとできるし、力があったり、飛び技ができたり、打撃が強かったり、全部できたうえで。戦う前は彼に対して強い印象はなかったんです。でもちゃんと強さのある上野勇希でしたね。戦った後の印象は。戦う前の印象は何でもできるけど、“強さを感じない”だったんですけど、終わってみたらちゃんと強い選手だと思いました。
ーーこれならKO-D無差別王座を獲っても当然だなと思いましたか?
HARASHIMA 思いましたね。
ーーシングルのタイトルマッチで対峙することになりましたが…。リーグ戦とは戦い方は変わってくるかと思いますが、前回の「D王」と同じような戦い方をするのか、それとも前回の上野戦を踏まえたうえで違うものをプラスして戦っていくことになりますか?
HARASHIMA ちゃんと勝つための試合を組み立ててやっていきます。前回、“昔知ってる”上野勇希じゃなくて、強さのある上野勇希を確認できたので。それを頭においての戦いができると思います。
ーー去年の「D王」では手探り的な部分があったと思いますが…
HARASHIMA リーグ戦のなかの試合とタイトルマッチは、ちょっと違う部分はあるのかなと思ってます。
ーーリーグ戦なら1敗なら許されるということもありますが、タイトル戦は勝たなきゃいけないですよね?
HARASHIMA そうですね。でもその1試合に集中できるんで、チャンピオン上野勇希に勝つための試合をします。
ーー勝つための試合というと、ふだんのHARASHIMA選手プラス、これを出せば上野選手に勝てるなというのを出して戦いますか?
HARASHIMA あまり言うと、作戦がバレるといけないんで(笑)。出したい技もいっぱいあるし、より勝利が近づくような試合をします。
ーー去年の2月に納谷幸男選手との挑戦者決定戦はありましたが、無差別に挑戦するのは、「CyberFight Festival」(20201年6月6日、さいたまスーパーアリーナ)での秋山準戦以来、約3年ぶりになります。3年分の思いを上野戦にぶつける?
HARASHIMA たまたま期間があいたと思ってるんで。いつでもいける準備は整えてたし、今回それがやっと来たなという感じです。
ーー勝てば、2020年1月26日に田中将斗選手に敗れて、ベルトを落として以来、4年ぶりの戴冠となります。やはり勝ってベルトを巻きたいですよね?
HARASHIMA 腰が寂しいですね。もちろんベルトは常にずっと巻きたいと思ってやってきてます。今回同世代の人の後押しも受けたのはとても大きいです。
ーー過去10回ベルトを巻いていて、49歳という年齢でも無差別を巻くということは、やってる以上意義がありますよね?
HARASHIMA そうですね。そこを目指す気持ちがなくなったら、僕はリングを降りるときだと思うんで。そこに向けて常に準備してます。
ーーたまたま間があいただけで、その準備は常にしていると……
HARASHIMA しています。あと10回巻いてますけど、ベルトが新しいデザインになって巻いてないんで、新しいベルトを巻いてみたいというのはすごく思います。
ーーやはり新ベルトを巻きたい思いは強いですか?
HARASHIMA あのベルトを巻きたいのは巻きたいけど……。やはり無差別のベルトを巻きたい。ベルトを手に入れるというのが一番です。
ーーこの一戦は周年興行のメインイベントになるかと思いますが、周年興行でメインを務めるのは特別な思いがありますか?
HARASHIMA 『Judgement』という大会自体が僕のなかでは特別なので、それはより思います。
ーーそこでベルトを巻ければ、一番いいですよね?
HARASHIMA そうですね。
ーーベルトが獲れたら、描いている防衛ロードはありますか?
HARASHIMA とりあえず、まずはベルトを獲ることなんで。単純にもし僕がベルトを獲ったら、若い選手がいっぱい伸びてきてるし、他団体の選手もいっぱい上がってきてるし、まだまだ楽しみな試合はたくさんある。そんな選手たちとやれればいいと思います。
ーー秋山選手を含め、アラフィフの同世代との防衛戦もありですか?
HARASHIMA いろんな選手とタイトルマッチで集中して、その一戦にかけて、ガッといける試合ができたら、とても楽しいと思います。
ーー話題は変わりますが、7月で50歳になられます。一般人だと身体的に微妙な年だと思いますが、いいコンディションをキープできる秘訣があれば、一般の方の参考にもなると思いますので、教えていただけますか?
HARASHIMA もともと鍛えてるからだと思うんですけど。でも僕は今日より明日がよくなればいいと思ってるし、今日より明日をいいコンディションで迎えたらいいと思ってやってるんで。練習してるし、その積み重ねだと思います。
ーー若い頃とは質の違う練習に変えられたとかありますか?
HARASHIMA たとえば、ウエイトトレーニングだったら、すごい高重量を扱うんじゃなく、より効かせられるようにトレーニングしたりとか。関節とかに負担のないような練習を取り入れてます。あと日々いろいろ考えて効率よくというか、うまく体を動かせるようになりました。動かし方なり、体づくりなり、そういう感じでやってます。
ーーどこかのタイミングで切り替えたんですか?
HARASHIMA ウエイトトレーニングに関して言えば、3年くらいでトレーニングの常識も流れ変わっていく。そういった情報を仕入れて、自分の体で試したりして。ガンガン重いのをやってたときもあるし、試行錯誤しながらやってます。
ーーなるほど。参考になりました。ありがとうございました。



