“昭和の大横綱”大鵬さんを祖父に、大相撲元関脇・貴闘力氏を父にもつ納谷幸男(DDTプロレス)が初のKO-D無差別級王座獲りに燃えている。
納谷は1月3日、東京・後楽園ホールで開催されたシングル最強決定リーグ戦「D王 GRAND PRIX 2023」優勝決定戦で遠藤哲哉を破って初制覇。試合後、KO-D無差別級王者・上野勇希に挑戦表明し、同月28日、後楽園大会でのチャレンジが決まった。
1年前の「D王」で納谷は初めて優勝決定戦まで進んだが、上野に敗れて準優勝に終わった。その悔しさをバネに1年間戦ってきた。昨年3月21日、後楽園での「DDT旗揚げ26周年記念興行」ではKO-D無差別級王座(当時の王者は火野裕士)に初挑戦するも敗退。直後に右足首を骨折し、4ヵ月欠場する事態となったが、「足のケガは僕にとってはよかったと思っていて。逆に今までできなかったプロレスを見るということにすごく時間を使えて。DDTだけじゃなく、他団体、昔の試合だったり、いろんな試合を欠場期間中に見ることができて、自分にとってプラスになったと思います」と話す。
昨年11月26日、後楽園で開幕した今回の「D王」では圧倒的なパワーで勝利を積み重ねた。なかでも強く印象に残ったのが、斉藤レイ(全日本プロレス)とのメガトン対決だった。「お互いに各々団体を背負って戦う状況で、絶対に負けられないというなかで、自分と同じくらいの体格の選手とDDTでやるというのがなかなか機会がないので。戦って勝てたのは自信になりました。チャンスがあれば、斉藤ブラザーズだけじゃなく、全日本のデカい選手とまたやりたい思いはあります」。そんななか、キャリアの浅いKANONに苦杯を喫したが、「ちょっとKANONをなめてた部分があったので、倍返ししてやらなきゃと思ってます」と雪辱を期す。
優勝決定戦の対戦相手は過去3度、KO-D無差別級王座を巻いている実力者・遠藤だったが、「やっぱり遠藤哲哉という人はすごいですよね。あの体であれだけ力があって、僕が簡単に投げられるというのは。この1年、いろんなことを経験できたので、その成果を出せた優勝決定戦でした」と語った。勝負を決したのは必殺技の“世界一のバックドロップ”だ。「僕のなかでバックドロップはこだわりがある技なんです。その前にリストクラッチのバックドロップを出してるんですけど、自分のなかでどんな技より上なのはバックドロップなので」とこだわりを見せた。
優勝を手にした後には涙も流れた。「今までデビューしてから笑われ、酷評され、バカにされてきた自分がいて。DDTに来てからも鳴かず飛ばずで、チーム・サラブレッドとかやりたくないことをやっていた自分がいた。悔しくて。でも、ここまでやってきたことが、ようやく叶って。うれし涙です」と振り返る。
上野への挑戦が決まり、タイトルマッチに向けて前哨戦も戦ったが、「やっぱりチャンピオンだなって思いました。たたずまいとか雰囲気とか、1年前とは違いましたね」と実感。「今さら何かを考えて、何かを変えるなんて器用な人間じゃないんで、今までやってきたことを貫き通すだけです」とふだん通りの戦い方で臨むつもりだ。
1年前に敗れた上野との対戦だけに「2度同じ相手に負けないという思いはあります」とキッパリ。王座戴冠がなれば、「今まで自分が勝てなかった相手を倒したい」という思いはあるが、あくまでも1・28後楽園決戦に焦点を定める。「まずは1月28日に集中して。上野勇希という強大な敵を、倒さなきゃいけないので。先のことより、倒さなきゃいけない思いが今は強いです」と上野戦での必勝を期した。



