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【ドラマティック・ドリーム・コラム】ザック・ライダーは死んだ……Indy Godがやって来る(タカ中山)

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  • あの頃のザック・ライダーのことは忘れたほうがいい。

    今回、7・23両国大会にやってくるのは、世界を股にかける“Indy God(インディーゴッド)”のマット・カルドナであって、WWEのザック・ライダーではないのだ。

    マット・カルドナ自身もこう語る。「ザック・ライダーは死んだ」と。

    群雄割拠するWWEでは大きな団体特有の力関係もあってか、その他大勢の中堅選手の一人として、なかなかチャンスに恵まれることがなかった。しかし、退団後、持って生まれた才能がついに開花したのだろう。自由を手に入れて、やりたいようにやるマット・カルドナが誕生した。

    現在、マット・カルドナは、ザック・ライダーのイメージを完全に捨て去り、アメリカのみならず、イギリスやオーストラリアなど世界中の団体に登場し、各地で観客たちから目一杯のブーイングを浴び、中指を突き立てられる、超嫌われ者の大物トップヒールレスラーとして大活躍中だ。

    嫌われているだけでなく、7本ものベルトを所持する七冠王として君臨するなど、その実力者ぶりを遺憾なく発揮しているところも、マット・カルドナが“インディーゴッド”と呼ばれる所以であろう。

    新型コロナウィルスのパンデミックの最中、2020年4月15日にコストカットの名の下に行われたWWEの大量解雇劇、いわゆる“ブラック・ウェンズデー 暗黒の水曜日”。この突然の解雇通告により傘下団体時代から含め約14年間にわたり在籍したWWEを離れ、フリーエージェントとなったマット・カルドナが、まず狙いを定めたのはAEWであった。しかし同年7月と9月のわずか2回登場しただけで、その後、表舞台から姿を消す。

    再び、マット・カルドナが出現したのは、翌2021年1月16日に行われたIMPACTだった。IMPACTでは盟友ブライアン・マイヤースとの抗争やチェルシー・グリーンとの夫婦タッグを結成するなど、WWE時代を彷彿させるかのような活躍を見せる。

    プロレス界の第一線に戻ってきたマット・カルドナが、現在の嫌われ者ヒールキャラクターを確立したのは、GCWのリング上であった。

    2021年6月6日に行われたニック・ゲイジ対ジミー・ロイド戦の試合終盤、黒覆面を被った男がリングに現れる。ジョン・モクスリーのように肩を揺らす仕草を見せ、ゲイジにモクスリーの必殺技デスライダーを決める。誰もがその男の正体がモクスリーだと思った瞬間、黒覆面を取ると、なんと中身はマット・カルドナであった。ここからマット・カルドナは自らの悪の履歴書を塗り替えていく快進撃を始める。

    この翌月7月24日に行われたGCWアトランティックシティ大会「Homecoming 2021 Night1」で、ニック・ゲイジの持つGCW世界王座に挑戦したマット・カルドナは、観客たちから大ブーイングを受ける中、ゲイジからのピザカッターや蛍光灯による攻撃で大流血。しかしながら、介入者の援護もあり、王者ゲイジを下し王座奪取に成功する。リング上でチャンピオンベルトを手にするマット・カルドナに対し、その結果に納得いかず暴徒化した観客たちが、飲んでいたペットボトルや缶を投げつける異様な光景は、WRESTLE UNIVERSEでも視聴できるので、是非、ご覧いただきたい。
    https://www.wrestle-universe.com/ja/videos/8rme7eEMCrEGDYKbp5P1cY

    今やインディー界トップクラスの売れっ子であり、嫌われ者となったマット・カルドナに、ザック・ライダーとの違いを聞いてみた。

    「ザック・ライダーはもうこの世にいない。ザック・ライダーは何もできなかった。”インディーゴッド”マット・カルドナは、ザック・ライダーより成功している。多くのチャンピオンベルトを手にしているし、稼いでいる。ザック・ライダーは死んだ。俺が殺したんだ」

    そして、こう続けて語る。

    「WWEの頃から何度も這い上がってきた。俺ほど何度も復活した奴はいないだろう。俺はこのビジネスが大好きなんだ。だから絶対に諦めない。俺はやらなきゃいけないことがあるんだ。欲しいものを手に入れるまで、俺は辞めないぜ」

    GCW世界王座だけでなく、昨年は歴史あるNWA世界ヘビー級王座も奪取しているマット・カルドナ。現在、両王座は手放しているものの、インターネット王座、ジェリコ・クルーズ・オーシャニック王座など計7本のベルトを持つ七冠王として、7・23両国大会では遠藤哲哉の持つDDT UNIVERSAL王座に挑戦する。

    「両国で遠藤を倒し、8本目のベルトを手にすることになる。俺は日本のキングになる!」

    遠藤哲哉にとってはマット・カルドナだけでも厄介な相手なのだが、さらに面倒なのは女性マネージャー、ステフ・デ・ランダーも帯同してくることだ。これはさながら1990年4月13日東京ドームでの「天龍源一郎 対 ランディ・サベージ with シェリー・マーテル」を彷彿とさせる。ステフ・デ・ランダーは、WWE NXTでペルシャ・ピロッタの名前で活躍していた現役バリバリの女子プロレスラーで、身長183センチの大型選手だ。試合に介入するようなことがあれば、あの徳光和夫なら「あの下品な女は何ですか!」と怒り狂うことであろう。

    日本のDDTファンに向けてのメッセージを依頼すると、マット・カルドナはこう応えてくれた。

    「ザック・ライダーは死んだ。マット・カルドナ万歳!」

    両国大会で、我々が目にするのは、あの頃のザック・ライダーではなく、今やどの会場でもファンから嫌われ、ブーイングを浴びせられ、中指を突き立てられている”インディーゴッド”マット・カルドナだ。

    マット・カルドナが姿を見せたら、「Woo Woo Woo!」ではなく、「Boooooo!」と腹の底から叫び、罵声を浴びせる。そして、試合後は売店で本人からグッズを買うのが、今のマット・カルドナを楽しむ最高のやり方なのだ。


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    店主 タカ中山

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