“ミスターDDT”HARASHIMAが捲土重来を狙っている。
現在48歳のHARASHIMAは過去KO-D無差別級王座を10度戴冠(最多戴冠記録)、通算防衛回数の27回も最多記録で、まさにDDTの象徴たる選手だ。そのHARASHIMAが3年ぶり11度目の戴冠を目指している。1月29日、東京・後楽園ホールで火野裕士が樋口和貞を破り、同王座に10年ぶりに返り咲くと、“未完の大器”納谷幸男とともに挑戦の名乗りを挙げた。両者は2月26日の後楽園大会で同王座次期挑戦者決定戦を戦い、勝者がDDT26周年記念興行となる3月21日の後楽園大会で火野にチャレンジする。そのHARASHIMAに納谷との決戦を前に話を聞いた。
まだまだDDTのトップ戦線でファイトしているHARASHIMAだが、昨年11月~12月に行われたDDT最強決定リーグ戦「D王 GRAND PRIX 2022」は出場資格が「40歳未満」に設定されたため、無念の不参加となった。
「若い選手にチャンスを与えて育てなきゃいけないというのは、団体としての在り方でいいと思う。会社が決めたことだから受け入れて。ただ“DDTの最強を決める”というフレーズはおかしいんじゃじゃないかとは言ったと思います。“40歳未満で一番強い人を決める大会”というだけで。正直シングルのリーグ戦に参加できないのは、悔しい思いはありましたけど、会社も今後を考えてやったことなんで。それはそれとして受け入れました」
同王座に最後に挑戦したのは2021年6月6日、さいたまスーパーアリーナでの「CyberFight Festival 2021」(当時の王者は秋山準)。ベルトからは、2020年1月26日の後楽園で田中将斗(ZERO1)に敗れて王座陥落して以来、3年離れている。だが同王座戦線での戦いにはこだわりがある。
「いろんな試合、スタイル、考えがあって、みんな試合をしてると思うけど、僕はトップを狙いたいという気持ちがなくなったら終わりだと思うんで。その気持ちはずっと持ち続けてやってます。それにつながることがコンディショニングであったり、日々のトレーニングのモチベーションだったりで、もっともっと強くなるんで。たまたま今、若い子たちでベルトを持ってる時期があったけど、僕はまだまだこれからなんで。それをしっかり示していきたい」
王座戦線で戦ううえで、コンディションには自信がある。
「僕が体がボロボロだとか、すごい悪いコンディションでいてとか、テーピングでグルグル巻きじゃないと動けないとかだったら別ですけど、一切そういうこともないんで。僕はニーパット、リストバンドはしますけど、コスチュームだけ。テーピングとかもしてないですし、痛み止めも飲まないし。全然元気に試合をやってるんで、まだまだこれからなんです」
新王者・火野に挑戦表明した理由の一つに、団体の“周年興行”へのこだわりがある。
「樋口VS火野戦で、漠然と樋口が勝つんだろうと思って見てたら、火野君が勝っちゃって。DDTの周年興行で所属じゃない人がチャンピオンかって。周年興行だからこそ、行かなきゃって気持ちがより強くなったんです。今のDDTを見てるファンもいるけど、周年興行ということで、最近見てなかった人も注目するじゃないですか。そのとき、“今のチャンピオンはDDTじゃないんだ”って。挑戦する人も、“誰だろう?”ってなるのもさびしいと思うんで、僕が行きました」
挑戦権を争うことになった納谷については、「コスチュームを変えて、雰囲気も変わって、昔に比べると自信をもって試合してるなって気はします。やっと体格も生かして、ちゃんと自分のスタイルが表現できてきてるなと思います」と見ている。
身長2メートルを超える納谷とは大きな対格差があるが、「体格と勢い以外は全部弱点じゃないですか」とバッサリ。「僕が去年D王にエントリーされなかったり、シングルでアピールする場がほぼなかった。メインストーリーというかアピールする場がないと、忘れられてしまうというか、そういうことを感じてしまう。自分はまだまだこれからだと思ってやってるんです。D王に出場できなかったとか悔しい思いがあったんで、このチャンスで勝って、自分がまだまだDDTの中心でやってるということをアピールするためにも、絶対勝たないといけない試合ですね」と力を込めた。
納谷戦には自信のほども垣間見せる。「どう攻めようかとひらめいてやるんですけど、こうやったらはまるなっていうのがあるんで。結構コントロールできるなってのはあります。(攻め手は)全然あります。大きい選手はあまり顔を蹴られることはないと思うんで」とニヤリ。
納谷に勝てば、火野が待ち受ける。過去、火野とはシングルで2度対戦。1度目は2012年5月27日、北海道・札幌テイセンホールで、当時王者だった火野に挑戦するも敗退。2度目は2021年6月20日、後楽園での「KING OF DDT」トーナメント2回戦で敗れており、対戦成績は0勝2敗と1度も勝てていない。
「1回目は10年以上前で、今はその頃の1・5倍くらいの体になってて、当時はしゅっとしてたんで、体格も何もかも違い過ぎるんであまり参考にならない。2年前に当たったときも、この前の2・11横浜でタッグで対戦したときも、10年前と比べるとパワーアップしてて、すごいですよ。まだ納谷戦が終わってないんで、そんなにまだ考えたくないけど、火野君は納谷君と違って、もっと強い部分がいっぱいあるんで、なかなか大変です。でも攻め手はいくらでもある。借りは返したいです」とキッパリ。
納谷、火野と2人を倒さないと、ベルトにはたどりつけないが、「ファンの方にもすごく言われるんですよ。僕がまたベルトを巻く姿を信じてるって。無差別級のベルトのデザインが新しくなってから、1回も巻いたことないんで。前のベルトはたくさん巻いたことあるけど、新しいベルトもかっこいいんで。強さの象徴の無差別級のベルトは、また巻いてみたいです!」と目を輝かせた。



