“未完の大器”納谷幸男がついに覚醒するか?
祖父に“昭和の大横綱”大鵬さん、父に大相撲元関脇・貴闘力氏をもつ納谷は、初代タイガーマスク(佐山聡)に師事し、2017年9月にリアルジャパン・プロレスでデビュー。その後、「もっと試合数を増やしたい」として、2019年5月にDDTプロレスに移籍した。
身長201センチ、体重110キロと日本人離れした大型の体格で期待されてきた納谷は、なかなかそのカラを破れなかった。だが、一昨年あたりから覚醒の兆しを見せ、昨年11月~12月に開催されたDDTシングル最強決定リーグ戦「D王 GRAND PRIX 2022」では準優勝。そして、1月29日の東京・後楽園ホールでKO-D無差別級王座に就いた火野裕士に挑戦表明。2月26日の後楽園では、納谷とともに名乗りを挙げた“ミスターDDT”HARASHIMAとの同王座次期挑戦者決定戦に臨む。勝てば、DDT26周年記念興行となる3月21日の後楽園で王者・火野にチャレンジできる。
カラを破り始めたきっかけには、同じスーパーヘビー級の火野の影響があったようだ。
「(2021年9月に)火野さんが所属していたダムネーションが解散して、火野さんとシングル戦をやる機会があったんです。そのときに火野さんに『体が大きいのにもったいない』と言われて、いろいろアドバイスをいただいたりして、よくしていただくようになりました。そこから火野さんとタッグを組ませていただいて。タッグリーグ戦に出たり、KO-Dタッグベルトに挑戦したりして。火野さんを横で見てて、ヘビー級の戦い方が体に染みついてきたんです。それで、去年の後半、結果を残せたと思います」
それまでも、納谷にアドバイスをしてくれる選手はいなかったわけではないが…。
「アドバイスをくれる方はいるんですけど、それを自分に落とし込んだときに、しっくりくるのが火野さんのアドバイスだったんです。昔は無意識に相手に合わせちゃっていた。相手の動きと自分の動きが同じようにという感じで。それが自分の悪い癖だったんです。今は意識的に相手の動きには付き合わない。自分がデカいというのを意識して、自分のプロレスを貫き通すというのを一番に学びました。相手が大きいとか小さいとか関係ない。自分の戦い方をするというのを学んだんです」
結果的に敗れたが、D王公式戦では、その火野とも対戦したが…
「火野さん超えたいという気持ちで、今までの自分を全部出してやろうという気持ちで挑みました」
そのD王公式戦では、当時のKO-D無差別級王者だった樋口和貞を破る金星も挙げた…。
「自信になりました。樋口さんとは去年夏の『KING OF DDT』トーナメント1回戦でも当たりましたけど、そのときよりレベルアップしたものを見せられる自信もありました」
D王優勝決定戦では上野勇希に敗れて、優勝は果たせなかった。
「俺のことを応援してくれてた人がいたなかで、上野さんが、あの一瞬において上回ってたんだと思う。その悔しさを晴らすには、結果を残すことしかないです」
1・29後楽園で“師匠”として尊敬する火野がKO-D無差別級王座を奪取すると、真っ先に挑戦をアピールした。
「火野さんがマイクで『デカいヤツ来い』と言ったんで、そしたら俺以外ないだろうと思いました」
2・26後楽園ではDDTの象徴といえるHARASHIMAとの次期挑戦者決定戦で火野への挑戦権を争うが…
「キャリアだったり、HARASHIMAさんがDDTで残してきたものはすごいものと理解してます。何度も対戦してるので強さは分かってます。やる以上はもちろん勝つことしか考えてない」
2・11横浜ラジアントホールではHARASHIMAと組んで、火野&大石真翔と対戦するカードが組まれた…
「俺が前に出てやろうと。火野さんと戦いたかったのもあって。火野さんは強いですよ。HARASHIMAさんも強かったです。だから、火野さんの前にHARASHIMAさんがいるんだと再確認できました。あの試合をやってよかった。HARASHIMAさんに対して、向き合えたので」
2・26後楽園はKO-D無差別級王座へ初挑戦できるかどうかがかかっている
「勝たなきゃいけない。俺が火野さんに挑戦表明したとき、お客さんが“ワーッ”となったのを聞いて、応援してくれる人がこれだけいるんだという思いがあったので」
HARASHIMAに勝てば、3・21後楽園での26周年記念興行で火野に挑むことになる。
「やっぱりDDTにいる以上、KO-D無差別級はみんなが目指してるベルト。DDTの最高峰のベルト。それに26周年記念興行で挑戦するというのは最高じゃないですか。師匠超えを果たしたい」
「D王」で優勝していれば、昨年12月29日、TOKYO DOME CITY HALLのビッグマッチのメインイベントでKO-D無差別級王座に挑戦できた可能性もあっただけに、成し得なかった悔しさをバネに「今度こそ」の思いも強い。
「やっぱりチャンスは自分でつかみ取らないといけないもの。これを逃したら一生つかめないかもしれない。覚悟をもって挑まないといけないと思います」
今年の納谷の目標は明確だ。「ベルトを巻きたいというのが第一。あと、ベルトに関わらず、DDTでもいいし、他団体でもいいし、デカい選手とどんどん戦っていきたい」



