20日の後楽園ホール大会終了後、ホール内の展示場にて松井幸則レフェリー主催興行「ドラマティック・ドリームズ!Vol.5~あめが下知る五月かな~」(5月27日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)に向けた記者会見がおこなわれた。ファン公開形式でおこなわれたこの会見、まず主催者である松井レフェリーから、会見に選手が登場する3カードの見どころを紹介。
▼ノット・シリアス・マスクマン世界一決定戦~スペシャル3WAYマッチ
菊タロー vs くいしんぼう仮面 vs スーパー・ササダンゴ・マシン
「12年前、2006年3月に僕がDDTに入って初めての新宿FACE大会がありまして、そこで男色ディーノ、あと別人かもしれないですがマッスル坂井が出てまして。毒手とかをやった試合だったんですけど。僕が初めてDDTのリングに上がってチェックをする時に、明らかにお客さんにも聞こえる声で坂井くんが『おい、俺たちはくいしんぼう仮面やえべっさんみたいにはいかねえからな!』って言ったんですよ。それをずっと覚えてて、いつかやり返してやろうと思ってたんですよ。やっとその場がきたなと」
▼スペシャルシングルマッチ~矜持~
入江茂弘 vs マグニチュード岸和田
「去年、大阪プロレス教室vs岸和田愚連隊ということで、竹下&入江対、リングネームは変わりましたがMA-G-MA&バッファローを組みまして。竹下がバッファローに勝ったんですが、入江は大流血に追い込まれまして、入江個人としてはやり返せずに終わってる印象があったので。あれから入江が立ち位置も変わりまして、どういうことを考えてるか分からないですけど、僕にとっては去年の続きだと思ってます」
▼スペシャルシングルマッチ~心~
竹下幸之介 vs アントーニオ本多
「この前、大阪に営業に行った時に、あっちでバーテンもやってる内田祥一というしょうもないレスラーがいるんですけど、彼に『なんで今このカードがメインなんですか? アントンさんって今凄いですか?』って言われたんですよ。DDTを追いかけてない人からすればそういうイメージだと思うんですけど、そういう人にこそ見てほしいと思います。見た人の心に残るような何かがあると思います」
続いて、くいしんぼう仮面とササダンゴが登壇。欠席の菊タローからはメッセージが寄せられ、今林APが読み上げる。「ノット・シリアスレスラー世界一決定戦? 負けるわけにはいかん。ワシこそが世界ナンバーワンのノット・シリアスレスラーだということをみなさんに証明しましょう。いいことか悪いことかは置いといて。あと、1試合だけだと1週間の滞在中のメシ代だけで足が出るので、当日はみなさまTシャツ買ってください。ワハハハ!」意気込みを求められたくいしんぼう仮面は、メモ帳を取り出し、キャップをかぶって記者席に座り、話し始める。
くいしんぼう スーパー・ササダンゴ・マシン選手、一言よろしいですか? 今回、対戦する菊タロー選手の印象は?
ササダンゴ 日本を飛び出して、世界のトップを目指して、誰もやったことがないような歴史を進んでると同時に、プロレスを他のどのジャンルにも負けないエンターテインメントに昇華させた、偉大なプロレスラーだと思ってます。とにかく尊敬しております。
くいしんぼう くいしんぼう仮面選手については?
ササダンゴ 菊タロー選手同様、エンターテインメントとしてのプロレスの可能性を押し広げて、同じくらい凄いというか。さらにクラウドファンディングですとか、プロレスは大きいほう、大きいほうに進みがちですけど、あえてプロレスのコンパクト化、軽量化に成功されている。そういう意味でもアントレプレナーシップと言いますか、ベンチャー精神あふれる、偉大な時代のフロンティア、時代にマッチされている選手として、(菊タロー)同様に尊敬しております。
くいしんぼう なるほど。昔「マッスル」というブランドがあったと思うんですが、そこに菊タロー選手はほぼレギュラー参戦で。
ササダンゴ そうですね、いろいろなご縁がありまして。
くいしんぼう もう一方のくいしんぼう仮面選手は「マッスル」に1回も出てないはずなんですよ。この件については?
ササダンゴ いや、あの~、ですね……。どういう方法で調べられたか分からないんですけれども。
くいしんぼう ただの一度も出てないはずです。
ササダンゴ ちょっとあらためて事実確認をしたのちに、後日回答させていただければなと……。とりあえずですね、あの、申し訳なかったなという……。あの、尊敬してないから呼ばないっていうことはないんですよ。
くいしんぼう 菊タローのおまけとか、そういうふうには思ってないと。
ササダンゴ 思ってないです思ってないです!
くいしんぼう あともう一件、くいしんぼう仮面選手がですね、2年ほど前にクラウドファンディングで本を出版したんですけれども、その本を「宣伝してくださいよ」ということでササダンゴ・マシン選手にプレゼントしたんですよ、一冊。
ササダンゴ ……。
くいしんぼう 向こうから言ってきたと思うんですよ、読みたいですって。それで「SNSで拡散お願いします」、「ぜひ、拡散させていただきます」と。翌日、SNSを見たところ拡散してる様子はなくて、かれこれ2年たって、ただの一度もくいしんぼう仮面選手の本をSNSに上げてるところを見たことがないんですが、そのへんについてはどのようにお考えですか?
ササダンゴ あの~、ツイッターの下書き欄に入ってて送信し忘れた……。すいませんでした!(土下座)
くいしんぼう 私からの質問は以上です。
さらにササダンゴが意気込みを述べる順番となるが「いやもうないです……」と壇上で正座。
ササダンゴ あの、松井レフェリーの12年前の話も聞こえてまして、確かにあるというか、言った言わない抜きに、12年前に戻って自分をぶん殴りたいです。やっぱりプロレスは点と点を線にして見るものなんだなと……。
取材陣との質疑応答では、以下のやり取り。
――ササダンゴ選手、当日はパワポなど「こんなことをしてみたい」というプランなどあれば。
ササダンゴ 今はあの、ちょっと頭が真っ白なんで。いま自分にできることは、菊タロー選手のTシャツを買うこと、くいしんぼう仮面選手が準備している絵本のプロモーションのお役に立つことくらいしか考えられないです……。
――選手としてのササダンゴ選手の印象は?
くいしんぼう 選手としては、くいしんぼう仮面と同クラスくらいですかね。ただ付加価値、飛び道具が多彩だなと。パワポプレゼンですとか、そういう部分では自分が持ってないものがある。凄いなと。ただちょっと、約束を守らない。菊タローと比べると、くいしんぼう仮面にリスペクトがない。その2点、強く強調しておきたいですね。
写真撮影ののち、今度は入江が登壇。まずは岸和田からのメッセージが読み上げられる。「おい入江、おまえ今DDTのチャンピオンらしいな。でもな、そんなことは知ったこっちゃないんじゃ。おまえがベルトを持っていようがなんだろうが、俺には一切関係ない。これはおまえと俺の個人的な闘いや。いいか、これだけは言っとくぞ。入江なんぞが俺に勝とうなんてな、100万年早いんじゃ。おまえが今DDTでどれだけいわしとるか知らんけどな、俺にとってはおまえは今も小僧でしかないんや。おまえをこれまでと同じようにボコボコにして大家みたいに2度ギブアップ取って、試合後にすいませんでしたって謝らしたるからな。おまえと俺とではな、くぐってきた修羅場が違うんや。もう一度言うぞ。おまえが俺見勝とうなんぞ、100万光年早いんじゃ。分かったか。分かったら出てけ」これに対し入江は「自分はこの前の松井さんの興行でマグニチュード岸和田選手と闘ったんですけど、僕にとってマグニチュード岸和田という選手は強くて恐ろしい選手だったんですけど、今はそんなに差を感じていないし、勝てるだろうと確実に思ってます。小僧だと思ってるかもしれないけど、もう違うし。100万年も待ってられないので。来週決着つけましょう」。記者からの質問で前回の対戦について振り返った入江は「岸和田愚連隊が出てきた時は、当時の気持ちになって少し嬉しかったのと、リングに揃ったところを見て怖かったのもあるんですけど、実際に闘ってみて、もう負けないと思ってます」。ここで質疑応答の中「どけおまえら!」とファンを押しのけて入ってきたのが岸和田だった。「おまえなんかただの小僧やろ! 俺とシングルやれんのか! しばき倒すぞコラ! かかってこい!」。両者はイスで打ち合う乱闘を展開。場内が騒然とする中、関係者に制された岸和田は「何が俺とシングルじゃ! 大阪で覚えとけよ! またパシリにしたる。おまえなんかしょせんプロレス学校や! ナメんなよおら!」と去っていく。「あいつ、何しに来たんや!」と激怒の入江。「ああやってイス持ってくるしかできんのやろ。こっちは身一つでやってやる」と厳しい表情を見せた。
最後は竹下とアントンの会見。それぞれが対戦への思いを語っていく。
竹下 アントーニオ本多選手と松井レフェリー主催興行のメインで闘わせていただくということで。松井さん興行のメインイベント、僕は4大会ですかね、務めさせていただいて。毎回ターニングポイント、重要な試合になってます。いつもは大阪プロレスの選手たちはじめ飯伏選手とか、ふだん闘えない選手とやらせてもらって、年に一回の大きなモチベーションになってたりもするんですけど。このカードは僕自身、まったく予想ができてなかったですね。でも必ず意味がある試合になると思うので。特別な気持ちもありますし。1年間、KO-D無差別を防衛してきた中で言ってきたのは、まだまだ闘いたい選手がいると。その1人が本多さんだったので。今ベルトは落としてしまいましたけど、こういう形で、ベルトを落としてフリーバードになった今、何かお互い通じ合えるものがあるんじゃないかなという心境でございます。
アントン なんで我々がプロレスをやってるのか。竹ちゃんが言う通り、フリーバードになるためですよ。私がプロレスで一番目指していて、実現したいこと、重視してることはプロレスを通じて自由になること。松井さんの興行のメイン、興行として我々を比べると、今日の後楽園での試合を比べても、ね(笑)。私の肩に乗っかるプレッシャーも高まるんですけど。そういった試合でこそ、私がどういった形で自由になるのか本当に楽しみ。しかも竹ちゃんですからね。5年間くらい一緒に、プロレスを通して様々なコミュニケーションをとってきたわけですけども。この5年間の答えが出るというだけでなく、竹ちゃんの22年、23年、私の多くの時間を無駄に過ごした40年。この5年を思い返しても、一瞬ですよね。我々が出会ってから、今こうしてみなさんの前で話しているまで、一瞬ですよ。私の40年も一瞬でした。時間的な積み重ね、重さ、そういったものが、この5月27日の夕刻あたりに答えが出ると思うんです。竹ちゃんとの5年間ではなく、竹ちゃんの23年、私の40年、プロレスの……100年としましょうか。そういったもののすべての重みと同じ重みがこの瞬間に生まれるべきだと思うし、そういうふうに感じて闘うと思うんですね。長くなりますけども、ウッチーが言ったようにですね、アントーニオ本多って重要なんですかと(笑)。ウッチーみたいな人……あいつ関係者だよな、おかしいよな。もうちょい知ってろよって。モンスターアーミーだったし。でもウッチーみたいなお客さんばっかりかもしれない。さっき思ったんですけど、私と竹ちゃんが闘ったら、竹ちゃんのほうが強いんですよ。これは誰もが思うこと。では私が何を証明したいかというと、私は竹ちゃんより強いということではなくて。プロレスという試合形式、プロレスというルールにおいて、弱い者は強い者を倒せる。それを証明したいんですよね。だから私は勝つし勝たなければならないんですよ。なぜなら、世の中やなことばっかりじゃないですか。奇跡が足りないんですよね。私が竹ちゃんに勝つことで、みなさんに奇跡を与えることができるかもしれない。一見サラッと組まれたようで、少なくとも私にとっては人生最大の闘い。という感じです。
――試合のタイトルに「心」とありますが、そこに何を感じますか?
竹下 僕にはその真意は分からないんですけども、松井さんから僕たちに対してのテーマなのか、松井さんが僕たちのプロレスを見てきて、そこに注目してるのか。僕たちはプロレスラーの中でもかなりこう、正直エゴイストだと思うんですよね。自分たちのために試合をしている。もちろんテーマはあれど、僕たちはやりたいプロレスをやる、見せたいプロレスを見せる。それでお客さんがどう感じるのかというのは結果論で。同じことを言いますがフリーバード。自由に羽ばたきたいと思っております。
アントン プロレスに心は必要かという命題があるとしましょう。プロレスにおける心とは何なのか。私個人としては、学生プロレスの引退試合をやった時に、これでもうプロレスはしないと思ってましたから、もの凄い気持ちを入れてしまったんですよね。そしたら体が動かなくなるんですよ。まあでも面白いもんで、リング上で竹ちゃんと対峙したら、たぶんさまざまな衝動が湧き上がってくるでしょうね。むしろ私は竹ちゃんに、40年間培ってきた余計な心みたいなものを破壊してもらいたい。私もそれを捨て去りたい。私の40年間は、竹ちゃんと闘っている時間よりも価値があるというわけではなく、この瞬間が一番なんですよね。私はすべてを捨てたいし、私も竹ちゃんに何かを捨てさせたい。と思いますね。
――これまでも松井レフェリーの興行はキャリアの節目になってきましたが、今回もそういう予感はありますか?
竹下 予感はいつもないんですけど、たぶん僕自身、いろんな心の動きがこういう試合では大きくて。それこそ気持ちが入りすぎる部分もそうですし。たぶん、22歳の僕とか、20歳、21歳の僕が年上のレスラーに与える影響というのも少なからずありまして。その結果、ターニングポイントになってるんですね。僕が本当に闘いたい相手、本当にやりたい闘いっていうのを、いつも松井さんが場を作ってくれて。それには本当に感謝してます。その恩返しは、期待以上の試合をすることだけですね。
そして両者の写真撮影で会見は終了。ハッピーモーテルとして長くユニットを組んでいた2人ならではの空気感となった。



