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DDTコラム&平柳玄藩は美しい。(三田佐代子)

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  • 平柳玄藩は美しい。という出だしのコラムをみなさんがどれくらい覚えていらっしゃるかわからないけれど、そんな内館牧子さんのコラム『プロレスラー美男子烈伝』が週刊プロレス誌上に連載されていた頃にはデビューしていなかった玄藩さんが、ついにDDTのリングをまたぐことになった。反体制を掲げる高木三四郎大社長が「全世界にまたがる反体制ネットワークを駆使して」、NO MERCYの平柳玄藩選手を4月1日のDDT後楽園大会に招聘したのだ。

    DDTから最も遠いところにある気がするプロレスリングNOAHだが、意外とDDTとの相性は悪くない。飯伏幸太がジュニアタッグリーグに参加したことがあるのはもちろんのこと、SEMのリングに若手が出場したり、あのマッスルに青木篤志選手が登場したこともある。そして今や鉄仮面をかぶり大暴走を繰り広げているマイバッハ谷口選手はかつて素顔の頃、身をていして男色ディーノから丸藤正道選手を守り、ディーノの熱いキッスをその唇で受けた。感想は、と聞かれて「柔らかかったです」とはにかむその横顔は今の無表情なマイバッハからは想像もつかない。

    そして満を持して玄藩さんがDDTにやってくる。DDTファンのみなさんがどれくらい平柳玄藩を知っているのかわからないが、要するにズルくて悪くて調子のいいタイプのレスラーだ。真冬に麦わら帽子に短パン、ギャング風のサングラスという独特のファッションセンスを持ち、口調もニヒル。石森太二選手を「イシノモリ」、中嶋勝彦選手を「かちゅひこ」、獣神サンダー・ライガー選手を「超神カイザー」と呼ぶなど、その言語センスも独特だ。

    決して体格に恵まれているわけでもスペシャルなアマレスの実績があるわけでもない玄藩さんが、一度は警備会社の社員になりながらもプロレスへの夢が諦めきれずにNOAHに入門し、同期がみな辞めていくなかで一人だけ続けていくことができたのは、ひとえに彼の「愛される力」と不断の努力に違いない、と私は思っている。地味な新人時代にケガをして長く欠場し、復帰後に試行錯誤しながら今の悪童スタイルを確立。クリスマス恒例の選手が出演するVTRではたびたびどっきりを仕掛けられているところからも、その愛され具合がわかるというものだ。先輩方の層の厚いNOAHで生き残っていくために彼がどれだけ努力し、セルフプロデュースにいそしんできたかは想像に難くない。キャラクターからも苦労話を決してしない玄藩さんだが、自分の置かれた立場や他の選手を評する言葉は意外に冷静でシビアだ。

    唾を吐く、急所攻撃をする、イスで殴る。あらゆる悪いことをしでかすのに、なぜか憎めない。流行りの「かっこいいカラダ」の逆を行く、ちょいぽちゃ体型も愛らしい。そんな玄藩さんにぜひ、DDTファンは心からのブーイングを送ってほしい。今回の対戦カードは高尾蒼馬&平柳玄藩vs中澤マイケル&佐藤光留。まず高尾くんを玄藩さんが何と呼ぶのか、そしてド変態團を目の前にして玄藩さんがどう反応するのか。呆れるのか、「お前らの思い通りにはさせねえよ(by三沢光晴)」なのか、それとも玄藩さんまで熱くなったり、ほてったりしてしまうのか。どっちに転んでもおもしろい。

    玄藩さんmeets DDT。玄藩さんmeets ド変態團。玄藩さんmeets 反体制。どうせなら、メインのKO-D無差別級タイトルマッチで高木選手のセコンドにもついてもらって、大社長のGTSについてNO MERCY総帥のKENTA選手に報告してもらえばいいんじゃないかな。無責任だけどそう思っています。(三田佐代子)

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