12月3日、東京・新宿FACE大会の開始前、12・21後楽園でのKO-D無差別級選手権試合(王者=上野勇希vs挑戦者=正田壮史)の公開調印式が実施された。両者、調印書にサインした後、意気込みを述べた。
正田「後楽園(11・30)でじゃんけんで勝利して、運と実力をもって勝ち取った挑戦権。その後、上野さんに言われた言葉をここ数日、僕なりに考えてみていきついたのは、僕がDDTの未来とか言ってきて。上野さんはそこにいるのか?と言われて。すごいハッとさせられたことが一つあって。僕はそういう未来だとか、次自分がいくんやっていう、その未来って言葉に逃げて来たんじゃないかって思っていて。だからこそ、上野さんはDDTのトップに上がって来いって意味でとらえました。なので僕のなかでDDTの未来を明るくする目標はあるんですけど、まず僕が向き合うべきなのは、今あるKO-D無差別級への挑戦じゃないかって思いました」
上野「正田のことを考えていると、一言ではすまないんでしゃべっちゃうんですけど。僕は正田にはものすごく期待してるっていうか、おもろいレスラーと思ってて。でも正田はプロレスを楽しんでないと思っていて、同じところをずっと繰り返してると思ってます。正田が鈴木みのるの持つUNIVERSALに挑戦したとき、殺すぞなんてものすごい言葉を使って覚悟をぶつけて、みんなに覚悟の先にある未来を掲げて。結果的にはコテンパンにやられて負けて。コテンパンにやられて負けたこと自体は一生懸命頑張った結果だから、そんなのはどうでもいいんですけど。でも強い言葉を使ってぶつけた覚悟も、掲げた未来も、その試合で感じたであろう怒り、悲しみ、もしかしたら恐怖感とか、タイトルマッチが終わったら全部捨てる。正田が過去も未来も現在も全部覚悟を捨てたこと悲しかった。悔しかった。なんのために正田はプロレスやってるんだって。DDTでしんどい思いも怖い思いも悩むこともあって、それをリングに立って何をやってるんだって。その場でありそうな言葉を使って、誰かが言って来たような言葉を使って。そんなんじゃないだろうって。正田壮史ってレスラーはもっともっとおもろくて、もっと怖がりで、もっと緊張もして、もっといろんなことを持ってて、もっとさらけ出せる。もっとやれるのに何で逃げてんねん。全部捨てて。俺はずっと悲しかった。でも、じゃんけんで運だけでしか上がれないものも勝ち上がって。やっぱこいつ持ってるなって。すごいなって。でも言葉を聞けば、過ぎ去ってしまえば、責任も愛もないような言葉ばっか言って。それが悲しかった。DDTの一番のベルトかけて戦うんだから、チャンピオンになるかもしれない。そんな責任は後からついてくると思うけど。こんだけ俺がさらけ出してやろうよって。去年、やった両国もそう。それを見せてやるのがプロレスなんやから。正田はもっとおもろいんやから。もっと正田はすごくなれるんやから。それを俺とだったらできると思ってたのに。正田に期待してるよ。だってすごいんやもん。今でも十分すごいよ。もっとすごいのに、めちゃくちゃ期待してるけど、ちょっとあきらめてるよ。でも正田となら、俺らにしかできないDDTプロレス、僕らにしかさらせないものができるんじゃないかと思ってるのは先輩・上野勇希の言葉でありまして。チャンピオン上野勇希としては、正田をボコボコに叩きのめします」
そして質疑応答へ。
――今上野選手からあった「さらけ出せ」という言葉については?
正田「正直ぐうの音も出ません。上野さんから度々正論を言われまくって言い返せなくって。でもこの言い返せない気持ちをどうさらけ出したらいいのかも分からなくて。試合で出そうと思っても出し切れなくて。もう今頭がパンパンです」
――両者、今日の前哨戦はどういうイメージで臨みますか?
正田「ホントに最近これだけは自信を持ってるんですけど。僕めっちゃすごいんですよ。未来語るとかそんなんで逃げられないくらい。逃げたらそれがださいくらいのすごい状態のレベルにいるんで。頭パンパンの状態でも前哨戦となれば、そこは集中して。上野さんの持ってる無差別級のベルトを目指して、この後の正田壮史ならやってくれるだろうなって僕が感じてます」
上野「僕がしゃべってることなんて正論でもなんでもなくて。僕が思ってること。僕がこのベルトを持ってやりたいことを言ってるだけだから。その言葉を聞いたり試合に向かったり、真剣に頭がパンパンになりながら向き合った先に感じるもの。それがいいか悪いかはどうでもよくて、正田壮史を感じられるのが楽しみでありまして。でも何より、せっかく試合するんですからボコボコにしたいと思います」






