ファンの支持がシビアに判明する『DDT48総選挙』は2011年も開催された。上位18位にランクインした選抜メンバーのみが10・23後楽園での『DDT Special2011』に出場でき、1位に選ばれた選手にはKO-D無差別級王座への挑戦権(KO-D無差別級王者の場合は挑戦者の指名権)と副賞として賞金100万円が授与されるとあって、候補者48選手は第1回以上に熱のこもった選挙活動を展開。会場での呼びかけのほか、ある選手はUstream、Twitterを駆使し、またある選手は他団体の力を借りるなどして、自身への投票を呼び掛けた。
8月の大阪大会より1ヵ月半に渡り、受け付けられた総選挙の開票は9月29日、東京・新宿FACEでの『DDT48総選挙結果発表大会』にて入場無料で行われ、550人の超満員札止めの観客が見守った。第1回で6位の高木三四郎は13位と順位を落とした。悔しさが残る一方で「それは新戦力が出てきている証拠なんで、経営者としてうれしい」と安堵の表情。最後には「来年は圏外だ、バカヤロー!」と捨て台詞を吐いていた。
12位は第1回の17位から順位を上げたKUDOだったが、この時はKO-D無差別級王者に君臨していたため、意外な結果に。DDTのトップを担うHARASHIMAが4位から8位、3位で感動を呼んだチェリーが7位と第1回から順位を下げる中、6位にランクインしたのは大石真翔だ。これは男色ディーノとともにほもいろクローバーZを結成したほか、会場でファンとハグをする“フリーハグ”活動などの自己主張が功を奏したと言える。
この結果に号泣した大石は高木大社長に「僕をDDTに入れてもらえませんか?」と直談判。高木大社長の快諾を得て、DDT入団となった。サプライズが続く中、5位は第1回不参加のマサ高梨がランクインし、4位はヤス・ウラノが第1回の13位から大きく順位を上げて選抜入りを果たした。
続いてベスト3の発表へ。3位は第1回で1位となったディーノ。「1位になってDDTを外向きに変えようと思っていた」と語ったディーノは「プロレスを初めて見た人、違うジャンルでもいい。そのジャンルからワタシを見て、『DDTすげえ』『プロレスすげえおもしれえ』ってなったら、DDTファンは胸を張ってほしい。私の存在意義はそこにあるから。だから、これからもワタシは外を向く」と誓った。
2位は第1回で5位に甘んじた飯伏。この年の上半期に新日本プロレスの『ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア18』を優勝し、IWGPジュニア王座も獲得した活躍が影響したか。しかし、選挙期間中のMATRIX9・11大阪大会で左肩を脱臼。選抜入りを果たしたものの、10・23後楽園は欠場となり、19位の中澤マイケルが繰り上がりで出場となった。
1位に輝いたのは佐藤光留だ。第1回は2位止まりで涙を呑んだが、この年は中間発表の1位をキープしたままゴールとなった。「去年、夢を、夢をと言い続けて2位になって気づいたものは、夢を実現するには同じ量か、それ以上の現実が必要ということでした。この選挙期間の中で一番現実を全身で受け止めたのは間違いなく自分だと、人生で初めて人に自慢できることだと思っています」と語った光留。副賞の100万円の使い道を飯伏の治療費にあてるよう申し出るなど、ライバルへの対抗心をここでも燃やしていた。
KO-D無差別級王座の次期挑戦権を獲得したものの、光留の矛先が王者のKUDOではなく欠場中の飯伏に向けられていた点で、タイトルマッチの結果は見えていたのかもしれない。10・23後楽園のメインイベントで光留はKUDOのダイビング・ダブルニードロップに沈み、念願の王者返り咲きを果たすことはできなかった。
なお、『DDT48総選挙結果発表大会』では、KO-D無差別級王座の次々期挑戦者をトーナメント形式のじゃんけんで決める『じゃんけん選抜』の開催が発表された。10・23後楽園のメイン後、選抜3位~18位の選手によって行われ、決勝戦では欠場中にもかかわらずじゃんけんがやりたいがために参加した飯伏をマサ高梨が下して優勝。11・8大阪大会でKUDOに挑戦したが、惜敗している。(オフィシャルサイト取材班)
★『第2回DDT48総選挙』投票結果(期間:2011年8月21日~9月26日)
1位=佐藤光留(558票)
2位=飯伏幸太(389票)
3位=男色ディーノ(387票)
4位=ヤス・ウラノ(380票)
5位=マサ高梨(363票)
6位=大石真翔(356票)
7位=チェリー(335票)
8位=HARASHIMA(287票)
9位=MIKAMI(252票)
10位=木高イサミ(248票)
11位=大家健(247票)
12位=KUDO(228票)
13位=高木三四郎(197票)
14位=DJニラ(195票)
15位=アントーニオ本多(182票)
16位=石井慧介(179票)
17位=石川修司(176票)
18位=高尾蒼馬(174票)
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19位=中澤マイケル(167票)
20位=ミスター6号(161票)
21位=ケニー・オメガ(159票)
22位=入江茂弘(140票)
23位=平田一喜(119票)
24位=彰人(107票)
25位=佐々木大輔(99票)