もともと俺様の構想にあった対世間にアピールできるトレンドはアイドル、ロック、ラーメン、ヌード。ラーメンだけはコラボできなかったけど、出店はやりたかった。例えば小路晃さんや高山善廣さんといった調理している人同士で試合ができれば面白いじゃん。これに合わせてDDTもラーメン店はできなくてもエビスコ酒場でラーメンを作れば実現できるかと思ったんだけど、未遂に終わってしまった。
アイドルファンとプロレスファンとラーメンファンって気質が似ていると思うんだ。ラオタ(ラーメンオタク)って「俺だけのラーメンを見つけた」とか「俺だけの味」といって自分のブログで紹介して、一般誌などが取り上げ始めると「俺の方が先だったのに。もうあの店には行かない」みたいに、オタク気質が高いだろう。もちろんこれだけじゃないけどね。いずれは「プロレスラーメン博覧会」みたいな胡散臭いイベントでもやりたい。
ヌードに関してはプロレスのポスターを著名な写真家の方に撮影してもらうつもりだったんだけど、それが世間的な荒波に揉まれているうちに「だったら脱ぐしかない!」というひじょうに短絡的な発想になったという感じかな。今やあのヌード写真をパクったイラストまで世に出回り始めているんだから、これはすごいことだと思う。
アイドルについてはAKBグループさんやももいろクローバーZさんのようなメジャー系には交渉しに行っていない。始めからこれからメジャーに行くようなアイドルを探していたんだ。それでいろんな人たちに次に誰がブレイクするかを聞いたらアップアップガールズ(仮)さん、LinQさん、しず風&絆~KIZUNA~さん、BiSさんと名前が挙がったんだよね。この4組を揃えられたことにアイドルライターさんたちからは「次に来る人たちをよく集められた。センスが良い」と褒められたよ。
この4組に共通して言えるのはメジャーに通用する古き良きインディーの香りがするということ。メジャー崩れではなく、腐ってもインディー上がりの俺たちと似ているんじゃないかな。それにアイドルランバージャック戦に新田恵利さんを用意できたこともすごく大きい。インディーの成長株がレジェンドに当たっていく構図なんてプロレスでしかあり得ない。アプガ、LinQ、しず風&絆を知らない人でもメジャーの新田さんを入れることでプロレスになるんだ。
ファンにしたら「何をやるんだろう」というクエスチョンだらけなんじゃないかな。俺らも当日のお楽しみというのもあるし、見てもらったら「そうきたか!」というギャフンと言わせる自信はある。ただ単に歌わせるだけじゃないし、これはプロレスだからね。「なんでアイドルを呼ぶの? 私、プロレスしか見ない。初日はパス」という意見もあったけど気にしてない。なぜなら初日は新しいファンを獲得することが重要だからね。
題材がアイドルであれ、俳優であれ、ロッカーであれ、やることはプロレスなんだ。渡辺哲さん、坂口憲二さんという世間を代表する役者さんがプロレスに絡むなんて、こんな話題性に溢れるものはないだろうし、哲さんはアントーニオ本多の実父で、坂口憲二さんは坂口征夫の実弟であり、“世界の荒鷲”坂口征夫さんの子息だから問題ないだろうしね。このメンバーを集めることは俺たちにしかできないし、もちろんこうしてプロレスに絡ませるなんて一回限り。
そして初日のメインを締めくくる男色ディーノvs飯伏幸太は世間に対して通用するコンテンツだし、互いのキャラクターを存分に出してもらって、混じり気のないプロレスをしてもらいたい。(この項つづく)