6月30日、東京・新木場1st RINGにて『KING of DDT TOKYO 2012』が開催された。まずはオープニングで鶴見亜門GMから、大家健売店部長の無断欠勤が報告された。第5試合をのぞく、第1~9試合までがトーナメント一回戦8試合。第1試合は6・15瑞江の再戦となるマサ高梨vs松永智充、松永がバックドロップで先制し、トミーボンバーを発射。高梨はトラースキックで逆転し、トミーボンバーをかわすと首固めへ。タカタニックはかわされたが、ランニング・レッグラリアットから雪崩式タカタニックを狙う。松永が頭突きで倍返しして、雪崩式ブレーンバスターへ。さらに松永はオースイ・スープレックス・ホールド2連発から、コーナーへのフェースバスター、さらに雪崩式バックドロップからフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールドと畳み掛ける。粘る高梨は松永のタイガードライバーの体勢をなんとか切り返し、ジャックナイフ式エビ固めに来たところを巧みに丸め込んで勝利した。
松永「くよくよしてちゃいけないね。お客さんは次の試合、次の試合って見ているから、俺も乗り遅れちゃダメだなって。でも本当に悔しい。高梨さんは強かった。甲子園球児になったつもりで、新木場の砂を持ち帰りたいぐらい、悔しいけど清々しい闘いができました」
第2試合はケニー・オメガvs佐々木大輔。ケニーと佐々木は初のシングルマッチ。ケニーは新テーマ曲で入場。グラウンドの攻防からケニーが右腕を殺しにかかる。佐々木は飛びつきフランケンシュタイナーでケニーを場外まで投げると、さらにスライディングキック。エプロンからDDTを客席目がけて発射する。リングに戻るとドロップキックを突きさし、さらにコーナーポストにケニーをぶつけた。ケニーは2度目の飛びつきフランケンシュタイナーをトップロープへの投げ捨てパワーボムに切り返し、エプロンに出されるも、ダイビング・ボディーアタックで潰す。佐々木も負けじとケニーを再び場外に出すと、トペ・スイシーダを敢行した。ケニーをリングに戻してダイビング・エルボードロップから押さえ込むがフォールは奪えない。ケニーはストップ延髄斬りで打開すると、カナディアンロッキーバスターからその場跳びシューティングスター。波動拳からクロイツラスを狙って佐々木を肩車にしたが、佐々木は高角度DDTに切り返して、トラースキック2連発からトップロープに引っ掛けてのスライディングキック。NOW OR NEVERを狙う。これをケニーがかわすも、佐々木はクロス・フェースロックに切り返す。ケニーはなんとかロープに足を伸ばした。佐々木はDDTからコーナーに登る。蘇生したケニーが佐々木を捕まえて雪崩式のAOI SHODO。高速の投げ捨てドラゴン・スープレックス2連発からクロイツ・ラスで勝負あり。
佐々木「新日本で一緒に組んで、ケニーが本当に強いってわかっていたよ。でも、シングルマッチをやったことがなくて、ずっとケニーとやりたいと思っていた。やってみたら、すんごい強くて。でも、心の底から楽しんでいる自分もいて。ケニーに絶対、飯伏さんのベルトを狙っている。いつもの100倍、力強くて。でもすごく楽しめました」
第3試合は佐藤光留vs中澤マイケル。ド変態團対決は、マイケルがコール時にタイツに右手を突っ込むと、次の瞬間にはアンダータイツが装着された状態に。アルティメット・ベノムアームを狙いだったが、光留にアンダータイツを取られて客席に投げられると、蹴って蹴って蹴られまくる。光留の串刺しラリアットを食らったマイケルだったが、2度目をラリアットで打ち返し、フットボールスピアへ。串刺しバックエルボーからダイビングショルダーで舞ったがカウント2。光留の腕を取って巨匠スラムで投げるが、これもカウント2止まり。マイケルはさらにタイツから下着を装着し、ベノムメイカーを狙うが、あっさりと腕を取られてしまうや、逆十字に固められてギブアップ。
マイケル「僕なりに用意した秘策があのダブル・ベノムメーカー、名付けて『ベノムメーカーは二度死ぬ』だったんですけど、ひかるんには通じなかった。去年の一回戦は飯伏、今年はひかるんと難敵を選んでいますけど、一回戦で勝てば優勝できるという狙いなんです。一番元気な状態で、一番強い相手を一回戦で倒して優勝しようという狙いです。だから、僕に勝ったひかるんに優勝してほしい」
第4試合はHARASHIMAvs入江茂弘。こちらは6・24後楽園の再戦となったが、ゴツゴツしたエルボーの打ち合いでスタート。これを入江が制すとさらにマウントエルボーからカバーするもカウント2。エルボーから背中を叩く入江。直後にボディースラムを浴びせるがカウント2。HARASHIMAはボディーシザースを解除して、ワキ固めを決めて逆転。お返しとばかりに背中を叩き、エルボーをブチ込む。しかし、リミッターの外れた入江はさらに鋭いエルボーでHARASHIMAをダウンさせて、WARスペシャルで絞っていった。HARASHIMAはフロント・ハイキックで入江の動きを止めると、ジョン・ウー。串刺しフロント・ハイキックから雪崩式ブレーンバスター、ファルコンアローと畳み掛ける。入江はロープに振られることを阻止して頭突き。エルボーから押さえ込むもカウント2止まり。入江はバックに回るHARASHIMAに体重を乗せて潰して3カウントを迫ったが、フォールは奪えない。HARASHIMAはミドルキックで入江をハーフダウンにさせると、そこからバズソーキックの雨あられ。さらに蒼魔刀をブチ込んだ。入江はピクリとも動かず、松井レフェリーはKO裁定を下した。入江は机に乗せられてバックステージへと運ばれた。
第5試合はアイアンマンバトルロイヤル。まずは第919代王者の趙雲子龍がリングイン。アイアンマンヘビーメタル級王座の説明が入り、タイトルの特色を解説している中でも、ニラが趙雲を押さえ込んでタイトル移動。再び趙雲がキャメルクラッチで捕獲して、タイトルが移動した。本戦になると、まったりとした試合が続く中、福田が誕期にパーフェクトスープレックスを狙う。しかし、決められなかったことで、己のツーショルダーをうまく交差させて己の首を絞めて自害。倒れた福田を誕期が押さえ込んで勝利した。誕期が「アイアンマン取ったぞ!」と勘違いして喜ぶと、ニラは「ということはアイアンマンが相撲協会に流出したってことか? それじゃ武道館大会を中止して、両国でやんなきゃいけないじゃないか」とさらに勘違いした解釈。ニラの指示で向かっていた矢野も、遠藤も誕期のチョークスラムの前になす術なし。誕期は趙雲とニラをまとめてブエノスアイレス午前零時で潰さんとしたが、間一髪で趙雲がかわして、ニラのみがペシャンコに。趙雲は直後に誕期をくるりと丸め込み、勝利。なんだかんだでタイトルの移動はなかった。