7月29日、東京・新木場1stRINGにてDDT『闘うビアガーデン2013~男色牧場クラシック公開収録~』がおこなわれた。18時過ぎにダークマッチとして福田洋vs竹下幸之介の60分アイアンマンマッチがアナウンスされる。まず竹下がダブルアーム・スープレックス・ホールドでフォールを奪うと、20分過ぎには福田がバックスライドで3カウントを奪取しイーブンに戻す。30分が経過すると延髄斬り、逆エビ固めと攻めたてた竹下がシャープシューターで福田からギブアップを奪う。40分が経過したところで福田はパーフェクトプレックスを繰り出すが決まらず。STFも決めたがロープに逃げられてしまう。残り10分で竹下は掟破りのパーフェクトプレックスを出したが、福田が意地で返して残り1分のところでパーフェクト首固めへ。これで3カウントが入ってイーブン。福田の首固めを竹下がクリアして2-2でドロー決着。2人は再戦を誓い合った。
オープニングでは男色ディーノが「今までのビアガーデンプロレスとは違って興行を丸々使ってDVD収録をおこなうんですが、ビアガーデンプロレスなのでとりあえず乾杯しましょうか」と呼びかけるとワンチューロから教わった乾杯のスペイン語「サールー!」で大会スタート。
第1牧場は「飯伏幸太のなつやすみプロレス研究」。ディーノに呼び込まれ登場した研究者の飯伏は今回の伊橋本真也vsハイパー長州アイハラのシングルマッチを「OPGでやっていたんです。そこで見て僕が衝撃を受けた」と説明。ディーノは「あなたが研究を続けたいのであれば、満足するまで試合をやってもらっていいです」と説明し、飯伏は本部席から研究することに。伊橋本は『爆勝宣言』に乗って大「ハッシモト!」コールの中、登場。アイハラも『パワーホール』に乗って、大「チョーシュー」コールの中、リングイン。クォリティー高い2人の攻防は、アイハラがリキラリアットで勝利。しかし当の研究者様が満足しないようで「続行」とアナウンス。アイハラがパワーボムでフォールを奪ったが、研究者様の研究が足りないようで「続行」のアナウンス。苦しい伊橋本はアイハラのリキラリアットをケサ斬りチョップで撃ち落とすと高角度DDTからムーンサルト・プレスへ。これには飯伏も本部席で大爆笑。重爆キックを決める伊橋本にアイハラがカウンターのリキラリアットをブチ込んでフォール勝ち。飯伏も「満足しました! 満足しました!」とニッコリ。これにて試合終了。グッタリ倒れている伊橋本を見て飯伏は「これは6、7年前とまったく同じ状況ですね」とニヤニヤ。ディーノがアイハラに「普段は何をされているんですか?」と尋ねると、アイハラは中学校教諭で担当教科が英語であることを明かし「いじめはいけません! プロレスは愛です! 今こそ愛を広げましょう!」と呼びかけ、場内からは大「アイハラ」コールが沸き起こった。
アイハラ退場後、ディーノが飯伏に最近の中澤マイケルについて質問すると「最近ヒドくなってきましたね」。ディーノも「中澤さんはクズなのでリング上で根性を叩き直したほうがいい」と提案し、当の本人を呼び込む。ディーノから「根性を飯伏さんに叩き直してもらう」と告げられたマイケルは「嫌です。公式な試合じゃないんでしょ。ちゃんとした試合で会社が命令するなら嫌々やらないわけじゃないけど、痛い目に遭うのもわかってるじゃないですか。負けるの嫌いなんですよ」と拒否。それでも「試合はお金をいただいているんでやります」と言うマイケルはディーノから対戦相手を選んでいいと言われ「こう見えても僕だってプロの端くれですから。じゃあ…練習生で」と要求。リングサイドに揃った練習を見たマイケルは「一番ちっちゃいし勝てそうかな。俺が稽古つけてやるからさ」と練習生の勝俣瞬馬を指名。ディーノに「自信は?」と振られた勝俣練習生は「ちょっと」と言うのだった。
こうして始まった第2牧場のマイケルvs勝俣のエキシビションマッチ。マイケルの厳しい攻めに根を上げない勝俣練習生はカウンターのドロップキックからドロップキック連打でようやくマイケルを倒してみせる。カウント2で返したマイケルがブレーンバスターへ。カウント2でクリアした勝俣だったが続く逆片エビ固めにはギブアップするしかなった。場内はブーイング。客席から「男気ないぞ!」と野次られたマイケルは「そう。だってクズだから。勝俣、ちょっと自信あるって? いいよな若いヤツは自信があって、夢もあるんだろうな。俺はクズだよ。プロレスに夢なんて持ってねえよ。惰性でやってますよ。でも俺に夢がなくてもDDTには夢がある。DDTはお客さんに夢を与えている。そして飯伏さんやケニーやひかるんみたいな夢をたくさん与えられるヤツらに俺は必死にぶら下がってんだよ! ぶら下がって、ぶら下がって、コバンザメして。それでもこの8年間、DDTで生きてんだよ。今のDDTが両国だったり武道館だったり、ちょっと有名になったからって入団テストもなしで入ったとしてもそんな軽い気持ちでやっているヤツらに、5年経とうが10年経とうが俺は負ける気しねえよ」と言って退場。勝俣練習生「…ものすごく強かったです」ディーノ「中澤さんはクズだけど言ってることはわかんの。必死にぶら下がろうとしてんの! オマエはやれんのか!?」勝俣「やります!」ディーノ「やれんのか!?」勝俣「やります!」するとディーノが素早くディープキス。さらにほかの練習生を並べて「やれんのか!?」と意思確認。ディーノ「フード売れんのか!?」練習生「売れます!」ディーノ「売って来い!」勝俣練習生も「「いつか絶対中澤さんに勝ちます!」とアピールするとディーノからディープキスを食らってしまった。
第3牧場は「キング・オブ・パンストシスト2013」。ディーノは「今から時間差で登場する男たちはパンティーストッキングに異常なこだわりを持ち、それをプロレスで表現しようとする不器用で熱い物語です」と説明。ロイヤルランブル形式に加えて松井レフェリーの厳正なフィッティングチェックを通過しなければリングに上がれない厳格なもの。まず第1入場者のヤス・ウラノがパンストを頭まで被って登場するも松井レフェリーは「パンストなめてんだろ! 1回でも控室で見たのか? 見てるわけねえよな! なんでパンストの上にバンダナ付けてんだよ! 0点! 帰れ!」と採点付きでリングに上げさせない。続いて登場した松永智充もパンストを顔まで被っている。「おい、一回被って下げて、上げてこれぐらいのおもしろい顔だったらいいだろって思ってんだろ!? パンストはそんなもんじゃねえんだよ! リスペクトのかけらもねえよ。帰れ! 3点!」(松井)。3番手のマサ高梨も同上。「まあまあおもしろいよ。まあまあおもしろいと自分で満足してるよな。まあまあ他団体で必要とされて、まあまあ頑張って去年一回ベルト巻いて、それで満足してんじゃねえのか? オマエはもっとできる子だろ! 帰れ! 15点!」(松井)。4番手の佐々木大輔も同上。「さ~さ~き~。プロレスって何だ!? プロレスっていうのはすべてをさらけだすものなんだよ。苦しい顔も嬉しい顔も全部見てもらうことなんだよ。なんで髪で隠してんだよ! もっとできると思ったけどガッカリしたよ。帰れ! 0点!」(松井)。5番手の大石はパンストを顔まで被った上にショートタイツの下は網タイツ。「まこりん~。こっち(パンスト)はいいよ! これ(網タイツ)はなんだ!? これはなんなんだ! こっち(パンスト)があまりこなかった時の保険だよな~。保険かけちゃったんだ。これ(パンスト)もこれ(網タイツ)もダメだったらケツでも出すのか? そうやって保険かけて生きていきたんだ。もうちょっと一つに懸けるハングリーさが欲しかったけどな。フリーの時はあったんじゃないのか!? もう一回フリーでやり直すか!? 帰れ! 8点!」6番手の高尾はかなり変顔状態でのパンスト被りに成功。これには松井レフェリーも「顔は良くて若くてかいっ」と噛んだ上、メンチを切りだす高尾と視線を合わせることができず「俺はオマエをそんな子に育てた覚えはない! 帰れ! 45点!」とリングには上げなかった高得点を与えた。「次!」という松井レフェリーに井上マイクリングアナは「もういないんですけど…」松井は「こんなヤツらの試合を裁くために俺を呼んだんですか。どいつもこいつもパンストなめやがって! パンストはそんなもんじゃねえんだよ! パンストは宇宙なんだよ! 無限なんだよ! わかってんのか! 俺がこれを裁く? フザけんじゃねえ! 失望しました。帰らせていただきます! さようなら!」とまくし立てて引き揚げてしまう。レフェリー不在の状況になるとパンストを被った皆さんがリングに上がる。大石「俺たちさ、間違っていたよな、松井さんにあんな期待させちゃって…。パンスト被ればいいと思っていた」ヤス「そんなこと言ったって、松井さんいねえじゃねえか」佐々木「オマエら悔しくねえのかよ!?」高梨「く…悔しいです! でもやるしかねえじゃん。木曽、悔しくねえのかよ!」木曽レフェリーがリングに駆けつけると高梨は「俺らで熱い試合をして、いつか松井さんに認められるように頑張ろうじゃねえか」と呼びかけ、試合はヤス&松永&高梨vs大石&佐々木&高尾のエキシビション6人タッグマッチに変更されてスタート。パンストを被った6人が熱く激しい試合を繰り広げる。しかし大石が松永を蹴飛ばした際に木曽レフェリーに接触、さらに佐々木が振るった金タライが木曽レフェリーに激突し、完全に伸びてしまった。高尾が松永にボマイェを決めて大石がテキサス・クローバー・ホールドで絞めあげると、松永がバンバンとキャンバスを叩いてギブアップしたが確認しなければならない木曽レフェリーはダウンしたまま。すると場内から「マツイ」コールが自然発生。するとパンストを被った面白顔の松井レフェリーが花道に登場。大石がミラクルエクスタシーを松永に決めると、ドヤ顔で松井レフェリーがリングインせんとするが、その背後に現れたのがパンストを被った和田京平レフェリー。京平レフェリーは松井レフェリーをメガホンで一撃すると、リングインして3カウントを入れた。京平レフェリーが手を取り6人が腕を上げて大団円。松井レフェリーのみ、ガックリ肩を落として引き揚げた。
メインイベントの第4牧場は「2年間のプロレス人生で笑顔を失ってしまった先日20歳になったばかりの世Ⅳ虎の笑顔を取り戻す」試合。登場した世Ⅳ虎がマイクを取る。世Ⅳ虎「全然意味わかんないんだけど。笑うって何? ウチはダーリン(飯伏)に会いにきたわけ!」ディーノ「そのダーリンも笑顔が素敵な人が好きなんじゃないかな。なんでそんなに怒るのよ」世Ⅳ虎「生まれた時からこういう顔なんだよ!」ディーノ「今から先生を呼んでいるので、アナタの笑顔を取り戻させてあげる」世Ⅳ虎「ぜってー笑わねえからな」ディーノが呼んだ“先生”が『リアルアメリカン』に乗ってアントン似のハルク・ホーガンが登場。まずタンクトップを破るとお腹にかわいらしいひよこの絵が。これに世Ⅳ虎は笑わない。ディーノに腕を決められると苦しいホーガンは腹芸でひよこを動かす。世Ⅳ虎は笑わず。ホーガンは逆水平チョップと見せかけてポーズ。世Ⅳ虎は笑わず。ロープワークから寝そべったディーノにホーガンがつまづいてしまうと世Ⅳ虎は吹き出しそうになるがセーフ。さらにロープワークと見せかけて2人でグラビアポーズ。これも世Ⅳ虎はギリギリで笑わなかった。リング下に出たディーノを見るとホーガンが場外ダイブを狙うがキャンバスの中央で転んでしまう。世Ⅳ虎は笑わない。ホーガンは売店のきゅうりを手にしてリングに戻ると一発芸を次々と披露するがすべて撃沈。ならばとお腹に描かれたひよこにとさかと肉ぜんを描き足して「コケコッコー!」と鶏のモノマネ。これにも笑わなかった世Ⅳ虎だが、ホーガンのバンダナが取れただけで笑いそうになったが、これは松井レフェリーが確認できず。ここで顔面パンスト軍団も現れリングサイドを囲んでホーガンを応援。ビッグブーツが決まると大喜びしていたが、レッグドロップは全員でカットに入ってホーガンを取り囲みボコボコに。しばらくしてパンスト軍団がホーガンの元を離れると、ホーガンはいつの間にやら網タイツを着用していた。世Ⅳ虎以外の男子レスラーに松井レフェリーまで加わって整列するとラインダンス。しかし口ずさんだ曲が『故郷』。やっぱり世Ⅳ虎を笑わせることができず「もう(ネタが)ない」と慌てるディーノ。するとホーガンはバンダナを外し、ヘアバンドを付けると「ヒッピー!」。これに世Ⅳ虎が笑ってしまって試合終了となった。ディーノは「世Ⅳ虎先輩の笑顔を取り戻せたことはここだけの秘密にしておきましょう! こうやってめでたく世Ⅳ虎先輩に笑顔が戻って良かったです。こういった感じでDVD収録終了しました!」とアナウンス。ビアガーデン2日目も大盛況で幕を閉じた。