29日、東京・後楽園ホールにて「Sweet Dreams!2017」がおこなわれた。まずはキング・オブ・ダーク選手権試合から(第18代王者の島谷常寛は伊橋剛太を相手に10度目の防衛戦)。鶴見亜門GMがベルトを確認させようとすると、足蹴にした伊橋。自分への歓声が少ないこともあり、自ら「伊橋」と名前を呼んだ伊橋はロープに飛ぶ。伏せた島谷に対し、側転からアームドラッグで投げていった伊橋。エルボーで向かっていく島谷だが、伊橋は張り手一発でなぎ倒す。しかし伊橋のミドルキックをかわした島谷はドロップキック2連発。ロープに飛んだ伊橋だが、島谷はカウンターのドロップキックを叩き込むと、伊橋の串刺し攻撃をかわしてダイビング・クロスボディー。伊橋もロープに飛んだ島谷を追走して体当たりするとレッグラリアットからコーナーへ。立ち上がった島谷はコーナーに飛び乗って雪崩式アームドラッグで投げると、もう一度ダイビング・クロスボディー。これをかわした伊橋は着地した島谷にラリアットを叩き込むとムーンサルトプレス。これをかわして自爆させた島谷はラ・マヒストラル。カウント2で辛くも返した伊橋は、走り込んできた島谷にカウンターでランニング・クロスボディーを決めて3カウント。この結果、島谷は10回目の防衛に成功。
リングに上がった亜門GMから「そのベルト持っている限りは新体制になるDNA出ないって豪語したんだから、もうちょっと頑張らなきゃダメだろ」と叱咤された島谷は「伊橋さん如きに負けてしまって本当に悔しいです。この悔しさを2月から新体制になるDNAにぶつけます!」と言い出す。しかしGMは「お前、なかったことにしようとしてない? 男に二言はないからな」と一喝すると、2・4大阪大会には連れて行かないので、次は2・12練馬大会で防衛線を組むと告げる。なおもリングに居残ろうとする島谷に「捌けろ! お前、一緒に前説するのか!」と追い出したGMは、まずNωAのTシャツやDVD、ハンドタオル(今治タオル)などの新グッズを紹介。続いて2・4大阪大会に現アイアンマン王者の越前屋俵太さんの来場が決定したことと、6月の大会スケジュールを発表したあと、3・20さいたまスーパーアリーナ大会のメインイベントがグッドコムアセットpresentsとして行われ、勝者に200万円が送られるという。また同大会ではセキチューpresentsハードコアマッチが行われることになり、試合で使われるアイテムはセキチューがすべて提供。カードが決定次第、選手自ら店舗に行ってアイテムを選んでくるという。また昨年のDDT総選挙ユニット部門1位になったDAMNATIONが、4月14日に新宿FACEで主催興行『DAMNATION不法集会』を開催することが決定。ファンクラブ向けのイベントのアナウンスのあと、5月13日に北千住シアター1010でFC限定興行を開催することも発表された。そしてDDT独自の動画配信サービス『DDT UNIVERSE』に関して、GMは「本日の大会は記念すべきDDT UNIVERSE初の生中継の大会となっています」と言ってから、オープニングの対戦カードが流れたあと、NωAの歌が流れるまでの間、客席を撮すので最高に盛り上がってくださいとお願い。「全世界に中継されるので、世界中の人にDDTのファンは最高なんだというところを見せてください!」とGMに言われ、試しに練習することになった観客はパンフやチラシを掲げて歓声をあげるが、GMは「全然ダメ! 皆さん、素人じゃないんだから!」と痛烈なダメ出し。もう一度練習した結果、GMは「OK! 本番はその倍の声を出してください」と言ってから大会スタート。
第1試合は高木三四郎&大鷲透&平田一喜&赤井沙希vsアントーニオ本多&ワンチューロ&勝俣瞬馬&MAOの8人タッグマッチ。NωAが本日よりCD販売された新曲『Going my ωay』を熱唱。試合はリング中央に置かれた公認凶器のメガネを取り合う上にルチャ・リブレルール。アントンが赤井に吊り天井。これにが敵味方関係なくアントンをボコボコに。これによっていぼ痔になってしまったアントンだが、ギブアップする前に昨日徹夜で考えてきた昔話をDDT UNIVERSE配信用にワンチューロの英語との同時通訳で披露。お話は『赤ずきんちゃん』だったが、お婆さんの目が充血しているのは「FC動画を見過ぎたため」、口が大きいのは「お前の恵方巻を加え込むためさ」とあまりにふさわしくない内容にワンチューロが「言っちゃダメですよ!」と注意。アントンがキツネ手でサミングして全員を場外に送り出す。リングに残っていた大鷲とともにケブラーダにトライするが脚を滑らせて失敗。試合は高木がワンチューロにスピコリドライバーを狙うも、平田がしゃしゃり出て「今日UNIVERSE生中継です。全世界に僕を届けます!」と訴えるが、大鷲も「僕も!」と手を差し伸べたが、高木がタッチしたのは平田のほう。ワンチューロがドロップキックで逆転するが、メガネがないと意味がない。メガネを装着するも平田が手刀無双を敵味方関係なく打ち込む。平田が懸けんとするがMAOが手刀。しかし介錯せんとされた平田だが手刀砲で跳ね返してしまうと、メガネを装着してあの曲が流れる。踊り切ったところで勝俣が背後からメガネを奪って装着して丸め込んで勝負あり。
第2試合は坂口征夫&高梨将弘vs樋口和貞&岩崎孝樹vs彰人&松永智充の3WAYタッグマッチ。坂口と彰人はKO-Dタッグの、酒呑童子とDNAはKO-D6人タッグのそれぞれ前哨戦。場外戦を経てリング内では樋口のチョップと沙家具とのミドルキックの打ち合い。坂口がジャンピングミドル。彰人は入って樋口と坂口に連結式ドラゴンスクリューでぶん回す。坂口が高梨のアシストから串刺しニー。高梨のタカタニックは松永がラリアットでカット。樋口にはバックドロップで投げるも坂口がPKでカット。高梨がチンクラッシャーから坂口がジャンピングミドル。神の右膝は岩崎が回避。彰人がキャッチしてキン肉大移動式の足横須賀。混戦から樋口のノド輪と岩崎のバックドロップの合体技が高梨に炸裂。しかしカウント2。岩崎がドラゴン・スープレックスを狙ったが、これを高梨がかわしてバッカスで技ありの3カウント。
【試合後のコメント】
岩崎 申し訳なかった、カズ。油断してたな。
樋口 まあ仕方ない。結局は2月4日だから! 火点いたでしょ、これで。大丈夫、大丈夫。今日は仕方ない。2月4日に勝てばいい。
岩崎 あー、ちくしょー。次、2月4日。
樋口 大阪で俺たちがしっかり防衛すれば大丈夫だから。
岩崎 まずここ。次、勝たないと意味がないから。次、勝たないと。
樋口 火、点けられた? 火、点けられたでしょ。
岩崎 俺たちが勝って世代交代してやる!
樋口 俺たちの勢いが本物のっていうのを、いま俺たちの勢いが本物っていうのを見せつけてやりたいと思います。
岩崎 次、酒呑童子に勝って、その先のユニットにも勝って行って世代交代だ!
樋口 去年、この6人タッグに関しては結構悔しい思いをしたんでね、その雪辱を晴らすためにも大阪で酒呑童子相手に防衛して、俺たちDNAが本当に勢いがあるところを見せたいと思います。
岩崎 すまんな、カズ。
樋口 大丈夫! 次、勝とう!
岩崎 よし! 次、がっちりいこう!(樋口と握手)
――2・4大阪大会で6人タッグベルトに挑戦が決まっているので、今日、樋口&岩崎とは前哨戦となりましたが。
高梨 ああ前哨戦。あいつら何て言ってんだ?
――今日は負けてしまったが、大阪で勝てばいいと。
高梨 本当、ありきたりなコメントじゃねえかよ! なあ? あいつ、このタイトルマッチを盛り上げようとか、ちょっとでも考えているのかよ! それよりもよ、あいつらは自分たちの大会、DNAの新宿大会を盛り上げることでいっぱいいっぱいなんじゃねぇか? だったら俺らが噛みついてよ、このタイトルマッチ盛り上げてやって、そしてあいつらの負担になっているあのベルトを獲って、あいつらの負担をちょっとでも減らしてやるよ! なあ坂口、大丈夫か足?
坂口 大丈夫っす。そんなもんだよね、あいつらは。藤波LEONAぐらいにしか噛みつけないでしょ。やっときゃいいじゃん。それよりもな、彰人! 12日の練馬、許さねぇからな! おめーもぶっ壊してやる! 覚悟しておけよ! 以上だ!
第3試合は高尾蒼馬&渡瀬瑞基vs遠藤哲哉&マッド・ポーリーのタッグマッチ。渡瀬がローンバトルを強いられる。ポーリーのフルネルソンはロープに逃げた渡瀬。遠藤の逆水平やエルボー、ストンピングを食らってもブレーンバスターは堪えて逆に投げ返して高尾とタッチ。高尾が一気呵成に攻める。遠藤の背中にダイビング・フットスタンプ。コーナーのポーリーにドロップキックを放ち、さらに遠藤にその場スイングDDTから背中に再度ダイビング・フットスタンプ。遠藤はハンドスプリング・ニールキックで逆転。ポーリーが出てくると高尾が低空ドロップキック連打で渡瀬とタッチ。渡瀬がニードロップで続く。ツープラトン・ブレーンバスターで投げ切ると渡瀬がバックドロップを仕掛ける。堪えたポーリーがルーテーズプレスで反撃。遠藤が四つん這いのポーリーの背中からムーンサルト・プレス。ポーリーが続いてボディープレス。これは高尾がカット。遠藤は高尾を場外に出してブエロデアギラ。ポーリーは向かってきた渡瀬にカウンターのラリアット。カウント2で返されるとポーリーバスターでフォール勝ち。
試合後、リングに上がった亜門GMが引き上げようとする高尾を呼び戻す。チームドリフ解散後に最初に行動を起こし、結果を出したのも高尾だが、世界ジュニア王座陥落後はなかなか結果を残せていない高尾に対し、GMは「自分としてはもっとタイトル戦線に絡んでもらいたいと思っている。どうだろう、どこかユニットに所属しようみたいな気持ちはないかな?」と尋ねる。思い詰めた表情の高尾は「世界ジュニアのベルトを落として、何か次の目標がないというのが正直ありました。その中で何か動き出さないといけないっていうのは分かっています。でもまだいろいろ悩んでいる部分があるのが本音です。でも次に行くために答えは決めないといけないと思っているので、また近々答えを出すのでよろしくお願いします」と答えると、最後に力強く「頑張ります!」と言ってから四方に一礼してリングを降りた。
第4試合は男色ディーノ&大石真翔vs高山善廣&ディック東郷のタッグマッチ。ディーノと高山は2・4大阪の前哨戦。ディーノは西側客席から登場し、高山を挑発しながら男性客を狩っていく。大石は東郷、ディーノは高山に襲い掛かって試合スタート。高山は脱兎のごとく南側客席まで逃走。リングに戻った東郷は大石に攻め込んでいく。高山も出てきて攻め込まれた大石だったが、東郷がロープに飛んだところをディーノがキャッチ。その間に大石は自陣コーナーに逃げ、ディーノが男色殺法で襲い掛かる。大石のカンパーナにディーノが股間を突き出し、さらに大石のリバース・パロスペシャルにディーノが刷り上げプッシュアップでケツを東郷の顔面に突き出していく。髙山はコーナーから「頑張れ!」としか応援できない。ディーノがナイトメア。大石がライオンサルトを合わせて、さらにディーノがバーミアンスタンプ。これはカウント2。東郷は大石にパワースラム。替わった高山が串刺しニーからダブルアーム・スープレックス。高山がジャーマンを狙ったところでディーノがバックを取ってケツを掘ってカット。東郷が出てきてオクラホマロールからクロスフェース。高山がカットを阻もうとするが、ディーノのに見つめられただけでリングを降りてしまう。ディーノと大石は東郷に3D。ディーノがコーナーで尻出しセット。大石に投げられんとした東郷が切り返してペディグリーを狙うも、大石がショルダーリバースして東郷を地獄門に。高山にディーノがリップロックを狙う。拒否した反動でリップロックは東郷へ。ディーノは髙山にかんぬき式リップロック。高山が完全にダウン。大石とディーノが高山に男色地獄車で完全にのしてしまうも、漢タイツを着用した東郷が大石にラリアット。ディーノにはペディグリー。大石にはファイト一発から男色ペディグリー。最後はダイビング・セントーンを投下してフォールを奪った。
マイクを持ったディーノは「ご覧の通り、プロレスラーの8割はゲイだということが証明されました! 全世界の皆様、こんにちは。男色ディーノです」と豪語すると、「今日はまだ高山のよっちゃん、照れていたけど分かるでしょ。厳密に言うと7割五分よね、カミングアウトしたの。ほとんど8割よ。でも今度の大阪で高山のよっちゃんとシングルが組まれているんだけど、任せてください。そのリング上では100%がゲイだということを証明しましょう。よっちゃんはもうね、ゲストとして迎えなくていいですよね。ということは! DDTに上がった以上、このDDTの門番、ゲイリー男色ディーノがよっちゃんを葬ってやるわ。なぜなら! この私がDDTがDDTであることを司る男色……ディーノだから」と言い放って、気持ちよく引き上げようする。だが、そこにGMがやってきて「盛り上がっているところ悪いんだけど、例の件どうなった?」と、3・20さいたまSA大会の対戦相手について尋ねる。ディーノは「誰にモノ言ってるの? もう決めてますよ。ただね、誰とヤルじゃなくてナニをヤルかだと思うの」と言ってから、世界一ヤバイ選手権としてジョーイ・ライアンとシングルマッチをおこなうと発表。宿泊費・交通費込みの50万円は「DDT20周年のエンターテインメント性の意気を結集した演出」をするために使うと宣言したディーノは、ド派手はジャージを着たスーパー・ササダンゴ・マシンを呼び込む。ササダンゴ・マシンには試合前に普段のと違い、世界に通じる“インターナショナルパワポ”をやってほしいと要求。これからのDDTは世界に発信していかないといけないので、さらに日本語だけではなく、英語・北京語・スペイン語の実況席を設けるという。また、動画配信に伴い音楽に依存しない内容、それでいて万が一危険なシーンが出た場合は、高木大社長のセクシーポーズの写真でフタをすると発表。世界一ヤバイ決定戦とはいえ、万全の体制を整えるという。最後にGMから「改めて締めていただいていいですか? もう1回お願いします。全く同じで」とリクエストされたディーノは、渋々「なぜなら! この私がDDTがDDTであるための、DDTが何たるかを司る! 男色……ディーノだから」と叫んで締めくくった。
【試合後のコメント】
――まず高山選手とのシングルが大阪で決まりましたが、100%ゲイであると……。
ディーノ まあまあまあ、あとは証明するだけだから。もう……何て言うんだろうな。不思議なもので、リング上というのはカミングアウトしやすいんだろうね。今日図らずもディック東郷がカミングアウトしたかのように、よっちゃんもすることになるのかなぁ。エベレストジャーマン…エロい名前だと思っていたんですよ。何か股間を強調しやがって、っていうのはあって、ちょっとずつカミングアウトしたいキーワードは出していたんだと思うんですよ。これを機に、やっぱり私の使命だと思うんですね。なので、ちゃんと証明します。
――そして3・20さいたまスーパーアリーナではジョーイ・ライアン選手と世界一ヤバイ決定戦と。ライアン選手との対戦を決めた決め手は?
ディーノ シンプルにヤバイ奴だからよ。で、ジョーイの何がヤバイって、私との攻防、私への対策で使い始めたチ●コ投げが…私、本当にびっくりしたのが、次にジョーイが来日したとき、私が(チ●コ投げを)かけられているTシャツを売ってたこと。あ、この人には肖像権も何もないんだっていうのを思ったときに、DDT UNIVERSE向けだなって思いまして。まあヤバイ奴なんですよ、あいつは(苦笑)。なので世界一ヤバイ決定戦をここで…まあジョーイとも白黒つけないといけないから。言うても。そこに、まあ試合は試合でヤバイ決定戦としてやるんだけど、DDTの20周年なんだったらそこに合わせて、私に与えられた50万を…何て言うんだろうな。結局、なんだかんだ言って面白いことすればいいんでしょ! 面白い試合すればいいんでしょ! まあ面白いっていうのは笑えるとかそういう話じゃなくて、見ている人がいろんなものを持ち帰るものがあればいいんでしょ? やってやりますよ! そのために50万使う、そりゃ対戦相手に使うのもいいでしょうよ。そうじゃない使い方があったっていいでしょうよ。私はDDTのいままでの20周年のものをブチ込もうと、そう決意した次第であります! DDTを司る男色ディーノです、どうぞよろしく。
――その前、来月の後楽園でコルト・カバナとのシングルも発表されましたが。
ディーノ なにーーーっ!(苦笑)なにーーーっ!(苦笑)すごいね。あ、そんなの本人に言わずに発表するんだ。すげーなDDT。あ、分かりました。これも世界戦略ですよ。やってやりますよ! コルト・カバナもカミングアウトしていただくことにしましょう。はい、頑張ります!
第5試合は世界ジュニアヘビー級選手権試合。第42代王者の石井慧介はヤス・ウラノを相手に2度目の防衛戦。まずは亜門GMによる選手権宣言。ゴングが鳴らされると腕の取り合い。バックの取り合いから石井がサーフボード。石井がアームホイップから腕を取っていく。石井のヘッドシザースをウラノが倒立で抜け出そうとしたが、石井はウラノを掴んで頭から落としていく。ウラノは石井を場外に出すと、戻ってきたところでローブロー。さらに変形のフェースロックでペースを握っていく。ウラノの丸め込み連発はカウント2。ウラノはニードロップから首4の字。石井はロープエスケープ。石井は串刺し攻撃を回避してネックブリーカードロップ。ウラノも足を取って逆エビ固めを決めていく。ロープに逃げた石井をサードロープを使ってノド元を攻撃していく。エプロンに出た石井はヘッドシザースで場外に出して、エプロンに戻ってきたウラノにリバース・ネックブリーカードロップで叩きつける。リングに戻すと顔面ニー。これはカウント2。バックエルボーからのダブルニー、さらにネックブリーカーはカウント2。石井はエクスプロイダーニーからニールキック狙い。ウラノはエクスプロイダーで切り返して延髄斬り。石井のダブルアームを堪えたウラノが4の字ジャックナイフ。これはカウント2。ウラノがここでヘッドロック。石井の首固めもウラノが切り返す。石井は突っ込んできたウラノにニー。投げ捨てタイガースープレックスはカウント2。ならばとニールキックを振りぬいて勝負あり。試合後は石井が手を差し伸べ、ウラノがそれに応じる。ウラノは深々と頭を下げて引き揚げた。
【試合後のコメント】
ウラノ 悔いはないっすね。石井というのは自分がDDT所属(する前)…フリーとして参戦していたときから知っている選手で、本当にプロレスをスタートする時点から自分は知っていたので。その選手にずっと負けっ放し。石井は全日本プロレスのベルトを獲るまでになって、自分は変わらず。今日もそうですけど、前哨戦も含めて自分の思う通りに試合が出来なかったかというと、そんなことはなくて。自分の思うような試合が出来て、石井慧介にすべて上を行かれたっていう感覚があって。まあ石井慧介に負けたんで、もう悔いはないかなって……。ベルトに挑戦すること自体が久しぶりで、今回負けたらもう次はないという覚悟で挑んだつもりだったんですが。もうこれで一線を引こうかなっていう気持ちもあったんですけど、自分が思っている以上にファンの人が、自分が勝つと思って…勝ってほしいと思っている人たちがいたんで、何か情けない話ですけど、まだまだ諦めちゃいけないんだなっていう。自分はもう半ば諦めているような気持ちはあったんですけど、まだ諦めない人たちがいるんで。40歳にもなって後輩にタイトルマッチで完敗して、こんなこと言えるかどうか分からないですけど、今日からが新しいスタートだと思って。ずいぶん後輩にも差を付けられちゃったけど、ここからまた這い上がって…またって言い方も一度もトップを取ったことがないので、ここから、ゼロから。登った山がいままで小さいんで、ここからまたスタートして高い山に登っていきたいと思います。
石井 まあ今日、個人的には会心の防衛が出来たというか、挑戦者のウラノさんは新弟子時代から結構お世話になって。練習を教わったりしてきて。その人を挑戦者に従えて、防衛出来て、また1個自信がつきました。これで2月の全日本のジュニアリーグ戦にチャンピオンとして出ると思うので、チャンピオンに恥じない闘いをして結果を残してきます。
――チャンピオンとしてリーグ戦に出るということですが、注意する点や気になる選手は?
石井 まずは自分自身、いつも自分の試合を見て反省点だらけで。まず自分のその反省点を直しつつ。で、僕のAブロック、田中稔さんはシングルで当たったことないんですけど、実績がすごくある人なので。でもチャンピオンとして、そこは意地で負けられないですね。で岩本(煌史)選手は初対決ですし、青木(篤志)選手と竹田(誠志)選手には1回シングルやって負けているんでね。自分、リーグ戦(のAブロックに出ている)どの人にも勝ったことないんですよ。だから注意するところは全てです。
――そういう実績のある選手と対戦する前に、ウラノ選手という実績のある選手に勝てたことは大きな自信になりますか。
石井 そうですね。すごい今日、ニールキックも会心の当たりだったし、昔の武器も磨いてますし、新たに武器が増えることもありますし。その辺が最近自信につながって、いい結果に結び付いているのかなって。あとはもう今年に懸けているんで。本当に絶好調がまだまだ続いていますね。
試合後、スクリーンにてコルト・カバナの2月大会参戦が発表された。カバナの対戦カードは以下の通り。2・12練馬=竹下幸之介vsMAOvsコルト・カバナ、野郎Z2・14新木場=アントーニオ本多vsコルト・カバナ、2・19後楽園=男色ディーノvsコルト・カバナ。
セミファイナルはKUDOvs竹下幸之介のKO-D無差別級王座挑戦決定トーナメント決勝戦。序盤、KUDOが手四つを仕掛けるも、油断した竹下にスピンキック。突っ伏す竹下をカバーするもカウント2。場外に逃げた竹下にKUDOはトぺ・スイシーダを放つ。場外でのミドルキックからリングに戻したKUDOはその後もキックを連打。竹下は逆水平でやり返していく。ロープに飛ぼうとしたKUDOのバックを取った竹下が投げ捨てジャーマン。KUDOはヒザで着地してしまってダメージ。竹下は拷問フェースロック。KUDOはエスケープ。トップロープに引っ掛けての引っこ抜きDDTから肩口へのエルボースタッブ連打からカバー。これはカウント2。エルボーの打ち合いから竹下がゼロ戦キック。これはカウント2。続いてスタイナーリクライナーを仕掛け、さらに胴絞めのスリーパーへ。KUDOはなんとかエスケープする。KUDOのエルボーに竹下は強烈な一発。KUDOも8×4で巻き返してトップロープ越えのダブルニー。これはカウント2。KUDOはさらに8×4からダイビング・ダブルニーアタックへ。KUDOがカウント2で返して10分経過。バズソーキックをかわした竹下がブルーサンダー。カウント2で返したKUDOは竹下をロープに絡ませてマチュピチュ。ここからカバーするもカウント2。KUDOは背中へのダイビング・ダブルニーを投下するがかわされて自爆。竹下は串刺しビッグブーツから垂直落下式ブレーンバスターに持ち込むがカウント2。竹下は延髄斬りをかわしてラリアット。これもカウント2止まり。ジャーマンはKUDOはかわしてサムソンクラッチ。カウント2で返されると腕を取っての逆上がりから逆さ押さえ込み。カウント2で返されるとバズソーキック。コーナーに登るも竹下が蘇生して最上段でキャッチ。KUDOはヒザで黙らせて地獄の断頭台! ここからのカバーはカウント2。ダイビング・ダブルニードロップを竹下が剣山で返す。両者ダメージが残ってダブルダウン。両者はエルボーの打ち合い。竹下はエルボーから逆水平からケサ斬りチョップ連打、ローリングのケサ斬りチョップから投げ捨てドラゴン・スープレックスへ。コーナーに登る竹下をKUDOが止めてなんと場外地獄の断頭台! 場外で大の字の竹下にKUDOはリング内からトップロープ越えのダブルニードロップを投下。リングに戻した竹下にKUDOは四つん這いの背中へダイビング・ダブルニードロップ。しかしカウント2止まり。KUDOはここでバックスピンキック。コーナーに登ってダイビング・ダブルニー。キャッチした竹下がターンバックル・パワーボム。KUDOがステップ延髄を決めれば、竹下がビッグブーツで返し、KUDOのバックスピンキックを竹下がブロックしてユルゲンラリアットからファルコンアローへ。カウント2で返されるとジャーマンでぶっこ抜いてさいたまSAメインの王座挑戦権を掴んだ。試合後、竹下はKUDOに正座して一礼。KUDOは握手をかわし、何やら話しかけて引き揚げた。
メインイベントはKO-D無差別級選手権試合。第60代王者のHARASHIMAは佐々木大輔を相手に3度目の防衛戦。HARASHIMAがリングインして紙テープが投げ込まれる中を佐々木が狙いすましたようにダイビング・ラリアット。ここでゴングが鳴らされる。佐々木は紙テープを使ってチョーク攻撃。HARASHIMAは怒りのミドルキック。佐々木は場外エスケープする。佐々木がリングインするなり襲い掛かるHARASHIMA。串刺しフロントハイキックを佐々木がかわしてコーナーに固定して、足元を低空ドロップキックで射貫く。さらにエプロンのHARASHIMAの脚をエプロンサイドに叩きつけ、客席へと投げ込んでいく。HARASHIMAもエルボーでやり返すがミドルキックはかわされて鉄柱へと自爆。リングに戻った佐々木はコーナーポストの紐を緩める。遠藤が松井レフェリーの目を盗んで外してしまうと、佐々木は金具むき出しのコーナーにヒザを叩きつけていった。5分経過、佐々木はヒザを集中砲火。さらにエプロンに出てロープを挟んでのドラゴンスクリュー。裏4の字固めはHARASHIMAがエスケープ。佐々木はHARASHIMAのヒザを徹底的に痛めつける。HARASHIMAは佐々木をコーナー2段目にセットしてフットスタンプで突き刺してようやく反撃。雪崩式ブレーンバスターからグリップを外さずにファルコンアロー。しかしカウント2止まり。HARASHIMAはミドルキック3連打。山折りは佐々木が着地してヒザ十字へ。HARASHIMAは踏みつけで解除。ボディースラムからスワンダイブ式ボディープレスは佐々木がかわして低空ドロップキックからDDT。コーナーに登る佐々木をHARASHIMAが前蹴りで止めて雪崩式を仕掛ける。佐々木がエルボーで抵抗。エプロンに出て顔面蹴りからなんと雪崩式の場外ブレーンバスターを敢行。場内は騒然。佐々木はHARASHIMAをイスに座らせるとコーナーからスーパーダイブエルボーへ。佐々木がHARASHIMAをリングに戻してカバー。カウント2で返したところでクロスフェースへ。HARASHIMAがロープに逃げる。HARASHIMAはベトドラⅡを踏ん張ってリバース・フランケンから蒼魔刀。しかしかわされてコーナーポストなしのコーナーへ突っ込んでしまう。佐々木がコーナーに足を引っかけてのエビ固めは松井レフェリーが気づいてカウントを止める。佐々木に詰め寄る松井レフェリーだが、HARASHIMAのキックはかわされて松井レフェリーに誤爆。松井レフェリーがダウンする隙に佐々木がローブロー。カバーすると蘇生した松井レフェリーがカウントを取るが2まで。HARASHIMAはベトドラⅡ狙いをショルダースルーしてトラースキック。佐々木はHARASHIMAをトラースキックで止めてミスティカ式クロスフェース。逃げようとすると佐々木は反転してリング中央へ。さらに変形バージョンに持ち込むもHARASHIMAはなんとかエスケープ。佐々木はなかなか離そうとしない。松井レフェリーがなんとか解除させるも、HARASHIMAのダメージは深い。佐々木は顔面トラースキック。HARASHIMAにダウンカウントが取られる。カウント9で立ち上がったHARASHIMAに佐々木がNOW OR NEVER。カウント2で返されるとベトドラⅡ。HARASHIMAが着地してショートレンジの蒼魔刀! しかしダブルダウン。両者立ち上がってエルボーの打ち合い。佐々木のローキックにHARASHIMAが左脚を差し出す。佐々木がローキックを連打したが、HARASHIMAは張り手。佐々木も挑発するとHARASHIMAは張り手連打。佐々木はその腕を取ってドラゴンSH。カウント2で返されると佐々木がミスティカ式クロスフェース狙い。HARASHIMAが顔面蹴りで止めると、さらに顔面蹴りからつるべ落としへ。しかしカウント2止まり。HARASHIMAは顔面蹴り上げからバズソーキック。蒼魔刀狙いは佐々木がかわして佐々木式ウラカンラナ。これを返したHARASHIMAが後頭部蒼魔刀から正調の蒼魔刀で一気に畳かけて勝利した。
試合後、HARASHIMAがマイク。「皆さんの応援のおかげで勝つことができました。ありがとうございます! 佐々木、前哨戦から僕もいっぱい試合のペース握られて、今日もいっぱい蹴られたり、けっこうキツいけど、身も心も引き締まった感じがしたよ。佐々木、ありがとう! また何度でも試合しよう!」亜門「HARASHIMAさん、防衛おめでとうございます。この結果を持ちましてさいたまスーパーアリーナのメインはHARASHIMAvs竹下幸之介に決定しました。竹下、リングに上がってください」竹下「HARASHIMAさん、これは自分勝手で誰も望んでないことかもしれないけど、この挑戦者決定トーナメント、樋口、KUDO、遠藤、そしてDDT全選手、そのベルトを巻きたいし、さいたまスーパーアリーナのメインに立ちたいし、HARASHIMAさん、アナタに勝ちたい。自分はその全てを背負う覚悟はできてるんで、メインイベントよろしくお願いします!」HARASHIMA「その覚悟嬉しいよね。もちろん全力で受け止めて! でも最後に僕は絶対リングに立ってるんで、精一杯全力ですげえ試合をしよう! よろしく!」両者は握手をかわして竹下らその手を振り払った。HARASHIMA「さて…大丈夫試合が終わったからね。3月20日、全力でこのベルトを防衛して、3月20日、DDT全員で力を合わせてさいたまスーパーアリーナ大成功させたいと思います! さいたまスーパーアリーナもみんなで力を合わせて突き進んでやるさー!(観客『なんで~!?』)メインのタイトルマッチで勝ってやるさー!(観客『なんで~!?』)そしてDDT21年目もどんどん突っ走っていってやるさー!(観客『なんで~!?』)なんでかって? それは鍛えているからだー!」大会が終了するとさいたまスーパーアリーナの第3弾カードが発表された。
【試合後のコメント】
――まずはKUDO選手との挑戦者決定戦、いかがだったでしょうか。
竹下 うーん……そうですねぇ……試合終わってみた感想としてはですね、あんまり覚えてないっすね。結構ハードヒットだったんで、もう序盤、スタートでたぶんキック…バックスピンか何かもらったと思うんですけど、あれで記憶ないですね。でもKUDOさんもずっと言っていたと思うんですけど、技と技とかじゃなくて意地のぶつかり合いになると思っていたんですよ。それだけさいたまスーパーアリーナのメインっていうものは特別なものなので。その心の準備というか覚悟は出来ていたんで勝つことが出来たと思うんですよね。それでいつものの気持ちが弱い自分だと、そこで体が動かなくなって終わっていたと思うんですけど、でも何か本能で動けたのかなって。試合終わっていつも腕が痛いとか、足が痛いとか、腰が痛いとかあるんですけど、今日は顔が痛いっす。頭と顔が痛くてですね、結構厳しい闘いでしたね。たぶん。全然覚えてないですけど。
――それだけKUDO選手がDDTの20年を背負ってきたという気持ちみたいなものが、竹下選手を追い詰めたと?
竹下 うん。それプラス、闘っていて自分も意識朦朧とする中、感じたものがあって。これ勝手な自分の解釈なんですけど、「この俺を超えられるなら超えてみろ」っていう……「もし超えられるならスーパーアリーナのメインはお前に任せる」っていう。これ本当に自分の勝手な(解釈だが)…でも、そういうことだと思うんですよね。とくに試合後にマイクで話すこともなく、最後自分はKUDOさんと握手をして、そのとき「さいたまスーパーアリーナは任せた」っていうふうには言っていただいたんですけど、でも何か試合をしながらすごくメッセージは感じました。
――そのあとにHARASHIMA選手と佐々木選手のタイトルマッチ、最後HARASHIMA選手が勝ちました。ご覧になったと思いますが、試合を見た感想は。
竹下 うーん、感想……いつものHARASHIMAさんの形というか、そこは佐々木さんでもなかなか壊すことが出来なかったかなと思いましたね。やっぱりあるんですよね、HARASHIMAさんの空気というか、それをスーパーアリーナっていう大きな舞台で壊すことが出来るのか……それはまだ自分には分からないですけど。でもやっぱり、ただ勝つだけじゃダメだと思うんですよね。勝つということはHARASHIMAさんからKO-D無差別級のベルトを獲って、さいたまスーパーアリーナのメインを締めるってことですから、すごく意味のあることだと思うので。僕がHARASHIMAさんから勝つときっていうのは、「もうDDT、竹下を見ておけば大丈夫だ」って見ている人が思うときだと思うので。そう思ってもらえるぐらい…HARASHIMAさんも言ってましたけど、熱い試合でさいたまスーパーアリーナを爆発させたいですね。
――竹下選手は常々、「さいたまスーパーアリーナではこれからのDDTを見せたい」と言っていましたし、今日もリング上でHARASHIMA選手に「挑戦者決定トーナメントに出場した選手とDDT全選手の思いを背負って、HARASHIMA選手を倒す」という発言もありました。究極の世代闘争となる一戦になると思いますが。
竹下 そうですね、今日僕がKUDOさんと試合をしてひとつ訂正したいと思ったのは、確かにHARASHIMAvsKUDOっていうカードがもし並んだときに、すごく20年間を見ている人が思い返すことはあると思うんですけど、でも過去の闘いではなくてやっぱりKUDOさんも進化しました。僕が見ていた頃のKUDOさんとは違う人で。でも僕が勝ったので、HARASHIMAvs竹下、これが……もう世代闘争とかじゃなくて、世代交代でもなくて、HARASHIMAさんに一人のライバルとして僕を認識させたいなと、いまは思っています。それとあとはリング上で言った通り、全選手スーパーアリーナのメインに上がりたいわけですから。でもたまたまGMが選んだチャレンジャーに相応しいと思うこの4人が、このトーナメントに選ばれてチャンスが舞い込んできた。そのチャンスを僕が掴んだだけの話で。でも挑戦したい気持ちとかはみんな一緒で。それを背負うのは本当おこがましい話なんですけど、でも何か僕は勝手に背負わせてもらって、それを自分の中で力にしたいですね。
――竹下選手との挑戦者決定戦、惜しくも敗れてしまいました。
KUDO まあ届かなかったですね。でも試合をしていて、あいつの思いっていうのはすごい伝わって。やっぱりあいつもDDTに懸けているし。思いは俺が一番強いって思っていたけど、まあみんなDDTに対する思いは強いんだなっていうのを今日は感じましたね。
――試合後、竹下選手と握手をして言葉をかけている場面がありましたが、あれはさいたまスーパーアリーナのメインを託すような思いがあったのでしょうか?
KUDO まあ本当に純粋に期待しているし、頑張ってほしいっていう思いを伝えました。
――今日のメインでHARASHIMA選手が佐々木選手を破り、王者としてスーパーアリーナのメインに上がるということで、KUDO選手として余計にスーパーアリーナのメインに立ちたかったという思いが強かったと思うのですが……。
KUDO まあ、落ち込んでいてもしょうがないんで。20周年イヤー、俺は全然諦めてないし。ヒザをケガしてから今日でシングルマッチ3戦目ですね。3戦目でここまで出来たっていうのもあるし、ヒザに負担かけないように体重も増やさないようにしてきたけど、段々状態も良くなってきたんで。やっぱりね、いまの大型化の流れに負けないように、俺も体デカくしたいと思うし。20周年イヤーは期待してください。まだまだ私は上にあがります。社長でチャンピオンって面白いじゃないですか! 社長でチャンピオンになって、『マネーの虎』的なテレビ番組に出ようと思っていますんで(苦笑)、今後のKUDOに期待してください! 今日はありがとうございました。
――まず佐々木選手とのタイトルマッチについて。佐々木選手は反則攻撃を織り交ぜながら、かなり厳しい攻撃で来ましたが。
HARASHIMA そうですね、結構やっぱり……タイトルマッチでああいう奇襲をかけられるだとか、ラフをされるのはほぼないんでびっくりしましたけど、それ含めても自分は勝ててよかったですね。まあでもプロレスの彼の振り幅というか、彼の面白い部分って何かやってみて勝ったから言えるんですけど、本当身も心も引き締まったタイトルマッチが出来ましたね、結果的に。うん。
――そしてライバルでもあるKUDO選手を破り、竹下選手がさいたまスーパーアリーナのメインでHARASHIMA選手のベルトに挑戦することが決まりました。
HARASHIMA どっちが来てもっていう気持ちはあったので。KUDO君が来たらそれはそれで面白いし、竹下が来たらそれもそれで面白いしって感じだったんで。まあね、これでもう竹下に決まったので、僕はまだ彼に負けたことはないし、彼がよくDDTの未来とか言ってるけども、僕もDDTの未来をこれからまだまだつくっていくんで、非常に対戦が楽しみですね。
――竹下選手は「さいたまスーパーアリーナのメインに立ちたかった全選手の思いを背負って、HARASHIMA選手を倒す」と言ってましたが……。
HARASHIMA (言葉を遮るように)僕もね、みんなの思いを背負って闘っているんで。唯一違うっていのは、僕は僕だから(苦笑)。竹下はたぶんみんなが僕を倒したいみたいなことを言ってたんで、そこの部分は違うのかもしれないけど、みんなの気持ちを背負っているのは僕もそうなので。あ、付け足します! あと僕はお客さんの気持ち背負ってます! はい、頑張ります!
――それはやっぱり総選挙1位だったという。
HARASHIMA そうですよ。はい、そうです! それが言いたかったんです(笑)。
――HARASHIMA選手としてはさいたまスーパーアリーナのメインにどういうテーマを持って臨まれますか。
HARASHIMA 僕も21年目からのDDTの未来を見せたいですね。
――竹下選手は「世代闘争とか世代交代ではなく、一人のライバルとして」と言ってました。だいぶ年もキャリアも下の選手になりますが、その中でどういう闘いを?
HARASHIMA 僕は結構古くからDDTにいるので、じゃあ僕はDDTの歴史+DDTの未来と、幅広くいきたいと思います。
――HARASHIMA選手に惜しくも敗れてしまいましたが。
佐々木 ハァ……俺が変えたかったこのDDTの世界、結局買えられなくて、結局何も変わらないまま20周年、さいたまスーパーアリーナ……キャンディスにもフラれて、HARASHIMAさんにも負けて、明日からどうしよう! 明日からどうしよう……。
――また新たな目標に向かって走り出すのではないんですか?
佐々木 新たな目標……うーん……たぶん、31年間生きてきて、キャンディスと出会って、いま最高のモチベーションで今日(の試合に)臨んで負けて、ここからどう立て直すか……うーん、うーん……ちょっと思いつかないですね。……アメリカに渡ったり、そういうこともいいのかなと思うけど、そんなプランもないし。つまりノープラン!
――現時点ではまだ目標もプランもない?
佐々木 とりあえず今日、結構頭を蹴られてボーッとしてるから、アルコール飲んで、何か目覚めさせて。そしたらまた復活するかもしれない。
――4月にDAMNATION主催興行がありますが。
佐々木 そうだったぁ! そうだった……ノープランで。中止にするかもしれないです。
――それはたぶん会社が許さないと思います。
佐々木 じゃあ、私はいないかもしれない。
――DAMNATIONの主催興行なのに?
佐々木 エヘヘヘヘ……もう脱退してるかもしれない。とにかくHARASHIMAさんは強かったですと書いてください。大きく書いてください。黄色で。ありがとうございました。
【バックステージコメント】
――3・20さいたまスーパーアリーナでのプロレス初挑戦の対戦相手が、高山&東郷組に決定しました。対戦相手の印象は?
大山 もう純粋に怖いですね。もう大先輩なので、いまものすごい緊張感が高まってますね。
――ご自身のタッグパートナーについて、何か考えている部分は?
大山 そこまで正直考えられる余裕がいまはないですね。しっかりコンディション作って、最高のコンディションで二人の大先輩にぶつかりにいくってことですね。
――タッグマッチというのはプロレスならではだと思いますが、不安とかはありますか。
大山 正直言うとですね、もう不安だらけですよね。もう練習やらせてもらうだけでも、いままでと全然違う動きなので。もうロープワークがこれだけ痛いかっていうこともびっくりしましたし、受け身ひとつ取ってもこんなに凄い衝撃なんだっていうのを体感して、やればやるほど凄いなって思っています。
――プロレス初挑戦に向けて、これだけはお客さんに見せたいという部分は?
大山 僕は本当に子供の頃からプロレスが大好きで来ましたし、もう心の底からプロレスをリスペクトしてきたので、よくある格闘家が来てパンチ・キックをしてお茶を濁す的なことはしたくないなと。大好きなプロレスだからこそしっかりとプロレスを覚えて、プロレスの中で自分がやってきた格闘技の動きも融合していくことが出来ればと思っています。
――高山選手と格闘技での接点というのは?
大山 PRIDE時代にですね…確か(2002年6月23日の)PRIDE.21かな。高山さんはドン・フライと壮絶な殴り合いをした試合のときに、僕はヘンゾ・グレイシーと戦っていました。まさか、いつかこういうときが来るなんてもう……不思議な思いと感慨深い思いと緊張感と、何かいろんな思いがいま交じり合っていますね。
――あれもさいたまスーパーアリーナですよね。
大山 そうです、さいたまですね。一生懸命頑張ります、よろしくお願いします!
【高木大社長の総括】
――さいたまスーパーアリーナのメインイベントがHARASHIMAvs竹下戦に決まりました。
高木 そうですね。やっぱりKUDOと竹下の試合が凄い試合で、たぶんお互い譲れないものがあったと思うんですよね。その譲れないものがぶつかり合って、本当に凄いものになったというか、二人とも一歩も引かなかったですからね。KUDOも20周年の記念のリングに立ちたいっていう気持ちはあったと思いますし、そういう部分でKUDOの気持ちも見えたし、竹下の未来を俺たちの力でっていうのも見えたし、やっぱり凄かったですよね。実はもうDDT UNIVERSEも立ち上がってハッシュタグ(#ddtuniverse)を追いかけながら見ていたんですけど、やっぱり海外でもこの試合が伝わって良かったと思いますね。「Holy Amazing何たらかんたらマッチだ!」みたいな、そんなことが出ていたんで。そういう意味ではひとつのターニングポイントになったのかなと思います。そしてHARASHIMAと佐々木の試合も、どっちが勝ってもおかしくなかったし、中盤本当にHARASHIMAが落とされちゃったんじゃないかなと思っていた部分もあったんですけどね。でも結果的にHARASHIMAが勝って、HARASHIMAvs竹下と。DDTを20年間引っ張り続けてきたHARASHIMAという選手と、DDTのこれからをつくるであろう竹下と、それぞれにどうしても負けられないものがあると思いますし、やっぱりHARASHIMAも素晴らしい選手だと思いますし、竹下もこれからをつくっていくという意味では同じく期待している部分はあると思います。でも自分もいつもそうなんですけど、どっちがっていうのも分からないし、こればっかりは時の運っていうのもあるだろうし。場内の支持率を見ても、やっぱりHARASHIMAのほうがずっとやってきた分、熟れているというか。竹下は使命感を背負って、ちょっと硬い部分も見られたと思うんですけど、でもそれが2ヶ月後にどういうふうになるのかっていうのはこれからだと思うので、そこは楽しみにしたいなと思いますね。で、男色ディーノとジョーイ・ライアンっていうのはね、今日も男色ディーノっていうのは世界に通用するワールドワイドなコンテンツだなと改めて思いまして。コルト・カバナ選手も初来日して、2月にディーノと当たったりとか、アントーニオ本多と当たったりだとか、いろいろあるわけですけど。たぶん今後はそういう意味で広く世界を意識したようなこともあると思います。それでいながら日本の、DDTのレスリングの素晴らしさっていうものを伝えていきたいなと思っています。だから入江vsマイク・ベイリー、これもDDTがいま誇れる試合のひとつだと思いますし、男色ディーノvsジョーイ・ライアンっていうこの試合も同じことですね。で、まあジャガー横田さんなんですけど、DDT実は出てもらったことがあるんですよ昔。割と2000年代とかですかね? 2001年とか2002年とかだと思うんですけど、たぶんジャガーさんとゆに君って親子くらい……ひょっとしたら孫?(笑)ぐらいのお年かもしれないんで。そこはDDTならではということで、どんな化学反応が起きるのか。ジャガー横田とDDTが誇るキッズレスラーのゆに君、小学校3年生が交わることで、何か新しいものが生まれるんじゃないかと僕は思っていますので。そういう意味でこの試合を組みました。そういう部分でどんどんどんさいたまに向けて加速していく部分があると思いますので、今後も引き続き期待していただければと思っています。
――ハッシュタグでの書き込みっていうのは、想像していたぐらいの感じ?
高木 想像していた感じですね。海外がたぶんリアルタイムだと…恐らくいまニューヨークとかロスとかが夜中なんですよね。だからまあ少ないだろうなとは思っていたんですけど、実際は結構起きているガイジンがいたらしくて(苦笑)。向こう何時なんだろう? たぶん(深夜の)3時とか4時ぐらいなんじゃないのかな。でも起きて「これはAmazingだ!」とか言ってるのが、チラホラ見えたんで。でもやっぱり世界を意識した動きをしていかなきゃいけないですし、でもだからと言ってそっちばかりに寄るんじゃなくて、やっぱり僕らDDTがいままで培ってきたレスリングだったり、あといわゆる海外ではコミックマッチと呼ばれる部分もあるかもしれないですけど、そういう世界に通用するコンテンツなんだと改めて認識はされましたね。だからその辺の部分を考えていきたいかなと思っています。