樋口和貞が首の故障を乗り越え、2年5カ月ぶりにKO-D無差別級王座奪還! HARASHIMAと7・13後楽園で初V戦へ
6月29日、東京・後楽園ホールで「KING OF KINGS ~嵐の6月決戦~」が開催。樋口和貞がクリス・ブルックスとの激闘を制し、首の故障を乗り越えて、2年5カ月ぶりにKO-D無差別級王座奪還を果たした。新王者・樋口は7月13日の後楽園大会でHARASHIMAと初防衛戦を行う。
苦労人の樋口はなかなか同王座にたどり着くことができなかったが、2022年7月3日、後楽園で「KING OF DDT 2022」を初制覇し、当時空位だった同王座を初戴冠。その後、遠藤哲哉、竹下幸之介(KONOSUKE TAKESHITA)、青木真也、坂口征夫、上野勇希と強豪の挑戦者を次々に倒して5度の防衛を果たした。しかし、2023年1月29日、後楽園で火野裕士に敗れ王座陥落。昨年6月から首を傷めて長期欠場。3・20後楽園で復帰し、「KING OF DDT 2025」を3年ぶりに制して、王者のクリスに挑んだ。
開始早々、両者はチョップ合戦を繰り広げる。クリスがエプロンでパイルドライバー、さらに場外に飛んでフットスタンプ。樋口はチョップ連打、串刺しラリアット、ブレーンバスターと猛攻。チョップの応酬から、クリスが雪崩式ダブルアーム・スープレックス。樋口が延髄ラリアットで両者ダウン。立ち上がると、樋口がラリアット連打も、クリスはラリアットで倒してキックを連打。クリスがプレイングマンティスボムもカウントは2。樋口がヘッドバット連発からクロースラムも2カウント。クリスのオクトパスストレッチを脱出すると、ラリアット相打ち。樋口はラリアット、ドクターボム、クロースラムとつないで3カウントを奪取した。クリスはベルトを樋口の腰に巻きリングを降りた。
樋口は退場しようとするクリスを呼び止めると、「やっぱ強いな。色々あった。そんなの跳ね飛ばして、おまえがこのベルトを守り続けた。俺はおまえのこと、心から尊敬します。ありがとう」と言うと、ノーサイド。ハリマオ、SCHADENFREUDE Internationalの面々がリングに上がり、缶ビールで乾杯した。樋口は「欠場中はこのベルトが夢でした。それが俺の腰にあるのはホントにうれしいです。このベルトを巻いて、自分の道を進んでいきます」と決意表明。
ここで、HARASHIMAがリングインし、「樋口、強いクリス相手にすごい試合で勝って、君はやっぱりすごく強いよ。僕は今でもずっと強さにあこがれていて、無差別のベルト、DDTで一番強いベルト、ずっと狙ってるんだよ。樋口和貞、そのベルトに挑戦してもいいかな?」とアピール。樋口は「HARASHIMAさん、やりましょう」と快諾。今林久弥GMがこのタイトル戦を7・13後楽園で実施することを決めた。
バックステージで樋口は「英国から一人で来て、ベルト巻いて。ホントに尊敬してます。その重さすごかったです。(V1戦は?)早い! ただ自分もHARASHIMAさんもいつでもいけるように日々努力してますから。HARASHIMAさん、断る理由なんてありません。精いっぱいやります」と意欲を見せた。
王座から陥落したクリスは「強かった。8ヵ月間、ありがとうございました。ヒグチはDDTのトップで頑張ってください。SCHADENFREUDE Internationalはまだまだ夢あります。(7・5横浜で)KO-D6人タッグ。SCHADENFREUDE Internationalで世界のどこでも頑張りましょう。いつかインドに行きましょう」と前を向いた。
挑戦が決まったHARASHIMAは「どっちが勝ってもいこうと思ってたんですけど、すごい試合で樋口が勝って。僕は強さを求めてやってるし、KO-D無差別を目指してやってるし、その気持ちが自分のなかで持てなかったら、終わりだと思うので。7月27日に青梅で凱旋大会あるので、ベルトを巻いて行きたいし、強さを求めてやってきたので、ベルトを獲ることで証明してやっていきたい」と王座奪取を誓った。
飯野雄貴&納谷幸男がアストロノーツを下し、KO-Dタッグ王座戴冠! 秋山準&佐藤大地が7・27青梅で挑戦へ
飯野雄貴&納谷幸男のヘビー級コンビがアストロノーツ(阿部史典&野村卓矢)を下し、KO-Dタッグ王座戴冠を果たした。新王者組は7月27日、東京・住友金属鉱山アリーナ青梅・第1スポーツホール大会で、秋山準&佐藤大地の挑戦を受けることが決まった。
飯野と納谷はほとんどタッグを組んだことはないが、同学年で、デビューもわずか1カ月違いの同期生。昨年8月と9月に2度一騎打ちを行い、お互いの力を認め合っていた。2・9仙台で右眼窩底(がんかてい)を骨折し長期欠場していた飯野は、約5カ月ぶりの復帰戦でいきなりのタイトル挑戦。王者組のアストロノーツは6度目の防衛戦となった。
王者組が奇襲を掛け、いきなり場外戦へ。飯野が野村にチョップ連打すれば、野村はエルボーで返す。飯野が野村にBURNINGエルボーを狙い、阿部が阻止するも、納谷のアシストで成功。野村と納谷がキックの打ち合いに発展。飯野のスピアが納谷に誤爆も、飯野が2人まとめてスピアで吹っ飛ばす。納谷が阿部にダイビング・エルボードロップもカウントは2。阿部が納谷に伊良部パンチを放てば、納谷はニーリフト。飯野が野村にスピアで動きを止める。納谷が阿部にチョークスラム、ニーリフト、世界一のバックドロップを決めて3カウントを奪取した。
このコンビでの初挑戦で首尾よくベルトを手に入れた納谷は「まだまだ俺たちは未熟なところがたくさんあるけど、これから俺たちでDDTを盛り上げていきます」、飯野は「目の骨折から、色々ありましたけど、無事復帰して、納谷がタッグパートナーに選んでくれて、復帰戦勝利を得ることができました」と歓喜。そして、2人はチーム名を「The Apex(ジ・エイペックス)」と発表。「Apex」とは頂点を意味する。
すると、オープニングマッチの6人タッグマッチ(秋山&高尾蒼馬&佐藤vs大鷲透&アントーニオ本多&正田壮史)で、秋山のエクスプロイダーのアシストを受け、マッドスプラッシュで正田からピンフォールを奪い、4月にHEAT-UPから移籍後、自力初勝利を挙げた現役高校生レスラーの佐藤がリングイン。佐藤は「DDTに来て自力初勝利しました。その勢いに乗って、秋山さんと挑戦させてください」とアピール。納谷が「いいよ。ただな。自力初勝利したくらいで、調子乗んなよ。リングの上でぶっ殺してやる」と受諾し、7・27青梅での挑戦が決定した。
バックステージで納谷は「阿部さん、野村さん、最高でした。また戦いましょう。俺らのチーム名、意味としては、俺ら2人でKO-Dタッグ、いやDDTを俺ら2人で駆け上がって行こう。そして、いつかKO-D無差別級のベルトを俺ら2人で懸けて戦おう。そういう意味合いで僕がつけました」、飯野は「5ヵ月ぶりの試合で、久しぶりにグーパンチ、チョップだったりいろいろ食らって、久しぶりに(体に)きました。復帰戦がタッグマッチでホントによかった。めちゃめちゃ熱い試合ができました。BURNINGできました。俺らはThe Apexだけど、俺はまだBURNINGしてますから。俺はI am BURNINGです。2人でThe Apexなんで、よろしくお願いします」と笑み。
早くも初防衛戦が決まったが、納谷は「ただ初勝利したくらいで調子乗るんじゃねぇ。俺らが厳しさを教えてやる。ヘビー級をアイツに叩き込んでぶっ飛ばしてやります。秋山準に試合をコントロールされたら負けなんで、コントロールしてやる」、飯野は「大地君は僕の欠場中に入団して、2回くらい試合はしてますけど、そこまで実力は分かってないんで。前哨戦があると思いますけど、そこで力を見ます。秋山さんはもうずっとやってますし、BURNINGも受け継ぎましたから、そこはしっかりと」とコメントした。
チャレンジが決まった佐藤は「この勢いで僕と秋山さんで、しっかりKO-Dタッグのベルト獲りたいと思います!」、秋山は「紛らわしい名前付けやがって。何がThe Apexだ。怒られるぞ! あいつら次で終わりだ。俺たちが獲って。俺らも名前考えよう」とベルト獲り宣言。
UNIVERSAL王者・鈴木みのるが前哨戦で青木真也に失神させられ錯乱!「青木、次は苦しめ!」
7・13後楽園でDDT UNIVERSAL王座戦に臨む、王者・鈴木みのるが前哨戦で挑戦者・青木真也に絞め落とされ錯乱状態に陥った。
大会開始前、このタイトル戦の公開調印式が行われ、鈴木は「次の対戦相手・青木真也、世界のエイオキ。おまえの斬れ味試させてもらうよ。オイ、俺は世界のプロレス王・鈴木みのるだ!」、青木は「今回は獲りますよ。(鈴木は)必ず上に来るというか、かぶせてくるというか。今までの選手は下からつくった試合が多かったと思うんで、今回僕が上からかぶせて勝ちます」と意気込みを語っていた。
第五試合で鈴木は上野勇希と組み、青木&高鹿佑也と激突。鈴木と青木はピリピリするようなレスリングの攻防の後、場外戦となりエルボーの打ち合い、鈴木がイスで殴打。リングに戻ると、エルボー合戦、青木がミドルキック連打、フルネルソン、鈴木もエルボーで返す。上野のBMEをかわした高鹿がインターセプトからアームロックにいくもカット。青木が鈴木をスリーパーで絞め上げると落ちてしまう。その間に上野が高鹿を丸め込んで、試合自体は鈴木&上野が勝利。青木は「イージー・ジョブ」とマイクで一言。
なかなか起き上がれなかった鈴木だが、意識が戻ると完全に錯乱状態でセコンド陣、レフェリーにまで暴行を加えて控え室に消えた。
バックステージで青木は「強くも怖くもないだろう。なんかよかったなと思うよ。後は負けて、最後に落とされて、(その姿を)WRESTLE UNIVERSEで見ましょう」と余裕の表情。鈴木はコメントブースに姿を見せたものの、長椅子を放り投げ、「青木、どこ行った? 次は苦しめ!」と怒りが収まらない様子だった。
無期限休業中の髙木三四郎が新調されたアイアンマンのベルトを強奪!「25周年のアイアンマンベルトをさらに輝かしてやる」
新調されたアイアンマンヘビーメタル級のベルトを無期限休業中の髙木三四郎が強奪した。
同王座はレフェリーさえいれば、24時間365日、いつでもどこでも誰でも物でも奪取可能なベルト。2000年6月29日にポイズン澤田JULIEが創設し、初代王者に認定された。5月31日の新宿髙島屋大会で澤田がポコたんの頭からベルトを奪還すると、ちょうど25周年となる今大会での新調を宣言していた。
この日の第二試合終了後、予告通り現れた澤田は「24時間いつでもどこでも、髙木三四郎と戦うためだけに作ったベルトだ。だったんだが、何を勘違いしたのか、多くのレスラー、一般人、動物、道具がこのベルトを獲得しようと必死になって戦ってきた。その結果、ボロボロだ。だから25年後の今日、この光り輝くベルトに転生した。もう誰にも渡さない。DDT、髙木三四郎、おまえだけには渡せねぇ。永久にこのベルトはポイズン澤田JULIEのものだ。ワーハッハ!」と新ベルトをお披露目し高笑い。
すると脱兎のごとく高木がリングインし、澤田にストーンコールド・スタナーを一閃し、3カウントを奪取して、まんまと新王座に就いた。
バックステージで髙木は「アイアンマンリニューアルベルトの強奪に成功した。25周年おめでとう。おまえも新しい歴史を刻んでほしいな。25周年のアイアンマンベルトをさらに輝かしてやる。DDTだけじゃない、超日本プロレスでやってもいいぞ! これからアイアンマンの動き、よく見とけ!」と宣言した。
また、第三試合ではSNSで話題沸騰のダンスパフォーマンス集団「O-MENZ」の隈取が出場し、HARASHIMAと組んで、DAMNATION T.AのMJポー&イルシオンと対戦。隈取は得意の空中殺法でイルシオンを追い込んでいくが、レフェリーのブラインドを突いたイルシオンが急所蹴りから首固めで丸め込んで勝利。怒りの隈取はリベンジ戦を要求し、7・16新宿FACEでのシングル戦が決定した。