5日、福岡・博多スターレーンにて「天下三分の計-DDT博多-」がおこなわれた。鶴見亜門GMの前説にはEXTREME級王者の彰人が登場。今回のルールがトレジャーハント・ブルロープマッチでベルトを袋に入れなければならないため、彰人は前説でベルトを返還した。彰人はマイクを取ると「今日の対戦相手の高梨さんは僕にとってちょっと苦手意識の強い対戦相手で、今日これに勝って博多でうまいもんでも食って帰ろうかなと。逆に酒盛りでもしてやろうかなと思っています」と言うと「DDT博多スターレーン大会、スタート!」とオープニングコールを務めた。
第1試合はHARASHIMA&ヤス・ウラノvs樋口和貞&梅田公太のタッグマッチ。HARASHIMAと樋口の先発でスタート。ロックアップから押されたHARASHIMAがロープ際で体を切り返してクリーンブレイク。HARASHIMAのキック、樋口のヘッドロックと互角の攻防を繰り広げ、続いてヤスと梅田が対峙。梅田がアームホイップ連発からコルバタでヤスを投げて串刺しバックエルボー。ハーフダウンになるとジャンピング低空ドロップキックを放つ。梅田のスリーパーはヤスがエスケープ。樋口が出てくると腹パンから耳元で大声をあげるヤス。「投げるぞー!」とアピールするもボディースラムは潰されてしまう。樋口はヤスをコーナーに投げてからビッグブーツ。梅田が出てくると串刺しミドルキックからスワンダイブ式ミサイルキックと攻勢が続く。ヤスは梅田にバックを取られると木曽レフェリーのバックを取り、さらに盾にして延髄斬り。タッチを受けたHARASHIMAが「チェストー!」とダイビング・カンフーキックで続く。HARASHIMAは梅田に雪崩式ブレーンバスター。ドロップキックを決めると樋口が出てきてドロップキック。ぶちかましを回避したHARASHIMAはバッククラッカー。逆水平とミドルキックのラリーから押された樋口が向かってきたHARASHIMAをキャッチするとオクラホマスタンピード。カウント2でクリアされると替わった梅田が樋口のフェースバスターにハイキックを合わせて、さらに丸め込む。これはヤスがカット。樋口が排除せんとしたが、ヤスがロープを開けて場外に落とす。そのヤスに梅田がハイキックで蹴散らすと、片ヒザ立ちのHARASHIMAにカカト落としからミドルキックを放つがカウント2。ブレーンバスターを回避した梅田にソバットからハイキック → 山折り → 蒼魔刀とつないで勝利した。
第2試合は男色ディーノvs高尾蒼馬vs宮武俊の3WAYマッチ。ゲイと筋肉バカを相手にしなきゃいけない状態に高尾は困惑。さっそくディーノが高尾を凌辱すると宮武が筋肉ポーズを決めるが、ディーノは相手にしない。「俺に来いよ。そんなのより人気がある」と言い張る宮武がディーノをショルダーアタックで倒して半ケツになると「掘ってみろよ!」。その宮武に高尾がスライディングキックを決めてオールドスクール。蘇生したディーノはその高尾の股間をワシ掴みにすると、宮武を排除して凌辱し続ける。ニードロップからのナイトメアは宮武がエルボーでカット。座り込むディーノの尻が高尾の顔面に落ちるもカウント2。宮武とディーノがエルボー合戦。ディーノが「ファイト!」といつもの流れで宮武の尻を見るが、掘らずにエルボーを繰り出す。「なんで掘らない!」(宮武)「タイプじゃない!」(ディーノ)という不毛なやりとりから、ならばと宮武がディーノを尻を掘る展開に。ディーノが反撃に出て宮武をコーナーにセットすると高尾をそこへぶつけようとする。すると高尾が踏みとどまって延髄斬りからディーノを宮武の尻へと吸い込ませる。高尾がすかさずランニング・フォアアーム。高尾のディーノへのシュバインは宮武がハートアタックで阻止。宮武が高尾へのスパインバスターから宮武がファイアーマンキャリーで担ぐ。これはディーノがトラースキックでカット。ディーノが宮武に男色ドライバー。これは高尾がカット。するとリップロックを迫るディーノに高尾がトラースキック。宮武がグロッキーなディーノをコーナーにセットしてタイツをズラす。ディーノの地獄門にぶつけようとする宮武。これを切り返して宮武を反対コーナーにぶつけた高尾はさらに背中へダイビング・フットスタンプ。その勢いでコーナーのディーノの尻にドロップキックを決めると、宮武をその尻へ沈める。最後はジントニックで勝負あり。
第3試合は高木三四郎&大鷲透&平田一喜&相島勇人vs松永智充&MIKAMI&大石真翔&アズール・ドラゴンの8人タッグマッチ。あの曲でダンスしながら花道を歩く平田を無視してリング上では勝手に試合が始まる。リングインした平田が全員に攻撃されてしまうと「おい! オマエら味方だろ!」とジャンプ。すると他の7人が飛び跳ねるダチョウ倶楽部方式。その後も平田がローンバトルを強いられる展開。大石のキャメルクラッチを何とかロープに逃れると、ワンツー・エルボーからランニングエルボーを決めて、ようやくピンチを脱出。タッチを受けた大鷲が一気呵成の攻め。場外に出た松永、アズールに平田がプランチャを見舞ってみせる。相島がラリアットで松永、大石、アズール、MIKAMIを蹴散らすと、誰もいない状態に。するとコーナーに置いてあったHIRATA GO!サングラスを発見。場内の声援に押されて掛けるととあの曲が流れる。ノリノリになりかけた相島に大石がスタナーで阻止。大石がサングラスを掛けて踊ろうとするも、高木がクロスチョップで阻止。高木がサングラスを装着して踊ろうとするが、大鷲がビンタ。大鷲はそのサングラスを手にするとポイ捨て。そこへアズールが大鷲にガットショットで飛び込んでくる。アズールがマスクの上からサングラスを掛けようとしたが、平田が手刀を頸動脈に叩きこんで黙らせると「アナタにはまだ早い!」。ようやくサングラスを装着できた平田はあの曲に乗って無双状態に。味方の高木と大鷲まで蹴散らしてノリノリでダンスに興じていたが、そこをMIKAMIのスライディング式スク~ルボ~イで丸め込まれてフォール負け。
第4試合はDDT EXTREME級選手権試合。第32代王者の彰人はマサ高梨を相手に3度目の防衛戦。形式はトレジャーハント・ブルロープマッチ。4つのコーナーに袋が設置され、1つにはEXTREME級ベルト、残り3つにはダミーのベルトが入っている。試合はブルロープマッチでスタートし、試合の勝者には袋の選択権が与えられ、EXTREME級ベルトの袋を引き当てれば試合終了。ダミーのベルトだった場合はそのベルトに書かれたルールが追加されて試合は続行されるというもの。虎の子ロープで両者の左手首がつながれる。ナックルとエルボーの打ち合いから高梨が彰人の腕をロープで絡めて踏みつける。さらにヘアーホイップで投げるとコーナーに固定して串刺し式の正面跳びドロップキックを決めた。反撃する彰人の右脚をロープに絡めた高梨。それでも彰人はレッグラリアットをキャッチするとドラゴンスクリューから俵返し。串刺しスピアからダブルアーム・スープレックスで投げるがカウント2。彰人は高梨の両脚をまとめてドラゴンスクリューで回すと足4の字固めへ。これは高梨がロープに絡まった虎の子ロープを使って手繰り寄せる。ならばと彰人はサソリ固めへ。バタつく高梨の腕も虎の子ロープで固定し、グラウンドに持ち込んでギブアップを奪った。彰人は青コーナーの袋を選択するが、残念ながらハズレ。ダミーのベルトに書かれていたのは「関節技禁止マッチ」。
試合が続行されて彰人が思わずアンクルホールドを決めそうになると、松井レフェリーが注意する。それでも彰人は高梨のぐるぐるパンチをかわすと、虎の子ロープで足元をぐるぐる巻きにして固定。そこからヨーロピアンクラッチで丸め込んで3カウント。彰人はニュートラルコーナーの袋を選ぶも残念ながらハズレ。ダミーのベルトに書かれていたのは「テキーラドランクマッチ」ルール。これに大喜びの高梨。
コップに注がれたテキーラを飲み干す両者。高梨は彰人の頭を揺らせて酔いをヒドくさせる。彰人も負けじとスピアを決めたが、ここでテキーラタイムへ。再びテキーラを飲み干す両者。彰人のエアプレーンスピンで両者はフラフラ。高梨は虎の子ロープを彰人の体を巻き付けると、それを引っ張って彰人の体を回していく。高梨のタカタニック狙いを途中で止めて脳天から落とした彰人はエクスプロイダーからキン肉大移動の体勢に入ったが、ここで3回目のテキーラタイム。ますますフラつく中で高梨のタカタニックをキャンバスへのニークラッシャーで切り返した彰人がローリング・クレイドル。両者ともにフラつく中、高梨が3度目の正直でタカタニック。彰人はロープに巻かれた虎の子ロープを手繰り寄せて切り返して丸め込んで勝利。赤コーナー側の袋を選択し、ようやくEXTREME級ベルトを引き当てて防衛に成功。
試合後はフラフラの彰人だったが、マイクを取ると「あ~高梨の野郎、変なルールばかり考えやがって! もうテキーラなんて絶対飲まないですよ。無理。でも勝ったぞー! よーし! ああ顔熱い。これでまた両国まで一歩近づきました。このベルトを持ったまま両国でも防衛して、また博多に戻ってきます!」と叫んだ。
【試合後のコメント】
彰人 今、今回ベルトを獲ってから今までと違った意味で辛かったですね。試合中にお酒飲むことはないでしょう。でもこれで両国までまた一歩近づいたので。まだ気は抜けないですけど、やっぱりさいたまでEXTREMEやって負けたのがあるから、次はビッグマッチでしっかり勝てればなと思います。
――結果的に高梨選手にはフォールやギブアップを許さなかった。
彰人 苦手意識があったものをこれで回収できたのかなと思います。
――チャンピオンとして自信を深めた上で両国まで。
彰人 はい。苦手なものとかもうないですよ。両国の前にタイトルマッチがあるかわかんないけど、誰が来ようと大丈夫です。乗り越えるだけ。あともう一個のやつ、なんだったですかね? まあ正解を引けてよかったです。運も大きかったですね。
休憩明け、亜門GMとHARASHIMAがリングに上がって、博多のファンに8・23両国での棚橋弘至vsHARASHIMAのスペシャルシングルマッチを改めてアナウンス。HARASHIMAがマイクを取ると「決定してひじょうのテンションが上がって、メチャメチャ楽しみにしてます。頑張ります!」と意気込み。さらに亜門GMから九州初のビッグマッチとなる12・13博多スターレーン全面使用のメインカードとしてKO-D無差別選手権試合がアナウンスされた。最後にHARASHIMAが中締め。「急に振られてもバッチリ、マイクやってやるさー!(観客『なんで~!?』)12月13日、全面で試合やってやるさー!(観客『なんで~!?』)その時はみんな見にくるさー!(観客『なんで~!?』) その時は興行大成功してやるさー!(観客『なんで~!?』)なんでかって!? それは鍛えているからだー! 後半戦スタート!!」
セミファイナルは飯伏幸太&佐々木大輔vsアントーニオ本多&竹下幸之介のKO-Dタッグ王座次期挑戦者決定戦。ハッピーモーテルが入場したゴールデン☆ストームライダーズを奇襲して場外戦でスタート。飯伏と佐々木はイスを運ぶ台車にアントン、竹下をそれぞれ乗せる。まずは飯伏がアントンを滑らせて客席へと突っ込ませると、そのアントンへ台車に乗せた竹下を佐々木が押して、ぶつけていった。リングに戻ってピンチが続くアントン。佐々木のドロップキックをカウント2で返すと、替わった飯伏にドロップキックを見舞って、ようやく竹下とスイッチ。竹下は飯伏にブレーンバスター。しかしスイッチしたアントンのバイオニックエルボーはかわされてしまうと、ジャンピングミドルからその場跳びカンクントルネード。アントンは飯伏にカウンターのテーズプレスでやり返し、エルボードロップ。飯伏はアントンの気迫あふれるエルボーを耐えてラリアットで黙らせると、佐々木がダイビング・ラリアットで飛び込む。アントンもなんとかバイオニックエルボーを決めて竹下と交替。竹下は佐々木をぶん投げるとダブルのナックルパンチ競演からバイオニックエルボーは佐々木がかわし、飯伏が飛び込んでドロップキックでアントンを場外に出すと、佐々木も竹下をコルバタでリング下に送る。佐々木のトペ・スイシーダと飯伏のバミューダ・トライアングルの競演。佐々木のケブラドーラ・コンヒーロに飯伏がスワンダイブ式フットスタンプを合わせる。佐々木はダイビング・エルボードロップからクロス・フェースロック。これはアントンがダイビング・フィストドロップでカット。竹下はブルーサンダーからやまも泣かしⅡまで決めてみせたが、これは飯伏がカット。場外に出た飯伏をアントンがエプロンからプランチャを浴びせていく。ジャーマンを凌ぐ佐々木に竹下はトラースキック。佐々木はラリアットをかわすと竹下を松井レフェリーにぶつけようとする。慌てた竹下を佐々木式ウラカンラナで丸め込んで勝利。これで8・23両国でのKO-Dタッグ選手権試合◎<王者組>関本大介&岡林裕二vs飯伏幸太&佐々木大輔<挑戦者組>が決定。
試合後、この試合を会場で見ていた関本と岡林が亜門GMに呼びこまれてリングに上がる。関本「おい、飯伏! 覚悟してかかってこい!」岡林
「ベルトは絶対に渡さん。昭和57年同士ですごい闘いをしよう」飯伏「昭和57年同士、いい試合をしましょう。僕の今のタッグパートナー、最強のキチ●イです。絶対に勝ちます」佐々木「おーい、(関本に)腐れ外道! そして、(岡林に)腐れ外道! 俺たちがDDTに…いや、地球上で一番強いタッグチームだ! いいか、オマエらのそのベルトを絶対に取り返してやるからな。覚えておけよ」4人は視殺戦を繰り広げてリングを降りた。
【試合後のコメント】
――かなり追い詰められたが、両国での挑戦権を手にしました。
佐々木 追い詰められたというか追い越された感じです。負けてましたね。
――負けてたんですか?
佐々木 はい。
――最終的には勝ちましたが…。
佐々木 だいたい負けてたんで。
――その状況から勝利できた要因は?
佐々木 これは運の問題です。飯伏幸太の持っている運に私が巻き込まれた。
――飯伏選手は運を持っている?
佐々木 持っているでしょう。だって超モテているじゃないですか。
飯伏 そんなことないです。
佐々木 それに私が巻き込まれた。幸運を使うだけです。
――8月の両国でKO-Dタッグ挑戦が決まりました。飯伏選手は岡林選手のほうを気にしている?
飯伏 一応、同級生なんで。たまに同い歳の会も開いているし、意識はしますよね。
――いい試合をしたい?
飯伏 いい試合をしたいし。岡林さんとはほとんどやったことがない。やりたいというのもあるし。
――関本選手に対しては?
飯伏 あきらかにデカいし怖い。
――G1の連戦が続いたあとの両国とあって、怪物2人に対してコンディションが重要になってくる?
飯伏 コンディションもそうですけど、G1でヘビーとやり続けるわけですから、その流れでいけば。ちょうど1週間ぐらい空くし、乗り越えられればですよ。乗り越えられれば。
佐々木 乗り越えてくれよ(苦笑)。そこの運で。運がいいから。
――運任せなんですか?
佐々木 今年はケガをしない年なので。
飯伏 ここ最近はケガの周期も3年に1回の流れになっているので、それでいくと今年はケガをしない。
――佐々木選手もあのデカい2人を相手にするわけだが。
佐々木 昔話をするとDダッシュという大日本プロレスの若手の大会に出ていたんですけど、その時に関本さん、岡ちゃんと対戦してまして。最近はたまに絡むぐらい。去年のビアガーデンであったかな。
――Dダッシュの時とは状況も違いますからね。
佐々木 あれは5年前ぐらいですか。で、今日対峙して勝てる気しかしない。それは俺が飯伏幸太に勝った最強の男だから。関本さんに勝っているでしょ?
飯伏 シングルで負けている。
佐々木 ウソー。でもそういうの乗り越えていくのが人間だから。DDTにベルトを取り戻したいという気はないんで。
――ないんですか!?
佐々木 それとこれとは別。
飯伏 勝ったらベルトが付いてくる。
佐々木 うわーっ、ラッキーだな! 勝ったらベルトが付いてきたよ! そんな感じで頑張ります。
――8・23両国での挑戦者チームが決定しました。
岡林 DDTの選手も倒してきて、飯伏幸太を倒せばDDTを制圧したも同然。必ず飯伏を絶対に倒したいですね。
関本 戦略的には飯伏幸太を排除して、佐々木大輔を追い込めればと思うんですけど、佐々木大輔は試合巧者で我々の苦手なタイプ。どうやって倒すか考えます。
――岡林選手は飯伏選手を意識してしまう?
岡林 意識しますよね。それもそうですけど、DDTのトップ選手なので。デビューして1年後ぐらいの時にタッグで、関本さんと組んで入江&飯伏でやったんですけど、その時はあまり絡んでないので。
――ガッチリ絡んで飯伏選手から勝ちたい?
岡林 それはありますね。
――関本選手は飯伏選手にシングルで勝っている。
関本 何年か前にKO-D無差別級戦で。結構前なんで。飯伏選手も破天荒な選手なので、どこでスイッチ入るのかわからないですね。怖いのはそこだけです。
――佐々木選手には器用さだけを警戒して。
関本 はい。我々、パワーなら負けないので。試合巧者なので引っ掛からないように気をつけます。
アントン 負けてしまいましたが、気持ちの面ではすごい乗ってて、高揚していて。言ってしまえば、久々に決まっている試合ができたと思ったのですが、やっぱり相手は巨大でしたね。飯伏選手と当る場面も多かったですけど、1.5倍に見えました。あと今乗りに乗っている佐々木大輔。ちょっとクセモノですね。まあでも気持ちは本当にいいものを掴めたので、ハッピーモーテルの試合においてはステップアップな感覚がありました。勝敗は残念でしたけど、全然チクショー、やりきれなかったという感じはないので。自分のスイングができて、次につなげられるように。
竹下 申し訳ないなという気持ちが先行してしまいますね。
アントン 確かに両国でこの2人で挑戦する絵を本当に実現したかったところなんですけど。
竹下 やっぱりこの前決勝で負けてしまって、チャンスを手放してしまって。今回もう一度チャンスが来たんですけど、自分のせいで手放してしまった申し訳なさがありますし。
アントン それは関係ない。
竹下 欠場している哲ちゃんやハッピーモーテルを応援してくれる人たちに申し訳ないなと思いますけど、監督の言う通り、なんかかなり手応えはあるんで。
アントン ハッピーモーテルにいることで上がっていく感覚はあります。
竹下 そうですね。僕は負けてしまって控え室でちょっと落ち込んでいて、僕の2015年の夏は終わってしまったと思ったんですけど、まだ夏すら来ていない。まだ梅雨。まだまだここからね、20歳になりましたし、ビアガーデンプロレスや両国でおもしろいことをしたいなと思います。
――アルゼンチンで担いだが、トーチャーラックボムをやろうとした?
竹下 あれはやまも泣かしのⅡ(ツー)の方です。Ⅰ(ワン)は後頭部から落とす技です。
――遠藤選手への気持ちがあったのかなと思ったのですが。
竹下 トーチャーラックボムは遠藤選手の代名詞なので。ただ、アルゼンチンで担いだので、そういう気持ちもありました。
アントン この勢いで遠藤が戻ってくれば、とてもいいものが積み上げられると思いますね。遠藤にこの前会ったら、どんどんデカくなってました。こうやって我々がまた再会して。ポジティブな絵しか見えないです。
竹下 両国でタッグ王座に挑戦することはできなくなったけど、勝敗の部分で楽しみな面もあります。どっちのチームも闘ったので。読めないなと。
メインイベントはKUDO&坂口征夫vs石井慧介&入江茂弘のスペシャルタッグマッチ。8・23両国のメインを争う2人がタッグを結成。さらに7・11春日部でのKO-D6人タッグの前哨戦となる。KUDOがチームドリフに捕まる展開。坂口は場外のドリフにエプロンPKを決めて戦況を立て直すと、リングに戻ったKUDOが坂口と代わる代わる入江を捕まえる。入江は向かってきたKUDOをブラックホールスラムで叩きつけてようやく石井とタッチ。石井はKUDOに逆片エビ固め。坂口がカットせんとするとドロップキックで排除する。KUDOも8×4でやり返すが、ダイビング・ダブルニーアタックはかわされてしまうとエルボーから野球チョップを食らってしまう。それでも石井を蹴倒して坂口とスイッチ。サンドイッチPKからのカバーは入江がカットして「勝負だ!」とKUDO、坂口を相手にエルボーで向かっていくが、2人のミドルキックを食らってダウン。坂口がコーナー最上段で腹這いになった石井へ串刺しランニング・ニーリフト。KUDOが地獄の断頭台で続く。坂口のカバーは入江がカット。坂口のPKをかわした石井がニーリフト。替わった入江がブレーンバスター・ホイップ、テディベアで猛攻。坂口は入江のバックフリップ狙いをスリーパーで切り返すも、入江は坂口の口に手を突っ込んで解除。坂口は再び絞め落とそうとするが、入江が耐えてコーナーに潰すと、石井がエプロンから延髄斬りを決めてアシスト。またまた坂口がスリーパー。これを入江が耐えて肩車すると、石井とのダブルインパクト式ミサイルキックを成功させる。このカバーはKUDOがカット。石井がKUDOを排除するとリング内では入江が坂口にラリアットから腕決めパイルの体勢。これをKUDOがカットしてサンドイッチ・バズソーキック。坂口のカバーは石井がカット。入江は坂口のハイキックの蹴り脚をキャッチして動きを止めると、石井がすかさずニールキックで飛び込んできて、最後は入江がパッケージ・パイルで仕留めた。
試合後、KUDOは坂口を置いて一人でさっさと退場。高梨は困惑しながら坂口に肩を貸して引き揚げた。試合後、入江がマイクを取る。「8月両国のメインイベント2人に僕が勝ったぞ! 僕たちも両国のメインイベントに立つチャンスを逃してしまいましたが、僕はずっと何がなんでも全力で一生懸命、タチムカウだけなんで。タチムカウ、その姿勢でプロレスをやってきています。チームドリフのみんなで、タチムカウ気持ちでプロレスをやっています! 12月にはこの博多スターレーンの全面を使った興行をやるそうです。みなさん来てくれますか?(場内拍手)僕たちチームドリフ、僕たちDDTもどんどんタチムカッテいきますので応援よろしくお願いします! プロレスは絶対に裏切らない! 最後までタチムカウ!!」
【試合後のコメント】
KUDO 今日は絶対に負けちゃいけない試合だったと思います。両国のメインに立つ2人は絶対に負けちゃいけないし、少なくとも俺は両国まで負けないし、その後も負けるつもりはないです。
坂口 納得いかないっすね。こんなんじゃなんとためにトーナメント出たのか全く意味がない。これじゃ両国のテッペンで勝負ができないし、勝つことさえできない。自分なりに必ずケジメをつけます。
高梨 でもなあ! 酒呑童子は落ち込んでられねえぞ! 次は6人タッグタイトルマッチがあるんだ。俺もEXTREMEは獲れなかったけど、堂々とその舞台に立ってやるよ。絶対に獲ってやるからな!
入江 今日は一番僕の信頼できるパートナー、石井慧介と組んでKO-DのチャンピオンのKUDOさんとKING OF DDTトーナメント優勝した坂口さんのチームに勝って、僕がその坂口さんからピンフォールを取りました。次は6人タッグのベルトを懸けて春日部で酒呑童子と当るんですけど、僕たちはどんな場面でも、どんなシチュエーションでも、どんな相手でもタチムカウ、その気持ちで、その姿勢でずーっとやってきていますので、どんどんタチムカッテ、必ず防衛します。
石井 今日のこのカードは3度目なんですけど、僕はすごく思い入れがあるし、まだまだやりあっていきたい。さらに激しさを増していきたいですね。KO-D6人タッグも酒呑童子とやるので気合いが入りますね。対戦するのが何度目なのかあとで数えてみますけど、今日きっちり勝ったので、勢いつけて6人タッグを防衛したいと思います。
――春日部で防衛できたら両国で防衛戦をやりたい?
石井 そうですね。自然とそうなるんじゃないですか。
入江 この3人でまた両国にいきたいと思います。