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【7・8リポート①】竹下の武道館デビュー戦の相手はジェネリコ

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    • 7月8日、大阪市淀川区民センターにて『KING OF DDT OSAKA 2012』が開催された。 鶴見亜門GBとマイク井上リングアナがリングに上がり、対戦カード発表を終えて、試合開始に移ろうとしたところ、ここでオープニングテーマと異なる曲が流れる。ここで姿を見せたのが、アントーニオ本多、ヤス・ウラノ、佐々木大輔、マサ高梨の4人。何かと対立していた4人だが、「これまで散々、煮え湯を飲まされてきた。だからこそ、オマエらの実力は俺らが一番理解している。新しいユニットをやっていこうじゃねぇか。この4人に、それぞれのユニットにいる星誕期、火野を加えた6人でやっていこうという話になった」(佐々木)とのことで、アントンから新ユニット名「モンスターアーミー」が発表された。さらに当初、第5試合で組まれていた4WAYタッグマッチを8人タッグに変更するよう要求。しかも「オレたちの結束を見せつけるために」(アントン)と、イリミネーションルールの採用を訴えた。ところが足並みがまだそろっていないのか、「訳わかんない」とリング上で揉め始める始末。カード変更を拒否していた亜門GMだったが、「オマエら、ユニット組み始めて何ケンカしてんだ」と困り果て、渋々カード変更を認めた。

      第2試合はトーナメント準決勝第1試合のHARASHIMAvsケニー・オメガ。両者とも、立ち上がりから慎重。まずはケニーがリストロック、ヘッドシザースでHARASHIMAの動きを封じていくが、HARASHIMAはダブル・レッグロックに切り返し、弓矢固めを決めていく。フライング・ニールキックをきっかけに動きが出てきたケニーだが、HARASHIMAはストマックブロックを皮切りに、ケニーのボディーに攻撃を集中させていく。ストンピングを叩き込み、バックブリーカー式のメキシカンストレッチを決めながらも、脇腹にパンチを落としてスタミナを奪っていく。しかしケニーはHARASHIMAが放ってスワンダイブ式ミサイルキックをドロップキックで撃墜すると、ファイアーマンキャリーバスターからその場跳びシューティングスター。ダイナミックな動きで反撃に転じたが、HARASHIMAはボディーにヒザを叩き込んでケニーの動きを止める。それでもケニーはHARASHIMAがトップロープ越しにエプロンのケニーにギロチンドロップを放った一撃をかわすと場外プランチャ。さらにアリーナ後方まで連れて行き、ステージ上に置かれた本部席からのケブラーダで追撃する。これで一気にペースをつかんだかに思えたが、HARASHIMAはコーナー最上段からケニーが放ったフライング・ボディーアタックを山折りで迎撃するとファルコンアロー。しかしケニーもHARASHIMAのボディープレスを足を出して迎撃し、ボディーへの攻撃に苦しめられながらも高速の投げ捨てドラゴン・スープレックスを決めた。HARASHIMAもすぐさまバッククラッカー、リバース・フランケンから蒼魔刀を放つが、ケニーはこれを波動拳で撃ち落とす。投げ捨てドラゴン・スープレックスからクロイツラスを決めたもののHARASHIMAはカウント2で肩を上げる。ならばと雪崩式クロイツラスを狙ったが、HARASHIMAは雪崩式リバース・フランケンに切り返し、蒼魔刀一閃。しかしケニーはカウント2でクリアした。HARASHIMAは続いてファイアーバード・スプラッシュを決めたものの、ケニーかこれもカウント2でクリア。一瞬、攻撃の手が止まったHARASHIMAを肩車したケニーは片翼の天使へ。叩きつけると同時にガッチリホールドして3カウント。まずはケニーが決勝へ駒を進めた。

      HARASHIMA「15周年の武道館大会、メインに出られないということで……。ずっとDDTでやってるんで、絶対に勝ち上がって武道館にメインに立ちたかったんですけど、ケニーは強かったです。ホント負けて悔しいんですけど、これで終わりじゃないし。実際、武道館大会に行けるわけだし。この気持ちは忘れないけど、気分は切り替えて、8月18日、武道館大会に向けて進んでいきたいと思います。ケニー、強かったですよ。(互いに決め技を返し合った末の決着だったが)ケニーが、まさかあそこであんな返され方をすると思っていなかったんで。あの発想と瞬発力とパワー、すごいですね。ケニーとは分が悪いんで、ホント悔しいですね。でも、自分は武道館大会、メインには立てないですけど、DDT、ドラマティック・ドリーム・チームの一員として、盛り上げていきたいと思います」

      第3試合はトーナメント準決勝第2試合のKUDOvs男色ディーノ。序盤からディーノは下半身を意識させる攻撃でKUDOにペースをつかませない。TバックをずらしてのナイトメアをしのいだKUDOは、ディーノを場外に落として矢のようなトペ・スイシーダを決めてみせる。場外、リング内でキックを何発も叩き込み、ボディーシザースで息を整えたKUDOだったが、ディーノは股間をつかむや男色スープレックス連発でペースを引き戻す。そして、上井文彦氏が観戦しているのを知ってか知らずか、「ほも色列車」「ほも色特急」「ほも色新幹線」とアピールしてから3段階スピードでのホモイェを決めていく。KUDOが反撃に転じようとも、ディーノは要所要所で男色ベーゼを決めてKUDOの動きを止め、攻撃を断ち切る。それでもKUDOはコーナーからのダブルニー、側頭部へのキックを決めていくものの3カウントを奪うには至らず。コーナーでの攻防でディーノを宙吊りにしたところへダブル・ニーを落としたKUDOだったが、ここでもディーノはカウント2でクリア。そしてKUDOがトドメとばかりに放ったダイビング・ダブルニーをかわしたディーノはすぐさまゲイ道クラッチ。カウント2で返されると男色ドライバーを決めるが、KUDOはここでもフォールを許さず。リバース・えび反りジャンプを決めたディーノは、コーナーへ。追いかけたKUDOだったが、ディーノはコーナー最上段で男色ドライバーの体勢。そのままコーナーポストにKUDOの頭を叩きつける新技、男色ドライバaaaaahhhhh!!!!!を決めて、ケニーが待つ決勝戦に駒を進めた。

      KUDO「ホントになんか、悔しいです。自分はいままで生きてきた人生もそうだし、練習もそうだし、全部なにも後悔してないし、やることやってきたし……。いままでやってきたことを常に出して、このトーナメントに勝とうと思ってたんですけど。前回もそうだし、今回もそうだけど、男色ディーノ、新技を出してくるんですよね。2回ともその新技にやられたんですけど、正直、ボクのなかでちょっと悩んでますね。考え方を変えるというか、いままで培ってきたものにプラスアルファ、何かあってもいいんじゃないかって。この2連敗でちょっと思いましたね。でも、自分のスタイルは間違ってないと思うし。これから新しいチャレンジもしていきたいなと思います。ホント悔しいですけど、男色ディーノ、チームメイトなんで、武道館メインに立てるように、もう1試合、頑張ってもらいたいです。ボクはボクで気持ちを切り替えて。まだタッグのベルト持ってるんで、これだけは必ず死守して、ベルトを持って武道館のリングに上がりたいと思います」

      第5試合は石井慧介&入江茂弘&松永智充&遠藤哲哉vsヤス・ウラノ&アントーニオ本多&マサ高梨&佐々木大輔の8人タッグイリミネーションマッチ。いきなりの乱闘で始まると、序盤はモンスターアーミーが早いタッチワークと好連係で追い込んでいく。入江のパワーと石井の飛び技に反撃を許したものの、佐々木が松永にトップロープを利用してのスタナーを決め、ヤスがバックドロップ、アントンがフィストドロップとつないで失格に追い込む。ここで遠藤が奮闘。佐々木に対して、串刺しフォアアーム、ブレーンバスター、ノーザンライト・スープレックスと一気呵成に攻め立てるも、ムーンサルト・プレスをヒザを立てられて迎撃されると失速。高梨&佐々木のツープラトン・コンプリートショットを浴び、佐々木のクロス・フェースロックにギブアップ。これで4対2となった。勢いに乗るモンスターアーミーは石井に集中攻撃を浴びせるが、石井もトップロープ越しにエプロンに降り立ったヤスにアントン、佐々木をぶつけて場外に落として失格に追い込むと、リング内からコーナーに上がったアントンに佐々木をぶつけ、トップロープ越しに転落させて2対2のタイに持ち込んだ。さらに佐々木に桃色ニールキックを決めて3カウントを奪うと、モンスターアーミーで残ったのは高梨のみ。人数でも優位に立ったところで入江のパワーが爆発。ショルダーアタックで吹っ飛ばすと、石井が垂直落下式ブレーンバスターから逆エビ固めを決める。ここですでに失格しているヤスがレフェリーの注意を引きつけると、高梨はマットを叩いてギブアップの意思表示。技を解いた石井だが、レフェリーは見ておらずそのまま試合は続行。高梨が石井を丸め込んだもののカウント2で返されると、入江がダイビング・ボディープレス。さらに自分が垂直落下式バックフリップを決めて高梨から3カウント。モンスターアーミーは初陣を白星で飾ることはできなかった。

      休憩明けには、8・18日本武道館でデビューする地元・大阪市出身の新人、竹下光之介の公開練習が行われた。186cm、85kgの現役高校生(2年)である竹下は石井慧介との実戦形式でロックアップから腕の取り合い、ヘッドロック、グラウンドでの攻防、ロープワークからのドロップキックといった基本的な動きを披露。何度もボディースラムで叩きつけられながらも、コーナーに上がった石井をその場跳びのドロップキックで場外に落としたところでタイムアップ。上半身はTシャツを着たままとあって、観客の前にお披露目されたもののまだ完全にベールを脱いだわけではない。それでも長身とバネを生かしたジャンプ力は潜在能力の高さを十分に感じさせた。「応援してくれた地元のファンの前でできて、すごく気持ちよかったです」「(デビュー戦が決まって)緊張してるんですけど、やっぱり今は武道館でプロレスをしたいっていう気持ちの方が強いです」と初公開の感想を述べた竹下に、鶴見亜門GMからデビュー戦の相手が「シングルマッチ、竹下幸之介vsエル・ジェネリコ」と告げられる。それを聴いた瞬間、リング上で座り込んだ竹下は「やっぱりこの会社は狂ってると思います」と苦笑い。「狂ってる会社でデビューするわけだから、がんばってね」と亜門GMが切り返し、会場は笑いとともに大きな拍手に包まれた。

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