3日、東京・新木場1stRINGで『DRAMATIC 2012 June Special』が開催された。試合開始前にはメインイベントで行われるKO-Dタッグ選手権試合の公開調印式が開かれ、王者組・火野裕士&ヤス・ウラノ、挑戦者組・GENTARO&松永智充が出席した。両チームともにサインを終えると、松永がマイクを握り、「久々のチャンスです。今日は新木場までベルトを獲るために来ました。楽しみです!」と気合十分に語る。GENは「唐突にオファーを受けたけど、今日は松永が指名してくれたということで、その点は感謝してるし、対戦相手も火野、ウラノ。最近の中では凄い選手だし、プロレスリングができるんじゃないかって楽しみです」と王者組を見やりながら笑みを浮かべた。今度は火野。「俺はGENTAROの痛い顔を見るのが大好き!」と一言だけ意気込みを述べて場内の笑いを誘う。最後はヤスが「Crying Wolfとしてタイトルマッチはつらい戦いになると思う」と切り出すと、「あまりにも何もなさすぎて、お客さんの記憶に残らないかもしれない。終わって残るのはCrying Wolfが強い、すごいということだけ。がんばってCrying Wolfの強さをみせます」と自信満々に返り討ちを誓った。すると王者組はベルトを持ってさっさと花道を下がりかける。GENが「ナメんな、お前ら!」と怒声を上げても、火野&ヤスは無視して退場した。
第1試合は入江茂弘vs遠藤哲哉のシングルマッチ。まずは遠藤がロープワークで翻弄し、ドロップキックを連射したが、入江は仁王立ち。逆にショルダーアタックで吹き飛ばすと、遠藤の背中にチョップを叩き込んで快音を響かせる。強烈なエルボーをぶち込むや、ボディスラムで豪快に投げ捨て、羽根折り固めで絞り上げていく。ロープに逃れた遠藤もエルボー連打で食い下がる。入江がエルボー連打で応戦しても遠藤がドロップキックでやり返し、その場跳びムーンサルトを投下。素早くバックに回り込むやジャーマンで入江の巨体を引っこ抜き、ムーンサルト・プレスで勝負に出た。ところが入江もカウント2でクリア。なおも遠藤がドロップキック、エルボーで必死に食い下がったが、入江が強烈なランニングエルボーを連発して鎮圧。遠藤も肩を上げ続けたが、入江が強烈なノーモーション頭突きをさく裂。最後は入江が強烈な頭突きで遠藤をノックアウトしてからテディベアで圧殺した。
第2試合は彰人と伊橋剛太によるシングルマッチ。先にペースを握ったのは彰人。串刺し攻撃を回避してエプロンに着地すると、突っ込んできた伊橋が爆弾を抱える左ヒザに低空ドロップキックをお見舞い。左ヒザにジャンピング・ボディプレスを投下し、変形レッグロックで左足に集中砲火を浴びせる。反転して逃れた伊橋のヒザをマットに叩きつけて追撃し、逆水平で抵抗する伊橋の左ヒザを蹴りつける。なおも左足をロープに絡めて暴行していった。苦悶の表情を浮かべた伊橋もエルボーで必死の抵抗。彰人もエルボーを返礼し、そのままラリーとなったが、伊橋がランニング・ミドルキックで競り勝つ。すかさずジャンピング・ボディプレスを投下してたたみかけ、ラリアットを放った。かいくぐった彰人もニークラッシャーで反撃を開始。俵返しで伊橋の巨体をぶん投げ、ヒザ十字固めでギブアップを迫った。ロープをつかんだ伊橋もカウンターのラリアットでペースを引き寄せ、ジャーマンで3カウントを迫る。さらにたっぷりとアピールしてからコーナーに上がり、ダイビング・ボディープレスで降下した。だが、彰人が余裕をもって回避。伊橋は左ヒザを痛打してしまう。すかさず低空ドロップキック、ニークラッシャーで追い討ちした彰人はアンクルホールドで絞り上げる。伊橋がもがくとヴォルク・ハンvsコピィロフ式アンクルホールド(グラウンド式の変形アンクルホールド)に移行してギブアップを奪った。
第3試合は高木三四郎&高尾蒼馬&勇者アモンのnWJ軍と中澤マイケル&ばってん多摩川&大家健が激突する6人タッグマッチ。試合前のスキットでは体制派・マイケルがいつになくやる気満々。「やっちゃっていいんですね?」と亜門GMの了承を得たマイケルは、ばってん&大家に対し「遊びじゃないんだ!」と猛ゲキを飛ばす。亜門GMは頼もしげにマイケルを見つめながら送り出した。5・20新木場大会でのタッグマッチ、5・27札幌大会でマイケルの“アルティメット・ベノムアーム”に連敗中の高木は、マイケル組を見るなり、「ヒド過ぎるだろ!」とクレームを入れたが、マイケル組は「ドリームチームだ!」と言い張って譲らず。呆れた高木は「高尾君、いけるな?」と高尾に先発を任せた。高尾とマイケルの先発で試合がスタート。目まぐるしいロープワークでしのぎを削るや、ドロップキックの相打ちで沸かせた。ばってんにタッチが渡ると、アモンがリングイン。控えの高木&高尾が「アミーゴ! ルチャ、ルチャ!」と声をかけると、アモンもルチャ的なロープワークで「ルチャ」コールを引き起こす。さらに「ジャベ」コールに合わせてばってんの腕関節を極めてみせた。今度は高木と売店部長・大家が対峙。高木が「売店の目標額はいくらだー!?」と叫びながら大家にチョップを見舞えば、大家は「1万5000円です!」と答えながらチョップを返礼。そのままラリーを繰り返しながら、高木は「少ないだろ。目標は大きく持て!」と社長らしく大家の消極的姿勢をたしなめる。さらに高木は「なぜ売店にnWJのTシャツがない!?」と怒りもあらわに問うや、大家は言葉に詰まりながらも「札幌で売り切れたんだよ!」と力強くチョップをぶち込む。高木も「いつ追加発注したんだよ!? いつだよ!?」と強烈な一撃でやり返すと、大家はすっかり弱腰となり、「あの、えーっと…木曜日です……」。すかさず高木は「月曜日に発注してれば間に合ってるだろ!」と叱咤したうえで、土下座する大家の顔面を低空ドロップキックで射抜いた。替わった高尾がブレーンバスターの構えに入ったが、大家も必死で踏ん張る。すると、ばってんが駆けつけて大家とのダブル・ブレーンバスターを仕掛けたものの、高尾も踏ん張り通す。ならばとマイケルがやってきて、ばってん&大家に加勢し、3対1のトリプル・ブレーンバスター(※注:マイケルは特に役に立っていない)でぶん投げる。さらにばってん → マイケル → 大家の順でアイダホ!ミネソタ!ミシシッピ!エルボーを連続投下して攻め込む。タッチを受けたマイケルは「いくぞー! 負の三連鎖! ジェット・ストリーム!」と叫ぶや、ばってん&大家とともに〝負の三連鎖ジェットストリームアタック”を連発した。ところが3度目は高尾が回避し、マイケルをコーナーマットに自爆させると、リバースDDTとコンプリートショットでばってんと大家をまとめて叩きつける。タッチを受けた高木がミサイルキックで大家になだれ込むと、中澤とばってんを両腕ラリアットで蹴散らす大暴れ。雪崩式ブレーンバスターで大家を叩き落とした。負けじと大家もスピアーで代わった高尾をなぎ倒して中澤にスイッチ。ダイビング・ショルダーで高尾に追撃した中澤は、高尾が低空ドロップキック、エルボー連打で抵抗しても「熱くなってきたぜ! 火照ってきたぜ!」と両ヒザのサポーターを下ろし始める。構わず高尾が張り手を放ち、ロープに飛ばしてもジャンピング・バックエルボーを叩き込んで鎮圧。アングルスラムでぶん投げると、アンダータイツを脱ぎ、手にはめてから決めるアルティメット・ベノムアームで高尾に追い討ち。さらに救出に駆けつけた高木にもアルティメット・ベノムアームを繰り出して排除した。ところが、なぜかアモンにはアルティメット・ベノムアームは効かず。両手を挙げて勝ち誇ったアモンはマスクを脱いで黒色のマスク姿に。脱ぎ捨てたマスクを高々と掲げると「オーバーマスク!」と叫んでマイケルの顔面に押し当てるや、フライング・クロスチョップをお見舞い。さらにばってん、大家とフライング・クロスチョップで蹴散らすと、最後はビバメヒコ・オーシャンスープレックスでばってんの息の根を止めた。
試合後、マイクを握った高木は「まさかのオーバーマスク作戦でアミーゴが勝ったからいいものの、おい、鶴見亜門! 何で最近、nWJの対戦相手はヨゴレばっかりなんだ!」と亜門GMにクレームをつける。鶴見GMが「嫌がらせだよ!」とあっさり言い切ると、高木は「嫌がらせだったのか。そうだよな……」と肩を落とした。気を取り直した高木は「お前の私利私欲のためにGMを任せてるわけじゃねえんだ!」と切り出すと、「俺たちが煙たいからってこんな3人集めやがって。危うく新木場が冷凍化してしまうところだった。前から言ってるけど、お前なんか用済みだ!」と改めて亜門GMの“解雇”を宣言。「俺たちnWJの最高顧問にこの団体のGMになってもらう!! 今日、新木場に来ている。この方だ!」とある人物を呼び込んだ。すると村木賢吉の名曲『おやじの海』に乗って元WJ専務取締役の永島勝司氏が登場。場内から「オヤジ」コールが起こる中、高木から紹介された永島氏は「三四郎から色々注文をつけられてるけど、こっちも生半可な気持ちじゃできないから」と前置きしたうえで「いい加減な気持ちじゃ受けない。性根据えてこっち向かって来い」とnJW勢に奮起を促す。高木が「はい! 東京ドーム押さえましょう!」と意気込むと、永島氏は「徹底的にやってやるからな。nWJなんてつけやがって。nを取ればWJじゃねえか!」と苦笑いしたものの、場内は「カ、カテェ!」の大合唱。最後に永島氏は「やるからには薄くてしょうがねえ。強力な助っ人を一人、ぶち込むぞ。今度、6月24日の後楽園に連れて行く。みんな期待していていいぞ!」と新戦力投入を宣言し、6・24後楽園大会での高木&高尾&アモン&Xvsケニー・オメガ&マイケル&ばってん&Xの8人タッグマッチが決定した。
高木「最高顧問の永島さんだ」
永島氏「またこの世界にハメ込まれたけどな。ここまで来たから仕方ない。色んなものを投入していくよ」
高木「やるしかないですね」永島氏「皆さんがちょっと構えないといけない状況になると思うよ。消極的や、おちゃらかプロレスじゃダメ。次来る奴はそれじゃダメだよ。俺を引っ張り出したな」
高木「大変でした。二つ返事、いや割とかわされたんですが、4つ返事で快諾していただきました」
永島氏「活性化すんならやってやろうじゃないかと。俺のメンバーというか助っ人が3人いるけど、一丁いいのを後楽園に連れて行くよ。おもしろくしてくれよ!」
第4試合はKUDO&大石真翔vsアントーニオ本多&矢野啓太。まずはアントンが大石を孤立させて主導権を握り、矢野とともに二人がかりで攻め込んでいく。劣勢となった大石もランニング・ダブルチョップを放って自力で脱出すると、タッチを受けたKUDOがミサイルキックでアントンになだれ込んで挽回を図る。ダイビング・ダブルニーアタックは替わった矢野に回避されても不時着し、スピンキックをお見舞い。逆さ押さえ込みでニアフォールに追い込むと、バズソーキックを叩き込む。さらに大石がスリングショットの要領で矢野を担ぎ上げるや、KUDOがダイビング・ダブルニーアタックで突っ込む荒技も敢行だ。アントンもナックルパンチを連発して再び大石を孤立させる。加勢に入った矢野がファイヤーーマンキャリーで担ぎ上げて旋回し、大石の目を回す。さらに二人がかりで暴行し、アントンがジャーマン・スープレックス・ホールドで固める。大石が返しても、卍固めで絡みつこうとした。が、大石がそのまま直伝トルネードクラッチで切り返して丸め込み、電光石火の3カウントが入った。