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【1・29リポート③】ディーノが5年9ヵ月ぶりKO-D無差別王座奪取!!

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    • セミファイナルはケニー・オメガvsHARASHIMAのスペシャルシングルマッチ。ケニーは場外戦でHARASHIMAを柵に叩きつけると、HARASHIMAもケニーを柵に叩きつけてお返し。ケニーは床へのコタロークラッシャーからイスを手にするが、それで攻撃することはなく放り捨てた。エルボー、逆水平の打ち合いからHARASHIMAがストマックバスター。さらにフットスタンプで蒼魔刀への布石を作っていく。コブラツイストはヒジでケニーのワキ腹を押し当てて苦しめる。ケニーはHARASHIMAのスワンダイブをドロップキックで迎撃してようやく反撃のチャンス。カナディアンロッキーバスターからその場跳びカンクーントルネードを狙うもかわされてしまったが、エプロンでHARASHIMAの断崖式ギロチンドロップを間一髪でかわし、ノータッチ・トペコンヒーロを炸裂させた。ケニーの波動拳をHARASHIMAが延髄斬りでカット。串刺しフロント・ハイキックから雪崩式ブレーンバスター、ファルコンアローと畳み掛ける。山折り狙いを阻止するケニーに、HARASHIMAがショート・レンジラリアットで黙らせた。HARASHIMAは山折りから蒼魔刀狙い。これをケニーが間一髪でかわすとヒザ蹴りからAOISHOUDOUへ。HARASHIMAはクロイツ・ラスをかわしてコードブレーカー。コーナーポストに叩きつけるとケニーの背中に蒼魔刀。コーナーに乗せたケニーを雪崩式リバース・フランケンシュタイナーで落として蒼魔刀をヒットさせたがカウント2で決まらず。ケニーもHARASHIMAのスワンダイブ式ボディープレスを波動拳で迎撃してダブルダウン。ケニーはHARASHIMAのお株を奪うリバース・フランケンシュタイナーを繰り出し、クロイツ・ラスで勝負に出る。これを食らわんと必死に抵抗するHARASHIMAがリバース・フランケンシュタイナーに切り返そうとする。ケニーはこれを阻止し、頭上へと持ち上げると片翼の天使に移行して3カウントを奪った。

      ケニー「俺はチャンピオンだから、俺に休息の時間はない。チャンピオンになる前から自分は100%の状態だった。そして自分はハングリーだった。そしていまは勝つためだけじゃなく、生き残るために俺は闘っている。自分はベストなレスラーだって俺はわかってる。でも、ベストになるためにこんなにハードにやる必要があるのかい? まあ、人生はそういうものだな。そうやって俺はいろいろ学んでいるのかもしれないな。本当のチャンピオンと普通の選手の違いをわけるのは、チャンピオンは常に闘い続けるんだ。そしてもしお前らがカズ・ハヤシ相手に俺がベルトを防衛できるか疑ってるとしたら、俺が防衛すると信じろ。俺が勝つって信じろ。そういうことだ」

      HARASHIMA「来日したばかりのケニーに負けてて、そのリベンジをしたかった。ハードヒットルールでは自分が勝ったんだけど、後楽園で(フォールを)取られているというのもあったし。でもそれも何年も前で、世界ジュニアも獲って他団体で経験も積んでいるケニーはあの頃とは全然違う。ケニーと闘って勝ちたかったけど、そこはチャンピオンの意地を感じました。フィニッシュの技は効きましたね。僕は鍛えているから大丈夫ですけど、クロイツ・ラスを警戒していたけど、先にあれがきたのは僕の研究不足。負けて悔しいけど、楽しい試合ができました。(武道館イヤーでの今後のビジョンは?)KO-Dのベルト挑戦といってもこの前負けているし、チャレンジの一番下にいる。一歩ずつ試合で結果を残して、武道館のメインのリングに立ちたい。何があっても上を目指してガンガン進んでいきます。(険しい道のりのようだが?)険しいほど越えがいがあるじゃないですか。険しい道を越えて武道館のリングに立ってやります。なんでかって? それは鍛えているからだ!」

      メインは王者・KUDOvs挑戦者・男色ディーノによるKO-D無差別級選手権試合。グラウンドの攻防という静かな立ち上がりからKUDOがキャンバスに寝そべってアリ・猪木状態になると、腰をグイと突き出す。序盤は男色殺法を生み出していたディーノに。男色スクリューから股間でKUDOのケツを突き、セカンドロープにもたれかかったKUDOの顔面に619式で己の股間をあてがう。さらに男色クローでギブアップを迫った。男色スピンからファイト一発!と畳み掛け、タイツを広げてKUDOを誘導するディーノ。これをKUDOは間一髪でかわし、お株を奪うファイト一発!からダイビング・ダブルニーアタックへ。しかし8×4は阻止されてしまうとリップロックで動きを止められ、男色ブレーンバスターから男色ナイトメアへ。ディーノはタイツをケツに食い込ませてKUDOを精神的に追い詰めた。KUDOはこれを回転エビ固めに切り返し、場外に出たディーノに飛ぼうとする。すかさずディーノがエプロンに上がってリップロックで阻止。押せ押せのディーノはホモイェ、シャイニングあてがいを見舞う。KUDOもロープへの8×4からスワンダイブ式ミサイルキック、バズソーキックでやり返すが、コーナーに登ったところでディーノの男色ビーナスで動きを止められてしまった。それでもKUDOはリップロックでやり返し、中吊りになったディーノにダイビング・ダブルニーを放つ。しかしディーノがこれをかわしてスワンダイブ式フランケンシュタイナー。男色ドライバーからここ一番のリバース・エビ反りジャンプ(ムーンサルト・プレス)で飛んだがカバーできず。KUDOはスピンキック3連発からナックルパンチ、バズソーキックで反撃。ディーノもKUDOの脚に頭突きを打ち込み、リップロックからゴッチ式男色ドライバーへ。KUDOはカウント2でクリアする。ならばとディーノはリバース・エビ反りジャンプ2連発から男色トルネードを投下! これで3カウントを奪い、2006年4月2日にベルトを手放してから、5年9ヵ月ぶりのKO-D無差別戴冠となった。

      試合後、ディーノは「KUDOくん!」とKUDOを呼び止めるとフレンチキス。「KUDOくんが両国のメインに立ったとき、この中の人の幾ばくかは不安があったでしょう。でもザマアミロ! KUDOくんは見事に勤め上げたわよ。そしてKUDOくんから私が(ベルトを)獲った。でもKUDOくんは沈まないわ。またやろう」(ディーノ)KUDOがリングを降りるとディーノはマイクを続ける。「私はイロモノよ。でも私にだって武道館のメインに立つ夢を持ち続けてもいいんじゃない。イロモノは前座って誰が決めたの? お客さん? いや違う! 私だったの。イロモノの男色ディーノが武道館のメインに立つ。これが私の夢。みなさん、明けましておめでとうございます! 男色元年、幕開けました!! これからは私の好きなのようにやらせてもらう」。ディーノは続いて「アントン」と呼びかけ、リングに上がったアントンに話す。「私が(ベルトを)獲ったら一番最初にしなきゃいけないこととして、そもそも武道館を目指すに当たって一度決着をつけなきゃいけなかったの。私たちだけじゃない、お客さんのみんな振り払わないといけない亡霊、マッスルを破壊しなきゃいけない!」(ディーノ)「タイトルマッチをやるってこと?」(アントン)「察しろよ!」(ディーノ)「OK、このタイミングでか……俺は正直、今言ってることがピンと来てない。正直、例えばここに1000人のお客さんがいて、997人ぐらいが興味ねえよ。だがな、一人だけ猛烈に興味と思い入れを持っているヤツがいるんだ。誰だか教えてやろうか!? アンタも覚えているだろ、アントーニオ本多だよ。今から10年前、アンタが大阪から新幹線に乗って国立の一橋大学のHWWAの興行に来てアントーニオ本多の試合を見ただろ!? それからほどなくして君はこのリングに上がりはじめて週刊プロレスの誌面とかをにぎわせ始めた。その頃、俺は4万5000円のアパートで将来の不安と失恋とコミュニケーション不全で毎日泣いてたんだ。そんなことどうでもいいよ。だがな、運命とは不思議なもんで、俺はその数年後、アンタのいる団体に顔を出すことなったんだよ。マッスルというきっかけがあったかもしれないけど、俺がはじめてDDTの新木場で男色ディーノの試合を見て、すげえなと思った。でも、コイツにはひょっとしたら勝てるんじゃないかという確信があったんだよね。それからいろいろある。体重も30キロほど増え、君のキッチンで寝泊りしていたこともある。俺の引っ越しを手伝ったりいろいろあったよ。だけど元気でやっているよ! 10年だよ。オレにはお前に勝たなきゃいけない理由がある、俺が勝ったら、この中の3人ぐらいが喜ぶんだよ! 旅先にいるディック東郷が喜ぶんだよ! そして俺が勝って一番、本多宗一郎が喜ぶんだよ。2月19日、このベルトを(一部観客から『長い!』との声があがると)ウルセー! 長いじゃねえ!」(アントン)「私が聞きたいのは長話じゃない」(ディーノ)「行間を読め! 今、俺の台詞の行間に100万ものイエスが満ちている!」(アントン)「ていうことなんですよ、鶴見さん!」ここで亜門GMがリングに入り「俺がGMとして立ち会うのか? 最高じゃねえか。やれ!」と2・19後楽園でのタイトルマッチにゴーサインを出した。「男色ディーノは物事をまとめる、それでいい。俺はまとめることに興味ない。俺はここでしか生きてない。ここでしか本当のことを言ってない。だからお前らに文句を言われる筋合いねえよ!」(アントン)「アントンはそれでいい。アタシはアンタを全力でこのリングでまとめてやる。最後にもう一度、明けましておめでとうございます!」(ディーノ)

      ディーノ「アタシの名を言ってみろ。私の名はKO-D無差別級選手権者、男色ディーノ。もう何の遠慮もしない。私は私のやりたいようにやる。ここ数年忘れてきた。でももっともっとハングリーだった時の私の気持ちで、まだまだスケールアップするわよ。私の長所であるゲイ力、それも武道館でやるにはまだまだ足りない。もっとゲイゲイしく、武道館を男色に染めてやる。武道館でゲイレスラーがメイン張るなんて、日本プロレス界の汚点よ。それをずーっと刻み込んでやるわ。そのためだったら私はなんだってやるわ。もうこれ以上伸びないなんて、思っていたら伸びない。最後の最後まで成長するんだって教えてくれたのはディック東郷。私はまだまだホモくなれる。まだまだ性欲は強くなれる。それを半年、これ持って証明してやるわ。(マッスルの亡霊と言ったが?)ここ一回、振り払わないと、武道館を目指すのはDDTだから。こちら側にいちゃダメだと思うの。だからアタシのエゴにアントンを付き合わせた感じね。だから言ったでしょ、私がやりたいようにやるって。武道館で私のゲイレスラーとしての力を見せつけるための生贄になってもらいます」

      アントン「おい、聞け。リング上であらかた説明したんですけど、腹立つ! ぬるい! 嫌い! だから勝つ!」

      KUDO「ほんとに悔しいです。でもなんか、新しい動きだったり、新しいことにチャレンジする姿勢というか、そこがちょっと向こうが一枚上手だったのかなって思います。でも、2012年一発目、後楽園ホールでベルト獲られましたけど、去年の今ごろと比べて、全然気力も充実しているし、体力も向上しているし、武道館イヤー、オレはまだまだベルト諦めてないし、まだチャンスあると思うんで。次必ず勝って、武道館、メイン、必ずベルトを巻いて、武道館のメインに立ちます」

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