8月27日、都内で夏のビッグマッチ「WRESTLE PETER PAN 2025【DAY1&2】」(30日、ひがしんアリーナ=墨田区総合体育館&31日、後楽園ホール)に向けて公開記者会見が開かれた。王座返り咲きを狙う上野勇希が壮大な夢を明かした。
同王座戦を巡っては、8・30ひがしんアリーナで王者の樋口和貞にレジェンドの秋山準が挑み、その勝者が8・31後楽園で上野のチャレンジを受ける。DAY1の勝者は2日連続で王座戦に臨む強行軍となる。会見には3人が揃って登壇し、調印書にサインして意気込みを語った。
秋山は「こうやって会見するのも久しぶり。KO-D無差別級も4年ぶり。シングル最高峰で戦えることにワクワクしています。ケガしないように勝って、次の日、上野勇希! 彼といい試合して、盛り上げたいと思います」と話した。
王者の樋口は「4年前、当時このベルトを持っていた秋山準に挑戦して負けました。あの敗戦は、自分のプロレスラー人生で一番悔しいくらいの出来事でした。そこから月日は流れて、自分は今は秋山準というプロレスラーを尊敬してます。ただ尊敬してるからこそ、あの4年前のことが忘れられない。尊敬の念をもったうえで秋山準に勝ちたいと思っております。そして先を見据えなければならないとは思うのですが、まずは秋山準に集中していきたいと思います」と語った。
上野は「2日目に挑戦することだけが決まっておりまして。どちらがチャンピオンとして僕の前に立つか分からない。いつもタイトルマッチのときはベルトを通して対戦相手を感じる、自分を感じてもらう、それを見てもらうというのを積み重ねたいと思っていて。今回は前日の直前までどちらが来るか分からないという状況で。自分自身を見つめることが多くて。無差別のチャンピオンになってやりたいことがたくさんあります。チャンピオンじゃない間にいっぱい借り作ったし、この期間に、『G1』でタケちゃん(竹下幸之介=KONOSUKE TAKESHITA)が歴史のある過酷なリーグ戦で優勝して、DDTと米国で培ってきたものを使って。DDTのチャンピオンになる僕ができることは、ほかと比べるのではなく、DDTの頂点が高くなり、その高いところでタケと試合するのも夢の一つだし、タケを含めDDTのみんなで、DDTのことを好きなみんなで、高いところ大きいところに行って夢を見るというのもやりたいことだし、チャンピオンの僕ができることだと思うんで。まだ見ぬ未来にガンガン進んでいくために、この大きな2人のどちらかに勝って、チャンピオンになりたいと思います」と王座奪取後の夢を披露した。
4年ぶりにKO-D無差別級王座に挑戦することを決意した動機について秋山は「まず、樋口がチャンピオンになった時点で、僕もという感じはあったんですけど。先にHARASHIMA選手がやって、HARASHIMA選手が頑張ってるのを見てたんで、それが背中を押してくれて、“次は僕だ”と。それが大きいです」と説明。
上野にとっては、前日にならないと対戦相手が決まらない事態となるが、ふだんのタイトル戦のときとの気持ちの違いを問われると、「考え方の問題で、ベルトへの向き合い方が違った。自分がどう思うか、何をしたいのかを考えてるのが大きな違いで。実際タイトルマッチ2連戦をすることになる2人より僕の方が体力に余力がある。そこに関しては僕自身にはチャンス。むしろいつも通り、いつも以上に。2人がどれだけ激しく戦っていようが、どんな状況になっていようが、自分のやりたいことへの気持ちをもってやるんだという準備になります」とコメント。
樋口はシングルマッチで秋山に勝ったこともあるが、それでも4年前のタイトル戦での敗退での悔しい気持ちが強いことに関して、「何回かは勝ってますけど、タイトル戦では勝ってないので特別な思いがあります」と述べた。現在「いつでもどこでも挑戦権」を保持している選手が4名(平田一喜、佐藤大地、岡谷英樹、高尾蒼馬)おり、ビッグマッチ2連戦のなかで行使される可能性もあるが、「来たら来たで何も考えてません」と泰然自若。前回の戴冠時はKO-D無差別級王者として、両国国技館のメインイベントの舞台に立つことが叶わなかっただけに、11・3両国に向け「(王者として臨むという)モチベーションになってます」と言い切った。