DDTロゴ
DDT

【佐々木大輔インタビュー後編】メキシコ、ベトナム、西調布。カリスマが世界で出会った仲間たちと迎える20周年

この記事をシェアする

  • 10月2日後楽園ホールにて、デビュー20周年記念大会「CHARISMANIAxMANIAxMANIA supported by HEAD PHONES PRESIDENT」を控える佐々木大輔に現在の心境を聞いた。(聞き手・三田佐代子)

    ▼前編はこちら
    https://www.ddtpro.jp/news/68d66b5bc1dc060002af6fad

    ーー10月2日後楽園で開催されるCHARISMANIAxMANIAxMANIA(カリスマニア×マニア×マニア)」ですが、メインイベントが佐々木大輔&エル・デスペラード組vs石川修司&アントーニオ本多組となりました。まず20周年記念大会が後楽園で開催されると決まった時、ご自身は何をしたいと思いましたか。
    佐々木 デスペラードとやっぱり組みたい。会社が組んでくれないから。
    ーーデスペラード選手とは対戦ではなくタッグを組みたいと。
    佐々木 対戦した時に次は組んでみたいなと思って。
    ーー佐々木選手とデスペラード選手との出会いはいつ頃ですか。
    佐々木 ディック東郷引退ワールドツアーの時にあいつがメキシコにいて。一緒にテーブルダンスを見に行って打ち解けた。
    ーーまずお酒の席で仲良くなったんですね。
    佐々木 向こうが距離を詰めようとして、一緒にトイレに行った時に「佐々木さん、もう敬語とかやめましょうよ」って言ってきたんだよね。
    ーー年齢的には先方が少し上ですけど、キャリア的には佐々木さんの方が5年くらい先輩ですよね?
    佐々木 そうなんだけど、酔ってたのかな。だからその時は何なんだと思って、「いや、そういうのは違うんじゃないですか」って言ったんだけど。
    ーーよほど開放感があったんでしょうね。試合はされたんですか?
    佐々木 いや全然。練習も何もなくて、それからしばらく接点がなくて。
    ーーでは試合は本当に22年12月19日のTAKAタイチ興行、デスペ&ランス・アーチャー組vs佐々木&MJポー組が初めてだったんですね。試合はいかがでしたか。
    佐々木 なんか感動したよ。なんだろうな、波長が合うというか。
    ーー翌年23年7月23日のDDT両国大会ではシングルマッチになりました。
    佐々木 もう、大感動。
    ーー俺は泣きそうだよっておっしゃってましたよね。佐々木さんにとってこれまで、そこまでいいなと思える対戦相手っていたんですか。
    佐々木 まずは同期の佐藤(悠己)。DDTだと入江くんと竹下かな。
    ーーいきなり佐藤選手がそうだったんですか。入江茂弘選手と竹下幸之介選手も特別な存在で、でもそれに匹敵するくらいデスペ選手にも何かを感じることが出来たと。
    佐々木 デスペラードとは似てるものを感じたかな。入江、竹下はパワーファイターだからまた違うジャンルだけれど、デスペラードとはテクニカル系の波長が合ったから。
    ーーではデスペラード選手とタッグを組むとして、対戦相手については。
    佐々木 まずはアントンだろと。
    ーーアントーニオ本多選手とは長いお付き合いですよね。
    佐々木 ずっと一緒だったからな。少なくともモンスターアーミーまでは。
    ーープライベートでもよくご一緒されてましたものね。お互い大人になって、今の本多選手はいかがですか。
    佐々木 あんま変わってないよな。
    ーー立場は変わっても、本多選手はずっと佐々木選手にとって気になる存在ではあるんですね。
    佐々木 まあ、友達として。
    ーー友達なんですね、素敵です。お友達の本多選手がいて、あともう1人は。
    佐々木 DDTの選手とやってもしょうがないなと思って。やっぱり巨人だな、と。あんまり対戦はしてないんだけど、いい時代を過ごしてるしな。
    ーー佐々木選手と石川修司選手のタッグはいいチームでしたね。恐らく本多選手も石川選手もデスペラード選手とは初対決だと思うんですが、何を期待しますか。
    佐々木 まずは石川修司にやられて欲しい。ガンガンやられて欲しいっていうのと、アントンの世界観をどう処理するのかが見たい。
    ーーごんぎつね、出来ますかね。
    佐々木 来るでしょうそれは。喜んじゃうかもしれない。
    ーー石川修司選手は歌いますか?
    佐々木 嫌だなあ、プロのミュージシャンがいる前で。バンドのセットはあるけれど、まああり得なくはないな。
  • ーーその他のカードについてはいかがでしょう。
    佐々木 まずは東郷ファミリーを集めたかった。で、DDTのやつらを潰して欲しいと。
    ーーこういう時にディエゴ選手をちゃんと呼ぶのが佐々木選手のいいところだなと。
    佐々木 ディエゴは来たいっていうから。去年もDNA10周年で来てたのに、日本大好きだから。いま向こうではチャンピオンらしいぞ。
    ーー葛西選手と岡谷選手のハードコアも楽しみです。
    佐々木 葛西さんはいつか呼びたくて。岡谷をもっと目覚めさせてくれるんじゃないかと。岡谷はものすごいバイオレンス性をまだ抑えてると思うから。
    ーー岡谷選手は6月のカリスマニアで木高イサミ選手とハードコアをやって「最高に楽しい」とおっしゃってましたよね。
    佐々木 だからもっとああいう人たちとやらせようかと思ってる。
    ーーあと気になるのは「佐々木大輔記念杯」ですが、なんですかこれは。
    佐々木 佐々木大輔の記念だな。
    ーー佐々木大輔選手が記念の何かを差し上げるんですか。
    佐々木 まだ考えてないけど何にしようかな。20周年を記念した何かを。
    ーーなかなか面白いメンバーが揃いましたね。
    佐々木 まず大瀬良。いまめっちゃいっぱいベルト持ってるけどベトナムでアホだったからな。
    ーーいまみちのくプロレスで活躍している大瀬良泰貴選手ですが、そもそもディック東郷選手を尋ねてベトナムまで行ってプロレスラーになったんですよね。他にも長いお付き合いの選手が登場します。
    佐々木 大鷲透さんにはプロレスリングElDoradoで世話になったしな。バラモン兄弟は私が尊敬しているので、興行をめちゃくちゃにして欲しい。
    ーー第一試合の6人タッグについてはいかがですか。
    佐々木 大和ヒロシはメキシコで一緒だったからな。竹田誠志は同い年だ。
    ーー竹田選手と同い年だったんですか。
    佐々木 初めてシングルのタイトルマッチをやったのが竹田。STYLE-E無差別級選手権試合(2010年5月15日 西調布アリーナ)で、キャリア4、5年の時だったかな。
    ーーElDoradoとかSTYLE-Eとか、懐かしい団体の名前がたくさん出てきますね。
    佐々木 だから思い入れはすごくある。趙雲子龍は日本に帰って来た最初の試合で一緒だった。DDTでKUDO&ウラノ組vs佐々木&趙雲(2007年12月30日 後楽園)。
    ーー佐々木選手の記憶力も凄いですし、思い入れの選手たちがまだ一緒にリングに上がれるのも本当に嬉しいですね。
    佐々木 まあそうだな。
    ーー今回ご一緒するもう1つのバンド、VANISHINGさんについても教えて下さい。
    佐々木 VANISHINGは、私の入場曲がVANISHINGの前身のバンドの曲だ。そのバンドのデモ音源を私が入場曲で使っていて。
    ーーそれはどういう経緯で使うことになったんですか。
    佐々木 いや、たまたま買って、これいいじゃんと思って勝手に使ってたんだけど、VANISHINGが新潟かどこかのライブハウスに行った時に「お前らの曲使われてるよ」って言われたらしくて、VANISHINGも感動してくれて。
    ーーおお、喜んでくださったんですね、良かった。
    佐々木 向こうから連絡くれて。こっちはただのファンだから本当にびっくりして、そこから交流ができて。で、今回遂に生演奏で私が入場する。
    ーー生演奏で入場! どうですか震えますか。
    佐々木 これはやばい。これはやばい。
    ーーこの興行に来る方には何を楽しみにして欲しいですか。
    佐々木 音楽ファンで来る人にはプロレスを見て欲しいし、プロレスが好きな人はライブを見てCD買って帰ればいい。でもまず予習でCD買えよと。
    ーーぜひ予習したいと思うプロレスファンのために、それぞれのバンドの「これを聴いておけ」というカリスマお薦め楽曲を教えて頂けますか。
    佐々木 HEAD PHONES PRESIDENTは去年「In the Abyss / イン・ジ・アビス」ってアルバムが出たからそれを聴けばいい。VANISHINGは「WILD HORSE/ワイルドホース」ってアルバムが俺は一番好きなんで、それを聴いてきた方がいい。
    ーーありがとうございます。プロレスラーとして20年を迎えて、これからどうしていきたいですか。
    佐々木 これからどうしようかな。20年、運と勢いでやってきてるから。始めた頃って20歳くらいだから思考がパンクで、プロレスを金儲けに使っちゃいけないみたいな気持ちだったし、売れたいとかもなかった。ちょっとリングに上がってみたい、みたいなのから始まって、リングでやるプロレスって楽しいな、っていうだけの勢いでずっとやってきて20年やってるからな。
    ーー今でもプロレス楽しいですか。
    佐々木 楽しい時と飽きてる時と。
    ーーではプロレス以外にやりたいことはありますか。
    佐々木 それもないんだ。ミッドライフクライシス。
    ーーなんでしょうそれは。
    佐々木 中年の危機。
    ーーいやちょっと待ってください、本当ですか。
    佐々木 人生、これでいいのか、っていう年頃だ。
    ーー佐々木選手からそんな言葉が出るとは衝撃です。
    佐々木 本当に人生生きてきてはまってるものが、プロレスと音楽は変わらずずっとあるんだけど。
    ーーその2つにはやっぱり飽きないんですね。
    佐々木 でもこれでいいのかって最近思うんだけど。
    ーー充分です、その2つがあれば充分じゃないでしょうか。
    佐々木 そうかな。
    ーー以前はよく「もう俺は辞めて海外に行く」とおっしゃっていたじゃないですか。最近あまり言わないですね。
    佐々木 いや、海外志向はまだある。日本では売れたくないけどアメリカでは売れたいな。金髪の女にモテたい。
    ーーあ、それはまだ言う。20年を迎えて次の目標はアメリカで売れてモテたい。10年前からあまり変わってないですね。
    佐々木 根本は変わってないな。

この記事をシェアする