9月30日、東京・千代田区の神田明神で「DRAMATIC INFINITY 2025 ~3時間スペシャル~」(28日、後楽園ホール)の二夜明け会見が行われた。DDT UNIVERSAL王者・鈴木みのるが11月3日、両国国技館でのダブルタイトルマッチで対戦することが決まった、KO-D無差別級王者・上野勇希を質問攻めにする一幕があった。
9・28後楽園で鈴木は正田壮史を撃破し、UNIVERSAL王座を5度目の防衛。上野は「いつでもどこでも挑戦権」を行使して、平田一喜を破り、KO-D無差別級王座を奪還。さらに「いつどこ」を行使した須見和馬を下し、初Vを果たした。試合後、鈴木が現れて対戦を要求。上野もそれに応じて、大舞台でのダブルタイトルマッチが決定した。
会見は別々に実施され、まずは鈴木が登壇。正田戦を振り返り、「若さ、勢い、そんなクソみたいなもので俺に勝てると思ったあいつが悪い!」と一刀両断。そして「最初からDDTに来た理由、チャンピオン目指すのは当たり前だろ。俺のやり方で、おまえらDDT、それを応援してるファン、そいつらが納得する形でおまえらを侵略してるんだ。なんとか挑戦権持ってねぇけど、ほかに必要なものあるか? 実力不足か? 実績不足か? 名前不足か? 年齢が超えてるのか?」と迫ると、司会進行の今林久弥GMは「十分資格がある選手だと認識してます」と発言。「上野のKO-D無差別級王座戦は見たか?」と問われると、「おまけのおまけみたいな試合だからな。あれはあれでDDTのタイトルマッチだったかもしれないけど、俺はあいつの手のなかにあるKO-Dだから欲しいと心から思った。だから行ったんだ!」と話した。
コメントを終えた鈴木は退席するのかと思いきや、報道陣側に陣取り、登壇した上野を拍手で迎えた。
話しづらい雰囲気のなか、上野は「まずは平田さん。僕だけでは伝えきれないKO-D無差別級選手権。その無差別級というのは、必ずしも、体重の差を無差別にしてるだけではなく、強いも弱いも、性別だって、面白いでもなんでもいい。そのすべてを取っ払ったDDTで一番すごい奴が持てるベルトなんだと示してくれた。そのすごいチャンピオンが平田さんだった。僕も平田さんに負けないようなDDTの一番すごいチャンピオンとして、みんなにこの姿を見せていこうと思ってます。須見は自分がやりたいこと、思ってることを素直に出せるすごみがあって。平田さんが個性を広めることでチャンピオンになったように、DDT、プロレス界では強いとか弱いとかだけではなく、いかに自分の個を出して、相手に押し付けられるかが強さの一つ。須見もこれから極めるほど、このベルトに近付けるだろうし、僕はそれを何度も退けるんだろうし。平田さんとも須見とも、これからライバルとしてやっていくんだろうなって思えた1日でした」と後楽園決戦を振り返った。
鈴木とのダブルタイトルマッチが決まったことについて、「鈴木さんが持ってるUNIVERSALに、どうやったら挑戦できるんだろうって、この半年ずっと考えていて。僕が呼び出して、タイトルマッチをして負けたから、次に僕が挑戦者に名乗り出るにはどうしたらいいかって思っていて。DDTの一番のベルトを獲って、そのベルト懸ければ挑戦させてくれるんじゃないかと思っていて。須見に勝った後、鈴木さんがこのベルトが欲しいと出て来てくれたとき、ドキドキしました。自分の思ってることを素直に言おうと、鈴木みのるが持ってるUNIVERSALが欲しいと言いました。この半年間、鈴木さんと組んだり、DDTの仲間たちがボコボコにされてる姿を見たりしてきましたけど、なぜか嫌いになることができず。鈴木さんに1度負けた僕が、このダブルタイトルマッチで負けるようなことがあれば、もう今後二度と鈴木さんに挑戦しないと決めてます。でも僕が勝ちますんで、大丈夫です」と語った。
質疑応答になると、挙手した鈴木は「『週刊パイルドライバー』の鈴木で~す。上野選手に質問で~す。どうして、鈴木みのるが持ってるこのベルトが欲しいんですか?」と問う。上野は「鈴木みのるというプロレス王が僕から獲って、世界に広げようとしてくれている。鈴木みのるが愛を持って育ててくれている素敵なベルト。何より、自分が持ってた時より、もっとすごくて、怖くて、プロレス王どころじゃないくらい、人間力もすごい鈴木みのるが持ってるUNIVERSALのベルトだから獲りたいと思いました」と回答。
続いて、鈴木は「本気で俺に勝てると思ってるのか? コノヤロー、なにニヤニヤしてんだよ」と詰め寄り、上野が「鈴木さん、本気で僕が2回も負けると思ってますか?」と答えると、鈴木は「はい」と一言。上野が「きっと鈴木さんと話しても交わることはないと思いますから結構です」と言うと、鈴木は「やってみりゃ分るよ」と発言。上野は「それは11月3日にやりますから。『週刊サウナカミーナ』でございます。鈴木みのるチャンピオンに質問があります。どうして、このKO-D無差別級のベルトを獲りたいと思ったんでしょうか?」と逆質問。鈴木は「そもそもDDTに来た理由。ここを制圧しに来た。一人で団体に飛び込んでやる目的はたった一つ。そして、そのベルトをおまえが持った。だから体が動いたんだ。殴りてぇって!」とすごんだ。
上野が「この記者追い出してください」と言うと、上野がUNIVERSALのベルトを、鈴木がKO-D無差別級のベルトを取って、奪い合いに発展。鈴木が「11月3日、てめえはこれを俺に差し出すことになるんだ!」と言うと、収拾つかない事態に、今林久弥GMは「記者会見ですから、お帰りいただいてよろしいですか?」とうながして、鈴木は退場した。
鈴木記者が出て行くと、上野は「鈴木さんがKO-D無差別級とUNIVERSALを持つことが、DDTを制圧するということであれば、鈴木さんが2本のベルトを持つことはありませんので。僕が2冠のチャンピオンになるということですから、そんな危機感はないです」と締めくくり、両国決戦に自信を見せた。