21日、埼玉・春日部ふれあいキューブにて「さいたまースラム!vol.11」がおこなわれた。まずはキング・オブ・ダーク選手権試合(第15代王者の伊橋剛太は2度目の防衛戦)からだったが、対戦相手のXについて鶴見亜門GMは「全部、高木さんに任せている。俺は知らないんだわ」と言って大社長を呼び込む。今週の火曜日から金曜日まで台湾出張にいっていた高木は「ATT SHOW BOXというビルは渋谷の109みたいなところですよ。みんな『すごい。見に行きます』と言ってくれましたよ」と成果を報告したものの、Xについては「探してないですよ。えぇっ、俺? GMでしょ?」と押し付けようとする。「どうするんですか!」と困惑する亜門GMに高木は「Xはいます!」と言うと「『さいたまースラム!』のディレクター! ちょっと来て!」と本部席の今成夢人を呼びつけ「本日のXです! オマエがやらなきゃ穴開いちゃうんだよ!」と言ってゴングを鳴らさせたのだった。
こうして始まったキング・オブ・ダーク選手権試合。私服姿の今成はやけくそ気味に伊橋にランニング・フォアアームを決めるもカウント2。エルボー連打も伊橋に一発で返されるとスナップメイヤーからローキック。高木もセコンドから檄を飛ばす。今成は伊橋に三角絞めを決めるもパワーボムで叩きつけられてしまう。それでも串刺しラリアットから「ナメるな!」とラリアット。これはカウント2。続くDDTもカウント2で返されてしまう。伊橋はボディーアタックからレッグラリアットで今成の動きを止める。今成がジャーマンを仕掛けるも潰されてしまうとボディースラムからムーンサルト・プレスウを浴びて3カウント。試合後、高木はベルトを今成に渡すと「今成、いい試合だったよ。おめでとう」と声を掛ける。亜門GMも「これからも番組づくり、よろしくな! オマエなりのチャンピオン像を築いていってくれ」と呼びかける。高木の「じゃあ通常業務に戻ってくれ」で今成ディレクターはダメージの残る体を引きずって本部席に戻った。
続いて鶴見亜門GMの前説から。①KING OF DDTトーナメントは16名参加でそのうちの1名が本日の梅田vs岩崎の勝者。残りの15名は5・29後楽園で発表され、いつでもどこでも挑戦権保持者とその日のメインで争われるKO-D無差別級戦に出場する竹下、佐々木を除いた選手から選ばれる。トーナメント1回戦が6・5春日部(ホール2面仕様で選手受付あり)、2回戦が6・12府立第二、準決勝&決勝戦が6・26後楽園。優勝者は8・28両国のメインでKO-D無差別級王座に挑戦。②次回のファンクラブイベントはDNAメンバー全員参加。6月28日(火)、東京・グレースバリ秋葉原店にて。続いてオープニングコールの選手として呼ばれたのは竹下幸之介。竹下「今の試合に感動しました。春日部の前哨戦はもちろん明日ZERO選手と対戦しますし、来週、後楽園ホールでKO-D無差別級に挑戦します」亜門「その日は誕生日だよね?」竹下「21歳でもベルト獲ると最年少なので早く巻きたいですね。そのためにも前哨戦は自分のリスペクトするアントーニオ本多監督と必ず勝って勢いに乗りたい」最後に竹下が「DDT春日部大会スタート!」とコール。すると怪覆面が現れて竹下を襲撃。急所を蹴り上げてさっさと引き揚げた。竹下は思わず亜門GMに「オマエやろ!」と掴みかかる。これを制したアントンが「DDT春日部大会、始まるよ!」と改めてコール。
第2試合は男色ディーノ&ジョーイ・ライアン&大石真翔vs大鷲透&赤井沙希&ワンチューロの6人タッグマッチ。ディーノ「このワールド・ヌーディスト・ビーチ、このトリオが揃った…」大鷲「おい! オマエら今日のカードおかしくねえと思わないのか? 余り物の寄せ集めだぞ! こっちのチーム、2人いつでもどこでも挑戦権、そしてアイアンマンのベルト、長野営業を押し付けられた私…背負うものが多すぎるだろ! だからワタクシ、この試合を考えてきました。ルチャ・リブレ・ルールで…」すかさずディーノ組が襲い掛かって「普通でいい」と叫んで試合スタート。場外戦からリングに戻されたワンチューロがディーノとライアンのオイルを塗りたくった上にダブル・アンダータイツによるナイトメアで大ダメージ。ワンチューロもディーノにミサイルキックを決めてピンチを抜け出すと、大鷲がダブル・チョップで続く。男色スクリューを大鷲に堪えられたディーノがライアンを呼び寄せる。ライアンがディーノのケツを掘ってパワーアップして合体男色スクリューでぶん回す。ワンチューロも投げてしまうと、続いて赤井を捕まえる。赤井はライアンをディーノにぶつけ、ライアンには急所蹴り。さらに大石にサッキ―カッターを決める。赤井のコルバタからのリーマン銀河はディーノがカット。大石からライアンにスイッチすると、ディーノは大石に呼びかけてラフレシアの花を完成させると大鷲、ワンチューロと吸い込ませる。残された赤井をライアンが投げるも、赤井が踏みとどまる。ライアンのロリポップキャンディーはかわされてディーノのケツへ。その背後を赤井が襲い掛かるもビッグブーツの蹴り足がラフレシアの花に挟まれてしまう。さらにライアンのロリポップキャンディーを突っ込まれると、ラフレシアの花に挟まれて大ダメージを食らうとライアンに押さえ込まれて3カウント。ライアンにアイアンマンのベルトが移動した。
試合後、亜門GMがディーノと大石を呼び寄せる。亜門「アジアタッグ挑戦のことなんだけど、全日本さんに聞いたらOKだって。ドリーがOKって言ったんだって。ただ条件があってチャンピオンチームのスケジュール的にできるとしたら6月12日の府立第二なのよ。ただそこではKING OF DDTの2回戦があるわけ。まあディーノはいつどこを持っているからそもそも出れないんだけど、大石さんがもしKING OF DDTに出るとしたらどっちもできない。まあ1回戦で負けるちゃあ負けるんだけど…」大石「おい! 俺だって両国でKO-Dのベルトに挑戦してえよ! でも俺が今やらなきゃいけないのはコイツと組んでアジア獲ることだろ! KING OF DDTトーナメント? いいよ。出ねえよ! その代わり、絶対コイツとアジア獲るからな」ディーノ「全日本サイドに言っといてほしいんですけど、獲っちゃうよ」亜門「獲っちゃえばいいじゃん」ディーノ「いいんですか? 私たちの名前がアジアの名前に載ってもいい? 私たちのガンナメ・エクスプレスがアジア獲ってもいいの?」亜門「いいよ。大石さんは今年はKING OF DDT辞退ということで」大石「いいよ!」こうして6・12府立第二でのアジアタッグ選手権試合が正式決定した。
【試合後のコメント】
ディーノ いいんですか? 我々獲っちゃいますよ。
大石 ガンナメ・エクスプレスが。
ディーノ アジアを?
大石 獲っちゃいますか?
ディーノ 獲っちゃいますよ。いいんですね?
大石 全日本はそれでいいんだろ?
ディーノ 本当にいいんですね? 決定してしまったら「いいんですね?」としか言いようがない。
大石 我々。
ディーノ ガンナメ。
大石 エクスプレスが。
ディーノ 獲っちゃいますよ。
2人 アジアを。
ディーノ 挑戦するからには獲っちゃうからね。
大石 もう獲っちゃうから。
第4試合は石井慧介&入江茂弘&高尾蒼馬vs彰人&平田一喜&安部行洋の6人タッグマッチ。平田が入江をランニング・フォアアームで倒すも、入江はエルボー一発で平田を崩していく。ドリフ3人で平田を投げていく。石井が続いて野球チョップ。平田もチョップで追いすがるが、石井にやり返されてしまう。しばらく平田がローンバトル。入江の串刺しラリアットは彰人と安部がカット。石井がドロップキックで続くもこのカバーはニアロープ。高尾が何度も押さえ込んだが、平田は懸命に返していく。ならばと高尾が逆片エビ固め。平田はなんとかエスケープ。エルボーの打ち合いから平田はランニング・フォアアームでようやく逆転。替わった彰人が一気呵成に攻める。10分経過、高尾も背中をかがめる彰人にダイビング・フットスタンプを投下して入江と交替。彰人は入江を俵返しで投げて安部とタッチ。安部の串刺しニーはカウント2。セカンドロープからのスイングDDTもカウント2で決まらない。入江が安部にブラックホールスラム。石井が出てくるとダブル・ニードロップ。さらに顔面ニーアタックを放つがカウント2止まり。激しいエルボーの打ち合いから石井が野球チョップ。安部がカウンターのドロップキックでやり返し、平田のアシストからスライディングキックを放つもカウント2。石井は投げ捨てジャーマンでやり返すと、入江が安部にカウンターのラリアット。しかし、ドリフの入江ごとフラップジャックは安部が回避して、平田がエースクラッシャーに切り返す。ここから混戦。リング内では平田のアシストから安部が丸め込むもカウント2。石井がエクスプロイダーニーからカンガルーキック。高角度ダブルアームDDTで熱戦に終止符を打った。
試合後、石井がマイクを取る。石井「今日、またこのメンバーで揃って闘えて心から嬉しいです。そして安部さん。チームドリフ解散が決まって最後に試合をしたいと思っていたのが安部さんです。その闘いを受けてくれてありがとうございました!」安部はドリフと抱擁をかわし、平田、彰人も握手をかわした。彰人組が引き揚げると石井が改めてマイク。「チームドリフ、この3人で組むのは後楽園あと一つとなりました。最後の1試合、全力で闘ってこのベルトを守ります。応援よろしくお願いします!」
【試合後のコメント】
安部 負けちまったけど、すげえ楽しかった。
彰人 なんだか試合をしてて昔の気持ちを思い出したというか。若手通信を始めたころは、その輪を引っ張るリーダーとして安部さんがいて。僕はもともと外様から入ってきて、なじめないところを安部さんがすごく快く周りとなじませてくれたというか。安部さんには恩があって、安部さんがDDTのリングで5年ぶりに試合をしているのを見て、よくないけど試合中に感慨深くなってしまって。なんか組めてよかったかなと。
安部 負けちまったけど、楽しかったね。それに尽きる。あと人生は日々研究だね。
彰人 お互いプロレスをしていれば、また組むことがあるかもしれないし。
安部 あとFUMAが足りない。
平田 FUMAというか妻木さんです。僕個人としてはいつも人を楽しませて勝つをモットーにやってましたけど、今日はそれを捨てて勝つことだけに照準を絞って。負けましたけど、安部さんと一緒で楽しかったな。また組みたいですね。組んで楽しませて勝ってもっと楽しくなりたいです。
彰人 僕は次の週の日曜日に6人タッグがあるんですよ。ドリフと試合後にリング上で握手をしたんですけど、それは6人タッグチャンピオン抜きにして若手通信で切磋琢磨してきた仲間としての意思確認のための握手であって。6人タッグを獲りにいく気持ちは変わらないから。
安部 また機会があったらDDTに上がりたいと思います。そしてワタクシは長島☆自演乙☆雄一郎と闘うことをあきらめていません。
石井 また昔の仲間たちと集まれて。あの若手通信世代に思い入れがあるので、また集まれてよかったです。安部さんとは懐かしかったですね。またいつかやるかもしれないし、それが5年4ヵ月後になるのかわかんないけど、また当たるときがあったら熱い感じでいきたいですね。
入江 若手通信、今となってはいい思い出ばかりだけど、あの頃は僕たちのキャリアの中でも結構辛い時期。お客さん最低何人だっけ?
石井 21人ぐらいだったかな。
入江 その中でずっと試合してきて。みんな憂鬱になって、反省して。みんなで慰めあって帰った。そういうのがあったからこそ、今の僕たちがチームとしてやっていく上での絆が生まれたのかなと。やってきたことは全てムダじゃなかったと。プロレスは絶対に裏切らないという言葉を信じて頑張っていきます。
高尾 安部さんとは互いに別々の道を歩んでいるけど、久々に対戦できてうれしかったですね。若手通信というのも今のDNAとは違くて映像もないし、環境も違う感じで当時は辛かったけど、今となってがいい思い出ですね。それで観客21人のメインが自分と平田クンで。初めてのメインだったので、それもある意味思い出深いですね。あれがあったからこそ今がある。いい経験です。楽しかったです。
――チームドリフ3人で組むのが今度の後楽園での防衛戦が最後になります。
石井 100回目はいい形でベルトを守って、いい終わり方をしたいですね。
入江 解散が決まって、このチームがいいチームだなと、このチームが好きだなと気持ちがどんどんどんどん大きくなっていって。それと一緒に寂しい気持ちも抑えきれないんですけど、それは自分たちが決めたことなので。100試合目も勝って、このベルトを守ってドリフは解散します。
高尾 次で解散だけど、解散間近になってどんどんチームワークもよくなっているので、次の100回目の試合で今まで一番いいチームワークを見せて解散したいと思います。
休憩明け、亜門GMがライアンを呼び込み、通訳としてワンチューロもリングに入れる。亜門GMはライアンにアイアンマンヘビー級王座について説明。ベルトの特性を聞いてライアンは困惑気味だったが「24時間、守ってやる!」と息巻いている背後からワンチューロが丸め込むもライアンはクリア。ライアンがロリポップキャンディーを取り出してワンチューロに詰め寄るも、その背後から赤井がビッグブーツ。ライアンがかわしてワンチューロにヒットさせると、ライアンはロリポップキャンディーを赤井の口に突っ込んでスーパーキック! ライアンはベルトを抱えてさっさと引き揚げた。当初、後半戦スタートのコールをライアンにお願いしようとしていた亜門GMだったが、島谷を見つけてリングに入れるとコールを要請。島谷の「後半戦スタート!」で大会は再開。
セミファイナルは梅田公太vs岩崎孝樹のKING OF DDT 2016トーナメント出場者決定戦。岩崎は梅田の足封じ。これを嫌った梅田が首相撲からニーを腹部に連打する。エルボーの打ち合いから岩崎がヘッドロック。岩崎がショルダーアタックで梅田を倒すとチンロック。梅田がロープエスケープ。梅田が腹部へのニー連打で盛り返すと、ハーフダウンの岩崎の背中にローキック。カバーするもカウント2。5分経過、梅田のスリーパーは岩崎がロープに逃れる。岩崎がコブラを仕掛けるも、梅田が解除して背中にローキック。さらにキャメルクラッチで追い詰める。逃れた岩崎はキチンシンクで逆転。ミドルキック連打から捻りを加えたバックドロップへ。これはカウント2。ダブルアームの体勢は梅田が踏ん張って顔面フロント・ハイキック。岩崎もやり返していくとラリー。梅田が岩崎にドロップキックを決めて場外に落とすとトペ・コンヒーロ。梅田が岩崎をリングに戻して10分経過。梅田がスワンダイブ式ミサイルキック。コーナーでの蹴りあいから梅田が串刺し顔面フロント・ハイキック。ハーフダウンになった岩崎にランニング低空ドロップキックを放つ。梅田ドライバー(仮)は岩崎が踏ん張ってソバット。さらに垂直落下式ブレーンバスターへ。これはカウント2。ヒザ立ちの梅田に岩崎がミドルキック。キャプチュードは梅田が踏ん張ってランニングニー。前方に岩崎を叩きつけてサッカーボールキックを放つもカウント2。ハーフダウンの岩崎に梅田がローキック。岩崎が蹴り足を掴んでチョップを放つと、ここからチョップ合戦。梅田がバックスピンキック2連発から梅田ドライバー(仮)につないでフォール勝ち。
【試合後のコメント】
梅田 岩崎さんとはこの間のDNAでもやったばかりで、その時も簡単には勝てない感じだったけど、今日も闘って改めて思ったのはベルトを落としても進化しているなと。上から目線ですけど。この間やった時より思っていたより蹴りもヒザも張り手もすべてが以前とは全然違って強かったです。
――KING OF DDT出場が決まりましたが。
梅田 去年は1回戦負けだったので、今年はとりあえず1回戦を通過すること。目の前のことを一個一個通過して頑張っていきたいと思います。
岩崎 負けてるんで特にしゃべることはないんですけど、また春日部でいかれているんでひじょうに悔しい。先週、自分がドリフに負けてベルトを落としたばかりなので、今日なんとか流れを変えたいと思ったんですけど…。ひじょうに悔しいです。
――自分に足りないものは?
岩崎 心技体、どれもまったく揃ってない。またイチから頑張っていきます。
メインイベントは佐々木大輔&マッド・ポーリーvsアントーニオ本多&竹下幸之介のタッグマッチ。入場した佐々木はコーナーに立って竹下にベルトを見せつけて挑発する。ポーリーが先発かと思いきや、相手がアントンだと佐々木がリングインして試合スタート。佐々木のヘッドシザースをアントンが抜け出してポーリーとスイッチ。アントンは竹下と交替。。竹下はコーナーに下がった佐々木をけん制してポーリーと手四つの攻防。エルボーの打ち合いではポーリーが優勢。竹下がタックルでポーリーを自陣コーナーに運んでアントンが出てくると、腕を極めにかかるが、ポーリーのハンマーパンチで倒される。ここからアントンがタッチワークで捕まってローンバトル。ポーリーのハンマーパンチでダウンするアントンだったが、串刺し攻撃を低空ドロップキックで迎撃。佐々木のカットインもキックで凌いでようやくピンチを抜け出す。竹下がポーリーにゼロ戦キック。このカバーは佐々木がカット。ポーリーも串刺しラリアットからコーナースプラッシュ。これはカウント2。竹下はポーリーの巨体をブレーンバスターで投げたが、これは佐々木が低空ドロップキックでカット。佐々木に気を取られた竹下にポーリーがル―テーズプレス。佐々木がダイビング・エルボードロップで飛び込んでポーリーがカバーするもカウント2。ポーリーのリバース・スプラッシュは竹下が回避。カウンターのラリアットでなぎ倒してアントンとタッチ。ポーリーはアントンのナックルパンチをハンマーパンチで迎撃。替わった佐々木がアントンにコーナーダイブ。アントンがボディーブローで迎撃してスパインバスター。アントンがスコーピオンデスドロップを狙うも佐々木が回避し、エプロンの竹下を落としてトペ・スイシーダ。リング内のアントンにはチンクラッシャーからダイビング・ラリアットを放つ。このカバーをカウント2で返されるとすぐさまクロス・フェースロック。これは竹下がカット。佐々木のDDTからポーリーがジャーマンを狙う。竹下がミサイルキックで佐々木を排除し、ポーリーのバックを取ってジャーマンで投げ切った。アントンと竹下はダブルのバイオニックエルボーを狙うも佐々木がトラースキックで迎撃。佐々木は竹下を木曽レフェリーと接触させて、視界を奪う間に急所蹴り。佐々木はアントンにドロップキック。そこからミスティカ式クロスフェースでギブアップを奪った。佐々木と竹下は一度も互いに試合権利を持ったまま向き合うことなく、最後の前哨戦を終えた。
試合後、佐々木がマイクを取る。「おい、竹下。フザけんじゃねえぞ。オマエなんか俺を超えられると思っているのか? テメエ、また俺のことを見下ろしてんだろ! ひざまずけ!」佐々木が竹下の急所を蹴ってひざまずかせるも、竹下も応じたかと思いきやすぐさま襲い掛かる。止めに入った木曽レフェリーに佐々木がみちのくドライバーⅡ。怒った竹下がラリアットを佐々木にぶち込んで排除した。竹下「監督大丈夫ですか?」アントン「俺の心配いらねえよ。醜い態度と書きまして敗北と言う醜態をさらしてしまいましたが、さっきカリスマのクロスフェースを食らっていた時に見えました。未来が。その未来とは私が調布の自宅の地下を掘っていたら、大変大変大きな油田を掘り当ててしまい、ものすごく金持ちになっていた。それが30年後。しかしそれを遡ること29年と12ヵ月と数日。俺は今月末に行われる後楽園ホールの試合を見てしまいましたよ。竹ちゃん、オマエの腰に重いものがぶらさがっていた。それは竹ちゃんのあれじゃないぞ。決して間違うなよ! そういうことです。拍手。というのはちょっとした負け惜しみでしたが、願わないと自分の描いた未来というは自分の理想通りになりません。その未来を現状、竹ちゃんは描けていると思っています。ね? このタイミングでマイクを渡していいですか?」竹下「監督のこの重い言葉のあとになかなか言うこともないのですが、でも言えることは一つ。5月29日後楽園ホールで僕がKO-Dのチャンピオンになって、DDTの中心に立って盛り上げていきます!」
【試合後のコメント】
佐々木 おい、竹下! 試合後に突っかかってくる元気があるなら、試合中にもっと楽しませてくれよ。なあ、ポーリー。
――最後の前哨戦でしたが…。
佐々木 足りないし、汚ねえ野郎だよ。試合中にやれよ。
――今日も見下ろされていた?
佐々木 今日はアイツをひざまずかせて見下ろしてやっただろ。あれが俺たちの本当の関係だよ。あれをリング上で見せてやったんだよ。
――ただ直後にラリアットを食らっていましたが。
佐々木 汚ねえ野郎だよ。まあ来週は正々堂々やろうじゃねえか。
竹下 佐々木大輔は何を言ってたんですか?
――足りないというのと卑怯、ひざまずかせたのは佐々木選手と竹下選手の関係性だと。
竹下 足りない部分はタイトルマッチまでに見つけて自分のものにするんで問題なし。あと卑怯? それはそのままそのコメントを返します。
――あとはひざまずかせたのが佐々木選手と竹下選手の関係性だと。
竹下 後楽園ホール以降はそれが逆転しているでしょう。
アントン ひざまずくというのは深く屈伸するということです。皆さんはプロボクサーの輪島(功一)さんをご存じですか? カエル跳び(パンチ)という、ものすごく深く屈伸してアッパーを繰り出す技で相手を攪乱したという。人間は高く飛び出す時にもっとも深くしゃがまなければいけない。屈したことのある人間がもっとも強くなる可能性がある。それを私はここで言っておきたいです。私も今日はちょっとくじけてしまいました。後楽園ホールでは竹ちゃんが誰よりも高く飛び上がって、ベルトを手にしてくれると思いますので、我々も全力で応援したいと思います。
――竹下選手は今日、佐々木選手と互いに試合権利を持った状態で交わることが一度もなかったわけですが。
竹下 ビビッてんでしょ、向こうが! タイトルマッチこそベストコンディションで迎えたいでしょうし。ここで僕のジャーマンとかラリアットを食らってダメージを負いたくないし、ビビッてんですよ。でも監督が僕の分も右の拳でぶん殴ってくれたので。
アントン 正直、ダメージはあると思いますよ。
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