23日、横浜ラジアントホールにて「ブルーライト横浜2013~冬~」がおこなわれた。オープニングの全体戦カード紹介と見どころ説明のあと、マサ高梨が登場し10周年記念興行の追加カードを発表。高梨とKUDOの一騎打ち、HARASHIMA&ヤス・ウラノ&さくらえみvsXに加え、河童小僧&杏仁師範&ゴム人間vsアントーニオ本多&佐々木大輔&星誕期のUMA軍団vsモンスターアーミーが決定。続いてメインでDDT EXTREME級戦をおこなう王者・HARASHIMAが呼び込まれ、チャンピオンが決められるルールを鶴見亜門GMが確認する。だが「いろいろ考えて、いろいろ人に相談してなんとくはアレなんだけど煮詰まってなくて…得意じゃないんだよ。GMが考えてよ。まあ、試合が始まるまでには」と、この時点で未定のままに。結局、試合開始までに考えておくとなり、HARASHIMAがオープニングコールを担当し『Into the Light』も流れたが、ここでDJニラがフラリと現れ、亜門GMを捕まえ一緒にリング内へ。「今日、EXTREME級王座あるでしょ? ルール、どうなってんの?」「今のところまだ決めきれてないと…」「じゃあ今日は興行中止だ」「いやいや、中止にはできないんで。たぶん大丈夫じゃないですか」「いや、無理だと思うね」「あ…ぶっちゃけ、僕も無理だと思ってんですよ。相談なんですけど、ニラさん、いいルールないですかねえ」「あ、そんなこともあろうかと一応考えてきました。いくつかあるんですけど、全部? たとえば、リングの外に老人たちを配置するランバージャックとか」「今から調達するのは無理です」「じゃあ、片面にイスを置いておじいちゃんおばあちゃんに座っていただいて、救急車で運ばれるたびにロストポイントひとつとか」「倫理的に無理です」「倫理的? そこさえクリアすれば大丈夫なのか」「いやいや、無理です。ほかないんですか? おじいちゃんおばあちゃんから離れられないんですか?」「全然離れられない」「じゃあ帰ってください。それ以外にないんですか?」「あ、そんなこともあろうかと、我が家に代々伝わるメモ用紙があるんで…ルールについてちょうど書いたのが…」「……これおもしろいじゃないですか。これやりましょうよ」「いやー、それ白紙ですよ」「書いてあるって! 人をタモリみたいに言わないでくださいよ」「あなたも私の作品のひとつ…」「違いますよ! これでやりましょう。ありがとうございました」「じゃあ、オープニングコールをやらせていただきます」「いやいや…」「DDT横浜大会スタート!」ニラが再び『Into the Light』が流されたが亜門GMが「もういい、もういい! 一回始まってんだから」と強引に止めさせた。
第1試合は入江茂弘&高尾蒼馬vsアントーニオ本多&佐々木大輔のタッグマッチ。立ち上がり、入江のパワーに圧倒されたアントンはどう攻略すべきかと「考える人」状態に。替わった佐々木も同じく押されると許しを乞いながら入江の手を取り、その甲へ口づけをする。わかり合った入江はハグを交わすもすぐに佐々木が顔面ワシづかみ。これに怒った入江がブラックホールスラムを放つも、佐々木もクロス・フェースロックでお返し。アントンのリズミカルなナックルパンチを食らいながらも高尾はカウンターの延髄斬り。さらに佐々木のドロップキックが同士打ちしてしまう。アントンに延髄斬りを放った高尾はシュバインを決めて、マシンガンを呼び込まれるがかわして同士打ちを誘うとジントニックへ。だがこれをアントンがエビ固めで切り返すと3カウントが入り、逆転勝利を収めた。
第2試合はMIKAMIvs大石真翔vs中澤マイケル&松永智充の4WAYマッチ。対戦する4人がグレイシートレインで入場後、マイケルがマイクを握り、11・17後楽園より発売した自分のDVDが即日完売したことをアナウンスする。
マイケル だから僕は言ったんですよ、100枚で足りるのかって。そこで無理やり、さらに100枚増産することにしました。そしてこの横浜大会で販売しています。今日、お買い上げになった方、手をあげてもらっていいですか?(いない)どーゆーことですか! あんたたち、何を見にDDTに来てるんですか? おもしろいものでしょ? このDDTの中には…(間違える)DVDの中には、おもしろいものがたくさん詰まってるんですよ。今日はこのDVDの販売を促進するための試合を皆さんに協力してもらいやりたいと、そういう所存でございます。
大石 わかりましたけど…僕らは何をしたら…。
マイケル 黙らっしゃい。君たちが3つ肩をマットにつけたとかやることと、このDVDを100枚売ることのどっちが会社の利益になるか考えてみなさいよ。
大石 じぇじぇじぇ~。
マイケル じぇじぇじぇじぇなんてもう古いですよ! 時代はあまちゃんじゃなくてなかちゃんなんですよ。
松永 ということで、どんな感じにすればいいんですか。
マイケル このDVDの中に入っている試合のひとつひとつを濃縮してこの試合に叩き込んで。いわゆるダイジェストですね。それをここでやって、皆様にお買い上げいただこうというわけです。
松永 じゃあさっそく…(DVDジャケットを読み上げる)2013年1月の大阪大会、中澤マイケル試練の5人掛け。
マイケル 負けた相手から大切なものをひとつずつもらえるという。最終的にはデビルジョーカーニラさんに勝ちまして、遠藤とかにも勝ちまして、デビルジョーカーマイケル(童貞)っていうような試合だったんですけど。
松永 ……それがオチだと。わかりました。じゃあ、このダイジェストは割愛させていただいて2013年3月、こちらラジアントホールでおこなわれた…これはどんな試合だったんですか。
マイケル これは、私がドラゴンボールの唄を歌っている間に元気玉を集めましてフリーザーを…。
松永 はあ…じゃあ、その試合の模様をやってください。どうぞ!
(マイケルが歌い出すも、ほかの人はドッチラケ。中略)
松永 次ですね、ヌルブラベストバウトですね。2007年7月におこなわれたマイケル&松永vsプリンス・トーゴー&アントーニオ“ザ・ドラゴン”本多。ということでこれも、ヌルヌルブラザーズの試合を今からテキトーにやりましょうか。
マイケル (途端に表情が変わり)適当とかいうなよ。ヌルヌルブラザーズは僕の青春なんですよ。僕が三十過ぎでデビューして、なんのキャラクターもなく低迷して、ヌルブラに出逢って今の中澤マイケルの基本をつかんだんです。それを適当とか言わないでくれよ。仮にもパートナーだったんだぞ。
松永 わかりました。僕も間違ってた気がします…そこに2人いますよ。大石“ザ・ドラゴン”真翔と、プリンス・キョーヘーがいますよ。中澤さん、ヌルヌルブラザーズをやりましょう! じゃあ、今からもう一回入場をやり直しますんで、大石“ザ・ドラゴン”真翔が得意のマイクでつないでおいてください(2人は花道を戻りバックステージへ)。
大石 こんばんファック!(往年のザ・ドラゴンムーブを見せる)
その最中にヌルブラのエントランステーマがヒット。ローションを体にぶっかけながら2人が再入場してくる。ルール上は4WAYのままだが、タッグマッチの様相に。例によってすごく滑るため、マイケルは大石の攻撃からスルスルと抜け出す。ヌルブラは大石の両腕にまたがり「オーイエーッ!」と腰を滑らせる攻撃。MIKAMI&大石が合体ブレーンバスターを狙うと松永がローションを浴びせたが、マイケルとの合体ブレーンバスターを狙ったため逆にすっぽ抜ける。マイケルはトラースキックからスピアー、マイケルスラムで大石を追い込み、松永のローションミストから回転足折り固めにつないだが、ラ・マヒストラルにいったところをトルネードクラッチのように切り返されると3カウントを喫し、逆転負けとなった。
マイケル 負けてしまったけどな、松っちゃん、久しぶりにヌルヌルできて楽しかったよ。やっぱりヌルブラは俺の青春だな。
松永 中澤さん、昔輝いていたっていうのもいいけど、現在進行形で俺たち頑張らないといけないと思うんだよ。ぶっちゃけ、今日はやってて楽しかったです。その思いを抱かしてもらえただけでもこの試合やってよかったと思います。ありがとうございます。
マイケル 俺も、昔の青春じゃなくて今が青春と言えるように頑張るよ。どうでしたか、今日の試合? 面白かったですよね。じゃあ皆さん、今日DVD買っていってください。
松永 (マイケルのテーマがかかるが)待った待った! 中澤さん、僕もDVD持ってんですけど…特典映像やってなかったじゃないですか。
マイケル マイケルギャグ100連発…やってないですけど、ボーナストラックじゃないですか、テキトーにやりま…。
松永 (張り手)適当じゃないでしょ。ボーナストラックだって立派なDVDなんだから、適当なんて言わないでくださいよ。中澤さん、じゃあギャグ100連発をお客さんが大爆笑になるまでここでダイジェストしますから。
マイケル わかりました。じゃあ…(ポーズをとって)中澤がクルー、中澤がキター。次、ピッチャー第1球…(投球モーションから拳を自分の口に)舐めました! ピッチャー第1球…(自分の頭を拳で叩き)殴りました! ピッチャー第1球…ハゲました。手裏剣(???) ボウリング…(木曽レフェリーのシャツを指して)ストライプ!(思わずウケてしまった木曽レフェリーにMIKAMIがストンピング) では、クリスマスが近いのでみんなでお祝いの言葉を言って締めたいと思います。メリー…。
松永 (マイクを奪い)いやいや、それ以上言わなくてもわかりますよ。下ネタに走ろうとしたでしょ。あれやってください、ひとりEXILE。
マイケル じゃあ…ひとりEXILE!(似てないポーズ) じゃあ、クリスマスとかけましてこれからユニオンに出る諸橋さんとときます。
松永 その心は?
マイケル どちらもセイヤ。
松永 ……いや、そういううまいのはみんな求めてないんじゃないかと思うんですよ。
マイケル じゃあ、手裏剣もう一回。ボウリング…ストライプ! ハンドパワー…。えー、では私が今したいこととかけまして、名古屋とときます。その心はどちらもオワリ。
観客 ……。
マイケル ええっ!? じゃあ最後に淀川長治さんのモノマネをして気持ちよく終わりたいと思います。さよなら×6 さよーなーらー、さよなーらー、元気でいーてーねー(その場の思いつきで都はるみに)。
さよならと言いながらリングから立ち去るマイケル。MIKAMIはすでに姿を消しており、あとに残った松永、大石、木曽レフェリーの3人が四方に土下座して幕。
第3試合は、マサ高梨と星誕期の「市ヶ谷方面が揺れそうなシングルマッチ」。鼻をつまんでひねるなど小技に出る高梨に対し、星誕期はボディースラムにチンロックとパワーを使った攻撃。なんとか鉄柱を利しての脚殺しを狙わんとする高梨だったが、星誕期が嫌がり攻めることができない。ボディープレスをかわし低空ドロップキック、さらにドラゴンスクリューでようやく流れを変えた高梨だったが、スピニング・トーホールドの途中でノド元をむんずとつかまれ、そのままノド輪落としで持っていかれる。これは着地し防いだものの、星誕期はドテっ腹にロケットヘッドバット。さらにアルゼンチン・バックブリーカーにいったが、高梨がレフェリーを巻き込み、急所蹴り。そこからタカタニックにいったが、星誕期はこれを踏ん張りノド輪落としへ持っていく。最後は再びアルゼンチン・バックブリーカーにつなぎギブアップさせた。
第4試合は高木三四郎&大鷲透&ワンチューロvs飯伏幸太&ケニー・オメガ&伊橋剛太。6人が揃ったところで大鷲がマイクを取り「おーい! 本来ならば今日は高木&大鷲(仮)のコマ使い平田さん( ← 週刊プロレス選手名鑑の平田一喜の所属名ママ)が入るところだがな、今日はベストストレッチの本職が忙しいため、メキシコからやってきたルチャリブレ留学生のワンチューロさんがパートナーとしてやってやるよ。言うなればチームメヒコだ!」とアピール。ワンチューロは「チリです!」と抗議するもスルーされ「だから今日のルールはルチャリブレルールを要求する!」とゴールデン☆らんでぶぅ~に要求。「ルチャリブレ~!」「メヒコ~!」と盛り上がる高木&ワンチューロに対し、ケニーは「教えてくれ、教ええてくれ、ルチャリブレのやり方教えてくれ!」と頭を抱えたが、構わず開始のゴング。大鷲と伊橋が先発で向かい合うと、高木が「ルチャ」コールを要請。ロープワークでアームドラッグや相手の脚をすくうムーブを見せ、なんとなくルチャをやっているように見せる両者。替わった高木はフライング・ボディーアタックや619を披露。ワンチューロも伊橋とそれっぽい攻防。その後、ケニーがワンチューロを吊り天井に捕えるとガラ空きとなった顔面を飯伏が手で覆い、窒息死させんと試みる。ワンチューロからタッチを受けた高木はドラゴンリングインからフライング・クロスチョップ、さらに味をしめて飯伏とケニーをセットすると2度目の619にいったが、これはかわされトップロープとセカンドロープに間に引っかかっているところへダブル・ドロップキックを食らう。再びワンチューロを捕えたケニーはアルティメットゴールデンバーガーを飯伏&伊橋に指示。まずは伊橋がその場跳びムーンサルトを決めたが、続くケニーを高木がカットし「アルティメットスモウバーガー!」とアピールしてボディープレス。そこへケニーがムーンサルト、大鷲はすでに山盛りとなったところへ乗っかるだけのプレス。あまりに高くなり飛び乗れないかと思いきや、飯伏は松井レフェリーを蹴飛ばしパーテレポジション状態にするとそれを踏み台にしてムーンサルト・プレスを決めた。ケニーの波動拳が他の5人を貫いたあと、ワンチューロが伊橋に首固め。これをクリアされるとチリロール(オクラホマロールのチリ人Ver.)で電光石火の3カウントを奪った。
休憩明けに木高イサミが亜門GMより呼び込まれ、宮本裕向とのコンビで希望していた路上プロレスにおけるKO-Dタッグ防衛戦が11月28日(木)16時より東京・武蔵小金井駅前商店街でおこなうことが発表された。入場は無料。カードはイサミ&宮本vs高木三四郎&平田一喜vsHARASHIMA&ヤス・ウラノの3WAYマッチ。この勝者組が12・15博多で入江茂弘&石井慧介の挑戦を受ける。高木はすでに博多で1試合組まれているため、路上マッチで勝った場合は一日2試合となる。イサミ「一個だけ確認していいですか? その商店街というのはどこまで壊していいんですか」亜門GM「壊しちゃダメですよ!」「壊さないでください?」「振りじゃないですよ! とりあえず意気込みを聞かせてくださいよ」「今のが全部意気込みですよ。念願の路上が来ましたんで、商店街では物を壊さないように」「何回も言わないでくださいよ! 当たり前のことなんだから」
第5試合は男色ディーノvs遠藤哲哉の「遠藤が欠場中に何があったのかを問いただすシングルマッチ」。ディーノが狩りにいそしんでいると大石がマイクで「今日はそれどころじゃねえだろうが! そんなことより遠藤が大変なんだよ」とリング内へ呼び込む。
大石 噂によれば、あいつはもうエンドウじゃない。
ディーノ 大石さん、そういうけどまだ決まった話じゃないじゃない。
大石 俺も聞いた話だけど、どうやら寮に帰ってきてない。朝帰りよりヒドいと。ということは、遠藤哲哉はもはやただの哲哉だ。
ディーノ そうはいうけど、聞いた話でしょ? 誰に聞いたの?
大石 寮の練習生。
ディーノ そういうのは寮にいる人に聞いた方がいい…(リング下にいた)ワンチューロは寮よね。ちょっと来て。遠藤って、最近どう?
ワンチューロ 最近、ちょっとクレイジーになってしまいました。
ディーノ 朝帰りはしてんの?
ワンチューロ 秘密にしないと…。
ディーノ ああ、こういうのは陰口じゃなくて本人に聞けばいいんだ。遠藤、ひとまず出てきなさい。
入場時からトップロープ上をジャンプしてリングインするなど、カッコをつけて登場した遠藤。
大石 違う…何かが違う。
ディーノ 遠藤さん、聞いてたでしょ、今のやりとり。何かあったの?
遠藤 いや…別に。
ディーノ やましいことがなかったら目を見てしゃべれるでしょ。目を見なさいよ。(顔をそむけたままの遠藤に)わかった。我々もプロレスラーですよ。プロレスでさんざん痛めつけて吐かせてやればいいんですよ。
開始のゴング前から襲いかかったディーノに対し、遠藤はドロップキックから艶のある動きを見せる。ディーノもバックを取ると腰をグラインドさせ、股間をまさぐりナイトメアー。精神的に苦しむ遠藤だったが、カウンターのドロップキックで逆襲するとミサイルキック、ノーザンライト・スープレックス・ホールドで反撃。さらに男色クローを股間力でで振り払う。怖気づいたディーノにショートレンジ・ラリアットを放つと、カウント2でフォールをやめさらにもう一発。これもカウント途中で起こすと大石がカットに入ったが、そこにもショートレンジ・ラリアット、さらにはワンチューロにもブチ込み、マッチョポーズをとると自分の力こぶにキスをして自信満々なポーズを見せつける。ファイト一発!を食らってもタイツの中に頭を入れず、キックで反撃。大石の邪魔を振り払ってムーンサルト・プレスにいったが、ディーノもかわす。ディーノのシャイニング・あてがい、遠藤のジャーマン・スープレックス・ホールドと一進一退の攻防が続いたが、遠藤がリップロックをかわしたところで背後にいた松井レフェリーに誤爆。レフェリーが失神する間にワンチューロが入ってきて遠藤にチリ仕込みのリップロック。そこから男色ドライバーにつないでディーノが薄氷の勝利をあげた。
ディーノ 哲ちゃん、あんたワンチューロのこの気持ちになんで気づいてあげないの? あんたが変わって一番辛い思いをしてるのはワンチューロなのよ。いまだにエンドウなのかそうでないのかはあんたの人生だから勝手にしたらいい。でも、こうやって気持ちをぶつけてくれる人がいるんだから、朝帰りした時に何があったかというのはちゃんと言ってあげて。
遠藤 わかりました。正直に言います。じつは一昨日、平田さんの誕生日だったんです。それで平田さんに誕生日プレゼントを渡そうとしたんですけど、ドロップキックとベストストレッチの給料じゃ足りなくて、それで夜な夜なアルバイトをしてました。
ディーノ ……あれ? 夜な夜な遊び歩いているというのは…。
遠藤 それは絶対ないです。
ディーノ でもリング上の雰囲気とかが変わってるし、何かあったとしか思えない。
遠藤 それは欠場している時に、自分のスタイルとか改めて考え直して、新しいムーブを採り入れていこうかと。あとは欠場中に体も鍛え直して、はい。
ディーノ じゃあ、ひょっとして遠藤は…エンドウなの?
遠藤 エンドウです。
ディーノ じゃあ、まだエンドウなんですか?
遠藤 はい、エンドウです。
ディーノ よかったわね、ワンチューロ!
大石 もう一度聞く。おまえはエンドウなのか?
遠藤 僕は正真正銘、エンドウです。
ディーノ じゃあ、丸く収まったところで…平田を呼んでサプライズパーティーとかやればいいんでしょ?
遠藤 平田さん、今日はベストストレッチなんで来てないです。
ディーノ あれ? じゃあ、プレゼントとかを持っているならこれを渡しにいくぞみたいな。
遠藤 プレゼントも持ってきてないです。平田さんこないんで。
ディーノ そうよね…でも、こういうのって気持ちだから。みんなで今は亡き平田を祝おう!
大石 祝いますか! じゃあ、せん越ながらバースデーソングを。
ディーノ (天を指しながら)平田は上の方にいるということで。
大石 いきまーす。ワン・ツー・ワンツースリーフォー(スタンドバイミーのイントロをアカペラで)…。
ディーノ&大石 ハッピーバースデートゥユー~♪(と、高音と低音の見事なハーモニーを響かせる)
大石 平田~、ハッピーバースデー!(平田の『男なら殻を打ち破れ』がヒット)
セミファイナルはKUDO&ヤス・ウラノvs坂口征夫&彰人。開始前から坂口を小馬鹿にするウラノはリング上で対峙したあともグラウンドに誘い込まれるや光の速さでロープに逃げ「ブレイク!」と大声で叫ぶ。そのままリング下にいき、客席に座って坂口を挑発。「リングアウト負けになっちゃうよ~!」と言うと、そんな勝ち方はしたくない坂口が場外へ捕まえにいくが、ウラノは入れ替わるようにリングイン。中盤も木曽レフェリーを盾にして坂口の動きを止めたり、耳元で「ワーッ!」と叫んだりして揺さぶる。これにKUDOが続きチキンウイング・アームロックで坂口をエスケープさせる。だが、終盤に差しかかったところで彰人のカットに入ったウラノへ坂口が右ハイキック一閃。崩れたところへバズソーキックを放ち、さらに顔面へのヒザ蹴りでKO状態とする。8×4、ダイビング・ダブルニーアタックと孤軍奮闘するKUDOだったが、彰人の足横須賀から替わった坂口が打撃戦を制しスリーパーで動きを止め、走り込んでのパントキックを見舞い3カウントを奪った。
メインイベントは王者・HARASHIMAにDJニラが挑戦するDDT EXTREME級選手権試合。第25代王者2度目の防衛戦となる。開始前に発表されたルールは、3本勝負で1本目は「通常のプロレスルールでおこなわれますが、フォールカウントのみHARASHIMA選手は1カウントフォールを獲られたら、DJニラ選手は10カウントフォールを獲られたら負けとなる」ルール。つまり、一瞬でも両肩がついた時点で負けとなるHARASHIMAに対し、ニラはフォールカウント9まで喫しても負けとはならない露骨なまでの大ハンディ戦に。
試合展開としてはHARASHIMAが優位に進めるが、最初のフォールをカウント6でニラがクリア。続くフォールもカウント9。この時点で一番シンドいのが松井レフェリーであることが発覚。一方のニラは逆さ押さえ込みなどでフォールを狙いにいくが、レフェリーがキャンバスを叩く前にHARASHIMAは必死にクリアする。コーナー2段目からのロケットパンチも下から迎撃しフォールへいくHARASHIMAだが、カウント10はあまりに遠い。ところが、フォールはクリアし続けたニラがスタンドに戻り何気なくリストロックに捕えられると「うぁっ、ギブアップ」と高速タップ。1本目は苦戦したわりにはあっさりと王者が先取した。
2本目は「両選手とも試合中にしゃべることを禁止されたドントスピークデスマッチでおこないます。音は禁止されておりません」というルール。これにニラが不服そうな顔をすると松井レフェリーは「あんたが提案したんでしょ、このルール」と突っ込む。HARASHIMAのミドルキックを胸で受け止めるニラは痛みでうめき声こそ漏らすものの、言葉は発しない。そしてコーナーアタックをかわすとDJタイムを狙うが、声は出せないため松井レフェリーに「ホワットタイムイズイットナウ、DJタ~イム!」と言わせる。DJタイム3まで言わせたが、3はダメージのため側転からHARASHIMAに届かず途中で諦める。ヘロヘロなニラはリング下に潜り込むと何やらメモを持ってきて松井レフェリーに渡し、読ませる。「このメモ用紙は我が家に代々伝わるメモ書きである。質問です。HARASHIMAはなんでそんなに強いんですか?」。これで「なんでかって?」とやりたくてうずうずし出したHARASHIMAが、耳を傾けるポーズを見せたところで「続いて…HARASHIMA選手はどんなに寒い時でも寒さに負けず風邪をひかないそうですが、それはなんでですか?(観客『なんでー?』) もう一度聞きます。HARASHIMA選手、なんでですか?(観客『なんでー?』) なかなか粘りますね。それでは最後の問題です。フラフープのやりすぎは…これなんて読むの?(HARASHIMAが応えようとするが声を出せないので踏みとどまる) 腸ねん転? フラフープのやりすぎは腸ねん転になると言いますが、それはなんでですか?」。ノドまで「なんでかって? それは鍛えてるからだー!」が出かかるHARASHIMAが気を取られるスキにニラがロケットパンチを出したが、これは寸でのところでかわされる。チャンスと見たHARASHIMAが山折り決めたが、距離をとったところで思いっきり「いくぞーっ!」と叫んでしまい、2本目は負けを喫してしまった。深くとばかりにキャンバスへ倒れたまま頭を抱えるチャンピオン。
そして迎えた3本目は「両者は相手の使った技、その技名の最後の文字から始まる技を出さなければならない、しりとりマッチにておこないます。勝敗はレフェリーが試合続行不能とみなすか、技を出せなくなると負けとなります」というルール。観客は選手に技名を教えないようキツく言われる。松井レフェリーの指示により“あ”がつく技からスタート。先にHARASHIMAが「アイアンクロー」と言って決めると、ニラは「オ? ロ? どっちだ? ロ? ロ…ロケットパンチ」と正面からヒットさせる。“チ”を受けたHARASHIMAが「チンクラッシャー」を放つと、ニラは「ヤ…ヤ…破れかぶれのロケットパンチ」と、これもジャストヒットさせる。今度も“チ”で出さなければならなくなったHARASHIMAは「チキンウイング・アームロック」を決めグラウンドへ。これをロープエスケープしたニラは「ク…クークークー…苦し紛れのロケットパンチ」をヒット。またしても“チ”でセレクトしなければならないHARASHIMAは少し迷いつつチキンウイング・フェースロック。これもエスケープしたニラは「首にロケットパンチ」と首筋にヒットさせる。またまた“チ”になったHARASHIMAは「チョークスリーパー」にいったが、松井レフェリーが「反則ですよ!」と厳格なレフェリング。ならばとHARASHIMAは「チョークスラム」で叩きつけたが、ニラは起き上がれない。だが「ムームー…ムダな抵抗のロケットパンチ」と逆襲。かなりボディーに効いてきたHARASHIMAは正面から脳天に「チョップ!」を落としたが、直後にニラはHARASHIMAを突き飛ばすと「プッシュしてのロケットパンチ」を成功させる。こうなると“チ”がなくなってきたHARASHIMAは大弱り。とりあえずコブラツイストに入ってからニラの頭を叩き「チョップ固め!」とか、そのまま首を絞めて「チョーク固め」などと主張するが、そんな技はないため認められない。いよいよ思いつかなくなったHARASHIMAは、不思議なポーズから「超能力!」と叫んだが、松井レフェリーは「俺は信じない!」と認められず。もはや苦し紛れでしかなくなったHARASHIMAは正面からニラの股間に手をやり「チンコ」とやったが、これのどこが技なのか。ところが、松井レフェリーの制限時間カウントダウンが5、4、3と数えられたところで「超蒼魔刀ーっ!!」と絶叫。いつもより大ゲサに見栄を切るともの凄いスピードで全力疾走し、蒼魔刀をブチ込んだ。吹っ飛ばされダウンするニラにマイクが向けられると「ウ…ウ…うめき声からの…うめき声からのロケット…パ……」と息が絶えたため、終了のゴング。
HARASHIMA「EXTEREME戦、すごい厳しい闘いでした。ちょっと試合中に取り乱してしまった気がします。勝ててよかったです。今日、EXTEREME防衛したけど、明日は今日勝てたからワンチューロとアイアンマンを懸けてやります。そして12月の後楽園ではKO-Dのベルトを懸けてやります。すごい危険な相手なんで…でも、どの試合もこの僕が勝ってやるさ~! アイアンマンも勝ってやるさ~! KO-Dも勝ってやるさ~! 次の横浜もベルト3本巻いてきてやるさ~! なんでかって? それは鍛えてるからだーっ!」
【試合後のコメント】
HARASHIMA ちょっとルールが難航しまして。でもハードルをあげたルールで勝つことができてよかったです。
――3つのルールの中でどれが一番大変でしたか。
HARASHIMA どれも大変ですね。自らハードルを課した部分もあったし、自分の普段のペースでできないというだけで難しいんで。最後のは特に危なかったです。追い込まれました。
――超蒼魔刀というのは出したことがあったんですか。
HARASHIMA 初めてです。普段の蒼魔刀を超える気合と気迫とスピードと威力がある…はずです。
――明日は仙台でワンチューロと当たります。
HARASHIMA 今まで対戦したことがないんで。でも自分でチャンスを勝ち獲って挑戦してくるんで、しっかりそれを受けてガッチリ僕が勝ちます。
――坂口選手がセミでKODO選手に勝ちました。
HARASHIMA 試合は見られなかったんですけど。危険な相手ですね。でも自分がチャンピオンなんでしっかりと倒します。
――具体的にどのへんが危険だと?
HARASHIMA やっぱり打撃でしょう。相手をKOする練習をしてきてる人なんで、そういうシビアな打撃攻撃が強烈なんで、それを警戒してやります。
ワンチューロ 今日もワンチューロ勝った~! 明日もワンチューロ、ベルト獲ります! アイ・ウィルビー・チャンピオン! バンバーン!! 以上です。
――今日もエグい蹴り技がフィニッシュになりました。
坂口 試合でおちょくられると腹立ちますよね。それでだと思います。この前(11・17後楽園)は自分も頭突きでスイッチが入ってああいう展開になりましたけど、今日はおちょくられたんで。
――今日は相手がウラシマクドウということでいつも以上に殺気が出ていたんですか。
坂口 それもあると思いますし、特にKUDOさんは同じ蹴りを使うんで蹴りで負けたくないと意識はありました。
――現時点で前哨戦は組まれていないです。