29日、東京・後楽園ホールにて「MAX BUMP 2017」がおこなわれた。まず11時20分から下村大樹vs上野勇希のアンダーマッチがスタート。バックの取り合いから一旦離れた両者。ショルダータックルでなぎ倒した上野だが、下村もアームドラッグからドロップキック。さらにカウンターエルボーからスリーパーに捉えるが、上野はロープに逃れる。エルボーの打ち合いから上野は打点の高いドロップキック。串刺しエルボーからブレーンバスターで投げた上野は、エルボーで向かってきた下村を裏投げで投げるともう一度ドロップキックを狙う。これを自爆させた下村は丸め込みを連発。しかし、カウント2で返した上野は今度こそドロップキックを叩き込むと、ガッチリ押さえ込んで3カウント。上野は嬉しい自力初勝利をあげた。
鶴見亜門GMは「シングル初勝利だな」と上野を祝福したあと、ALL OUTのTシャツや練習生Tシャツなどの新作グッズを紹介。6.25後楽園、7.2新宿村スタジオ大会のチケット先行発売することをアナウンス。さらにビアガーデンプロレス2017の日程を、7.30昼が東京女子、7.31~8.4がユニットプロデュースDAY、そして8.5がDDT本隊と発表。そしていつどこ権を保持している島谷をリングにあげて、改めていつどこ権の概要をアナウンス。続いて18時30分から同所で大会をおこなうプロレスリングBASARAから、関根龍一と中津良太の騎馬隊が登場。見どころを聞かれた関根は「ベストストレッチマンとか、自分のカードは日本と外国の闘いとかあるんですよ! 一番大事なのは騎馬隊の中津がユニオンMAXに挑戦するんですよ!」とBASARAをPRした。さらに5月10日に初の後楽園大会をおこなうDNA勢が登場。改めて全カードを発表したあと、選手を代表して樋口が「自分たちDNAは5月10日に初の後楽園大会を開催します。みんなこの大会に懸けているものがありますので、熱い闘いを観に来てください!」と挨拶。BASARA初のファンクラブイベントが決定したことをアナウンスしたあと、先日フリーになることを発表したヤス・ウラノを呼び込んだ。リングに滑り込んできたヤスは「こうやって色々と声援をいただいたりしてる中、本当に申し訳ないんですけど、私のわがままで来月の後楽園ホール大会を最後にDDTを離れて、フリーとして活動させていただくこととなりました。DDTのリングで闘っていく中で、私、上から数えたほうが早いと言うか、ほぼ一番上に近いような年齢になってきて、キャリアもほかの選手より長くなってきまして。その中でほかの選手と闘っていくうちに、自分の力不足というか力量のなさというものをどんどん感じるようになりまして、このままここにいてはみんなに敵わなくなるなと。この年齢ではあるのですが、まだ夢を諦めずに上を目指していきたので、ちょっとほかの奴らにはないズルをしてやろうと思って退団の道を選びました! なのでDDTを離れることにはなりますが、DDTのほかの選手に負けないような力をもっともっと持って、DDTの若い選手にも、まだまだ頑張っている歳を重ねた選手にも負けないようなプロレスラーになりたいと思います!」と挨拶。最後に「5月28日まではいままでと変わらずDDTの一員なので、DDTらしい闘いを一生懸命・精一杯頑張ろうと思いマス!」と意気込みを言って、ヤスのリクエストでGMが「MAX BUMP 2017」と叫ぶと、ヤスが「スタート!」とオープニングコール。
第1試合は石井慧介vsアントーニオ本多vsヤス・ウラノvs岩崎孝樹vsロイズ・アイザックスのDDT EXTREME級王座次期挑戦者決定5WAYマッチ。ウラノ、岩崎、アントン、石井が入場するとスクリーンではディーノがI・G・F計画のUSA担当・アイザックスを紹介。ミラクルアスのデモンストレーションとばかりに割り箸をさっそく尻で折ってみせると「宴会だ!」とクレームを入れる関根の腕をヘシ折り「コレガオマエラノウンメイダ」。さらに「ホモでございます」との井上マイクリングアナのコールで登場。試合が始まるとアイザックスを無視してウラノと岩崎、石井とアントンがロックアップ。アイザックスは無差別にケツを掘るという昼間から恐ろしい光景が繰り広げられる。石井がアイザックスを顔面フロントハイキックで排除。岩崎も石井にサッカーボールキックを決めてカバーしたがウラノがカット。ウラノは低空ドロップキックからDDT。ウラノがフランケンから延髄。ここから混戦。4人ダウンの状態からアイザックスがウラノにリップロックを狙う。堪えたウラノだがアイザックスはスリーパーの体勢からリップロック。さらにウラノの腕をミラクルアスでヘシ折る。アイザックスは岩崎もリップロックからミラクルアスで腕をヘシ折り、石井もリップロックからミラクルアスで腕をヘシ折ってしまった。残るはアントンのみ。アイザックスはリップロックからミラクルアスを堪えて逆に腕をヘシ折ると、最後は首固めで丸め込んで勝利。5・21札幌で佐々木の持つベルト挑戦が決まった。アントンは試合後、腕を入れなおす施術で4人の腕を治してみせた。
【試合後のコメント】
――EXTREME級王座への次期挑戦者に決定しましたが。
アントン まあね、EXTREME級はね私のベルトみたいなところがあるからね。かつて佐々木大輔とはEXTREME級のベルトをかけて闘ったことはないけども、何かしらないけどEXTREMEな闘いはしてたから。ビアガーデンでお互い女性の下着を着けて試合をしたり、はたまた何年か前には札幌でワンマッチ興行とかあったかな。それで三本勝負、すでにここでワサビシュークリームマッチすらおこなっている。つまり私と佐々木大輔の闘いの歴史の一部に、もうEXTREMEっていうのは組み込まれてるから! 今度それがこの至宝であるベルトを懸けての闘いとなる。こんなに! 相応しい闘いはないじゃないですか! だから私はね、いま葛西純を破ったカリスマである男を下して、再び私のEXTREMEの歴史をまた動き出させる所存であります。
第2試合はKO-D6人タッグ選手権試合。第29代王者組の大石真翔&勝俣瞬馬&MAOは高木三四郎&大鷲透&平田一喜を相手に2度目の防衛戦。NωAは新曲の『NωAの新曲『ωe are the HERO』(作曲:michitomo、編曲:KOJI Oba、作詞:NOBE)を熱唱。入場した高木は「俺たちは絶対に負けない!」と平田国外追放阻止を宣言するが、平田の入場が音響機材トラブルによりあの曲が流れないと高木は「俺たちにはアカペラがある!」と大鷲とともにアカペラ。平田は高木と大鷲を潰すと「そんなんで踊れるわけないでしょうが!」。そこへNωAが襲い掛かると、レフェリー、セコンド、スタッフ総出でストンピング。「だから、お前ら何なんだよ!」と平田の地団太 → 全員で小ジャンプのダチョウ倶楽部方式。試合では平田がさっそくローンバトルを強いられる。平田は勝俣にランニングフォアアームでやり返すと大鷲が一気呵成に攻める。大鷲が丸め込まれそうになると平田がカットして「バカ! 気を抜くな!」。高木が丸め込まれそうになると平田がカットして高木に「負けたら追放なんだ! 俺が替わる」と自陣コーナーに引き連れてタッチ。しかしトリプルドロップキックの餌食に。平田は3人がかりに手刀。高木と大鷲には手刀砲を浴びせてしまうと「ようは俺が勝てばいい」とメガネを装着。あの曲が流れるとフルで踊り切ったところで大石に丸め込まれてしまう。これは高木と大鷲がカット。平田が大石を羽交い絞め。高木と大鷲のサンドイッチ攻撃は大石にかわされて平田に誤爆。大石がそこを丸め込んで3カウント。この結果、平田のいつでもどこでも挑戦権は大石に移動し、平田は国外追放となった。
試合後、ディーノとアイザックスが乱入し、アイザックスが大石にリップロックからミラクルアスで腕をヘシ折ってしまう。亜門「次々試練がやってくるんだね。あれはたぶん挑戦表明だから。まあ頑張って」大石「僕たちアイドルはどんな試練を突きつけられても、腕は俺も心は折れません!」亜門「ところで平田、国外追放決まっちゃったな」平田「いやいや、結婚式プロレス入ってんですよ!」亜門「それがオマエの国内最後の試合だから」平田「無理無理無理!」高木が平田に飛び蹴り。高木「平田、見苦しいぞ! ルールはルールだ! 平田の新たな門出に祝福したいです! みんな平田一喜がいたことを忘れないでくれ! そして平田一喜先生の次回作にご期待ください」あの曲が流れる中、セコンドに無理やり胴上げされて終了。
【試合後のコメント】
大石 無事! このベルトも防衛出来て、無事! いつでもどこでも挑戦権を手にし、そして無事! 新曲も披露し、そして無事! 平田一喜を国外追放することが出来ました! イエーイ!
勝俣 大石君、(いつどこ権が当たりそうになって)これ危ない!
大石 でも最後なんだ? ディーノ&アイザックス。
勝俣 変なのが(笑)。
大石 腕も折られて!
勝俣 いま大丈夫?
大石 治った! プロレスラーだから。いやでもどんな試練があっても、僕たちアイドルはそんなものに負けずに頑張っていきますよ!
勝俣 乗り越えているからね!
大石 いい感じに乗り越えているからね! 乗り越えていこう! 以上、僕たちニュー・レスリング・アイドル、NωAでしたー!
――平田選手が国外追放となってしまいましたが、今後のT2ひーはどうなっていくのでしょうか?
高木 いやもう残念ですね。平田は国外追放になったんですけど、自分と大鷲透さんの二人でT2ひーを守っていきたいなと思っています。
大鷲 かと言って、これから6人タッグとかも挑戦していきたいんで、もう一人どうですか? ここは思い切って。
高木 募集したいですね!
大鷲 募集しましょう。
高木 もう一人、ワールドワイドに、世界中に募集したいですね。T2ひーのひーを埋める選手をね。
大鷲 我こそはT2ひーのメンバーという人は自薦他薦国籍問わない!
高木 あと性別も問いません。あと地球外生命体でも全然問題ないです(苦笑)。
大鷲 なるほど。結構ざっくりと幅広く言いましたね(笑)。とにかく我こそはっていう人はここに送ってください。
高木 (中央で呆然としながら座り込む平田を見て)平田さんはちょっとコメント出せる状態じゃないので。(写真を)撮らないで! 撮らないで!
大鷲 これ以上傷つけないで!
高木 撮らないで! 撮らないで! 撮ったらダメ、撮ったらダメ! というわけで。
大鷲 私たちはもう気持ちを入れ替えて、もう次のステップに向けて。
高木 撮らないで! 撮らないで! これ以上傷つくのは……はい、というわけでですね。
大鷲 大変惜しい人を亡くしましたってことで。
高木 もう(平田は)話が出来る状態じゃないんで。
大鷲 そっとしておいてあげてください。
高木 どうもスミマセンでした!
大鷲 スミマセンでした!
高木 平田、もう大丈夫だよ。大丈夫、大丈夫(と言って、呆然としている平田を控室に連れて行く)。
第3試合はKUDO&高梨将弘&赤井沙希vs佐々木大輔&マッド・ポーリー&ハイジ・カトリーナの6人タッグマッチ。佐々木が酒呑童子に水を撒き散らすと、酒呑童子がやり返して試合スタート。KUDOと高梨が佐々木を押さえつけ、赤井がビッグブーツを放つ。佐々木は高梨にケブラドーラ・コンヒーロ。替わったポーリーがコーナーで踏みつけていく。エルボードロップはカウント2。ハイジが高梨に拷問式フェースロック。ビッグブーツでカットに入った赤井にはラリアットをブチ込む。ピンチの高梨は佐々木に羽交い絞めされるもポーリーのハンマーパンチをかわして誤爆させてKUDOとタッチ。KUDOが2人を重ねてトップロープ越えのダブルニー。ポーリーにダイビング・ダブルニーアタックを狙ったが、ポーリーがロープを揺らして阻止。ポーリーがKUDOにフィッシャーマン。佐々木が出てきてダイビング・ラリアット。KUDOもステップ延髄からハイキックでやり返すと赤井がジャンピングミドルで襲い掛かる。赤井が佐々木にブレーンバスター。赤井はKUDOとサンドイッチPK。佐々木へのダイビング・ボディーアタックはカウント2。佐々木は赤井のハイキックをかわしてみちドラⅡ。ハイジが出てくるとショルダーアタック。カウント2で返した赤井はサッキ―カッター。これもカウント2止まり。ハイジは赤井の蹴り脚を掴んでラリアット。赤井はボディースラムをかわしてスリーパー。ハイジはこれをコーナーに潰してポーリーが串刺しラリアット。ポーリーはKUDOと高梨を両腕ラリアットで排除し、さらに佐々木がトぺ・スイシーダ。ハイジは孤立した赤井にラリアット。カウント2で返されるとオクラホマスタンピードからレッグドロップで葬った。
試合後、佐々木がハイジを紹介。ハイジは赤井に「いつでもどこでも闘ってやるわ」的なことを言ったと思われたが、佐々木は「赤井、オマエはブスで貧乳でビッチでかわいそうな女だ。仕方ないけどもう少し私が相手してあげたほうがいいわよ。そんなことより佐々木。あなたは親切でたくましくて男らしくて…結婚して!」と勝手な通訳。「えーっ! ハイジ、そんな俺みたいなアル中のクズが好きなの? ダメだ! 俺たちはDAMNATIONなんだ。群れない・媚びない・結婚しないのDAMNATIONだから。でもその話は控室でやろうか?」と話を進めて引き揚げた。
【試合後のコメント】
高梨 あー、クソ! なんだよアイツら! あんなやる奴連れてくるとは思わなかったよ。ごめん! 俺らも助け入れなかった。大丈夫?
赤井 大丈夫です。
高梨 何だよアイツら!
赤井 あのハイジ、ちょっと格好ばっかりかなって思ったところはあったんですけど、見ての通りデカくて強くて、なおかつ綺麗で。自分もちょっと舐めていたところも正直あったのかなって思いました。せっかく酒呑童子のお兄さんたちと組んだのに。そしてDDTに乗り込まれて、迎え撃つつもりが逆に負けてしまって。悔しい気持ちとやっぱ初めて試合で切っちゃったり……。
KUDO (赤井が左耳から出血してるのを見て)おぉ!
高梨 あぁ、アレだ。強烈だったからね。
赤井 強烈でした。
高梨 大丈夫?
赤井 大丈夫です。これを見てまた1個スイッチが入ったので、次はこの倍以上の目をハイジに遭わせてやりたいです。
高梨 オイ、そういうことだ! ハッキリ言ってな、スイッチ入った赤井はすげぇぞ! 俺は酒の席とか、そういうところでしか見たことないけどな、酒と血を見るとこいつは変わるんだ! オイ、次はな……オイ、ハイジ! テメーがこの覚醒した赤井にやられる番だ! 楽しみにしておけ! 以上!
――対戦を希望していた赤井選手と実際に対戦してみていかがでしたか?
ハイジ (英語でまくし立てる)。
佐々木 分かったか? ハイジはこう言ってる。リング上で言った通り、赤井! お前はブスで貧乳でビッチな雌だが、私はロンドンからやってきた雌人間だ。人間が雌猿を可愛がってあげるわ。そう言ってる。
――佐々木選手、EXTREME級王座の次期挑戦者がアントーニオ本多選手に決まりましたが。
佐々木 誰だ、アントーニオ本多って! 誰だ? 誰でもいい! 誰でもいい、やってやる! ウソ、やらない。もうちょっとアル中だからしばらく試合は休む。そう伝えておいてくれ、GMに。
――たぶん却下されると思いますが……。
佐々木 うるせー! 終わりだ!
第4試合は彰人vs高尾蒼馬のシングルマッチ。彰人はショートタイツにコスチュームを一新。腕攻めで攻め立てる彰人に高尾は顔面スライディングキックで反撃。さらにディープインパクトを決めたがカウント2。バックを取った高尾をコーナーで潰した彰人はアームクラッシャー。さらに俵返しでぶん投げる。これはカウント2。エルボーの打ち合いから彰人がMAO殺し。抱えようとする彰人に高尾がリバースDDTから顔面トラースキック。カウント2で返されるとジントニック。彰人がかわして逆さ押さえ込みからワキ固め。高尾が回避してマヒストラル。ジャンピングハイからジントニック。これをかわした彰人が腕に絡みついて最後は変形オモプラッタで切って取った。
第5試合はHARASHIMA&マイク・ベイリーvs入江茂弘&樋口和貞のタッグマッチ。入江はパンダの被り物で登場し「OIK4、スペースパンダ」とコールを受けた。DNA5・10後楽園のメインで対戦する樋口とベイリーが先発。樋口がショルダーアタックで倒せば、替わった入江にベイリーはミドルキック。HARASHIMAが出てくるとベイリーと合体ミドルキックからギロチンドロップを投下する。HARASHIMAは入江をコーナー2段目に固定してフットスタンプで突き刺す。ローンバトルを強いられた入江はコーナーのHARASHIMAを場外に落とすと、ベイリーを交通事故タックルで吹っ飛ばし、ベイリーをリング下のHARASHIMAに当てる。樋口はベイリーにサイドウォークスラム。ベイリーはミドル連打からミドルキック。アサイDDTは樋口がかわしてブレーンバスターの体勢。ベイリーがかわしてバズソーキック。ベイリーがHARASHIMAとタッチ。HARASHIMAは投げ捨てのファルコンアロー。これはカウント2。樋口は向かってきたHARASHIMAをキャッチしてオクラホマスタンピード。入江が串刺しラリアットでアシスト。樋口のビッグブーツから入江が肩車、樋口がそこに合体のノド輪落としはベイリーがカット。ベイリーが樋口にエプロンから延髄斬り。さらに場外の入江にケブラーダ。同時にHARASHIMAが樋口にスワンダイブ式ボディープレス。樋口はHARASHIMAのリバースフランケンを止めてこーにぶつけてぶちかまし。入江が大暴走でアシスト。樋口がドクターボムで3カウント。場内は大歓声。HARASHIMAの持ついつでもどこでも挑戦権も樋口に移動した。
【試合後のコメント】
――ベイリー選手とのタッグでしたが、入江&樋口組にまさかの敗戦となりました。
HARASHIMA いやぁ、ちょっと油断したわけじゃないんですけど、やっぱりヘビー級コンビに一気に畳み込まれたんですかね。いやぁちょっとダメージがさすがにありますね。
――ベイリー選手とのタッグは息が合っているように見えましたが。
HARASHIMA そうですね。お互い蹴りも使うし、あいつもハートがいい奴なんで楽しみなタッグで闘ったんですけど、まさか自分が取られるとは。申し訳ないっすね。
――持っていたいつどこ権も樋口選手に移動してしまいました。
HARASHIMA はい。……はい。獲られちゃいましたね。
――とはいえ、まだいつどこ権を獲るチャンスも今後あるとは思いますが。
HARASHIMA そうですね、まだチャンスはいっぱいあると思うので、また頑張ります。それしか言えないです。
樋口 このタイミングでHARASHIMAさんから、このいつでもどこでも挑戦権獲れたっていうのは、すごく大きいことだと思います。まあこの挑戦権を持ったということは、王者に挑戦ってことになるんでしょうけど、たぶんHARASHIMAさんは納得していないんじゃないかなと思うんですよね。今日の結果に対して。もし納得していないのであれば、自分はいつでもHARASHIMAさんに胸を貸す準備は出来ているので。納得いかなければいつでも来いって感じですね。
――DNAの後楽園大会で対戦するベイリー選手とも対戦しましたが。
樋口 久々に当たったんですけど、やっぱり身体は小さいです。でもパワーもバネもすごいものがありましたね。ただ彼にDNA-GPで負けてから、自分も成長しているんで。もう絶対に負けないっていう気持ちは持っています。
休憩前、以下の発表があった。
①KO―D10人タッグ王座が新設。8・20両国国技館で初代王座決定戦。
②路上プロレス in 東京ドームは6月1日(木)16:00開催、高木三四郎vs鈴木みのるの東京ドーム全域を使ったノーピープルマッチに。DDT UNIVERSEで完全生中継。
③5月28日後楽園大会のスーパー・ササダンゴ・マシン復帰戦のカードは高木三四郎&スーパー・ササダンゴ・マシンvs鈴木みのる&ロッキー川村に決定。
休憩明け、亜門GMと共に木高イサミがリング上へ。イサミは「私ごとなんですが、5月いっぱいでドロップキックの店長を辞めさせていただくことになりました」と発表。理由として団体代表、選手をやりながら店長業をやると忙し過ぎるということに最近気が付いたということで、新店長となる彰人を呼び込んだ。スーツ姿で登場した彰人を見て「私のときはだいぶ酷いドロップキックでしたが、次はちゃんとしたドロップキックになると思います」とイサミが言うと、彰人新店長は「だいぶ店の雰囲気も変わるかもしれないですけど、ホスピタリティ溢れるちゃんとした店を目指したいと思います!」と挨拶した。
セミファイナルはKO-Dタッグ選手権試合。王者組の船木誠勝&坂口征夫に高山善廣&男色ディーノのリアル・ノーフィアーが挑む一戦。客席にいた子供をディーノが高い高いすると、子供はギャン泣き。さすがに素直に降ろしたディーノだが、近くいた男性客のキャップを奪い取ってブン投げる。握手を求めるディーノだが、坂口は睨み付けて威嚇。だが、ディーノが先発で出て来ると、王者チームからは何と船木が出てきて観客がざわめく。船木の股間にロックオンするディーノに船木はローキック。しかしディーノは尻を突き出して「カモン!」と挑発。尻を何度も蹴っていった船木は、ダウンしたディーノをカバー。しかしディーノの手が股間に伸びてくると、素早く立ち上がって坂口にタッチ。ディーノはすぐに男色クローを見舞って自軍のコーナーに坂口を押し込むと、タイツを引っ張ってTバック状態にしていく。タッチを受けた高山はスロイダーで投げるとボディスラムから踏みつけフォール。続いてディーノがバックを取り、タイツを引っ張ってTバック状態にしてから腰を振っていく。さらにブレーンバスターから男色ナイトメアーを見舞ったディーノだが、そこに船木が入ってくる。しかしディーノにじっとりと見つめられた船木はカットせずに、坂口に檄を飛ばすだけ。高山にタッチしたディーノは、コーナーに戻りながらも坂口の肛門に指を入れていく。悲鳴をあげた坂口だが、串刺し攻撃を狙った高山をジャンピングキックで迎撃して船木にタッチ。ランニングローを叩き込んだ船木はバックドロップの体勢に。これをスロイダーで切り返した高山は、もう一度スロイダーで投げてからレッグドロップ。船木もハイキックを返すが、倒れない高山はニーリフトを返してお互いにタッチ。ミドルキックから払い腰で投げた坂口はランニングロー。スリーパーに捉えた坂口だが、ディーノはコーナーに押し込んで腰を股間に押し当てて脱出。男色エクスプロイダーからシャイニングあてがいを見舞ったディーノはTバック姿になってコーナーに登る。そこに高山が坂口をホイップするが、坂口はディーノの尻にジャンピングニー。さらに高山にもジャンピングニーを叩き込んだえコーナーへ。しかし追いかけていったディーノがリップロック。そこからスパイダー式ブレーンバスターで投げたディーノは、そのままコーナーの上で尻を突き出す。高山が坂口の顔面をディーノの尻に押し付けると、船木がカットに入るが、ディーノがリップロックを狙う。船木は掌打の連打で防御してロープに飛ぶが、高山が割って入り船木にリップロック。すかさずディーノも坂口にリップロックを見舞うと、高山が背後から坂口のバックを取り、エベレストジャーマンで投げて3カウント。
新生ノーフィアーがKO-Dタッグ王座を奪取。GMが「次のタイトルマッチは5月28日、後楽園ホールでおこないたいと思うんですけど」と言うが、高山は「俺、その日忙しいんだよ」と拒否。するとGMは5月21日の札幌大会での防衛戦を提案。この提案を受諾したディーノが「(挑戦者は)誰でもいいよ」と言うと、高山が「俺たちは誰の挑戦でも受ける! なぜなら俺たちはノーフィアー!」と雄叫びをあげた。
【試合後のコメント】
坂口 すみません、船木さん。
船木 いやいや、そういうことじゃないよ(苦笑)。あんな体験は初めてだから。
坂口 そうですね。ちょっと自分らが想像していた斜め上をいかれたんで。自分もどうにも出来なかったんで。
船木 っていうかさ、あの二人を倒すためには俺たちもホモにならないとダメなんじゃないの?
坂口 もうそういうふうになってしまうしか……。
船木 あれは無理だから、また違う人がタイトル獲ったらまた挑戦しようね。
坂口 そうですね。はい!
船木 それでいいじゃん。やっぱりホモにはホモ。高山選手があんなになってるとは思わなかった。あれはちょっとビックリしました。ちょっとDDTに来て改造され過ぎてるような気がします。
坂口 そうですね。まさか今日出してくるとは思わなかったんで。
船木 あの手があったんだね。
坂口 またちょっとよろしくお願いします。
――ディーノ選手とはもう絡みたくない?
船木 絡みたくないと言うよりは、ちょっと太刀打ち出来ないというか、やっぱり格闘技とは違う……何て言うんですかね。闘いは闘いなんだなと。襲いにくるという姿勢は格闘技ではないんですけど、闘いは闘いなんだと。そういう気持ちはありました。何て言うんですかね? 闘うんじゃなくて襲うっていう感じなんですよ。そういう意味では闘いの上をいってるような気がしました。怖いです。恐ろしい! 高山選手にキスされて、やっぱり自分よりも大きい人にヤラれるとどうにもならない。だから女の人の気持ちが分かりましたよ。何か……ヤラれてしまう(苦笑)。分かりますか? ヤラれてしまう……あんな大きい人から迫られたら断れないよね?
坂口 そうですね。
船木 襲われるしかない。ヤラれるしかない。
坂口 なすがままっすね。
船木 もう笑いが止まらない。こんな体験初めてです。
坂口 いや、スミマセン。自分がちょっと……。
船木 いやいや、今日のは事故だから。
坂口 まさかあのオッサンがあんな手を使ってくるとは。
メインイベントはKO-D無差別級選手権試合。王者・竹下幸之介に遠藤哲哉が挑戦する一戦。遠藤は試合前にTシャツを脱ごうと一瞬したが、やはり着たまま試合に挑む模様。腕の取り合いからお互いにガブっていくが、どちらも先手を取らせない。手四つの力比べでは竹下が押し込んでいくが、ブリッジで耐えた遠藤が押し返す。再び押し込んでいった竹下は、そこからダブルリストアームサルトで投げていく。ロックアップからロープに押し込んだ竹下は、軽く遠藤の頬を叩いてからブレイク。再びロックアップすると、今度は遠藤がロープまで押し込んでいき、離れ際にガットショット。スピーディーなロープワークから竹下がバックを取るが、遠藤が振り払う。5分が経過し、ヘッドロックに捉えた遠藤は執拗に絞めあげていく。竹下もヘッドロックで切り返すと、なかなか離さずにギリギリと絞めていく。バックドロップでどうにか脱出した遠藤は場外に出る。竹下が追いかけていくと、素早くリングに戻り戻ろうとした竹下にドロップキック。そこからケブラーダを狙った遠藤だが、竹下が阻止して場外に引きずり出す。10分が経過し、竹下がマットのない部分で低空ブレーンバスター。遠藤をリングに戻した竹下はチンロックに捉えると、コーナーに押し込んで逆水平チョップから顔面を踏みつける。「来いよ」と挑発する竹下にエルボーで向かっていく遠藤だが、竹下はエルボーでなぎ倒すとDDT。さらに逆片エビ固めとフェイスロックの複合技で追い込んでいった竹下は遠藤をエプロンに追いやり、ロープ越しのスリーパー。グッタリとする遠藤にDDTを狙った竹下だが、遠藤はタイツを引っ張って竹下を場外に引きずり降ろす。場外でのエルボー合戦から遠藤が竹下を鉄柱に叩き付ける。15分が経過し、今度は遠藤が竹下の左足を鉄柱に巻きつけ、そこにエプロンからダッシュして低空ドロップキック。リングに戻った遠藤は竹下の左ヒザに低空ドロップキック。インディアンデスロックに捉えた遠藤だが、竹下はどうにかロープに脱出。だが、遠藤は竹下の右ヒザを痛めつけてからアキレス腱固め。そのまま立ち上がった竹下は空いている左足で延髄斬りを叩き込んで脱出。20分が経過し、遠藤はイスを使って竹下のヒザを攻撃。そして竹下をリングに戻すと左足にローキック。竹下はどうにかボディスラムを返すが、遠藤は下から足を取ってアンクルホールド。ロープに逃れた竹下だが、走ることもままならないほどヒザにダメージを負っている様子。遠藤は左ヒザを踏みつけると、竹下の髪の毛をつかんで挑発。竹下は猛然とエルボーを打っていくが、遠藤はローキックからロープへ。竹下はカウンターのゼロ戦キックをお見舞いすると、ヘッドシザースで遠藤を場外まで投げ飛ばしてからプランチャ。遠藤をリングに戻した竹下はロープに飛び乗ってスレッジハンマーを投下。さらにボディへのエルボーから河津落とし。25分を経過し、ブレーンバスターを狙った竹下。遠藤が空中で切り替えそうとしたが、屈伸して防いだ竹下はブレーンバスターで投げきった。ボディシザースに捉えた竹下だが、遠藤はロープに脱出。バックドロップを狙った竹下だが、遠藤は回転エビ固めで切り返す。これをパワーボムで強引に叩き付けようとした竹下だが、遠藤はウラカンで投げて竹下をコーナーに叩き付ける。エプロンに出た竹下をドロップキックで場外に落とした遠藤はTシャツを脱ぎ捨て、ブエロ・デ・アギラを発射。リングに戻った遠藤は竹下の左腕を足でロックしてた状態でのネックロック。これを竹下がどうにか耐え抜いたところで30分経過。エルボー合戦から竹下がフロントキック。遠藤もトラースキックを返すが、竹下がフロントキックから突っ込んできた遠藤にカウンターのヒザ蹴り。さらにぶっこ抜き式の垂直落下式ブレーンバスター。カウント2で返した遠藤はジャーマンを狙った竹下をカサドーラで丸め込むと、続けてテツヤ・イン・ザ・スカイ。さらにトーチャーラックボムで叩き付けるがカウントは2。ならばとコーナーに登った遠藤は奥の手シューティングスタープレスを投下したが、竹下がかわして自爆。お互いマットに両ヒザをついたままエルボーを打ち合うと、さらにヘッドバットを打ち合ってから立ち上がり、竹下はショートレンジラリアット。倒れない遠藤もショートレンジラリアットを返すが、竹下も倒れずにショートレンジラリアット。相打ちになったところから竹下のショートレンジラリアットをかわした遠藤だが、ロープに飛んだ竹下はラリアットで遠藤を吹っ飛ばすと必殺のジャーマンスープレックス。しかし遠藤がカウント2で返したところで35分が経過。竹下はクロスアーム・ジャーマンを狙うが、セコンドの佐々木がエプロンまで上がっていく。レフェリーが注意している間に遠藤が急所蹴りを見舞ってピンチを回避。場外にエスケープした竹下を追いかけた遠藤だが、竹下が逆に客席に投げつける。遠藤も突進してきた竹下にカニ挟みを決めて、鉄製の仕切り板に激突させる。そこから両者は揉み合いながら放送席・本部関付近に移動。オフィシャルの歌代総統に遠藤を叩き付けた竹下はビッグブーツ。しかし遠藤がかわしたため歌代総統に誤爆。さらに両者は記者席まで来ると、竹下がジャーマンを狙ったが遠藤は着地。そしてスイングDDTを決めて竹下をステージから落とした遠藤は、ポーリーに四つん這いになるように指示。四つん這いになったポーリーを踏み台にして竹下にケブラーダを発射した遠藤。カウント19でどうにかリングに戻った両者だが、遠藤は竹下の左ヒザに低空ドロップキックを見舞ってからアンクルホールド。竹下は左ヒザのダメージでまともに攻撃することが出来ない状態だが、どうにか首固めで丸め込むと、続けて逆さ押さえ込み。遠藤がキックアウトしたところに飛びヒザ蹴りをブチ込んだ竹下は人でなしドライバーを狙ったが、遠藤はアンクルホールドで切り返す。竹下も強引にジャーマンでぶっこ抜こうとしたが、遠藤はガッチリと絞め上げる。堪らずロープに逃れた竹下。ここで45分が経過。エプロンに出た竹下はロープ越しのブレーンバスターを狙うが、遠藤は必死にエプロンに着地。ならばとバックを取った竹下だが、遠藤はエルボーで突き放してダッシュ。だが、竹下はフロントスープレックスで投げて遠藤をエプロンに叩き付ける。遠藤は朦朧としながらも場外カウント19で辛くもリングに生還。竹下は串刺し攻撃を狙ったが、遠藤は肩口に抱え上げてから上に持ち上げ、ガラ空きになった竹下の顔面を蹴り飛ばす。さらにバックドロップで投げた遠藤だが、竹下もジャーマンで投げ捨てる。遠藤は竹下の串刺し攻撃を阻止してミサイルキック。なおも突進してくる竹下をウラカン・ラナで丸め込んだ遠藤だがカウントは2。遠藤はコーナーに登っていくが、追いかけていった竹下はトップコーナーから雪崩式ブレーンバスター。遠藤がカウント2で返したところで50分が経過。頬を突き出す竹下にエルボーを叩き込む遠藤だが、首を振った竹下は逆水平チョップを連打。さらに「遠藤ー!」と絶叫しながらのダブルチョップでなぎ倒した竹下。大の字に倒れた遠藤に竹下は「立てよ!」と叫ぶが、松井レフェリーはダウンカウントを数え出す。カウント8で止めた竹下だが、遠藤はそこを首固めで丸め込む。キックアウトした竹下に松井レフェリーをぶつけた遠藤はハンドスプリング・レッグラリアットからネックスクリュー。そしてシューティングスタープレスを投下。今度こそ完璧に決まったが、竹下はカウント2で返す。もう一度コーナーに登ろうとした遠藤の足にしがみついた竹下。遠藤はヒザ蹴りで突き放すと、コーナーに登っていくが、竹下は立ち上がって攻撃。さらに自分もコーナーに登っていくが、遠藤はヘッドバットを見舞うと雪崩式テツヤ・イン・ザ・スカイ。これも竹下がカウント2で返したところで55分を経過。遠藤は足4の字固めに捉えるが、竹下はどうにかロープに脱出。遠藤が串刺しラリアットを決めれば、竹下も串刺しフロントキックを返し、さらにエルボー合戦に。ロープに飛んだ遠藤にカウンターの飛びヒザをブチ込んだ竹下はドラゴンスープレックスで投げ捨てると、渾身のラリアットを叩き込む。遠藤がこれも返すと、竹下はラストライドで叩き付ける。しかし遠藤はこれもカウント2で返し、残り1分に。竹下はバックを取るが、遠藤は必死に腰を落とす。竹下はクロスアームジャーマンを狙ったが、遠藤はカサドーラで切り返す。カウント2で竹下が返したところをクロスフェースに捉えた遠藤だが、ここで60分時間切れを告げるゴング。
引き分けによる王座防衛に成功した竹下は、やや納得いかない表情でベルトを受け取る。座り込んだままの遠藤を見つけた竹下は、ベルトを掲げてアピール。立ち上がった遠藤は額をくっつけて竹下と睨み合う。そして竹下を張ってリングを降りていった遠藤。その背中を見送ってから倒れた竹下に、GMが「お疲れさん。すごい試合だったよ」と声を詰まらせながら声をかける。すると竹下は「僕がチャンピオンである限り、後楽園を満員にし続けるので安心してください」と頼もしい発言。感激した様子のGMに「もう帰っていいですか」といい竹下だが、そこにいつどこ権を持っている高山が現れ、トップロープを跨いでリングイン。「(GMに)お前には用はねえんだ。用があるのはチャンピオンだ! いや、すごいね。すごいチャンピオンだ! 立派過ぎる。こいつ、俺の甥っ子くらいだぜ。俺だってGHC、IWGP、NWF、三冠! コレクションしてんだよ。その中にKO-D無差別を入れておきたいなって思っているんだけど、どうかね?」と王座挑戦を示唆。いつどこ権を行使するかに思えたが、高山は「いまって言ったら可哀想だろ」と言ってから、リング下からチャンスを伺っていた大石と島谷に「おい、テメーら何やってんだよ! チョロチョロしてんじゃねぇよ。さっさと失せろ!」と一喝。その上で「さっき言っただろ、次の後楽園、用事があるってよ」と5月28日の後楽園大会でのタイトルマッチを予告。竹下が「髙山善廣、プロレス界の帝王学、俺に教えてみろよ」と受けて立つ構えを見せると、高山は「坊主、その口吹っ飛ばしてやるからな。覚悟しておけよ」と言ってから、後楽園大会までいつどこ権を守ねいことも、竹下が王座を落とすことも「ない」と断言。そこに彰人が入ってきて「高山さんよ、あんたクソつまらない使い方してんじゃねぇよ! そんな余裕こいてたら足元すくわれるよ。いや、すくってやるよ」と言って、高山が奪取したばかりのタッグ王座への挑戦を表明。「言えば通りとか、そういうの良くないと思う」と納得いかない様子のディーノだが、彰人は「僕はあんたに憧れてプロレス界に入ってきた。けど、今のあなたはつまらない。ケツばっかり出してんじゃねぇよ!」と挑発。これにカチンと来たというディーノは「じゃあつまらなくないケツで防衛しますよ」と反論。彰人は「お客さん、あなたのお尻にはもう呆れるよ。あなたの肛門はもう見たくないよ」と辛らつな言葉を浴びせるが、ディーノは「見たくないから見せているんですけど」と言い返す。この結果、5月21日札幌大会で高山&ディーノのKO-Dタッグ王座に、竹下&彰人のALL OUTが挑戦することが決定。最後はディーノが「DDT一巡して外に行こうと思ってるから、あんたたちは通過点です!」と言えば、高山が「札幌のチケットと航空券買っておけよ! そして次の後楽園の前売りもすぐに買いに行け!」と叫んで、ディーノと共に退場。マイクを持った竹下が「おっさん二人、ちょっと本気出してきましたね」と言うと、彰人は「大人げないディーノさんが戻ってきますね。楽しみですね」と嬉しそう。そして竹下が「遠藤選手に関しては勝って防衛出来なかったことが自分の中の後悔としてりますけど、この続きはいつかやりますので楽しみにしておいてください。次の挑戦者、髙山善廣。自分がジャーマンで逆に投げて、エベレストジャーマンより高いジャーマンしてやりますので、皆さん応援よろしくお願いします」と挨拶して後楽園大会を締めくくった。
【試合後のコメント】
――まずは奪取したKO-Dタッグ戦について。
ディーノ いつも通りよね。
高山 もう全然こっちの試合だったね。
ディーノ ね!
高山 こっちっていうかディーノの試合。
ディーノ まあまあまあ。私の試合=よっちゃんの試合でもあるわけだから。
高山 まあそうね。
ディーノ 全然。普通に道を歩いていて、普通に目的地に着いただけ。まだまだ先にもあるからね。
――次の挑戦者にメイン後、竹下&彰人組が名乗りを挙げてきましたが。
ディーノ どうせいつかやるんだから。
高山 まあね。本当は別に権利もなにもないんだけどね。俺ら優しいからさ、受けてやるよ。
ディーノ 本当に優しい! だからもう何もない。普通に道を歩くように防衛してしまうと思う。
高山 そんな感じだね。
ディーノ 本当に申し訳ない。
ーー高山選手としては5.21札幌でタッグを防衛して、5.28後楽園でKO-D無差別級を奪うと。
高山 そう! うちはベルトが三本になっちゃうね。
ディーノ そうなの。で、私がひょっとして6人タッグも獲ってしまうと、あら不思議。ねえ、いつの間にか大手かけてるからね。あー、申し訳ない! ごめんね!
高山 まあしょうがないよね。
ディーノ プロレスに独占禁止法ないから。もう本当にごめん! 普通に獲っちゃうわ。どうせみんな私のことノーマークだったでしょ。気付いたら大手ですよ。まあそんなもんなんですよ。キャリアって。
――今日のメインを見て、改めて王者としての竹下選手の印象は?
高山 いや、まあ立派ですよ。立派! 本当に立派。若いのにね。
ディーノ ねえ。
高山 だから尊敬します。尊敬する王者だからこそ、あいつを叩きのめしてベルトを獲りたい。
――DDTに参戦して以来、チャンスがあればベルトを狙っていくと言ってましたが、いまの竹下選手から獲るのがベストだと?
高山 そうね。一番いい状態じゃないベルトが。
遠藤 まあ結果は引き分けだけど、カリスマを喜ばせられなかったから俺の負けです。いやぁ……俺はさ、ベルトとか興味ないけどカリスマを喜ばせるためだけに、それだけをモチベーションにこの試合に臨みました。あの人は俺を本当に救ってくれた人だから。これでアイツを、竹下を……地獄の底に落として、少しでもカリスマに恩返ししたかったんですけど、結局試合が終わって、カリスマの笑顔を見ることが出来なかったんで、今日の試合は竹下の勝ちです。以上。
彰人 まずタッグのことからいいですか。高山さんがああやって挑戦するって言って、僕が一番嫌いな使い方をしたわけですよ。次の挑戦の確約をするだけのいつでもどこでも挑戦権。あんなの高山さんだったら、あんなのなくたって「挑戦したい」って言ったら挑戦出来るんですよ。あんな勿体ない使い方して、僕は本当に髙山善廣は足元を見てるのかなって思いましたね。まあ勢いでタッグ挑戦することになって。僕はプロレスずっと見てきて、男色ディーノっていう人間を見て、またプロレスってものに憧れを持って一緒にやりたいなって思って、この業界に入ってきて、すごい憧れだったんですよ。男色ディーノっていう人間は。けど、時間が経つにつれてあの人は最近ではずっとお尻を出したりしていて、何かあの人自身の進化が途中で見えなくなっちゃって。僕がちょうどディーノさんから離れた頃くらいですね。何か憧れていた男色ディーノが、自分の中でドンドンドンドン憧れがなくなってきて、風化してものになってきて、それをちょっと成仏させなきゃいけないのかなと。男色ディーノっていう人間はこれでまた何か違うものを見せてくれるかもしれないけど、僕が望んでいるのはそういうことなんですよ。何かすごいハチャメチャなアイデアを出す男色ディーノが見たいわけで。もちろん、ベルトは獲る気でいるんですけど、これはたぶん僕が男色ディーノに対する愛で。進化した男色ディーノが見たい、あの人にはまだ衰えてほしくないっていうんがあってね。でもそんな男色ディーノを僕が食って、一気にベルトを二人で獲りたいなと思います。今日の主役は竹ちゃんなんで、竹下にいろいろ聞いてください(と言って控室へ)。
竹下 タッグ選手権に関してはさっき彰人さんが言ったんで。彰人さんにとって男色ディーノっていうのは特別なレスラーだと思うので、僕はそこに集中してほしいかなって思います。僕は髙山善廣に照準を合わせるというか。でも来月の後楽園の1週前ですか? 前哨戦というよりは、もうタッグ選手権なので。ALL OUTを組んでまだ間もないんで、ここで勢いつけたいし。前哨戦っていう気持ちよりか、タッグのベルトを俺たちが巻くんだ、あいつらに防衛させないんだっていう気持ちで、タッグ選手権は臨みたいと思います。で、無差別シングルは今日、遠藤選手と闘って決着つかなかったですけど、そこまで僕たちはもしかすると追いつけ追い越せで切磋琢磨してきたのかもしれないですけど、そこまでいまは拮抗しているってことです。実力がもうぶつかり合っているっていう、それはもう微妙なバランスでいま来てると思うんですよね。だからこの60分でも時間切れになったていう……。まあまたいつかこのベルトをかけてでもいいし、どんな形でも試合したいと思いますけど、僕はこのタイトルマッチが決まったときも言いましたけど、これを取って置きのカードにしたいっていうのがあるのでポンポンポンしないですけどね。でも、いつか…いいタイミングで出来たらいいなと思います。高山選手についてはまあ来月、もちろん自分がいつどこからも守り切って、高山選手もいつどこを持ち続けていうのが条件ですけど、でもあの髙山善廣ですからね。まだまだ実力出し切ってないと思うし、このDDTに来て。竹下幸之介というレスラーがチャンピオンとして対角線に立ってときに、どんな闘いを見せてくれるのか、それが敢えてチャンピオンとして上から目線で楽しみです。
――彰人選手が高山選手にいつどこ権を「つまらない使い方」と言ってました。もしかしたら60分フルタイムになった直後に高山選手が……。
竹下 よかったですけどね、それでも。自分はそれでもよかったですよ。確かに不利かもしれないですけど、ずっとHARASHIMAさんがチャンピオンだったときに言っていたように、それがルールなんで。いつどこに関してDDTでプロレスをしているルールなので。だからそのルールに則っているので、別に僕はそれでもよかったし。まだ出来たと思うし。……動けなかったかもしれませんけど。でも僕はそれでもよかったですよ。でも確かにベストコンディションで髙山善廣と闘いたいっていう気持ちはありました。
――60分闘っても決着がつかなったですけど、今後何が二人の差を分けていきそうですか。
竹下 なんでしょうね。運もあると思いますよ。やっぱり闘いにおいて運ってあると思うんですよね。だから運を掴むというか、流れを掴むというか。そういう闘いですかね。もうトレーニングがどうとか、そこでは均衡してると思うんですよね。でもたぶん僕たちも一生懸命試合してグッタリしてますけど、たぶんマスコミの人たちもお客さんも、見ている人たちもみんな疲れたと思うので。でもプロレス最高だなって思えてもらえてたらいいし、僕はプロレス最高だって思っているから。だから最終的にはプロレスが好きな気持ちが上回って勝てたらなって思っています。
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