4日、宮城・エルパーク仙台にて「Road to Ryogoku in SENDAI~ドラマティック・ドリーム・タン~」がおこなわれたが、当日朝8時に都内を出発した選手バスがゴールデンウィークの渋滞に巻き込まれてしまい、8時間経っても会場に到着しないという緊急事態が発生した。バスが到着したのが開場20分前。グッズが会場に運び込まれた時には、すでに公式ファンクラブの優先入場が始まっていた。慌てて売店が設営される中、オープニングの前説では鶴見亜門GMは私服のままリングイン。カードの見どころを解説して大会スタートとなった。
第1試合は竹下幸之介vs松永智充vs中澤マイケルの3WAYマッチ。先に入場した松永と竹下がマイケルの入場曲が流れない中、さも両者のシングルマッチかのように始めようとする。そこへ「ちょっと待て!」と入ってきたマイケルがドロップキックを放つも竹下にスカされ、押さえ込まれるや3カウント。今回の秘策して「仙台ピンプス」を用意しているらしいマイケルが泣きを入れて再試合となったが、2人に無視され続け、何をやってもスベり続け、予告した仙台ピンプスも結局は出すこともできず。仙台にちなんだビーナスベノムシュートとなる節操極まりない技を竹下に狙ったが、これは連係せんとした松永に当たってしまう。最後は竹下のジャーマンでフォール負けという結末。
第2試合はMIKAMI&アントーニオ本多vs大石真翔&ヨシヒコのタッグマッチ。ヨシヒコの人間離れした妙技に仙台のファンも魅了される。途中、アントンに腕、脚、首をあらぬ方向へと曲げられてしまって場内に戦慄が走る場面もあったが、アントンのダイビング・フィストドロップを察知して回避し、キャンバスで自爆させると輪廻転生を決めて勝利した。
第3試合は遠藤哲哉vsワンチューロのシングルマッチ。ともに寮で過ごした1年間を試合を通して確かめ合うかのような攻防を見せる。最後は遠藤がスカイツイスター・プレスを浴びせて勝利。試合後、5月28日に帰国してしまうワンチューロへ言葉を送るよう亜門GMから促された遠藤は「プロレスを続けるのかわからないけど、今までみたいに努力すれば明るい未来は訪れるから!」とエール。ワンチューロはこれに応えるかと思いきや「仙台の人…僕は遠藤さんのことが大っ嫌いです!」と言って逃げ去った。
第4試合は高木三四郎&大鷲透&ゴージャス松野vs石井慧介&入江茂弘&高尾蒼馬の6人タッグマッチ。この試合は両チームの強い要望により仙台初上陸となるルチャ・リブレルールでおこなわれることに。今日も高木のセイバーチョップがさく裂し、勢いを借りた松野がチームドリフ相手に奮闘してみせたが、最後は石井への首固めが切り返されて3カウントを聞いた。松野は自分が3カウントを取ったと主張するも、当然覆らない。すると松野は「負けたことにしてやるよ。その代わり、わかってんだろうな。この前、いいことあったんだろ? (5・6)山形でアジアタッグのタイトルマッチだ!」と要求するも、グダグダの展開に。この空気を変えるべく石井が「3、2、1、休憩!」と強引に中締め。
セミファイナルはHARASHIMA&ヤス・ウラノvs男色ディーノ&彰人のタッグマッチ。彰人vsヤスでじっくり始まったが、彰人からスイッチしたディーノは寝転んでヤスをゲイレスリングに誘い込もうとする。なかなか踏み込めないヤスにHARASHIMAは「無理なら僕が替わるよ」と自らタッチを求めてリングイン。「こんなもん気にしなければいいんだ!」と言ったHARASHIMA。バックを取られ股間を尻に突き立てられるも平然を受け流す。しかしディーノに指をズボンへと突っ込まれると「やっぱりダメだ~! 激しい~!」と悲鳴をあげた。ナイトメアを食らうもカンチョーでやり返すHARASHIMA。替わった彰人にはキックをブチ込むも俵返しで投げられ、再びディーノが出てくると防戦一方に。ファイト一発!を食らってフラつくも、広げた漢タイツに入ることを堪えると、エルボーと股間タッチの応酬へ。スイッチした彰人がHARASHIMAにサソリ固め。カットに入ってきたヤスもコブラツイストで捕まえて同時に決める。彰人のキン肉大移動狙いはHARASHIMAが着地して回避。彰人も奮闘したが最後はHARASHIMAの蒼魔刀に沈んだ。試合後、ディーノがマイクを取る。「正直、(HARASHIMAの)いつでもどこでも挑戦権を狙っていたのよね。アタシだって両国のメインは諦めてません」と言うと、傍らに寄ってきた彰人を突き飛ばし「馴れ馴れしくすんな! アンタの挑戦を手伝うって言ったのはこの間までよ! 大石さんはポンコツでクズで眼中にないから一緒にやっていけるけど、アンタはもうライバルなんだから一緒にはいれない。群れに帰れ!」と一喝。大石も「オマエなんか嫌いなんだ、ラスカル! 群れに帰れ、ラスカル~!」と突き放した。ひとり退場する彰人の背中を見続けたディーノと大石は涙を堪えながら引き揚げた。
メインイベントはKO-D6人タッグ選手権試合。第9代王者組の飯伏幸太&ケニー・オメガ&佐々木大輔はKUDO&坂口征夫&マサ高梨を相手に2度目の防衛戦。序盤は高梨がローンバトルを強いられるも、何とか反撃に出てKUDOと交替。KUDOは飯伏と激しい打撃の応酬。ハイキックは相打ちとなってダブルダウン。場外に逃れた飯伏に坂口がエプロンからのPKを見舞っていく。その後は以外にも飯伏が攻め込まれたが、高梨のタカタニックは回避してラリアット。替わったケニーとの波動拳+ジャーマンを決める。ピンチの高梨は坂口とのタッチに成功。坂口はKUDOを呼び込み、ケニーへサンドイッチPK。坂口はケニーに腕十字を仕掛けるが、ケニーが持ち上げてコーナーポストへ叩きつけた。坂口へのPKこころはカットされて不発に。坂口がケニーにスリーパーを決めるも、これは飯伏にカットされる。タッチを受けた佐々木が坂口に打撃で挑もうとするも、キック一発でダウン。坂口のスワンダイブ式ナックルは佐々木にクロス・フェースロックに切り返されてしまうが、KUDOと高梨のカットに助けられた。王者組は坂口への3連続ケブラドーラ・コンヒーロを決めると、飯伏が槍投げ。ケニーにカナディアン・バックブリーカーで担がれた坂口に、佐々木がダイビング・エルボーを投下。ここから一気呵成に攻めたい王者組だったが、坂口もスリーパーからのヒザ蹴りで佐々木の動きを止めると、最後はPKをブチ込んで3カウント。酒呑童子がKO-D6人タッグ王座を獲得した。試合後、マイクを取った高梨は「飯伏! そして俺達が勝つと思ってなかった連中、ザマーミロ!! これで酒の肴は4本だ!!」と勝ち誇る。最後に坂口が「今日はベルトを獲ったで、カンパーイ!!」と音頭をとって、酒盛りへと突入した。