DDTにとって激動の2012年が終わろうとしている。2012年は15周年という部分が大きかったけど、それを実感したのは日本武道館大会のみ。あとはいつもと変わらぬDDTを展開していった感じかな。
代表取締役としてプロレス団体を運営してきて、ここ最近で変わってきたと思ったのはチケットの売れ方。東日本大震災から1年半が経過したけど、震災前は発売日の段階で割と売れていたのが、震災以降は大会直前の1週間前ぐらいとかにならないと、一気に売れなくなってしまった。
こうした状況はリーマンショックの余波で不景気になった2008年頃から緩く出始めていたんだ。それから徐々に回復していた景気も大震災で再び悪くなって、チケットの売れ方に一気に影響が出るようになったと思う。
じゃあ、なぜ大会の1週間前ぐらいにならないと、チケットが売れないのか。まず、各団体が東京都心部で興行を行う回数が増加したことが挙げられる。これは地方興行の動員が苦しくなったからで、いわゆるインディー以下の団体は地方でほぼできなくなってしまった。
各団体が首都圏集中型の興行スタイルになるのは、プロレスファンの絶対数に頼っている部分がある。東京都心部、そして東京近郊に大阪市や名古屋市、札幌市、福岡市といった100万都市は人口に比例してプロレスファンは多いだろう。
都市部のプロレスファンからしてみれば、どの団体でもチョイスできるようになったんだけど、一般労働者の平均月給だって下がっているわけだからね。例えば手取りで25~30万円もらっている人が、その中から娯楽の、さらにプロレスに対してどのくらい捻出できるのか。
どの団体も首都圏では大会の2ヵ月前からチケットを発売しているけど、これまで仮に3団体に1万5000円使っていた人が、10団体以上も選択肢が増えてしまえば、まだどの選手が出るかも、カードですらわからない状況では今まで以上に手を出しにくいだろうし、2ヵ月の間におもしろそうな大会が突発的に決まる可能性だってあるわけだから、購入に躊躇してしまうだろう。
選択肢が増えたのだから、本来はそれに比例してお客さんの数だって増えていかなければならないんだろうけど、はっきり言ってプロレスファンの数は増えていない。あまりネガティブなことは言いたくないけど、2008年以降、薄く減少していると思っているんだ。(この項つづく)



