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【4・29後楽園のKO-D無差別級選手権試合を占う】元ハッピーモーテル総監督・アントーニオ本多が語る「タケちゃんと遠藤」

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    • DDT4・29後楽園大会のメインイベントでKO-D無差別級選手権試合◎<王者>竹下幸之介vs遠藤哲哉<挑戦者>が開催される。かつてはユニット「ハッピーモーテル」に所属し、KO-Dタッグ王座を獲得するなど仲間として切磋琢磨していた2人だが、竹下のKO-D無差別級王座の戴冠により、遠藤のジェラシーが爆発。遠藤はユニット離脱 → DAMNATION電撃加入と、竹下と対峙する道を選び、現在に至る。その彼らを総監督の立場で見守ってきたのがアントーニオ本多だ。ユニットが解散し、竹下も巣立った今、どういう思いでこの闘いを見るのか。(構成・歌代孝正)

      私はタッグマッチの時、キャリア順で私の曲で入場しなきゃいけない場合、ちょっとおこがましいんです。結構、歴史に埋もれているヤス・ウラノとのタッグチーム「レッツゴー30's」にはそれ用の入場テーマがあって、(トランザム★)ヒロシと組む時はダスティ・ローデスのテーマだし、男色ディーノとの「ルームシェアーズ」にもそれ用のテーマがある。私は誰かとタッグを組むと、そのタッグでの曲をつけたがるんです。

      でも、誰でもいいわけではない。このタッグを今後も機能させていきたい、大事にしていきたいというのがあって、内々にこういうタッグチーム名にして、この曲を使おうみたいな、そういう楽しいノリで同じようにタケちゃんとのチームも「ハッピーモーテル」で始めたわけです。ただ、タケちゃんとはその時点で趣味で気の合う友達だったので、その延長線上でユニットを結成することも言いやすかったですね。

      その後、遠藤がハッピーモーテルに入ってくるんですけど、当時、遠藤はこれからの団体を担っていくべき若手という存在だったらからタケちゃんと組む機会が多くて。「だったらユニットに入れちゃう?」みたいな感じでしたね。だからハッピーモーテルも最初からユニットとして機能させようと思っていたわけではなく、たまたまの流れでそうなったということです。

      その遠藤が2016年7月の後楽園大会でタケちゃんのKO-D無差別級王座に挑戦して、敗れてDAMANTIONに加入することになるのですが、タケちゃんに対するジェラシーといったものを私自身、よくわかっていなかった。それまでの遠藤は自分の感情をそれほど表に出すタイプではなかったので。ただ彼らはその前年にKO-Dタッグチャンピオンになった。その時点でタッグとしてかなり完成されてたわけです。

      でも、完成したものは必ず何か弾ける運命にある。例えばロックバンド、ローリングストーンズは70年代にアメリカをツアーで制覇した後にキース・リチャーズがドラッグで逮捕され、チャーリー・ワッツの機嫌が悪くなり、ミック・ジャガーがシャバいソロを出した。その流れでストーンズのアルバムも出なくなって、キース・リチャーズがソロ・アルバムをリリースするみたいな流れがハッピーモーテルにもあった。このことはハッピーモーテルの解散の時にも言いましたけどね。だから遠藤がああいう風になるのは、私としては全然ありだと思いました。

      遠藤がハッピーモーテルを抜けたのはタケちゃんと闘う側になって、もっと上にいきたい気持ちがあったからだと思うんです。私はそこに介在しないというか、私のことを嫌いだったとか思いたくはないんですけど(苦笑)。応援しているファンの方には複雑な感情があったと思うんですけど、私はDAMNATIONに入る選択をした遠藤を素晴らしいと思いました。

      DAMNATIONは悪いことをするじゃないですか。黒い服を着たり、革ジャンを着たり、すげえ身長がデカかったり、顔にペイントしたり。顔にペイントしているヤツなんて、だいたい悪いでしょ? いい人はピエロかニューロティカぐらいですよ。KISSは悪い感じではないけど、悪魔みたいないで立ちだし、舌は長いし。

      DAMNATIONもそういう感じだと思うんですけど、遠藤はそこに入ることによって、またより良い選手になったと思います。黒も似合うし。だいたいレスラーっていうのは、いろいろやったほうがいいと思うし、現に遠藤もレスラーとしての厚みが増したんじゃないですか? 例えばザ・ロックがビンス・マクマホン側について急に悪くならなかったら、ここまで面白いレスラーになったのかという話ですよ。まあタケちゃんは仲間であった人間が敵に回ってしまって、ビックリしたし、悔しかったと思いますが。

      タケちゃんは天才肌ですよ。遠藤は跳び技を使う選手にしては最初、体幹のバランスの問題で技の精度が低かったんですね。だから安定感という面でも、一歩先をいかれたんです。でも、タケちゃんに対する劣等感をバネに練習を積んで、だんだん体幹もできてきて技の精度が上がってきた。プロレスって、そういう秘めていた感情が表に出てしまう。だから面白いんです。

      リング上は我々の人生の延長線上にある。遠藤はそういうプロレスができるとまた強くなると思うし、それに対してタケちゃんも感情をぶつけることができる。タケちゃんも実は感情をリングに込めることが足りなかったかもしれない。それが結果として意図せずに遠藤という仲間が敵になって、そこに立ち向かうことによって、タケちゃんのレスラーの素質をもっともっと大きいものにしてしまった。これは北斗の拳みたいな感じですよ。相手が強ければ強いほど、自分が強くなってしまう。そういう状態が沸騰寸前になっているのが現状であり、今度の後楽園はそういう闘いにならざるを得ない。

      さいたまスーパーアリーナでタケちゃんはベルトを獲って、DDT史上最大の興行を締めた。そういう大きいことをやってのけたわけです。今のタケちゃんはタケちゃん史上、もっとも大きいタケちゃん。さっき言ったことに照らし合わせると、敵が大きければ大きいほど自分を大きくせざるを得ない。だから遠藤も相当準備をするでしょうし、彼らにとって史上最大の闘いになるでしょうね。

      こうなると、ハッピーモーテルが解散して、タケちゃんのセコンドにもつかなくなって、単純に第三者として見守れることになってよかったのではないかと。そこに私の感情をプラスする必要がないからね。巣立った2人が自由に盛大にやってくれればいい。私はもう関係ないから(笑)。第一、私が例えば彼らにとって親のような関係にあったとするならば、いつまでも感情移入してられないじゃないですか。親はある時期に達したら、子供のことは放っておきたい。関与しないことが、この世の親の務めだと思うので。私もあまり親にここまで干渉されてないから。いちいち面倒見られてたら、こんなことできてないですよ。ただ母親が私のTwitterを見てる説はあります。たまに実家に帰ると「あの宗ちゃんが言ってた映画観たいわ」って。あれ? アンタには言ってない! Twitterではつぶやいているけど、みたいな(苦笑)。

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