2日、埼玉・川口産業技術総合センターにて「さいたまスーパーアリーナへの道7」がおこなわれた(試合結果)。試合前、10月28日未明に肺炎で亡くなられた木村浩一郎さんへの冥福を祈り、1分間の黙祷が捧げられた。鶴見亜門GMが挨拶。「先日、DDTの草創期のメンバーでありました木村浩一郎さんが肺炎のため亡くなられました。木村さんは本名の木村浩一郎さんとして、そしてスーパー宇宙パワーとしてKO-D無差別級に輝くすばらしいレスラーでもあり、また高木さんやMIKAMIさんといった当時キャリアの選手たちに試合を通してプロレスの厳しさを伝えてくれました。木村さんがいたからこそ今のDDTがあるのだと思います。木村さんのご冥福をお祈りして1分間の黙とうを捧げたいと思います」。遺影を手にしたMIKAMIは涙を堪えきれなかった。
続く亜門GMの前説では2015年1月のスケジュールを発表した後、若手プロジェクトDNAの旗揚げ戦11・28北沢の全カードを発表。樋口和貞vs梅田公太、宮武俊vs岩崎孝樹、勝俣瞬馬vs鈴木大、河村知哉vs中津良太のシングルマッチ4試合と、この勝者4人がメインイベントでタッグマッチをおこなう全5試合。旗揚げ第2戦は1・9新宿FACEで他団体からゲスト選手が参戦し、DNA勢と対戦するという。
最後に「お知らせがある」という男色ディーノが呼び込まれる。ディーノは腰痛により「11月の半ばからお休みをいただこうと思っております」と発表。11・23仙台から欠場となり、復帰に関しては年越しプロレス12・31後楽園での天下統一!タッグトーナメントに関本大介とのコンビでエントリーされており「年内には間に合わせようかな」と語った。
「それを踏まえた上で今日のXな訳です」と今大会での“X”について説明するディーノ。亜門GMから「気になりますよね!?」と期待を寄せられると「旭さんです。KAIENTAI DOJOの旭志織さんです」と躊躇なく明かしてしまう。「なんで言うの!? Xって発表したら普通は試合前に君が先に入場して『俺たちが組むXは誰だ!?』『こいつだー!』って…」と憤慨する亜門にディーノは張り手。ディーノ「バカ野郎。それでもう盛り上がらないと思ってんの。DDTお客さんを舐めんな!」亜門「最初に旭さんだってわかったら、みんな盛り上がれないでしょう」ディーノ「できるよ。この人たちはできるよ!」ここからディーノはXが旭だと事前にわかっていたとしても、ちゃんと期待感を持って盛り上がれるように空気づくりからレクチャー。旭のテーマ曲のイントロの台詞「ごきげんよう」が流れたら「手に持っているものをボード風にして『キャーッ!!』と言って立ち上がってください」と指示する。
「Xはコイツや!」というディーノのアピールから入場テーマを流して予行演習。しかし場内の盛り上がりに欠けると感じた亜門GMは「ダメ! ダメ!」と怒り出す。「演劇ナメてんのか? 遊び半分で劇団入ってんじゃねえぞ! オマエら本気なのか!? 役者で食っていく気あんのか!」ディーノ「あの監督は役者で食っていけているんでしょうか?」亜門「…俺はもうあきらめて、社員になっちゃったけどもよ。よーし、もう一回いくぞ! 今の倍いくぞ! 気持ちが倍だよ!」。繰り返し流される旭の入場テーマ曲。すると旭本人が大石とともに花道に出てきてしまう。亜門「何出てきてんだよ! オマエ、Xだろうが!」ディーノ「Xの自覚が足りねえよ!」亜門「帰れ! センスねえわ! 演劇辞めろ! 役者辞めろ!」旭と大石が引き返したところでディーノが「DDT川口大会、スタート!」とオープニングコール。
第1試合はMIKAMIvsマサ高梨vs佐々木大輔の3WAYマッチ。高梨が佐々木と結託してMIKAMIを攻める。「先輩、人望ねえな。一人きりになっちまったな」と高梨から挑発されたMIKAMI。ハンディキャップマッチ状態で劣勢を強いられる。なんとかツープラトン・ブレーンバスター狙いをかわして、2人まとめてのドロップキックで反撃開始。ミッキーブーメランからスワントーンボムを狙うも高梨にかわされてしまう。佐々木がダイビング・ラリアットからクロスフェース・ロックへ。すると高梨が佐々木を攻撃して「オマエとは終わりだ!」。と吐き捨てる。MIKAMIが高梨の背後に回ると、佐々木が飛び込んでMIKAMIごと回転エビ固め。これを抜け出した高梨が2人を器用にひっくり返して、佐々木の首をMIKAMIの脚でロックしながら、MIKAMIにSTFを決めていく。MIKAMIが高梨にスク~ルボ~イ。カットに入った佐々木にもMIKAMIはスク~ルボ~イで丸め込んだがカウント2。高梨と佐々木はMIKAMIにダブルのトラースキックを発射して仲直りの握手。しかし高梨はすぐさまガットショットで裏切り、ナックルパンチのラリー。佐々木の顔面に低空ドロップキックを決めた高梨はタカタニックへ。これを回避した佐々木が両腕を取って抱え上げると、そのままコーナーへとぶつけていく。さらにNOW OR NEVERで仕留めようとしたところでMIKAMIが背後から2人まとめてスク~ルボ~イ。ダブルフォールで勝利となった。
オープニングマッチ終了後、メインイベントのKO-Dタッグ選手権試合の公開調印式がおこなわれた。王者組の竹下幸之介&遠藤哲哉、挑戦者組の石井慧介&入江茂弘が調印書にそれぞれサインを入れ、意気込みを述べた。
入江 勝ちます。
石井 今日、取るだけです。
竹下 僕たちはゴールデン☆ラヴァーズからベルトを取ったんで、僕の目標はこのベルトをDDTの全選手と試合して防衛をし続けることでです。だから今日は負けることができません。
遠藤 僕と竹下、このベルトをゴールデン☆ラヴァーズから取って、今DDTで一番価値のあるベルトだと思ってるので、まだ落とすつもりはありません。今日防衛して、これからもベルトを防衛し続けたいと思います。
第2試合は彰人vs伊橋剛太のシングルマッチ。試合前に「鶴見!」と亜門GMを呼びつけた伊橋は、このシングルマッチをDDT EXTREME級選手権試合に変更するように要求。「俺、この前の東京ラーメンショーで勝ってるだろうが!」と理由を述べるも「あれは小路さんの手助けあったからだろ! EXTREMEの歴史に泥ぬるようなことさせねえよ!」と一蹴される。それでも「GMだろ! オマエがいいって言ったらできんだろ」と引かない伊橋に亜門は「オマエが勝ったらEXTREMEのタイトルマッチだったってことにしてやるよ。試合前にEXTREMEだってことにしちゃうとオマエの名前が歴史に残るじゃねえか。そんな泥を塗るようなことできない」と譲歩して試合をスタートさせた。
試合がスタートすると伊橋は彰人にドロップキックを決める。場外戦になると伊橋は東京ラーメンショーで自身を勝利へと導いたラダーを持ち出し、鉄柱に立てかける。そこに彰人をぶつけてボディーアタックで潰そうとしたが、かわされて左腕を強打。その後はねちっこく左腕を攻められて劣勢の伊橋。レッグラリアットで逆転し、さらにミサイルキックを決めるとラダーをリングに持ち込んで設置。ラダーに登ろうとしたが、蘇生した彰人にラダーごと倒されてしまう。彰人は俵返しから腕固め。伊橋はカウンターのラリアットでやり返すとジャーマン・スープレックス。アームロックもボディースラムで投げ返し、ランニング・ボディープレスを浴びせる。ここがチャンスとばかりに再びラダーを立てた伊橋はダイビング・ボディープレスを発射したが、あっさりかわされてしまうと変形腕固めにギブアップした。
試合後、次のタイトルマッチに関して亜門GMが彰人に質問しているとMIKAMIがリングイン。MIKAMIは「オマエがそのベルトの価値をまた高めようとしてくれてる。そのことにすげえ感謝してんだよ。俺はそのベルトの初代チャンピオンだ。俺がそのベルトの歴史を作ってきたんだ。ただ、もう初代とかそんなのもう関係ない。今、オマエがそのベルトの価値を高めようとして防衛戦してる。そのEXTREMEのベルト、そのチャンピオンであるオマエに挑戦させてほしい」とアピール。これに彰人は「もちろん大歓迎です。やりましょう」と了承。MIKAMIはDDT EXTREME級王座が誕生した日を「8年前の11月23日だ」と明かした上で「このベルトが生まれた日に初代王者である俺が取り返してまた時代を作りてえんだよ」と11・23仙台大会でのタイトルマッチを提案。彰人も「実は僕も11月23日はデビュー5周年の記念日なんです。だから、11月23日の仙台でやりましょう。そこで僕はあなたに勝って最高のデビュー記念日送りたいと思います」と応じ、11・23仙台でのDDT EXTREME級選手権試合が正式決定。最後に彰人が「僕がEXTREMEのチャンピオンになってから僕にしかできない防衛ロードをしていきたいと思っています。MIKAMIさんはその相手に相応しいと思います。このベルトは俺のものだ!」とアピールした。
【試合後のコメント】
MIKAMI リングで言った通りで、あのベルトは俺が一番最初に持ってたベルトで、正直最近のコミック的な使われ方というのか、ベルトがそういう路線にいってしまっているような気がして、それがすごく嫌だったんだけど、彰人が獲ってくれて俺が持っていた頃の強さとかすごさとか、そういったものの象徴であるベルトにまた戻ろうとしてるをずっと感じていた。それで、このタイミングというかね、木村さんがいなくなったということで、古いもの…古いという言葉が合ってるかわからないけど、元々あったものの良さというか、原点回帰。DDTってそういった歴史で作られてきてるんですよね。原点に戻るという意味で、もう一回あのベルトを原点に戻すタイミングはまさしく今なんじゃないかなと。それは試合内容とかに関してはもしかして、例えば、木村さんがずっとDDTに教えてくれてきたレスリング的な部分、彰人も俺もDDTでは数少ないアマレスをバックボーンとする2人なので、そういった部分での勝負をチャンピオンが受けてくれれば、アマレスのバックボーンを生かしたルールでも俺は全然いいかなと思うし、そのルールこそ俺らしかできないものができる気がする。やっぱり、返す返すも木村さんのことになっちゃうんですけど、教えられた部分を改めてもう一度レスリングで見せるんだというね。そういった部分ですね。今しかないって気がしました。
――木村さんに恩を返すという意味でも…。
MIKAMI そうですね。ずっと言われてたんですよ。飛ぶだけじゃないんだぞと。オマエは確かに飛び技やるけど、それだけじゃないんだというのを見せなきゃダメなんだと。特に体小さいんだから基本的なことをちゃんとできないとダメって、ずっと言われてましたから。基本的な部分に立ち返って、木村さんの言った原点回帰という部分で、また一つレスリングに重きを置いた何かそういうルールをできたら一番いいかなと思います。その畑で勝って、また草創期のメンバー、旗揚げメンバーでもある俺がもう一回ベルトを原点回帰させて、また新しい一つの時代を作っていきたいなと思って、今日出ていきました。
彰人 MIKAMIさんが名乗り上げてくれたことは素直に嬉しいですね。MIKAMIさんがいたからこの EXTREMEのベルトが生まれたわけだし、ベルトを作ったと言っても過言ではないMIKAMIさんが挑戦してきてくれるのは、作った人が僕に何か思って挑戦してきてくれるということだと思うので、とても嬉しいですね。お客さん的にはMIKAMIさんって飛んだり跳ねたりのイメージが強いかもしれないけど、MIKAMIさんはバックボーンでレスリングがあって、しっかりとしたレスリングの技術も持っている人なので、僕は飛ぶことができないんで飛びあいの対決はできないですけど、レスリングでガッチリとした試合ができればなと。最近、MIKAMIさんと試合をしていると、レスリングをやろうという気持ちがすごい伝わるから、本人もそういうのでやりたいんじゃないかと思うんで、それ相応のルールを用意しようかなと思ってます。
――MIKAMI選手は大きい山になると思いますが。
彰人 だけど前回、名古屋大会で一回シングルで勝ってるんで、僕的には大先輩ですけど大きい壁ではないです。一回超えてはいるんで。
――ただMIKAMI選手は今回背負っているものが大きいと思います。
彰人 それが一番怖いですね。背負ってるものが大きい、覚悟がある。でも背負ってるものが大きいからこそ本気で来てくれるし、このベルトの価値を上げるために相応しいんじゃないかと。また11月23日がこのベルトができた日であって、たまたま僕もデビュー記念日であって、そんな日に初代王者のMIKAMIさんと僕とタイトルマッチができるのもなんかドラマチックな話なのかなと。今からいい試合ができるような気がしますね。
第3試合はアントーニオ本多vsDJニラのシングルマッチ。ニラに腕を決められたアントンは「ギ、ギ…メル・ギブソン!」。アントンはワンショルダーをめくって左乳首を見せると、効果があったようでニラは目を押さえて苦しむ。アントンがヘッドロックを決めるが、逆に切り返されてしまう。アントンは左乳首を見せようとするも、ヘッドロックを決めているニラには当然見えない。ドロップキックで反撃したアントンは場外のニラにケブラーダを狙うがロープを踏み外して落下。DJタイムをかわされてコーナーに腰を強打したニラ。腰に当てた手を見て「なんじゃこりゃ~!」と太陽にほえろ!のジーパン刑事よろしく叫んだが、アントンはすかさずトーキック。「川口産業技術総合センターにお越しのみなさん、こんにちは! チャンス! 一撃必殺のあの技をお見せしたいと思います! みなさんご存じ、川口名物…」とアントンが言いかけたところでニラがロケットパンチ。コーナーに登るとも何もせずに降りたニラがカバー。これはカウント2。松井レフェリーに抗議するニラの背後からアントンが肩を叩く。振り返ったニラにアントンが「YOU!」。「川口産業技術総合センターにお越しのみなさん、お待たせしました! ここは皆さんご存知、バイオニックエルボー!」と手をクルクルと回す。しかし、ニラによって両腕を掴まれると、その位置を通常より上に持っていかれる。すると腕の回転にスピードが増してしまって止まらない。さらにニラによって腰から押されてしまうと、松井レフェリーを追いかける格好に。リング中央で大笑いするニラ。そこへ松井レフェリーが飛び込んできてニラをかわす。松井レフェリーを追いかけていたアントンは勢いそのままニラに突進し、バイオニックエルボーが完成。アントンのダイビング・フィストドロップを剣山で迎撃したニラは足延髄。片ヒザ立ちのアントンにシャイニング・ウィザードかと思われたが、その片ヒザの上に乗っかって体重をかける荒技に出る。アントンはロープエスケープ。走り込むニラにアントンがカウンターのヒザ蹴り。ナックルパンチ連打をかわしたニラが逆さ押さえ込みを仕掛ける。が、アントンの体重に根負けし、マットを叩いてギブアップ。
第4試合はKUDO&坂口征夫vs飯伏幸太&勝俣瞬馬のタッグマッチ。勝俣が酒呑童子のタッチワークに捕まってローンバトルを強いられる。KUDOにエルボーで反撃すると、さらにカウンターのドロップキックをヒットさせて飯伏とタッチ。ミドルキックでダウンするKUDOの上に救出せんとした坂口をカニ挟みで転ばせて上に覆いかぶせると、そこへその場飛びムーンサルト・プレス。KUDOも8×4でやり返してダイビング・ダブルニーアタックを狙う。飯伏が回避して張り手とハイキックでやり合い両者ダウン。戦況は坂口vs勝俣に。勝俣の丸め込みはフォールを奪えず、マフラーホールドはKUDOにカットされる。酒呑童子のサンドイッチ・ローキックから坂口がフォールするも飯伏がカット。KUDOが勝俣をコーナーに乗せると坂口が串刺しニーを突き立てる。KUDOが勝俣に地獄の断頭台を狙う。ここで飯伏が救出に入って、勝俣をKUDOに絡ませて雪崩式フランケンを決めさせる。さらに坂口には飯伏を踏み台にしてのファイアーバード・スプラッシュ。カットに入ったKUDOには飯伏によって高く上に投げられた勝俣がドロップキック。この勢いで勝俣が坂口を仕留めにいくが、坂口がカウンターのキックからPKを決めて勝利した。
第5試合は男色ディーノ&大石真翔&Xvs高木三四郎&平田一喜&赤井沙希の6人タッグマッチ。試合前のスクリーンには「無理ですよ、Xは…。なんでX発表しちゃうの? キツいですって」とうろたえるXの正体である旭志織の姿が映し出される。「みんなが期待してるから大丈夫だって」と大石が声をかけるも旭は「Xはキツい…」と不安顔。すると大石は壁ドン!をして「俺を信じろって言ってんの」と見つめる。さらにディーノも壁ドン!をして「DDTだけ見てりゃいいんだよ。ついてこい」と呼びかけた。ディーノ&大石が入場すると高木がマイク。「今日のXなんてどうだっていいんだよ。そんなことより大事なことがある。今日はテレビマッチだ。平田の入場を過去最大級に演出しなくてはならない。というわけでワタクシ、東京ラーメンショーや工場プロレスで使ったCO2があります。これで平田の入場を過去最大に演出します! ミュージックスタート!」。『●O●●O ●O!』が流れる中、平田が入場口に現れると高木が炭酸ガスを噴霧して豪華演出。さらにリング上で踊りまくる平田の背後で炭酸ガスを噴きつけ、ダンスに華を添えた。大石は「俺たちの前座ご苦労さん。お客さんが見たいんわな、オマエのダンスなんかやない。俺らの大物、Xやろ~。オマエら待たせたな~、俺らのX、この男や! カモン!」。ここで「ごきげんよう」と旭の入場曲がヒットすると、場内は練習通りに大盛り上がり。旭は恐縮気味にリングに上がり、大歓声に気をよくして拳を突き上げると高木が炭酸ガスを浴びせて試合をスタートさせた。
大石に連続串刺し攻撃を決めると、赤井とともにピラミッドを完成させる。高木のルチャ殺法に苦しんだ大石は高木のクローズラインをかわして、旭とタッチ。旭はコーナーを使っての阿吽から卍固め。カットに入った平田もまとめて卍固めで捕獲する。これは赤井がカット。高木は旭と大石をまとめて担ぎ「千葉に帰れ!」とバックフリップ。赤井がディーノに攻め立てるもエプロンの大石が背中にキック。ディーノが垂直落下式ブレーンバスターで盛り返す。「この女、ケツ出すプロレスなんか見たくねえみたいなこと言ってましたよ」(大石)「ケツなめてるやつは、ケツなめさせるしかないんじゃないですか」(ディーノ)。ディーノだけでなく大石までケツを出すとディーノは「やりすぎじゃないですか?」。しかし大石はディーノに張り手を見舞い「DDTがオスカープロモーションを食ってやればいいんじゃねえか!」と呪いのローラーをセット。旭は赤井を呪いのローラーへと投げ、高木も呪いのローラーに巻き込まれる。これを免れた平田に旭がHIMAWARI-BOMB。すると高木が「なに人の技パクってんだ!」とスタナーを放ち、大石にシットダウンひまわりボムを狙う。これを回避した大石の頭部を旭のアシストで高木の股間にヒットさせることに成功。旭の阿吽から大石が平田にミラクルエクスタシー。これは赤井がカット。最後はディーノのケツに平田の顔面をヒットさせてからの大石&旭のサボテンの花の連係で勝利した。
試合後、ディーノがマイクを取る。ディーノ「どうですか。Xとして登場してみて」旭「地獄でしたよ」ディーノ「でも、こういうのも悪くないと思ったりしない?」旭「まんざらでも…」ディーノ「私はもう少しで欠場するんだけど、大石さん一人じゃ何もできない男だから、頼むわ。ひょっとしたら…(ベルトを)狙えるんじゃない? ちょっと耳塞いで。(観客に)オマエらわかってんだろうな!」大石が旭の耳を塞いでいた手を外すと、大歓声が起こる。旭「一言だけ、千葉にもこの熱を持って帰りたいと思います。今日は勉強になりました。それでは、ごきげんよう」最後も場内は練習通りに旭へ大歓声を送った。
休憩明け、鶴見亜門GMから11・30後楽園の決定カードとして高木三四郎&大鷲透&平田一喜vsバラモンシュウ&ケイ&ゴージャス松野のスペシャル6人タッグマッチをアナウンスした。これは先日、撮影された「劇場版プロレスキャノンボール2014」でバラモン兄弟と意気投合した松野からの要求によるもの。
セミファイナルはHARASHIMA&ヤス・ウラノvs高尾蒼馬&松永智充のタッグマッチ。HARASHIMAと高尾は11・30後楽園のKO-D無差別級戦の前哨戦。先発はヤスと松永。グラウンドの攻防から続いてHARASHIMAにスイッチ。松永がショルダーアタックで倒すとボディースラム3連発で場内を沸かす。HARASHIMAはフロント・ハイキックからコーナーでのダブルニー、さらに踏みつけでやり返し、ヤスとタッチ。松永はヤスをコーナーに投げて高尾とタッチ。高尾はコーナーに控えるHARASHIMAに一直線。高尾によって場外に落とされたヤスは松永の鉄柱攻撃に苦しむ。さらに替わった松永が背中にエルボーを見舞ってダメージを重ねていった。高尾も背中へのエルボーで続くと、ボディースラム。このカバーはカウント2。スイッチした松永がブレーンバスターで投げるもカウント2。ショルダースルーから逆片エビで捕獲する。ヤスはロープエスケープ。松永はスモウラリアット。続くボディースラムは踏ん張ったヤスが逆に投げ返してHARASHIMAとタッチ。松永も高尾にスイッチ。ブレーンバスターを高尾が着地するもHARASHIMAがジャーマンで投げ捨て、高尾もすぐさまトラースキックで返す。エルボーのラリーからHARASHIMAがファルコンアローで突き刺す。10分が経過するとスイッチしたヤスがHARASHIMAと連係攻撃。ツームストーン・パイルを狙うと高尾が回避してトラースキック。カットに入ったHARASHIMAを松永が場外へ排除する。高尾はヤスにシュバインを決めるとジントニックを狙う。これをヤスが這うように回避すると丸め込みに切り返してフォールを奪った。
試合後、ヤスがKO-D無差別級のベルトを手にしてマイク。ヤス「いいベルトですねえ。僕、10月26日、ちょっと納得いかないことがあるんですよ。じゃんけんをやったじゃないですか。決勝の相手、後出しだったんですよ。みんなそう言ってた。決勝の相手、あの汚いヤツ。今日勝ったの誰ですかね?」亜門「ウラノさんですよ」ヤス「誰に?」 亜門「高尾君に」ヤス「じゃんけん後出しした汚いヤツじゃないですか! 次の後楽園、HARASHIMA君が便宜上、持っているこのベルトに高尾君が挑戦することになってるでしょ。でも今日勝っちゃったから次の挑戦者は僕でいいと思うんですよ」亜門「いやいやいや!」ヤス「僕が挑戦したら嬉しいよね?」HARASHIMA「でも高尾君って決まってるし」ヤス「手応えない感じだったでしょ」 HARASHIMA「ちょっと緊張してたのかなっていうのはあるけど、でもタイトルマッチになったらもっと強いと思うからそこは大丈夫だと…」ヤス「本番にならないとダメなヤツが勝てるわけない。タッグマッチだから納得いかないなら、シングルマッチで次期挑戦者を決定しましょうよ!」亜門「次期挑戦者決定戦とは銘打てないですよ」今すぐにでも高尾と対戦したいヤスだが、11・3豊橋も11・9沼津もカードは決定済み。ヤス「じゃあ15日の大阪で次期挑戦者となって後楽園でHARASHIMA君に挑戦します!」亜門「次期挑戦者決定戦とは銘打てないけど、とりあえずシングルマッチを組みますよ」ヤス「ぶっちゃけドリフといったら石井とか入江とかの方が正直手強いでしょ?」HARASHIMA「手強いちゃ手強いけど、高尾君も頑張ってるから、タイトルマッチになったらわからないから」ヤス「頑張っててもドリフで弱いのはこの子じゃない」高尾「おい、だまれ! オマエが何と言おうと、俺はこのベルトが欲しいんだ。ドリフのみんながいろんなベルトを獲って、俺もシングルのベルトが欲しいんだ! オマエにも、オマエにも勝ってベルトをもらう!(高尾は退場)」ヤス「怖かったですね。でも冷静な高尾君があんなカッカしたら勝てないでしょう」亜門「決定しちゃっていいね? じゃあ大阪大会、ヤス・ウラノvs高尾蒼馬、決定いたします」ヤスはKO-D無差別のベルトをHARASHIMAから奪おうとしたが阻止されてしまった。
【試合後のコメント】
高尾 まあ、ヤス・ウラノが自分から勝ってゴチャゴチャ言って、大阪で決定戦やって勝った方が挑戦みたいなこと言ってましたけど、自分はベルトが欲しいんで。ドリフでベルトを獲りたいのはありますし、個人のシングルのベルトがデビューして6年が経つまで獲りたいって気持ちはずっとあるので、ヤス・ウラノ大阪で倒して、後楽園でチャンピオンのHARASHIMAも倒して、自分のモノにしたい。勝ちたい。以上。
ヤス 組んで闘う前哨戦もあっていいじゃないかと。じゃんけんで後出しするし、普通のこういう試合では全力を出し切れないようなヤツが挑戦者というのは全く相応しくないから。HARASHIMA君が一番闘いたい相手であるこの僕が次期挑戦者として名乗りを挙げたということです。
――HARASHIMA選手はウラノ選手と闘いたいですか。
HARASHIMA 闘いたいし。まあ、僕は誰が相手でも勝つんでいいんですけど。高尾君も頑張ってますよ。頑張ってるけど、ウラノ君がそう判断して、言ったらGMもシングルを認めたんで、その結果を見守りたいかなと思います。一応、じゃんけんで勝った人が挑戦するのは決まってることなので、どうなるかわからないですけど。僕としては誰が挑戦してきても絶対勝つので。
――高尾選手との闘ってみていかがでしたか。
HARASHIMA 若干、動きが硬いかなと思いましたね。それが緊張してたのかどうかわからないですけど。でも楽しく闘えました。チームで僕らが勝ったので。
ヤス 正直、常にこういうチャンスを狙っていましたよ。じゃんけんで決勝にいった時点で、「これはいける!」と。でもアイツが…言ってみれば普通に負けたんですけど、でもアイツが後出ししたということで。何でも理由になると思うんですよ。今日も勝ったし。HARASHIMA君はKO-Dのベルトを持ってるし、彰人はEXTREMEのベルト持っているし、自分だけ丸腰じゃないですか。やっぱり悔しいですよね。仲間とはいえライバルなので、ベルトを狙いたい気持ちは正直、この団体の誰よりもあると。言わないですけどね。
HARASHIMA そういう気持ちを持ってるのがわかって僕は嬉しいです。結構、みんなをうまく回すというか、自分の欲をあんまり出さないウラノ君がやっぱりベルトを狙ってるんだってわかったんで、それは嬉しいですね。言わないもんね、あまり。
――最後ベルトを盗もうとしていましたが。
ヤス いや、まあでもね…。
HARASHIMA ああいうのは勝って獲らなきゃ。だって仮にあそこで奪ったとしても嬉しくないじゃん。
ヤス あれで簡単に獲れるかなと思ったら意外と油断してなかったですね。ベルト放してくれなかったので。
HARASHIMA もちろん。大事なものだから。
ヤス 正々堂々とやりますよ! もう大阪の先を見ています。なんならその先も見ています。
HARASHIMA 埼玉の所沢出身のウラノ君だから、さいたまスーパーアリーナを狙ってるんだね。
ヤス とは言わないですけど。
メインイベントはKO-Dタッグ選手権試合。第50代王者組の竹下幸之介&遠藤哲哉は石井慧介&入江茂弘を相手に2度目の防衛戦。竹下&遠藤はアントンとともにハッピーモーテルトレインで入場。入江が竹下のショルダーアタックをモノともせずに跳ね返す。エルボーをブチ込むと、スイッチした石井は串刺しフロント・ハイキック。入江もコーナーに控える遠藤を落として、自陣コーナーでダウンする竹下を踏みつけていく。ツープラトン・ブレーンバスターを狙った石井&入江。これを竹下が着地すると、遠藤が2人まとめてスワンダイブ式ミサイルキックを決め、さらに場外へ逃げた挑戦者チームに2人同時にプランチャを発射。リングに戻ると遠藤が石井をコーナーへ振ろうとするが、逆に投げられると入江の串刺しラリアットが待っていた。場外に落とされてしまうと遠藤はハイジャック・パイルドライバーでダウン。救出せんとした竹下は石井にマットを剥がされた床へのDDTでダメージを負ってしまう。ここからリングに戻された遠藤がローンバトルを強いられる。石井はエルボー連打からブレーンバスターで投げ、入江がスリーパー、WARスペシャル、さらにキャメルクラッチ式のWARスペシャルで続いた。これを何とかロープに逃げた遠藤はカウンターのドロップキックでようやく逆転。替わった竹下が一気呵成の攻め。バックドロップを堪えた入江はブルドッキングヘッドロックからフェースロック、スリーパーで畳み掛ける。石井も遠藤にヘッドシザースを決めてアシスト。竹下は何とかロープに手をかけた。竹下がヒザ蹴りからバックドロップでやり返すと、替わった遠藤がバックブリーカーからコンプリートショットへ。遠藤のムーンサルト・プレスをかわした入江は串刺しラリアット。ブレーンバスターをカウント2で返されると石井が出てきてgo 2 入江 sleep。ブラックホールスラムでもフォールを奪えないとフライング・ソーセージを投下。カウント2で返した遠藤にビーストボンバー。これもカウント2。ショートレンジのビーストボンバーでもフォールは奪えない。ならばと石井との連係を試みるが、竹下がここで分断。石井を排除して竹下が入江にハーフハッチ。そこへ遠藤がその場跳びシューティングスター。カウント2でクリアした入江はガムシャラにエルボーを見舞っていき、石井も飛び込んで竹下にニーアタック。フィッシャーマンバスターはカウント2で返された石井はバックブリーカーから顔面踏みつけの逆片エビ固めへ。竹下が何とかエスケープ。竹下は石井の串刺し攻撃をかわすと遠藤が側転エルボーでアシスト。遠藤のトラースキックから竹下がハワイアンスマッシャー。これは入江がカット。替わった遠藤に石井がニーアタック。その石井に竹下がトラースキック。その竹下に入江が交通事故タックル。その入江を遠藤がブレーンバスターで投げる。竹下が回転ラリアットで石井を攻め込み、ジャーマンを狙う。これを入江がロープを挟んだエプロンから石井の腕を引っ張って阻止。すると遠藤がスワンダイブ式フットスタンプでその腕を断ち切る。竹下がジャーマンを決めたがカウント2。再度のジャーマンもエプロンから入江が石井を抱えて阻止。竹下はクラッチを解除して突進。石井が回避して延髄斬り。ドロップキックからジャーマンを放つもカウント2。石井はニールキックをかわされるも高角度ダブルアームDDTの体勢に捕える。脚を固定して何とか踏ん張る竹下を無理矢理引っこ抜いたが、カバーは遠藤がカット。竹下はドラゴン・スープレックスでぶん投げてタッチダウン。遠藤がスカイツイスター・プレスでダメ押しして竹下がカバーするも入江がカット。遠藤が入江を排除している間に、竹下が石井にジャーマンを決めて熱戦に終止符を打った。
試合後、引き揚げようとする石井と入江に竹下がマイクで呼びかける。「石井さん、入江さん、めっちゃ強いっす。僕ら防衛し続けますんで、また挑戦してください」。すると入江に肩を借りた石井がリングサイドに戻ってくるとマイクを取り「竹下、オマエには絶対負けない!」と叫んで退場した。竹下「僕たち若い4人がDDTをおもしろくしていきます。次やるときは、もっとおもしろい試合します。そして、また僕らが勝ちます。まだ今日で超えたなんて思っていません。また次やるときは期待しといてください。ありがとうございました」亜門「竹下、遠藤、防衛おめでとう。すごい試合だったよ。GMとして嬉しいよ。オマエらの世代がこんなすごい試合してメイン締めてくれて。本当おめでとう。次のタイトルマッチは11・30後楽園で決まってるんだけど…」ここで大石が登場し「11月30日、タッグタイトルに挑戦するのは、大石真翔とXのこの男だ! カモン!」すると「ごきげんよう」のイントロから旭のテーマ曲がヒット。練習通りの大歓声の中、旭が登場する。 旭「試合中にお尻を出す大石真翔、確かに魅力的ですよ。今日試合して思いました。でも、2人には試合中に尻を出さない大石真翔の怖さを味わってもらいたいと思います」大石「ということですよ、GM」亜門「どうなのチャンピオン? 大石&旭がまさかここで挑戦してくるとは思わなかったけど、すっげえお客さんの支持もあるみたいだし」遠藤「誰がこようが僕たちが勝って、僕たちの絆の方が強いってことを証明します」竹下「大石さんと旭さんのチームはトップチーム。この2人から防衛できると、このベルトの価値も上がります。だから後楽園楽しみにしてます」こうして11・30後楽園のKO-Dタッグ選手権試合が正式決定。最後は竹下が「何か今日の僕たちこの4人でメインイベントできたということは一つ、何か大きな一歩になったんじゃないかと思います。僕たちの世代がこれからDDT、いやプロレス界を引っ張っていきますので、これからも応援をよろしくお願いします! 今日はありがとうございました!」と締めた。
【試合後のコメント】
石井 まず、悔しいです。いくらゴールデン☆ラヴァーズに勝ったからといって、自分らが今日負けるとは思ってなかったんで、すごく悔しい。でも今日は負けたけど、そんな簡単に認めるわけにはいかないし、ナメていたらいつでもいってやる。その気持ちでいます。
入江 自分の闘いはタチムカウ、それだけなんで。タチムカウ相手が先輩だろうが後輩だろうが関係ない です。ただ立ち向かって潰すだけです。
石井 今日の負けは元アジアタッグ王者としても悔しい。悔しいけど、まだまだ全然落ち込んではいないんで、また前向きに頑張ろうと思います。
竹下 まず防衛できてよかったです。やっぱりアジアタッグも巻いてる、全日本プロレスさんで大きい選手と厳しい闘いをしてる石井選手、入江選手の攻撃はすごく重くて鋭くて、僕も何をしたか覚えていないぐらい厳しい攻めで。いつもの機動力は少し失われてしまいましたけど、でもパートナーのてっちゃんが踏ん張ってくれたので、ギリギリですけど、一つ石井選手、入江選手相手に白星を挙げられたというのは僕たちにとってすごく大きなアドバンテージになったと思います。
遠藤 石井さんと入江さんはDDTのチームの中で一番長く組んでるチームだと思うので、そこに勝てたというのは、前回も酒呑童子に勝って大きな一勝なんですけど、それよりもそういう意味では大きかったと思います。次、大石さんと旭さん、正直、誰がこようが僕たち負ける気がしません。次も勝ってタッグのベルト、これからも防衛し続けます。
――大石選手&旭選手の印象は?
竹下 あまり恥ずかしいんで言えないですけど、僕は中学生のとき、よくKAIENTAI DOJOを見にいってて、そのときは僕は大石さんと旭選手の…ファンです。タッグチームの。よく見にいってました。今は大石さんなんかお尻ばっか出してますけど、でも僕はすごくリスペクトしてるタッグチームなんで、まさか後楽園でベルトを、しかも僕たちがチャンピオンでタイトルマッチできるというのはすごく信じられないですね。でもすごく楽しみです。いい試合できると思います。
遠藤 さっきリング上でお尻を出さない大石さんを見せると言いましたけど、タイトルマッチの時だけそんなことやったって、つねにお尻を出してない僕たちには勝てないので。必ず僕と竹下がこのKO-Dタッグのベルトを防衛します。
大石 僕の中では満を持して大石&旭、DDTに乗り込んだって感じですね。あつらも若いし、僕らもまだまだ、僕らもあの頃は若手実力派イケメンタッグと呼ばれていた大石&旭なので、あいつらなんかには負けませんよ。
旭 今日の試合とかもそうですし、札幌でタイトルマッチやったのも見させてもらったんですけど、やっぱすごいですよね。デビューして2、3年ぐらいの選手だとは到底思えないですし、彼らの若さと身体能力、スキルの高さというのはもちろんわかってますけど、僕らとは違うライン、違う山を登っている気がしますね。彼らが目指すプロレスでの頂点の掴み方と、僕らが目指すプロレスの頂点への登り方は違うと思うんで。タイトルマッチではその違いがポイントになるんじゃないかと思ってます。
大石 なるほど。確かにそうですね。大石&旭って、本当に大石&旭にしかできないプロレスをやってる自負があるので。使い古された言い方ですけど、1+1が10にも20にもなるタッグチームだと僕らは自負しております。確かに個々の力は向こうの方が上かもしれないですけど、団体がわかれてもこの10年間組み続けてる大石&旭という名前があるのはどういうことなのかというのをわからせたい。あいつらだけじゃな くて、後楽園ホール、超満員になるであろうお客さんの前で見せたいなと思います。宣言しますよ。一発で、一発で取ります。僕らには時間がないので。
旭 彼らの10年後ってまだ想像つくじゃないですか。僕らの10年後って40も半ばですよ。
大石 想像がつかんな。
旭 だからこそ今だと思うんですよ。僕らこの今が、最後の最盛期だと思ってますんで、最後の最盛期のワンチャンスに懸けたいと思います。
――だからこそ尻は出さない?
大石 尻を出す、出さないは、あいつら俺がふざけてるみたいに言っているけど、俺だってコイツと組んでた時も踊ったりしたけど、勝つためにやってるから。別に遊びでケツ出してるわけじゃないし踊ってるわけじゃない。勝つために踊ったし、ケツを出しているし、とやかく言われる筋合いはねえ!
――真剣に尻を出していると。
大石 そういうこっちゃ。