28日、東京・新木場1stRINGにて『Dramatic 2012 October Special』が行われた。オープニングでメインに出場する7選手が登場し、それぞれ意気込みを語った。伊橋「ケニーがカナダに帰ってしまい、飯伏幸太が敗れた今、僕がベルトを取り戻します! 来てます!」アントン「私を応援してくれる奇特な方々がが幸せになれればいいと思います」イサミ「ユニオンにKO-Dのベルトを持って返ります。もう一回ジェネリコとやりたいです」入江「7人ともぶっ潰して自分が勝ちたいと思います。セ、セブン? いんですよね?」光留「狙いはHARASHIMAの首一つ」MIKAMI「今日はどうしても勝ち残ってタイトルマッチに出場しなければならない。澤田さんが次のホールで引退するので、今日勝ってDDTのトップとしてジェネリコの前に立つ。そうしないと澤田さんも安心できない」HARASHIMA「KO-Dのベルトをしばらく巻いていないので、本当にベルト巻きたい。僕のユニット、ちょっとケガ人が多いんですけど、順位が上のユニットが挑戦できるというチャンスをムダにしません」
第1試合は石井慧介vs遠藤哲哉のシングルマッチ。遠藤がゴング前にドロップキックで奇襲攻撃。石井にTシャツを脱ぐ間も与えず積極的に攻撃していく遠藤だが、石井もスリーパー、ニーリフト、串刺しフロントキックと厳しい攻撃で反撃。しかし遠藤はミサイルキックをかわしてジャーマンで投げると、ムーンサルト・プレスで勝負に出る。これをかわした石井はジャンピング・ニーからフロント・ハイキックを連打。さらに変形go 2 sleep、バックブリーカーから、一気に逆片エビ固めに捕らえてギブアップを奪った。
第2試合は火野裕士&星誕期&佐々木大輔vs大石真翔&彰人&佐藤悠己の6人タッグ。まずモンスターアーミーのセコンドについたアントーニオ本多がマイク。アントン「カリエンテー! 最終的目標、世界平和に向けて今日はコイツらをブッ殺したいと思います。点呼!」佐々木「1」火野裕士「8」アントン「マイナス24」。試合では体格で上回るモンスターアーミーに対し、大石は機動力で対抗しようとするが、火野軍曹が世界一という匍匐前進でかわしてみせる。さらに捕まって捕虜となった大石はステージ上で拷問を受けるハメに。捕虜の大石を盾にしたモンスターアーミーに対し、「どうでもいい!」とドロップキックを見舞った佐藤は、その勢いに乗って火野軍曹との匍匐前進競争にも勝利。だが、結局大石が捕まってしまい最後は佐々木のNOW OR NEVERで3カウントを聞いた。
第3試合では飯伏幸太と坂口征夫という危険なタッグが実現。対するは中澤マイケル&DJニラ組。なぜか試合前からやる気マンマンのニラは坂口に向かって「オマエにはまだ早い!」と一喝。いきり立つ坂口に代わって飯伏が出てくると、牽制のローキック一発でニラは悶絶してマイケルにタッチ。飯伏のショートレンジ・ラリアットでマイケルがなぎ倒されると、慌ててニラがカット。すでに青息吐息のマイケルに対し、坂口は容赦ない蹴り。つられるように飯伏もグーパンチ。さらに飯伏&坂口はダブルのミドルキックやダブルのドロップキックまで繰り出す。それでも何とかピンチを凌いだマイケルがアルティメット・ベノムアームを狙うと、ニラが入ってきてそんな攻撃はするなと諭す。唖然とする坂口だが、そこにニラがロケットパンチ。すかさずマイケルもアルティメット・ベノムアーム。すっかり勝利を確信したニラは飯伏を場外に転がして出していくが、転がりながら戻ってきた飯伏はマイケルをジャーマンで投げていき、そこを坂口が胴絞めスリーパーに捕らえてギブアップを奪い、精神的ショックを受けたニラは背負わされて退場となった。
第4試合にはポイズン澤田JULIE、蛇が井満也、マサ高マムシの蛇界転生、さらに対戦相手(松崎和彦&NOSAWA論外&諸橋晴也)も含めて懐かしい顔触れがズラリ勢揃い。PSJと蛇が井はカウンターのダブルエルボーから蛇イ~ンポーズ。セコンドの米山蛇織も試合に介入するが、松崎がいぶし銀ファイトで対抗。高マムシが捕まってしまったが、何とか脱出すると蛇が井が反撃。そこに松崎がジャンピング・ネックブリーカーを決めていくが、バックドロップを切り返した蛇が井はPSJにタッチ。松崎組は3人がかりでPSJを攻撃していくが、呪文でうまく切り抜けたPSJ。しかし論外は「効くか!」とトラースキック。それでも何とか呪文で論外の動きを止めたPSJだったが、諸橋晴也がそこにダイビング・ヘッドバットを投下。そこからクリップラー・クロスフェースに捕らえていき、PSJからギブアップを奪った。
試合後、マイクを持った諸橋は「澤田さん、今日このDDTで澤田さんと試合ができて、最後に試合ができて本当に嬉しいです。澤田さんには伝えなきゃいけないことがあります。以前、お世話になった僕の弟、正美、魔蛇美としてお世話になりましたが、その時のガウンとシューズを返していません。今度正美と一緒に返しに来ます」と語りかけると、PSJは「いつでも返しに来いよ。その代わり蛇界を探しに来いよ。絶対迷子になるからな。貴様のメッセージ、受け取った。効いた。今日は引退ロード2戦目、このメンバーでできたことがすごい幸せだ! 松っちゃん、ありがとう。NOSAWA論外、ありがとう。米山香織、ありがとうな。長井さん、ありがとうございました。高梨、ありがとな。そして諸橋晴也、これからもユニオンで……いや、このプロレス界でがんばってくれよな」と声をかけた。
バックステージでのコメントは以下。PSJ「引退ロード第2戦目が終わっちまった。このメンバーでできたことが俺は嬉しい。そして相手にも不足はなかったよ。ユニオンで切磋琢磨して、長年抗争してきた松崎。そしてNOSAWA。今日、この2人と闘えたのが本当に嬉しい。そして最後にトドメを刺してくれた諸橋。これ以上のことはねぇな! 負けて悔しいけどよ、せっかくこのメンバーが集まってくれて負けたのは悔しいけど、俺はもう悔いねぇよ! あとは11月25日の引退試合、これに向かって突き進むだけだよ。蛇が井さん、ありがとう。本当に長井さんがいてくれて、蛇界は盛り上がった。ナガイダーも懐かしい!」蛇が井「俺は澤田さんと試合やって、俺が蛇が井満也だったり、ナガイダーだったりっていう、澤田さんが自分に今までなかった自分の一面を出してくれたお陰で、こうやって長い間DDTっていう団体に上がれることができたし、DDTのファンからも支持してもらえる、受け入れられたっていうのは澤田さんの蛇界っていう世界に助けられたところがあるので。自分のほうが感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました」PSJ「高梨、高マムシ! ありがとうよ。お前と組んでやって陰陽師マッチ、忘れねぇよ」高マムシ「俺も忘れられないし、今日JULIEと組ませてもらったこの3人はそれぞれ時代が違うJULIEのパートナーとして、蛇界を学ばせてもらって、みんな共通していることはみんなJULIEが好きだったし、みんな蛇界のこの世界が好きだったってことだ。だから今日、みんな集まって時代は違えど、JULIEの横にいた者としてみんなで、JULIEの引退ロードを少しでも飾ることができたんだったら俺は光栄だ」PSJ「蛇織! 米山! ありがとうな」蛇織「蛇界がなければ、今の私はプロレス界に存在しなかった! 蛇界転生は永久に不滅だぁー!」PSJ「蛇織はいつも蛇界転生の時にこのコスチュームで、蛇界転生としていろいろな団体に上がってくれたんだよ。本当に蛇界の……蛇界女子の本当に……もう感謝してもしきれない、蛇織には。ありがとな、蛇織」蛇織「ありがとうございましたー!」PSJ「今日は組めて、withでも蛇織と組めてよかった。本当に俺は蛇界転生でうれしい! 最後まで蛇界で突っ走る! 以上!」
第5試合では新ユニット結成を賭けて男色ディーノと福田洋が一騎打ち。ディーノの男色クローを反転することで形勢逆転してみせた福田は、その後もアメプロスタイルを駆使してディーノを追い込む。だが、パーフェクト・プレックスを防御したディーノは、スレッジハンマーをソバットで迎撃すると男色ナイトメアから男色ドライバーを狙うが、福田はその前にダウン。一気に押さえ込んだディーノだが、福田はカウント2で返すとタンバリンを手に取る。これはレフェリーが奪い取ったが、福田は首にかけていたメダルを握ってパンチ。さらにレフェリーを巻き込んで半失神状態になったところで、なんと中澤マイケルが乱入! 福田と合体ブレーンバスターでディーノを投げたマイケルは、福田に加担するかと思わせておいて、タンバリンで福田を殴打。ここでノーコンテストを告げるゴングが鳴らされると、マイケルは「このように最近DDTファンが冷たいんだ。それというのも全日本とかメジャーに目を向けていたせいだろう。これからはDDTだけを見てやっていこうと思う。これからは第二次中澤マイケル政権の誕生だ。おい福田、ちょっとお痛が過ぎたようだな。お仕置きをしなくてはなるまい」と言って、福田にアルティメット・ベノムアームを狙う。だが、そこにDJニラが入ってきたまたもやマイケルを止めると、呆然とする福田……ではなく、なぜか木曽レフェリーにロケットパンチ! すると福田が「中澤さん、いやミスター・マイケル。確かにあなたに憧れてこの業界に入ってきたのは間違いない。DDT=中澤と言っても過言ではない。あなたはこのリングで地位も名誉もカネも女もすべて手に入れた。これ以上何を望むんだよ」と言い出す。それを聞いたニラが「じゃあ、こういう提案はどうだよ。ユニットを作りたい男と、時代を作りたい男。その2人が男色ディーノと闘い、勝ったほうがすべて手に入れるというのは? どうだGM、丸く収めてやったぞ!」と豪語すると、亜門GMは11・25後楽園でのマイケル&福田vsディーノ&ニラという香ばしいカードを決定。ニラはまたもやショックで背負わされて退場した。