23日、東京・後楽園ホールにてDDT「Into The Fight 2014」がおこなわれた。まずは鶴見亜門GMと井上マイクリングアナによる前説へ。公式ファンクラブ「DRAMATIC FAN CLUB」第1回限定イベント(12選手参加)を東京・浅草花やしきでおこなうことをアナウンスしたほか、3・9春日部にてテレ玉で放送されるインフォーマーシャルマッチの開催、3・21後楽園でのKO-D無差別級王座いつでもどこでも挑戦権争奪バトルロイヤル開催が発表された。
第1試合は高木三四郎&大鷲透&MIKAMIvsアントーニオ本多&佐々木大輔&星誕期の6人タッグマッチ。試合前に新藤力也リングアナから選手たちからの強い要望で東京初上陸のルチャ・リブレルールでおこなわれることがアナウンスされる。先発の大鷲にファンは「T2P」コール。さらに高木が「悪冠一色!」と叫ぶと「アーガン」コールが発生する。大鷲が何とかルチャっぽい動きを披露。続いて佐々木がクルクルと回転しながらのアームドラッグで投げていけば、高木もフライング・クロスチョップからの619を決めてMIKAMIへタッチ。誕期がMIKAMIをボディースラムで叩きつけストンピング。続いて佐々木がカバージョで捕獲すると、高木と大鷲は「ホットペッパー!」と響きだけ何とかなくメキシコっぽい言葉を叫びながら檄を飛ばす。MIKAMIも何とかカウンターのネックブリーカーを決めて大鷲にタッチ。誕期の蹴り脚を掴んでドラゴンスクリューで回した大鷲。さらに高木とMIKAMIが入ってきてアントンと佐々木をブレーンバスターで投げると、MIKAMIは場外に出た佐々木にトルニージョ。リング上ではアントンが大鷲にナックルパートを叩き込んでいくが、トーキックでカットした大鷲が逆にナックルパート。しかしアントンもトーキックでカットするとバイオニックエルボー。これをブロックした大鷲が逆にバイオニックエルボーを放つが、佐々木が入ってきてMIKAMIにドロップキックを放ってコーナーからダイブ。これをドロップキックで撃墜したMIKAMIはミッキーブーメランからスワントーンボムを投下。かわした佐々木は丸め込むが、MIKAMIはスティンガーで切り返す。これを誕期がカットすると、高木がドラゴンリングイン。これをトーキックで迎撃した誕期だが、高木はフライング・クロスチョップからスピコリドライバーを決めると、大鷲、MIKAMIとともにトリプル低空ドロップキックを発射。しかし誕期もフライング・クロスチョップを連発して高木組の3人を蹴散らすと、佐々木のマシンガン発射から誕期がイマチ投下。しかし、これをかわして自爆させた高木がラ・マヒストラルで丸め込んで3カウントを奪った。
試合後、マイクを持ったアントンが「バカヤロー! フフフ……モンスターアーミーです。我々1年半の長きに活動してきましたが、バカヤロー! そういうことは忘れまして、戦車購入があまりに大きすぎる夢だということに気付きまして、普通の女の子に戻ろうっていうキャンディーズ的なことになりまして、来月の後楽園大会でモンスターアーミー最後の試合をしますので、またよろしくお願いします」と発表した。
第2試合はアイアンマン時間差バトルロイヤル。これがDDT所属としてラストマッチとなる柿本大地が1番手で登場すると、白とオレンジの紙テープが大量に投げ込まれた。その相手としてアイアンマンヘビーメタル級王者のヤス・ウラノが現われる。腕の取り合いから機敏な動きを見せた柿本がショルダーアタックでなぎ倒し、ヤスもショルダースルーでやり返していると、3番手のゴージャス松野がリングイン。柿本が松野を羽交い絞めにするとヤスがラリアット。これをかわして柿本に誤爆させた松野はヤスにドロップキックを連発するが、ヤスはビクともしない。4番手のニラがヤスに向かって「俺たちの闘いを邪魔するんじゃねえよ!」と言い放つ。松野と一騎打ち状態になったニラはロープに松野を飛ばすと別の場所でリープフロッグするが、松野はそこにフライング・クロスチョップ。5番手の平田一喜がリングインし松野をロープに飛ばすが、松野はフライング・クロスチョップで場外に追いやるとコーナーからプランチャを投下。しかしオーバー・ザ・トップロープ(OTR)で失格。そこに6番手の赤井沙希が登場するが、いきなりヤスがトーキックからサミング。しかし赤井もロープに飛んだヤスに追走式ビッグブーツからコルバタを決めていく。その背後から平田が襲いかかっていくと、7番手のさくらえみがリングインし、平田を背後から引っ掻いていく。そして柿本を呼び込むとツープラトン・ブレーンバスター。さくらの熟女式グラビア固めに赤井も呼応するが、リングサイドのカメラマン達は赤井だけにシャッターを切る。しかし柿本がカメラを持ってきてさくらを撮影。そこへ8番手の伊橋が現われ、イエイカモンしていると赤井がミドルキックを連打。伊橋はボディースラムで赤井を叩きつけるとジャンピング・ボディープレスへ。さくらが救出している間に9番手の彰人がリングイン。ヤスが彰人に共闘を申し込んでいる間に、さくらと赤井が平田に合体フロント・ハイキック。さらにヤスが平田をリング下に出してOTRで失格にさせると、赤井がヤスに串刺しビッグブーツ。さくらも串刺しフロント・ハイキックを放っていくが、脚がヤスのお腹までしか上がらない。赤井のダイビング・ボディーアタックをヤスがひっくり返してフォールを奪うが、最後のワンチューロが入ってきたところで、さくらがヤスにラ・マヒストラル。ニラが協力して3カウントを奪い、これでさくらがアイアンマン王者に。ワンチューロにさくらとニラが合体攻撃を決めていくが、ニラがさくらを裏切って変形横十字固めで丸め込んでアイアンマン王座が移動。彰人がニラにアンクルホールドを決めてギブアップを奪う。新王者になった彰人は柿本を俵返しで投げていくが、柿本も裏投げで応戦。さらに張り手を見舞った彰人に柿本もラリアット。相打ちに持ち込んだ彰人はショートレンジ・ラリアットで柿本をなぎ倒すとバックを取るが、柿本はサムソンクラッチで丸め込む。カウント2でクリアした彰人を柿本は首固めで丸め込む。伊橋とワンチューロが協力してフォール勝ち。これで柿本がアイアンマン王者に。ワンチューロは伊橋の脚に噛みついてからDDTで叩きつけるが、そこでワンチューロを抱え上げた柿本がジャーマンで投げ捨てる。さらに伊橋がワンチューロを羽交い絞めにすると、柿本が三角跳びミサイルキックを発射。伊橋がボディープレスを浴びせてワンチューロから3カウント。伊橋は柿本にレッグラリアットを叩き込むと、ブレーンバスターを狙う。これを背後に着地した柿本はブラジリアンキックからラリアットをブチ込みフォール勝ち。柿本はDDTラストマッチをアイアンマン王者として終えた。
試合後、柿本の腰に彰人がアイアンマンベルトを巻くと、花束を持った高木大社長が登場。ほかの選手たちもリングサイドに集まってくると、彰人が「柿本さん、最後にドロップキック店長の柿本大地じゃなくて、DDTプロレスの柿本大地と試合ができて本当に嬉しかったです。ドロップキックは僕たちに任せてください。安心して次のステップに進んでください。ありがとうございました」と言葉を贈る。柿本は「彰人、ありがとう。豪華な花束に温かい言葉をもらったけど、俺はDDTは辞めたけどプロレスは辞めてないから。100倍強くなってこのリングに戻ってくるから。ありがとう!」と挨拶。全選手から胴上げされた柿本が最後に「この会場に来てくれた皆さん、本当にありがとうございました。繰り返しになるけど、またこのリングに戻ってくるぜー!」と叫ぶ。その背後から平田が横入り式エビ固めで丸め込み3カウント。アイアンマンのベルトを奪い取った平田は逃走したが、柿本は晴れやかな表情でドロップキック新店長・木高イサミが開けたロープをくぐってDDTのリングを後にした。
【試合後のコメント】
柿本 ありがとうございました。楽しかったです。急遽決まった試合だったんですけど。実は自分から高木三四郎に「今日のダークマッチ空いていませんか? できれば試合させてもらえませんか?」と言ったんです。そしたら本戦に入れてもらえて。チャンスをもらえて、リングに上がる事ができました。言う事はリングの上で言っちゃったんですけど、もう感謝しかないですね。楽しい時間を過ごさせてもらえて。まだまだもうちょっと頑張ればやれたんじゃないかなって。
――これまで勤めていたドロップキップを辞めて、次のステップは?
柿本 こういうかたちにしたんでネガティブに捉える人もいるかもしれないけど、次はサラリーマンになって。時間もある程度融通が利くんでもっともっとトレーニングをやって次のステップに上がりたいと思います。僕は現役の時にずっと得意でやっていたのはジャーマン・スープレックス・ホールドだったんですね。ジャーマンはブリッジが一番大切だと思うんで、次の若い世代と僕より上の世代の架け橋になれるように、また違う形で新しいブリッジをかけていきたいと思います。
第3試合は竹下幸之介&中澤マイケル&松永智充の試練のタッグ3番勝負第1戦。相手は中澤マイケル&松永智充だ。遠藤をロープに押し込んだ松永が離れ際に張り手を見舞っていくと、遠藤も松永をロープに押し込んで張り手。しかしブロックした松永は逆に張り手をお見舞いすると、遠藤のドロップキックを自爆させて逆にドロップキック。続いて竹下とマイケルがリングイン。エルボー合戦からマイケルがショルダーアタックでなぎ倒すが、竹下もアームホイップからドロップキックでやり返す。遠藤と松永はまたも張り手合戦に。これを打ち勝った松永は急角度バックドロップ。その間にマイケルは竹下を場外に連れ出して激しいチョップ合戦から鉄柱へと投げる。リング上では松永が遠藤にチキンウイング・アームロック。遠藤は何とかロープにエスケープする。松永が遠藤を場外に放り出すとマイケルがトラースキックからボディースラムで叩きつける。松永も床へのボディースラムから遠藤をリングに戻すとブレーンバスターを狙う。これをこらえた遠藤はカウンターのドロップキックを決めて竹下にタッチ。竹下はレッグラリアットを松永に放つと、スイング式ネックブリーカーからジャベリンキック。続いて遠藤がダイビング・ネックブリーカーを決めるが、松永もスモウラリアットでやり返してマイケルと交替。ダイビングショルダーから巨匠スラムを狙ったマイケル。これをバックに回って逃れた遠藤がロープに押し込むと、エプロンから竹下がキック。さらに竹下がハーフハッチで投げたところに遠藤がその場跳びシューティングスター。松永がカットに入って竹下へマイケルと連係攻撃。続けて遠藤にも連係攻撃を決めていくと、松永が竹下をコーナーに乗せる。マイケルと雪崩式ツープラトン・ブレーンバスターで投げると、ちょうど立ち上がった遠藤に激突。その遠藤を巨匠スラムで投げたマイケルだがカウント2で竹下にカットされる。竹下は松永のラリアットを相打ちに持ち込むと下からかち上げラリアットで吹っ飛ばし、マイケルにはブルーサンダー。マイケルも遠藤に後方回転エビ固めで丸め込む。これをカウント2でクリアした遠藤は延髄斬り2連発からジャーマンへ。カウント2でクリアされるとスカイツイスタープレスを投下して勝利した。
試合後、マイクを持った遠藤は「GM、僕たち試練の3番勝負、1本目勝ちましたよ! 誰が来ようが、僕たちは負けないんで次の相手を教えてください!」と言うと、亜門GMは「遠藤、オマエ何を言ってんだよ。誰がオマエらの試練の3番勝負って言ったんだよ。残念だったな松永&マイケル。1戦目負けちゃったけど、2戦目、3戦目と頑張って」と言うと、3・2大阪でのゼウス&The Bodyguardとの2戦目をアナウンス。唖然とするマイケル&松永に竹下が「そういうことだったんですか。中澤さん、松永さん、頑張ってください。応援しています」。松永が「言葉が出ないってこういうことを言うんですね。てっきり若い人たちが頑張る企画だと思ったんですけど。東京の皆さん、無事帰ってきたらまた会いましょう。さよなら、さよなら、さよなら」と言って苦笑い。
第4試合はKO-D6人タッグ選手権試合。第7代王者組、チーム・ホモサピエンスの男色ディーノ&大石真翔&アジャ・コングはチームドリフの石井慧介&入江茂弘&高尾蒼馬を相手に2度目の防衛戦。ディーノ、大石だけでなくアジャまでも「ホモです!」とアナウンスされた。ディーノは男の子の唇を奪いながらリングイン。そして「さあ始まりますよ、アナタ、潔癖症でしょ。我々のキスに耐えられる精神力はお持ちですか?」と潔癖症の石井に詰めよるも、石井は「無理に決まっているだろ。俺は女だって無理なんだよ。キスは嫌いなんだよ。今日はホモとホモとブスしかいないじゃねーかよ!」と言い放つ。これにディーノは「この場を荒らすんじゃないわよ。女は無理とか言うとややこしくなるからやめて。それにブスじゃなくて、ホモ、ホモ、ホモでしょうが!」と言うが、アジャは高尾に熱視線。ディーノは「これはアタシの慰め者だから!」と制するも、そこへ奇襲攻撃を仕掛けていってドリフが、いきなり大石にgo 2 入江 sleep。さらに石井がサンセットフリップを落としてから高尾へ交替すると、アジャが大石にタッチするように猛アピール。必死に大石のタッチを防ぐ高尾は、股下をくぐろうとした大石を強引に持ち上げてパワーボム。続いて入江がジャンピング・ボディープレスからスリーパーで捕獲するが、大石はロープに脱出。入江が石井にタッチすると、アジャは「そっちじゃなーい!」。お構いなしに大石にドロップキックを叩き込んだ石井は、串刺し攻撃を狙うが、蹴りで迎撃した大石はスイングDDT。一度はカットした大石だが、大石はすぐにスイングDDTを決めてアジャと交替。一心不乱に高尾に向かっていったアジャだが、背後から石井が攻撃。しかし「邪魔!」とラリアットでなぎ倒したアジャがバックドロップ。「ダーリンのために早く終わらすわ」と裏拳を放つアジャだが、かわした石井は「このブス!」とチョップを放ってからジャンピング・ニーアタック。続いて入江が串刺しラリアットからブレーンバスターを仕掛ける。これを逆に投げていったアジャがディーノと交替。シャイニングあてがいを決めたディーノに高尾がミサイルキック。しかしディーノも男色クローからエクスプロイダーで投げていくと、リングインしようとしたアジャに蹴りを叩き込んでから高尾にナイトメア。さらにリップロックを狙うが、高尾は必死に防御。そこへアジャが入ってきて高尾にリップロックを狙うもディーノが阻止。「そんなに言うんだったら決めてもらいましょ」と2人で高尾にキスを迫るが、高尾の返事は延髄斬り。さらにドリフはディーノにトレイン攻撃を決めると、石井と高尾がフラップジャックで入江をディーノに浴びせる。コーナーに登った高尾だが、下から男色クローを決めたディーノは、追いかけていって雪崩式フランケン。続くリップロックをカットしたアジャは、ディーノを投げ飛ばすと、間に入った石井に張り手。すると石井は高尾にリップロックを狙ったアジャに入江を投げつける。入江にリップロックを誤爆してしまい唖然とするアジャに大石が近づいていくと、アジャは大石に裏拳を見舞い、入江に「かわいい!」と言って熱烈なリップロック。「え? 自分は?」と言う高尾にアジャが裏拳。そこにディーノが男色ドライバーを狙ったが、石井がディーノにニールキックを叩き込むと、漢タイツに頭を突っ込んだ状態の高尾がジントニックを決めて勝利した。
試合後、大石が「なし! なし! アジャ兄、アンタのせいで負けたんだよ!」と詰め寄るが、アジャは「ウルセー!」と言って逃げる入江を追いかけていった。大石は「今をもってチーム・ホモサピエンスは解散しますが、我々ディーノと大石にはリマッチ権があると思いますので、GM! リマッチ組めよ!」と要求。「パートナーがいるのか?」という亜門GMに大石は「我々がパートナーを連れてこなかったことがありますか?」とアジャに代わるパートナーを連れて来ることを約束したため、亜門GMもドリフvsディーノ&大石&Xのリマッチを承諾した。高尾が「ベルト獲りましたー! いつぶりの6人タッグ?」と問いかけると、石井は「2013年1月27日以来。というと何日ぶり? 393日ぶりです! そして入江君、よかったね」と言ってニヤリ。高尾もしみじみと「入江君、よかった」と言うと、石井はさらに「モテてよかった」。高尾が「入江君、おめでとう」と祝福し、最後は入江不在のまま「愛は絶対に裏切らない。最後までタチムカエ! 入江君、お幸せにー!」と締めた。
【試合後のコメント】
石井 まず試合前に誤解を与えてしまったみたいだから言いますけど、自分は女性が好きだから。別にキスが苦手なだけで、女性が好きだから。ちょっとそこを誤解した感じで伝わってるみたいなんで。そこを誤解しないでください。自分は女性が好きなんで。で、ベルトですが…嬉しいですよ。昨年の1月27日以来なんで。再び獲るまで長かったんですけど、これで今年ドリフで引っ張っていけたらなって思っています。(入江が泣きながら登場すると)よかったな。モテて。
高尾 よかったね。頑張ってきた甲斐があったよ…入江くん、ちょっと嬉しすぎてしゃべれないけど。
石井 そりゃそうだよね。小さいころからずっと見てた人とチューできたんだから。
高尾 これで著名人キスリストの1人目になったね。
――入江選手、大丈夫ですか?
石井 嬉しいんだよ!
高尾 ベルトも獲った事だし、これからも頑張っていこう!
――入江選手、嬉しいんですか?
入江 ……(泣き続ける)。
石井 そういう事だよ。
――石井選手はキスが苦手なのになぜリマッチを受けたのですか?
石井 頭の回転があまりよくないんで、とっさに聞かれたら「はい」って言っちゃって。
――キスのどこが嫌なんですか?
石井 僕ちょっと唾液とかが嫌なんで。フレンチ(キス)だったら。あんまり濃いのは…。
高尾 あんまりそこは深く聞かないで。とにかくベルトが獲れてうれしいよ。ね! 頑張ろう!
第5試合はKUDOvs坂口征夫の殺るか殺られるか!?タイマンマッチ。試合開始のゴングと同時にハイキックが相打ち。そこからミドルキック合戦になり、KUDOが尻餅をつくと坂口がランニング・ロー。カウント2でクリアしたKUDOを場外に出した坂口はエプロンからランニング・ロー。さらにヒザ蹴りを叩き込んでからリングに戻した坂口はミドルキック。ロープに飛んだ坂口に追走式キチンシンクを見舞ったKUDO。坂口も走り込んできたKUDOにカウンターのミドルキックを放つと、なおもミドルキック。蹴り脚をキャッチしたKUDOはドラゴンスクリューで回してランニング・ローを叩き込むとミドルキックから対角線にホイップしようする。坂口はロープを掴んで拒否。ならばとKUDOはコーナー2段目に坂口をセットして最上段へ。蘇生して追いかけていった坂口はコーナー上でのフロント・ネックロック狙い。しかし首を抜いたKUDOは逆さ吊りとなった坂口にダイビング・ニードロップ。さらに突きと蹴りのコンビネーションからハイキックを狙う。これを相打ちに持ち込んだ坂口。ダブルダウン状態から立ち上がった両者はミドルキックの打ち合いに。お互いに相手のミドルを受け止めてから打ち返していくと、KUDOはそこから張り手2連発 → ヒザ蹴り。坂口も一瞬の隙を突いて飛びつき腕十字へ。どうにかロープエスケープしたKUDOに坂口はミドルキックからハイキック。これをかわしたKUDOはスピンキックを放つが、坂口も2発目をかわしてローで尻餅をつかせると顔面へのヒザ蹴り。これをカウント2でクリアしたKUDOは至近距離からのスピンキックで顔面を射抜いて勝利した。
セミファイナルはKO-Dタッグ選手権試合。第49代王者組のゴールデン☆ラヴァーズ、飯伏幸太&ケニー・オメガはバラモンシュウ&バラモンケイを相手に2度目の防衛戦に臨む。新藤リングアナから「ただいまより入場してくるバラモン兄弟はキ●ガイです!」とのアナウンスが。バラモン兄弟が口に含んだ水を吹き散らしながら入場。リングインした兄弟は飛び上がりながら亜門GMに向かって口に含んだお茶を噴射。甘んじて受け止める亜門GMを尻目にG☆Lはリングサイドの観客とハイタッチしながら入場。ケニーの股間を指差して「何か入ってんじゃねぇか!」とアピールした兄弟だが、意外にも握手を求めていく。慎重に応じようとするG☆Lに向かって口に含んでいた水を噴射。しかしG☆Lはドロップキック → ウラカンホイップで投げて場外に追いやってクロススラッシュを狙う。兄弟は竹刀攻撃でこれを迎撃。そこから水の入ったバケツに結びつけられた紐をブン回していくが、紐が切れてバケツが観客に向かって飛んでいく。さらにシュウはバケツに入った水を飯伏にぶっかける。南側客席の通路でケニーがケイを台車に乗せてダッシュすると、待ち構えていた飯伏がローキック。今度は飯伏がケイを乗せた台車を押してダッシュすると何とそのまま出入り口階段から叩き落とす。そのまま売店付近で乱闘。観客も騒然とする中、兄弟はチョコクリームまみれになったG☆Lを連れて戻ってくる。さらにブタの頭と豚足を袋から取り出した兄弟は、コーナー下に飯伏を座らせると、股間の前にスーツケースをセット。その上に豚の頭を乗せてからボウリングの球を投げてストライク。そこにケニーがダイビング・ボディーアタックを浴びせて兄弟まとめてなぎ倒す。シュウはケニーを捕まえて股を開かせると、ケニーの股間の前に道路標識をセット。ケイが竹刀で殴打していく。ケニーにもボウリング攻撃を狙った兄弟。飯伏がボウリングの球を奪い取ってケニーにパス。ケニーがボウリングの球を投げる波動拳でシュウを吹っ飛ばすと、キャッチした飯伏がジャーマンで投げる。さらにケニーがシュウの股間の前にスーツケースをセットすると、飯伏がボウリングの球を投げてストライク。そこにケイが竹刀攻撃で入ってきて口に墨汁を含むが、G☆Lは連係攻撃で回避。さらにPKこころを狙ったが、ダイブした飯伏に飛び込んできたケイが墨汁ミストを噴射。さらにシュウがケニーに墨汁ミストを噴射してから横十字で丸め込み、ケイもジャックナイフ式エビ固めで合体したが、カウント2止まり。墨汁まみれのG☆Lは墨汁を奪い取って乾杯してから口に含むと、2人揃って墨汁ミストを噴射。さらに同時のパワーボムで叩きつけるがカウント2。ならばとPKこころΩを決めて勝利。敗れた兄弟は「今日はこれくらいにしてやる! 覚えてやがれ!」と捨て台詞を吐いて退場した。
【試合後のコメント】
ケイ 負けたのか!
シュウ なんだよ! ケニーくん、スケボー乗ってねえじゃねーか。ニセモノだ。
ケイ 真っ黒にされたぜ。でもあのカナダ人を黒人にしてやったぜ。
シュウ あのケニーと飯伏! アイツらを五体不満足にできなかった!
ケイ 俺たちと今度やったら、アイツらを五体不満足にしてやるよ。こんな結果じゃ俺たちが不満足だよ。
シュウ 覚えておけ。オマエら死んで地獄に落ちて、今度生まれ変わったら…。
兄弟 ウジ虫になるぞ!
ケニー お疲れさまでした。一番おもしろいチームと勝負したいって言ったけど、こういう試合になるとは思わなかったですね。
飯伏 最高ですね。
ケニー 驚くことにすごい楽しかったですね。
飯伏 楽しかったです。やっぱこれですよ。
ケニー もちろんできるだけ早くシャワーを浴びなくちゃいけないですけど、できればDDTでああいう試合をいつもやりたい。
飯伏 いつもやりたい。久々に最高に上がりましたね。
ケニー いつものように次に誰が挑戦者になるか全然わからないけれど、全力で来い!
飯伏 タイトルマッチでなくてもいいんで。ヤバイですね。(黒くなった自身のコスチュームを見て)終わったな。(ケニーに)なんで黒(のコスチューム)にしたの? 汚れるから?
ケニー バラモン兄弟を勉強した時、黒ミストを使うから。似合うコスチュームを着ようと思って。飯伏さん、それは捨てるしかないよね? 私のはまだ使えると思う。
ケニー DDTさんに感謝したいんですよね。試合は反則でも止められなかったから嬉しかった。
飯伏 100%じゃないじゃないですか、たぶん。次も虫とかは使わないでほしいけれど、またやりたいです。
ケニー (ブタの頭に)グッバイ、マイ・フレンド。グッバイ。
メインイベントはKO-D無差別級選手権試合。第46代王者のHARASHIMAはマサ高梨を挑戦者に迎えて6度目の防衛戦。高梨のセコンドには同期の柿本がつく。HARASHIMAからの握手を首を横に振って拒否した高梨。まずは腕の取り合いから、高梨が腕を固めていく。脚をすくって倒したHARASHIMAはレッグロック。うまく逃れた高梨はヒザ十字の体勢で脚を捻りあげる。そこからリバースのインディアンデスロックに移行した高梨が弓矢固めへ。脱出したHARASHIMAはヘッドロックで捕獲するが、高梨は丸め込みで切り返す。しかしHARASHIMAはヘッドロックで絞め続ける。ロープに振って逃れようとする高梨だがHARASHIMAは離さない。ならばとヘッドシザースで逃れた高梨は前転を連続ですると自ら丸まっていく。そこから出した高梨の手を思わず握ってしまったHARASHIMA。高梨は変形ワキ固めで引き込んでいく。ロープエスケープしたHARASHIMAに高梨はなおも左手首へのフットスタンプから腕を捻りあげる。HARASHIMAはフロント・ハイキックで吹っ飛ばし、倒れた高梨を踏みつけると両腕を持って引っ張りあげてから、そのまま踏みつけてマットへと叩きつける。続いてコーナー下の高梨を踏みつけ、さらにダブルニーを落としていった。10分経過、高梨はHARASHIMAのキャメルクラッチを手に噛みついて脱出。怒ったHARASHIMAはストンピングから後頭部を叩きつけてブレーンバスターの体勢に。踏ん張った高梨はサミングから串刺し攻撃を狙うも、HARASHIMAがエプロンに追いやる。しかし、ロープ越しにショルダーアームブリーカーを決めた高梨は、リングに戻ってステップオーバー・トーホールド・ウィズ・ワキ固め。ロープに逃れようとするHARASHIMAに逆さ押さえ込みを決めたがカウント2。ならばとレッグラリアットから左腕にフットスタンプを落とした高梨は、HARASHIMAの両腕を持ってクロスにすると変形キーロック。これを下から蹴り上げて脱出したHARASHIMAはジョン・ウーから串刺しフロント・ハイキック。雪崩式ブレーンバスター → ファルコンアローはカウント2。山折りを高梨はスタンディング・アームロックに切り返す。しかしHARASHIMAは股の間に腕を入れて持ち上げ、変形トルネードボムで脱出する。頭からマットに叩きつけられた高梨がダウン。しかし、これは死んだフリ。不用意に近づいていったHARASHIMAをサムソンクラッチで丸め込むと急所へニードロップ。HARASHIMAは続くタカタニックを逃れて延髄斬り。これを察知した高梨はかわしてトラースキックからタカタニックの体勢。山折りで切り返そうとするHARASHIMAを高梨は卍固めで捕獲する。HARASHIMAは高梨のタカタニック狙いをインプラントで逃れると蒼魔刀を発射。これをかわした高梨にHARASHIMAはハイキックからもう一度、蒼魔刀を狙う。これも察知した高梨は背後から股下をくぐって後方回転エビ固めで丸め込む。カウント2でクリアしたHARASHIMAがエルボーを叩き込むと、高梨は張り手でやり返す。HARASHIMも張り手を返すと、高梨は左右の張り手。お互いバチバチと張り手のラリーになると、そこからHARASHIMAがミドルキック。倒れながらも気合いで立ち上がった高梨はHARASHIMAの攻撃をかわして電光石火のタカタニック。カウント2でクリアされてもすかさず丸め込んでいった高梨だがカウント2止まり。ならばとバッカスを狙う。HARASHIMAはこれをつるべ落としで切り返す。これが垂直落下で決まって高梨は脳天からキャンバスへ。HARASHIMAがダメ押しの蒼魔刀を決めて勝利した。
試合後、大の字に倒れた高梨に抱きつき、声をかけたHARASHIMA。マイクを持つと「高梨、やっぱり君は僕の思った通り、素晴らしい実力を持った選手だよ。危なかったよ、今日は。高梨、君みたいな後輩がDDTにいて嬉しいよ。今日は本当にありがとう。楽しかったぜー!」と叫んだ。亜門GMも「試合前は汁レスラーとか挑戦する資格はないとか言いましたけど、訂正します。アナタは何処に出しても恥ずかしくない、立派なDDTのメインイベンターです。スミマセンでした!」と高梨に謝罪。3・21後楽園での次期挑戦者の話に移ると、KUDOがマイクを奪い取って「HARASHIMAさん、次の挑戦者は私です。アナタの試合をずっと見ていて、やっぱりアナタと向かい合いたい。アナタに勝って、今年の両国、私がメインに立ちます」と名乗り上げる。KUDOから挑戦状を叩きつけられたHARASHIMAが「待ってたよ。ガッチリやろうぜ!」と承諾したため、亜門GMはその場でHARASHIMAvsKUDOのKO-D無差別級選手権試合を決定。KUDOは「俺はアンタを殺すつもりでやりますんで、悪いけどウラシマクドウは脱退します」と告げ、高梨を連れて退場した。ポカンとKUDOの背中を見送るしかなかったヤスが「どういうこと? 何で止めないの? だってKUDOの35年ローン返すために35年やらないといけないのに、まだ2年しかやってないよ。タイトルマッチとかやらなくていいから戻そうよ」と言うが、HARASHIMAは冷静に「タイトルマッチはやるし、今抜けても(タイトル戦を)やったあとに戻ってくる可能性もあるでしょ? ウラノ君は抜けないよね?」と逆に尋ねる。ヤスが「抜けないけどさ……なんだよ! 何でいつもそんなふうに堂々としていられるんだよぉ!」と言うと、HARASHIMAは「続けていればまた一緒になることもあるんだし、もう前を向いてやっていこうよ」と話す。「わかったよぉ。とりあえず2人で」と言うヤスは観客から「FUMAは?」と聞かれると「分社化しちゃったから…」と新メンバーを考え始める中、HARASHIMAは「僕の心では(KUDOも)一緒だから。正直、動揺しましたけど(苦笑)」と吐露しつつ、最後は「鍛えているからだー!」で締めくくった。
【試合後のコメント】
――惜しいところまで追い詰めたのですが。
高梨 いつもの事です(苦笑)。惜しいところ、あと一歩というところで今回も勝ち切れなかった。
――まだあきらめるつもりはないでしょうけど、KUDO選手の方から一緒にやっていきたいというアプローチもありましたが?
高梨 そんな事があった事も全然覚えていないくらいです、今は(苦笑)。前回フッておいて、気が変わるのが早すぎるだろうって思いますけど、わからないです。アイツの気まぐれであの場で言っただけかもしれないし、どうなるのかは今はわからないです
――これからまたベルトであったり、これからのDDTでのポジション作りであったりと次の目標に向かっていくわけですが?
高梨 今はちょっと考えられないですけど、あがいて、またいろいろやっていくしかないんだろうなぁって思っています。今は何も考えられないです。
――挑戦の名乗りを上げましたが、いつ頃から考えていたのでしょうか。
KUDO 2年前にベルトを失って、僕に1回もリマッチさせないし。俺も決定戦とかチャンスはもらえていたけど勝てなくて。この2年間、本当に満たされないというか。それだけですね。やっぱりベルトがないと満たされない。今回本当、HARASHIMAさん、ウラノさんには悪いけど…自分の欲ですね。あとはもうリング上で言った通りです。タイトルマッチは仲良しこよしのタイトルマッチはやりたくないんで。本当にHARASHIMAさんを殺すつもりでやりたいと思います。今日は坂口さんと、俺と坂口さんにしかできない試合をしたと思うんで、たまたま今回勝ちましたけど、男としては坂口さんの事を尊敬していまして。まだまだ及ばないと思うんで。また坂口さんとやりたいし、HARASHIMAさんとは俺とHARASHIMAさんしかできない闘いっていうものがあると思うんで。ずっとDDT入って、旗揚げの頃からやってきた、2人だけの闘いというものがあると思うんで。若い選手にはない、俺たちにしかできない殺しあいをしたいと思います。
――両国でタイトルマッチをやった経験が、大きいモチベーションになっている?
KUDO そうですね。両国のメインで勝った経験があるのは他にはHARASHIMAさんと飯伏だけだと思うんですよ。あの感覚は忘れられないし、やっぱりもう一度、両国のメインで勝ちたいと思います。まずはHARASHIMAさんを倒す。それだけです。
――試合後には高梨選手と引き揚げましたが?
KUDO 正直、アイツの試合を見て今日は負けたけど本当にすごいなと思って。アイツから先月、一緒にやろうって何回か誘われたし。でもアイツもツンデレなんで、ちょっと間が空いたからどうなるかはわからないですけど。アイツの気持ちがあるなら、あと会社がどう判断するかはわからないですけど、対HARASHIMAという意味では最高の参謀だと思うので、一緒にやっていきたいと思っています
HARASHIMA やっぱり高梨は…何度も言ってるけど、僕は高梨をすごい評価していて。見てるお客さんもわかってるだろうけど、本当に負けない闘いというか、誰にでも勝つ闘い方ができるんで。いやあ危なかったですね。体格とか見たら自分の方が全然勝ってるんだけど、プロレスの勝つスキルを持っているんで、追い込まれました。危なかったです。
――蒼魔刀の前のつるべ落としでかなり厳しい落とし方をしていたのが、高梨選手に対するHARASHIMA選手の評価だった?
HARASHIMA いやぁ(苦笑)、はい。
――試合後にはKUDO選手が挑戦の名乗りを上げました。
HARASHIMA 単純にKUDOが名乗りを上げてくれた事は嬉しいですね。ユニットを抜けるっていう事はショックですけど、考えがあっての判断なんで。でも僕の心の中ではユニットは存続しているんで。まあ離れた位置から(闘いたい)という気持ちはわかります。KUDOは実力があって、ベルトも巻いた選手だけど、最近ちょっと元気がないというか、一歩下がってるような感じがあったんで、今回挑戦してきてくれた事は嬉しいです。僕を殺すって言ってくれている。ワクワクしますね。
――そのベルトを持っている限りはこれからも狙われ続ける事になりますが?
HARASHIMA そうですね。楽しみです。