11日、大阪・港区民センターにて「ドラマティック・天保山!2015」がおこなわれた。鶴見亜門GMは前説で本日出場予定の宮武俊の欠場を謝罪。オープニングコールは年男の遠藤哲哉が務めた。
第1試合は大石真翔vs岩崎孝樹のシングルマッチ。ドロップキックで攻めたてる岩崎だが、大石のテクニックにすぐさまペースを奪われてしまう。突進をかわされるや脚を取られて逆片エビを決められたが、ロープに逃げた岩崎はランニング・エルボーで反撃。ミドルキックから串刺しエルボーを決めたがカウント2。しかし、コブラツイストは決めきれず、スイングDDT → デルフィンクラッチを食らってしまう。これは意地のクリアをした岩崎。ミラクルエクスタシーもヒザ蹴りで止めたが、最後は叩きつけられて3カウントを聞いた。
第2試合は高木三四郎&大鷲透vs松永智充&キアイリュウケンエッちゃんのタッグマッチ。試合前、エッちゃんはプロレスリング紫焔2・21大阪ボディメーカーコロシアム第2競技場のチケットを販売しているとアピール。すると高木と大鷲はそのブースを破壊して大切なチケットを奪うと、エッちゃん勝利で販売許可、負けたらチケットを会場のファンに招待券として配布すると通告。大鷲のビッグブーツで攻め込まれたエッちゃんだが、替わった高木のドラゴンリングインを迎撃してコブラツイスト。ブレーンバスターの仕掛けあいを制したエッちゃんがコーナーに登る。すると大鷲に大事なチケットをばら撒かれて呆然。高木がエッちゃんをエプロンに落としてぶっこ抜き雪崩式ブレーンバスター。苦しいエッちゃんも両腕ラリアットでやり返し、松永とサンドイッチ・ラリアット。高木にもラリアットも振るうがカットされてしまうと、コーナーからのバックエルボーをあっさりかわされてしまい、マヒストラルで丸め込まれた。
試合後、チケットを配布せんとする高木だったが「ちょっと待て。このチケットをみんなに配ったらこの団体は2月21日で終わってしまう。みんな招待券をもらったらお金払って見にいこうと思わないでしょ! みなさん、今日でエッちゃんがどういう選手かわかったと思います。少しでも興味を持ったらチケットを買ってやってください」と言って、場内の喝采を浴びた。
第3試合は竹下幸之介&遠藤哲哉vs勝俣瞬馬&中津良太のタッグマッチ。中津がKO-Dタッグ王者組に捕まってしまう。竹下のバックブリーカー → 逆エビ固めや遠藤の逆片エビ固めに大苦戦。中津は遠藤にカウンターのドロップキックでようやく逆転。替わった勝俣は遠藤にミサイルキック、竹下にクロスボディーを放つ。しかし、スワンダイブXファクターはキックで迎撃された。それでも勝俣は替わった竹下にスイングDDT。中津もPKでキックで攻め立て、竹下の頭突きにめげず、飛びつき腕十字も決めてみせる。これは遠藤がカット。蹴散らされるも勝俣のプランチャをキャッチして鉄柱にぶつけると中津にはスワンダイブ・エルボー。竹下は遠藤との連係から中津に追走ビッグブーツ。ブルーサンダーはカウント2で返されたが、ジャーマンで勝利した。
第4試合は石井慧介vsMIKAMIのシングルマッチ。後入場のMIKAMIはエプロンに上がるなり、スワンダイブして奇襲。開始のゴングが鳴らされると、フライング・ラリアットを決める。場外戦でも優勢のMIKAMIに石井は鉄柱への攻撃で逆転。リングに戻るとバックブリーカーからジャーマンを決めたがカウント2。MIKAMIもエルボースマッシュでやり返し、フィッシャーマンズSH。これをカウント2でクリアした石井はスワントーンボムをかわしてニールキック。これを察知したMIKAMIは回避するやスク~ルボ~イで丸め込んで勝利。
試合後、MIKAMIは「年末に大きな病気してタイトルマッチできなくなったんだってな。腐ってんのか? でも腐ることはない。人生は挫折ばっかりだぞ。ここから這い上がれ」と石井にエールを送った。
【試合後のコメント】
試合後のコメント
石井 年末から体調崩して、確かにすごいショックだったし、自分のせいで(世界ジュニアのタイトルマッチが)流れて、すごい落ち込んでたりしたんですけど、昨日の全日本プロレスで秋山さんと組んで試合して、今日も試合には負けたけど、大先輩からエールをもらえて、また自信が出てきたというか。すごい本当に、昨日の試合が終わってからなんですけど、昨日の試合が終わってからすごい元気になったというか、すごいパワーが出てきて、また前向きになって頑張っていけると思ってます。もちろん、今年一回、すごいチャンスを逃したんで、今年の目標としてもう一回、その逃したチャンスをつかむということと、その目標のためにも(体の)免疫を上げないといけない。まずは免疫をアップして、丈夫な体を作って、体調を常に万全にしてチャンスを手に入れたいと思います。
――チャンスを手に入れるだけじゃなく、その先も見ている思いますが…。
石井 まず、その舞台に上がんないと意味がないですから。もちろんそのチャンスが来たら、結果を残してやります。世界ジュニア挑戦はずーっと憧れてたことで、そこにたどり着いたのに自分のミスで逃したんで。逆にこの悔しさを力の変えるぞと頑張ってます。
――体調不良でチャンスを逃しましたけど、改めて体調万全のときにそのチャンスを使わせてくれというんじゃなく、もう一回認められて、そのチャンスを手に入れたいと?
石井 はい。まだこれから全日本プロレスのジュニアリーグ戦にも出ますし、自力でチャンスを手に入れたいと思います。すっごい悔しい思いをしたんで、この悔しさは力になると思ってます。
――リーグ戦に勝ち抜いて、世界ジュニアへの挑戦権を手に入れられたベストだと?
石井 それでチャンスに近づけると思ってます。もちろん自分はDDTプロレスと全日本プロレス、両方の中心でいけるように頑張っていきます。(世界ジュニアの)ベルトを巻いたら、DDTのリングでも披露したいですけど、まだ今はそんなことまで考えてなくて、まずは体調万全にして、一戦一戦頑張って、またそういうチャンスをつかみます。
第5試合はA・YAZAWAvs平田一喜vsDJニラvs内田祥一の「新春恒例ロックンロールデスマッチ2015」。「ロックンロールロールデスマッチ」とは、試合中のロックが流れえるを、選手はそれぞれ、自身に中にあり“ロックンロール・スピリッツ”を解放しなければならないルール。ただ、音楽が流れるタイミングは決まっていない。立ち上がりは静かな展開。まずはYAZAWAがコスチュームのサスペンダーを利用して、各選手の腕を挟んでダメージを与えていく。ここでロックが流れ、各選手はそれぞれダンスや手拍子、ギターを弾く動きでロック魂を開放。音楽が止まると4選手とも大きく息を切らせている。それでも試合は続行。内田のドロップキックを食らった平田がリング下にエスケープすると、4選手とも場外に戦場を移した。そして入場ゲートが設置されたステージ上での乱闘に。ここでまたもやロックが流れた。ステージ上でロック魂を解放する4選手。音楽が止むと、息を切らせてリングに戻って来る。戦場がリング内に戻ったところで、内田がニラをボディースラムで叩きつけ、コーナーに上る。今にもダイビング・ヘッドバットを放とうとしたところで音楽が流れ、技を繰り出すわけにいかず、コーナー上で体を激しく動かしてロック魂を解放させる。ところがここで機材トラブルが発生。この後、どのタイミングで、どんな音楽が流れるかわからなくなったとアナウンスされた。4選手がリストを決めようともみ合っているところで流れたのがバレエで有名な「白鳥の湖」。4人はそのまま手をとって横一列に並んで踊り始めた。音楽が止むと戦闘再開。平田がYAZAWAをスリーパーに捕らえると、コスチュームのサスペンダーをクロスさせ、サスペンダーで首を締め上げられる形に。そのまま腕がダラリと下がり、レフェリーがチェック。辛うじて3度目で腕が下がらずTKOを免れ、反撃に転じる。今度はYAZAWAがサスペンダーを利用して平田の首を絞める。失神寸前になったところで流れたのは「●O●●O ●O!」。これでパワーアップした平田はYAZAWA、ニラ、内田をエルボーで吹っ飛ばす。しかしYAZAWAがリズムに合わせて平田にパンチを叩き込み、バイオニックエルボーをヒットさせる。平田が立ち上がってきたところにトラースキックを叩き込んだYAZAWA。さらにニラと内田が攻防を繰り広げているところに割って入ったYAZAWA。内田がデスバレーボムをYAZAWAに決めたところで、またしても「白鳥の湖」が流れた。優雅に踊る4選手。手をつないで横一列になったところでYAZAWAのバックに回って内田を丸めると、手をつないでいるためニラと平田も後方に倒れ込んだ。そのままYAZAWAが3選手の上になると、3カウントが数えられた。
セミファイナルは飯伏幸太&佐々木大輔vs入江茂弘&高尾蒼馬のタッグマッチ。飯伏と高尾で試合スタート。佐々木vs入江の顔合わせになってから激しい動きに。佐々木がコルバタで入江を宙に舞わすも、入江は体格差を生かしてショルダーアタックで佐々木をダウンさせる。リングに飛び込んできた飯伏も高尾がヘッドロックに捕らえる。入江も佐々木をヘッドロックに捕らえ、ともに対角線を走って交差しながらのブルドッキング・ヘッドロックを決めた。さらに攻撃を仕掛けようとした入江に対し、佐々木は「待ってくれ」のポーズ。攻撃をためらう入江。ここで佐々木が入江が固めていた拳の親指を立ててサムアップ状態にすると、入江はそれまで困っていた表情が笑顔に。次の瞬間、佐々木がパンチを叩き込んでいった。「信じていたのに…」と漏らすしても佐々木は攻撃の手を緩めない。タッチを受けた飯伏は入江をキャメルクラッチに捕らえると、入江の口をふさぐように手を回して決めていく。そして佐々木をリングに呼び込んで鼻をつまむように指示。呼吸ができなくなった入江は失神状態に。しかしこれは反則。意識を取り戻した入江は、佐々木の攻撃をかわすと強引にブレーンバスターを決めて高尾にタッチ。高尾は佐々木に飛びつき式でスイングを決め、ミサイルキック、カウンターのドロップキックを決める。そして入江が串刺しラリアット、ブラックホールスラムとつなぐも、佐々木は続くフライング・ソーセージをヒザを立ててカットすると、丸め込んでいく。カウント2で返されたところでクロス・フェースロック。これは高尾にカットされたものの、佐々木はコーナー最上段からのダイビング・ヒットマンエルボー、さらにパンチで入江を攻め立てる。しかしロープに走ったところで入江が直角にロープに走り、交通事故タックルを浴びた。反動で大きく吹っ飛んだ佐々木は松井幸則レフェリーに激突。ロープまで飛ばされた松井レフェリーだったが、反動で戻ってきて入江に激突することに。これで入江と松井レフェリーがダブルノックダウンとなった。レフェリー不在の状態のまま、リング上は飯伏vs高尾の展開に。観客の「マツイ」コールに後押しされて起き上がったところで、ソバットからのミドルキックで高尾をダウンさせた飯伏は、その場跳びムーンサルト。高尾もランニング・フォアアームで飯伏をダウンさせ、入江のヘッドスライディング気味のランニング・ボディープレスに続いてコーナートップからマッドスプラッシュを決めた。しかしカウント2。ジントニックを狙った高尾だったが、ここは佐々木がカット。その佐々木とエルボーの打ち合いを転じた高尾。しかし試合の権利があるのは飯伏。佐々木がケブラドーラ・コンヒーロを決めたところで、飯伏がミサイルキックを突き刺した。入江をリング下に落とした佐々木はトペ・スイシーダを放って分断。ここで飯伏がシットダウン式ラストライドを狙ったものの、高尾はウラカンラナで丸め込む。カウント2で返されると、飯伏が立ち上がろうとするところへトラースキックを顔面に叩き込んだ。そしてロープに張った高尾。しかし待っていたのは飯伏のラリアットだった。さらにシットダウン式ラストライドへ。これが完璧に決まって勝負あり。
メインイベントはHARASHIMA&ヤス・ウラノ&彰人vsKUDO&坂口征夫&マサ高梨の6人タッグマッチ。パートナーを制してHARASHIMAが先発を買って出るのを見て、KUDOが先発。打撃からグラウンドへ移るも、ともにペースを引き寄せることなく、HARASHIMAが彰人にタッチ。一足遅れてKUDOも坂口に交代。グラウンドに持ち込んでレッグロックを狙った彰人に対し、坂口はバックからフェースロック。その後、互いにアンクルホールドを狙う展開に。彰人からタッチを受けたヤスは、反則を織り交ぜて坂口を攻め込んでいく。怒った坂口は立ち上がるとヤスの睨みつける。そのまま後ずさり。敵コーナーに詰まったところでボディーにパンチを浴びた。坂口から代わった高梨はヤスの髪をつかんで大きくふっ飛ばし、グラウンドで下になってもリバース・ロメロスペシャルで吊り上げる。そのまま脚を絡め合わせた状態で倒立。逆さになりながらも、互いに相手の頬を張っていく。そして吊り天井を狙った高梨だったが、ヤスが重くて上げられず。逆にヤスから替わったHARASHIMAに吊り天井を決められる。その後、戦場を場外に移して乱闘に。リングに戻ると、HARASHIMAは高梨のボディーにフットスタンプを連続して落とし、ヤスはマンハッタンドロップからトップロープに高梨の体を吊り下げてドロップキックを突き刺していく。高梨はヤスにブレーンバスターを決めてピンチを脱出。坂口はキックでヤスを追い込んでいくも、串刺しでのヒザ蹴りをかわされてHARASHIMAのミサイルキックを浴びる。坂口が仕掛けてきたスリーパーを一本背負いの要領で前方に投げ飛ばして振りほどいたHARASHIMA。ミドルキックの打ち合いから、ハイキックを放った坂口。それを水面蹴りで返すHARASHIMA。彰人はKUDOの蹴りをかわしてダブルアーム・スープーレックスを放つ。しかしKUDOもエプロンからトップロープ越しのダブルニードロップ、コーナー最上段からダイブしてのダブルニースタンプを返していくも、彰人はバックドロップを決め、彰人の串刺しバックエルボー、ヤスのフランケンシュタイナー、HARASHIMAのスワンダイブ式ボディープレス、ヤスのジャックナイフ式エビ固めとつないでいった。KUDOがヤスの側頭部に蹴りを決めたのを合図に、激しく攻守が入れ替わる展開に。HARASHIMAがフロント・ハイキック、KUDOがミドルキックを打ち合う攻防から、KUDOがジャンピング・ハイキック。HARASHIMAが腰を落としたところに坂口が走りこんでPKを放つと、KUDOがそのタイミングにあわせて後頭部に廻し蹴りのサンドイッチ攻撃で戦線から離脱させる。そしてヤスに攻撃の照準を絞ると、ヤスが連続で仕掛けてきた逆さ押さえ込みをいずれもカウント2で返したKUDOがフロント・ハイキック、バックスピンキック、コーナー最上段からのダイビング・ダブルニードロップをボディーに突き刺して3カウントを奪った。
勝利した酒呑童子はリングに瓶ビールを持ち込むと、それぞれが手に。そしてKUDOがマイクを掴む。「僕ら酒呑童子は、ここ大阪の地で結成しました。そして、もうすぐ1年です。1年の今まで頑張ってきた証として、2月15日、6人タッグのベルトを再び腰に巻きます。そして明日ももちろん勝って、さいたまでももちろん勝って、次、大阪に来る時は6人タッグのベルトを巻いて来たいと思ってます」ここで高梨がマイクを奪う。「勝った時はいいこと言うねぇ~。でもな、こんな真面目なムードじゃ、酒盛りはできねぇよな。(観客に向かって)お前ら、騒ぎやがれ! オメェらが盛り上がらねぇとな、俺たちの酒盛りのテンションが落ちてしまうからな。テンション上げたついでに、向こうで売ってる酒呑童子の新作DVDも買っていってくれよな! じゃあ、いつものやつで締めてください」そう言って、再びKUDOにマイクを渡した高梨。KUDOは「今日はご来場、誠にありがとうございます。大阪のみなさんと酒盛りだー!」と叫んで、2015年初の大阪大会を締め、3人並んでリング上でビールを飲み干した。