1月22日、東京・新宿のTEC事務所にてDDT1・26後楽園でのKO-D無差別級選手権試合◎<王者>HARASHIMAvs入江茂弘<挑戦者>、2・2名古屋でのDDT EXTREME級選手権試合◎<王者>HARASHIMAvs石井慧介<挑戦者>に関する会見がおこなわれた。
まずは昨年8・18両国でのメインイベントから立場を変えての再戦となる、HARASHIMAvs入江から。両者が出席し、コメントを述べた。
入江 自分は両国でHARASHIMAさんに負けてしまってベルトを落としてしまったんですけど、そのときすごい悔しくて、いまでもずっとその悔しさを忘れたことがなくて、この気持ちを絶対に晴らしたいと思ってるんで、絶対に必ず勝たないとダメだと思ってます。
HARASHIMA 8月以来のシングルマッチかな。その試合で負けて悔しかったと。そういう気持ちを持っててくれてうれしいよね。悔しいからこそ人間強くなるんだから。でもね、ボクはこの期間でもっともっといろんな試合をしてタイトルマッチをして、もっと強くなってるんで、ボクこそ楽しみにしています。
――シングルでの戦績は?
HARASHIMA 何度か対戦してて細かいことはわからないですけど、引き分けが1回あるくらいで、あとはボクが全部勝ってます。
入江 何度か対戦してて引き分けたことはありますが、勝ったことはないですね。
――次の試合が8月の両国へとつながっていく?
HARASHIMA そう思ってもらって構わないです。前回の両国で勝った後に言いましたけど、次の両国もチャンピオンとしてメインで試合をすると言ったので、いい今年のスタートだと思います。
入江 ボクはその次の両国とかよりも去年、HARASHIMAさんに負けてベルトを失った気持ちを晴らしたいんで、まだそこまでは考えられないですね。
――(入江に)これまでの人生でほかに悔しい体験はありますか?
入江 答えたくない……。
――(入江に)前回のままだと勝利は難しいと思われるが、ここが変わったと自負するところはありますか?
入江 あのときから比べると単純に体重が増えたってのもあるんですけど、経験で言うと全日本プロレスさんに出させてもらったりとかあるんで。とにかく、今の自分のすべてをぶつけないといけないんで、全部ぶつけるつもりでいきます。
続いて、1・12大阪での4WAYマッチを制しDDT EXTREME級王座次期挑戦権を獲得した石井慧介が出席。
鶴見亜門GM HARASHIMA選手は今まで全部挑戦者にルールを一任してきました。今回も石井選手に一任してきました。それでいいですね?
HARASHIMA ……と思ったんですけど、昨日の夜にいいルールを思いついたんですよ。やってみたいなと思って。やっぱり今いろんな危機的状況が迫ってる世の中じゃないですか。実際、アントンとやったときに目隠し乳隠しして、ふだんできることに制限されることってこれからもあると思うんで、それに備えて手を使えない状態で脚だけで闘うというのを思いついて、それをやりたくなっちゃいました。手を縛って脚だけで闘うんです。強盗にあったりとか手をケガしても闘わないといけない状態とか、そういうのを考えたら可能性が広がるんじゃないかなと思って。
石井 自分もちゃんとしたルールを考えてきました。ズバリ、断崖式デスマッチ。断崖技でエプロンから場外に投げたほうが勝ちのルールです。自分は小さいころから断崖式を見て育ってきたんで。
「特に印象深いのは?」と聞かれて「ちょっと絞れないですね」と言う石井。考えた末にベスト3を発表することに。
石井 3位。断崖式が広がるきっかけとなった試合。95年3月21日、後楽園ホールで田上明さんが小橋建太さんに放った断崖のど輪地獄落としです。そこから広がっていった歴史的瞬間ですね。タイムは25分22秒、ダイナミックボムで勝者は田上。2位。2004年7月10日、NOAH東京ドーム。小橋さんが秋山準さんに放った断崖式ブレーンバスター。35分34秒、バーニングハンマーで勝者は秋山さん。そして1位は、2003年3月1日、NOAH日本武道館、三沢光晴さんが小橋さんに花道から放った断崖式タイガー・スープレックスです。年間ベストバウトを取った試合です。
亜門 石井選手は断崖式に相当思い入れがあるようですが、HARASHIMA選手はどうですか?
HARASHIMA でもやっぱり脚だけで闘うとか、そこからいろんなことできそうじゃないですか。こんなんできたんだみたいな。
石井 断崖式って決めてきたんで……。
HARASHIMA この世の中、強盗が来て手を縛られたときに闘うのも……。
石井 断崖式もスリルがあると思う。
亜門 どっちかが引いてもらえないですかね?
HARASHIMA せっかく思いついて、ワクワクして眠れない…眠りましたけど、眠るのが遅くなるくらいワクワクしたんですよ。じゃあ、どんな感じかやってみます?
HARASHIMAがガムテープで両手を縛られテーブルの上に。そこへ石井が襲いかかり断崖式を仕掛けようとする。埒があかない状況に亜門GMは3本勝負を提示。1本目は足だけデスマッチ、2本目は断崖式を決めたほうが勝利となる断崖式デスマッチ(ピンフォール、ギブアップなし)、そして3本目に突入した場合は亜門GM考案による完全決着にふさわしいルールが採用されることに。
亜門 3本目になったら完全決着のルールを考えておきます。当日までに発表します。
――1本目は脚だけで手を使ってはいけない?
HARASHIMA 基本使わない方向ですがやってみないとわからないし、楽しみにしてください。それで3カウント、ギブアップを奪う。キックだって使えるし脚の関節技もあるし、みんなワクワクするでしょ? みんながワクワクしてくれたらいいなと思って(考えた)。
――シングルの対戦成績は?
HARASHIMA 細かくはわからないですが、何度かシングルをやっていて1回引き分けたくらいでボクは1回も負けたことがないです。
石井 1回目は2009年11月22日、札幌テイセンホール。12分23秒、蒼魔刀で勝者HARASHIMA。2度目は2010年5月30日の新木場1st RING。KO-D次期挑戦者決定トーナメント準決勝、大流血に見舞われながらも9分43秒、蒼魔刀で勝者HARASHIMA。3度目は2010年12月12日、博多スターレーン。石井が試合前から大量の鼻血に見舞われ、蒼魔刀でHARASHIMA。そして4度目は2013年1月3日、DDT後楽園ホール大会、10分時間切れ引き分け。3勝0敗1分でHARASHIMAがリードしています。なんで鼻血を出したか? なんのあれもなく試合前に噴出してきて、ちょっと恥ずかしかったので、すごいすすりながら入場した記憶があります。
亜門(HARASHIMAに)よかったんじゃないですか。記憶力勝負ってなってたら勝ち目はないですからね。
HARASHIMA いや、ボクも結構得意なんです。記憶力でも勝てますね。いや勝てますよ。あれ言えますよ、円周率とか(と円周率を言い始める)。
亜門 ……適当に言ってないですか?
HARASHIMA いや言ってないです。(さらに円周率を言い続けて)日本国憲法前文とかも言えますよ(と憲法の条文を言い始める)。
石井 じゃあとっておきの出しましょうか? 三冠戦のフィニッシュ。丸め込み、パワーボム、パワーボム……。
石井が延々と三冠ヘビー級選手権試合のフィニッシュを言い続ける中で会見は終了。石井は初代のジャンボ鶴田から第47代の曙まで、すべての決まり手を言ってみせた。なお、1・26後楽園は公式ファンクラブ『DRAMATIC FAN CLUB』が始動して最初の後楽園大会となり、大会終了後には5階展示場で会員限定の3ショット撮影会がおこなわれる。参加選手は飯伏幸太&男色ディーノ。