昨年、武道館大会も終わって、DDTで次に何を仕掛けるかとなった時、もともと今年の両国国技館大会は1日だけを予定していたんだけど、それだとトーンダウンしているように見られてしまうと思って、単純な発想で2日間やろうと思った。そこで常々考えていた世間に対してアピールする大会、「戦国武将祭り」みたいな大会を初日に、通常の両国ピーターパンを2日目にやることになったんだ。
両国大会を3回やって武道館でも興行を成功させたわけで、次に世間に打って出るには芸能・音楽関係とコラボした興行をやるしかないと思った。これまだとコラボしようと芸能・音楽関係の事務所に「プロレス団体です」って挨拶しに行っても、俺たちに“引き”がなかったんだけど、武道館大会を開催できたことで芸能・音楽業界に対しての実績ができたんだ。交渉する際の反応がやっぱり違うよね。「武道館大会やられたんですか! すごいですね!」ってなるんだよ。
これまでの積み重ねで今回のような形の興行が開催できるわけで、タイミングとしても今年がベストだったんだろうね。まあ、両国初日に関しては俺様の頭の中のアイディアしかなかったから、ぶっちゃけた話、社内スタッフはどうもピンと来てなかったらしく「似たような内容で2日間やる訳にはいきませんし、初日はそういう事をやったほうがいいですね」という感じだったね(笑)。
それにしても一日だけにしておけばよかったと後悔するぐらい、この1年間は大変だった。昨年の9月から動いていたんだけど、何が大変だったかというと芸能関係の交渉。こちらが持っている人脈をフルに生かして、皆さんが思っている以上にアタックをかけたんだけど、いざアーティストやタレントさんに参加交渉しに行っても、即決というかノリで「やりましょう!」と言ってくれるところが少なかった。大半はスケジュール段階でNG。土日だし、時期的に夏のフェスと被るんだよね。中には「面白い企画ですね。ただスケジュールをちゃんと出せる状態じゃなくて…」と言われて後回しにされてしまうケースもあった。
プロレス業界は興行がバッティングしたりすると先に来たオファーを優先したりするんだけど、芸能界はどうもそうではないみたいだね。オファーすると保留にされて別の仕事が俺たちの案件よりも良ければ、そちらが優先されてしまうらしい。待たされた挙句、断られてしまったケースは何度もあった。だから出演が決まっていても大会直前まで発表できないんじゃないかという怖さはつねにあったよ。
今回の出演者の大槻ケンヂさんはプロレス好きだし、アイドルのマネジャーさんもプロレス好きだったりして、一緒にやっていただく半分以上の方々はプロレスへの理解があるんだけど、我々の想像以上に世間的にプロレスとコラボすることは厳しいと痛感した。これはDDTの力不足なのか、プロレスのイメージから来るものなのかはわからないけど「そういうものなのか」と感じたなあ。(この項つづく)



