19日、東京・新木場1stRINGにて『NON-FIX9.19』が行われた。オープニングの鶴見亜門GMによる前説では、「今日は現行のユニットによる最後の試合です。9月30日では新ユニットで大会を行ってもらいますが、制限を設けさせてもらいます。総選挙で、そのユニットから一人も18位に残らなかった場合は、求められてないものとして、即刻解散にします」とアナウンスした。
第1試合は高尾蒼馬vs超雲子龍のシングルマッチ。高尾がドロップキックを趙雲に決めると、趙雲は高尾をエプロンに出して水面蹴り。リング下に出た高尾に、趙雲は木曽大介レフェリーを踏み台にしての場外アトミックボムズアウェイを決めてみせる。それでも高尾は趙雲に水を噴きつけてリングに戻すと、フェースロックへ。指に噛みつく趙雲の頭を引っ叩いた。趙雲は串刺しドロップキックからスワンダイブ式ミサイルキックで反撃に出ると、高尾の背中に張り手。高尾はトラースキックからボマイェ狙い。これはかわされたが、オクラホマロールで丸め込み、クリアされるとすぐさまボマイェを発射して勝利した。
第2試合は「変態團の変態収め」。中澤マイケル&佐藤光留vsチェリー&DJニラのタッグマッチ。早々に「佐藤光留、中澤マイケル、けっこういい歳です。これを機に解散して、マイケル以外の新しいパートナーと組んで頂点を目指します!」と宣言する光留に、マイケルは「なんで僕を捨てるんですか!? 福田が育ってきて僕のポジションがないんです。ベストストレッチにも僕の居場所がない。中澤家にいたっては嫁はドラクエ三昧。光留、最後の僕の居場所を取るのか?」と現状を訴える。これに光留は「ド変態團が何事もなく再結成するわけにはいきません。ド変態團がチェリー&ニラを倒して解散、即再結成。ネオ変態團として頂点を目指します。万が一、そんなことはないと思いますけど、万が一負けるようなこがあったら、その時はね」と敗戦=ユニット解散を匂わした。その光留、ニラとの足の取り合いになると、ニラのアキレス腱固めになんとタップ。これはマイケルが木曽レフェリーにサミングをしてなかったことにして、直後のニラの丸め込みも光留は3カウント寸前になったが、これもマイケルがカット。マイケルはいつものように熱くなって火照ってしまって、アンダータイツのみをスルリと脱いでみせたが、「38年も生きてて見飽きてんだよ!」(チェリー)と言われてしまう。アルティメット・ベノムアームはニラのカットが間に合う。光留がニラを羽交い絞めにして、マイケルがアンダータイツを手にはめたまま「アルティメット催眠術!」と腕を回す。「お前は動けなくなる」とニラにかけようとしたが、かかったのは光留のほう。アルティメット・ベノムアームはニラに避けられ、光留に誤爆。ニラがアンダータイツを奪うと、アルティメットベノムロケットパンチを発射。ニラがチェリーの顔面にアンダータイツを押し当てながら、マイケルの体の上に覆い被せて3カウント。「解散だ!」(光留)でド変態團は終了。
第3試合はnWJ解散試合。HARASHIMA&MIKAMI&伊橋剛太組と対峙した高木三四郎、坂口征夫。2対3のハンディキャップ状態に高木は亜門GMに反抗するが、亜門GMに「高尾くんが辞めちゃったんだから、しょうがないでしょ。辞められたほうが悪い」と言われてガックリ。2対3では戦況に分が悪く、伊橋に逆十字を仕掛けた坂口がHARASHIMAに腕を取られてしまい動けず。MIKAMIが高木を足4の字で捕獲してギブアップを迫る。nWJ絶体絶命のピンチに登場したのは、矢郷良明。4・14高岡でnWJ入りしていたことをすっかり忘れ去られていた矢郷だったが、高木が「初期メンバーじゃないですか!」と思い出して、加勢。6人タッグマッチで試合続行となった。最後は坂口のハイキックから矢郷が殺人コブラツイストでギブアップ勝利。高木「鶴見亜門、見ただろ! nWJは絶対に解散……解散します。坂口さん、解散します。坂口さんはワケがわからないかもしれない。でも、古くからDDTに参戦している人たちは、なんとなくわかるんですけど、これが宿命なんですよ! 坂口さん、とりあえず解散なんですけど、アナタにはまだまだDDTに出続けてほしい。もっともっとプロレスをやってほしい。俺じゃなくても、nWJじゃなくてもいいはずです」坂口「ボス、解散やめましょうよ!」高木「アナタはもっともっと大きい舞台に上がる人なんだよ!」坂口「じゃあ俺一人でnWJをやりますよ!」高木「OK(と引き揚げる)」矢郷「坂口くん、素晴らしい逸材だ。みんなもそう思わないか!? 坂口くんをもっと見たいと思わないか!? しかし、プロレス界はとんでもないところで、騙されたり、急に呼ばれなくなったり、試合が終わってからギャラを提示されたりと、プロレス界は魑魅魍魎の集まりなんだ! それを坂口くんに教えてあげよう。私が君の後見人となって、nWJから発展したリアル・アウトサイダーズを結成しよう!」高木が再び戻ってきて「すばらしい! 坂口さん、この男に乗っかっておくべきです。まず間違いはない。矢郷さん、頼みましたよ!」と言って退場。矢郷「リアル・アウトサイダーズは次の後楽園からスタートする。GM、まずは試合を組みたまえ」亜門GM「坂口さんは大丈夫なんですか?」坂口「大丈夫です」亜門GM「じゃあ9月30日に試合を組ませてもらいます!」
バックステージでのコメントは以下。矢郷「坂口選手はすばらしい逸材だと思うんですけど、悪いことにDDTからスタートしてしまった。僕が散々ヒドい目にあったDDTの現状を把握しています。坂口選手にプロレスラーとして飛躍してもらうために、私の知り得るノウハウ、レスリングゴッドとしての矢郷良明のすばらしさを伝授し、魑魅魍魎あふれるプロレス界で活躍してもらえるようにバックアップしていくつもりで、後見人として名乗り上げた次第です。彼は本当に素晴らしい100年に一人の逸材です。彼をプロレス界のトップに押し上げます。それがリアル・アウトサイダーズ、矢郷良明、レスリングゴッドの使命です」坂口「自分を引っ張ってくれたのはボスなので、離れるのはさびしいですけど、ボスが『乗っかったほうがいい』と言われるぐらい、すごい方なので、矢郷さんからいろんなものを吸収してがんばっていきたい。でも、あくまでもnWJからの分家なので」矢郷「nWJの血を引いて、彼は大きく飛躍していこうとしている。nWJの魂を忘れないでください。ここからリアル・アウトサイザーズはまず後楽園を手始めに、新しい歴史を作ろうと思います」
第4試合は石井慧介&入江茂弘vsマサ高梨&遠藤哲哉のタッグマッチ。石井と入江に交互に攻められた遠藤がドロップキックで反撃。替わった高梨が入江にサミング。入江はブラックホールスラムでやり返し、石井が出てくると連係攻撃で襲い掛かる。高梨は入江にチンクラッシャー、石井に低空ドロップキックを決めると足4の字で攻勢。遠藤が出てくると石井にジャーマンSH。石井はバックブリーカーでやり返し、逆片エビ固めで続く。高梨が2人まとめて飛びつき横十字。さらに遠藤が2人まとめてジャックナイフで続き、石井に向かって走り込む。石井がドロップキックでこれを迎撃すると、入江が串刺しラリアット。入江の頭部に石井が遠藤をファイアーマンキャリーで投げ飛ばし、続いて入江がフライング・ソーセージで勝負を決めた。試合後はチームドリフの牛乳コントとヒゲダンスで中締め。
休憩明け、亜門GMがリングに上がり「ユニットを作りたいという選手が2人います。自主性を尊重し、認めたいと思います」とアナウンス。一人目は福田洋。ばってん多摩川とのアメリカンレスリングユニットで「混迷極めるプロレス界で大きな夢を見せる」とのこと。亜門GMは9・30後楽園でのタッグマッチや人数が多くなった場合はバトルロイヤルでのカードを約束した。続いて登場したのは伊橋。伊橋は自身がリーダーとなって、親友の飯伏幸太、その飯伏の親友のケニー・オメガとのユニット結成をアナウンス。ここでマイケルが現われ、「変態團がない今、俺が生きる道は飯伏とケニーのコバンザメだ! 俺がリーダーとなってユニットを作ります」と宣言。両者ともケニブシの了承を得ていなかったため、亜門GMは飯伏を呼び出す。当の本人は「どっちでもいいです」と素っ気なく言い放つが、どちらか決めなければいけない状況に「お互いに潰しあってもらいます」と、睨みあうマイケルと伊橋の拳をグーに握らせる。亜門GMは第2ダークマッチにてマイケルvs伊橋のボクシングマッチをアナウンス。「ボクシングだけに、この後の選手たちの健闘(拳闘)を祈る」とギャグを言い放つマイケルを飯伏がグーパンチで制裁。場内が暗転したため、よくわからなかったが、飯伏はどうやらマイケルをボコボコにしていた模様。
セミファイナルは「クライングウルフ対ファミリア最終血戦」。ヤス・ウラノ&アントーニオ本多vs佐々木大輔&星誕期のタッグマッチが行われた。ファミリアセコンドの高梨が「誰にも握手を求められなかった。お前は一人ぼっちで闘うことになるんだよ! この金髪(ヤス)だって、オマエのことをバカにしてんだ! 今日はせいぜい一人でさびしいクライングウルフの試合をすることだな」とアントンにヤスへの不信を抱かせるような言葉を浴びせる。これが影響したのか、 レッツゴー30'sは誤爆を連発。それでも2人抱き合って和解したかの思えたが、直後のアントンのナックルパンチは佐々木へ行かず、ヤスに一直線。佐々木のNOW OR NEVER、誕期のブエノスアイレス午前零時が決まって3カウントが入った。「策士ヤス・ウラノ、策士、策に溺れるって言葉を送ってやるよ!」と高笑いの高梨だったが、その高梨にアントンがナックルパンチ。佐々木、誕期も続けて高梨に暴行を加え、決別した。高梨は「セニョール、大ちゃん! オマエらまで俺に攻撃加えるってどういうことだよ!」と怒り心頭。アントンは「オマエは俺たちが踊らせていた、『ナナナ~ナナナ、マリオネット♪』( ← おそらくBOOWYの『マリオネット』のうろ覚え)ってことだ。このリング上にいる俺たち3人こそ、ロス・カリエンテ。オマエにはカリエンテが足りなかったから、『ナナナ~ナナナ、マリオネット♪』してもらったんだ」と言い放つ。高梨は新ユニット結成を宣言し、9・30後楽園でのロス・カリエンテとの対抗戦を要求するも、亜門GMからメンバーを聞かれると「今、決まった。俺のパートナーは火野、そして大鷲透だ! 火野と大鷲でテメエらに最上級の屈辱を味わわせてやる!」とアナウンス。「OKもらってないでしょ!」と突っ込む亜門GMだったが、高梨は「組め! もう俺は止まることはねえ!」と決定してしまった。
メインイベントはほもいろクローバーZ最終試合(飯伏幸太&男色ディーノ&彰人vsKUDO&大石真翔&福田洋)。解散を嫌がる大石は「今度の後楽園からほもいろクローバーZZ(ダブルゼータ)で」と宣言し、すぐさま彰人に襲い掛かって試合スタート。福田の彰人へのパーフェクトプレックスはこの日もカウント2で返されてしまうと、福田はショックのあまりにコスチュームのツーショルダーで首をくくろうとする。「早まるな!」と大石に声をかけられ、福田は彰人に向かっていくが、かわされるや首がトップロープに引っかかってしまってグッタリ。大石が替わって入って飯伏に横十字固めで向かっていくが、ラリアット、ジャーマンで攻めたてられる。大石はラストライドの体勢を着地し、サンボスープレックス。ディーノにはミラクルエクスタシーを放つ。ディーノはファイト一発!から男色ドライバーで反撃。飯伏がコーナー2段目からのムーンサルト・プレスで続き、ディーノが直後にリバース・エビ反りジャンプ。丸め込みで抵抗する大石をリップロックで動きを封じ、最後は男色デストロイで勝利した。
試合後、大石は「みなさんの応援がなかったら、ほもクロはなかったと思うので感謝しています。ありがとうございました」とファンにお礼を述べる。ディーノは「DDTのリングでは解散みたいになるけど、土曜日に青森もあるし、シレッと組んでやるの。その程度のもんよ。しっかり前を向いて、このリング上では次に向かおう」と励ます。大石は「僕たちほもクロのメンバーはぞれぞれ前を向いて歩んでいきます」と誓うと「私たち今会えるアイドル、月末後楽園、ほもいろクローバーZ!」とメンバーで決めポーズ。各自のTシャツをリング中央に置いていく。飯伏は誤ってチャンピオンベルトを置きそうになったが、これはメンバー総出で止める。円陣を組んで出欠を取り、ほもクロの歴史に終止符を打った。
ほもクロの面々がリングを後にする中、一人残ったKUDOがマイクを取ると「自分も組みたい選手がいます」と亜門GMに呼びかけると、HARASHIMA、ヤス・ウラノを呼び込んで握手。その上でKUDOは「3人でDDTを盛り上げていきます。コント集団、出てこい!」とチームドリフを呼び込んだ。KUDOは「石井、俺はこの2人とずっとずっと、最低でも35年はこのDDTの中心に居続ける!」と宣言。これに石井は「この前、オマエに勝ってんだ。KUDO、オマエには何回でも勝ってやる。HARASHIMA、ウラノ、オマエらも倒して、俺たちが中心にいく!」と言い放って退場。KUDO「前回、石井に負けているんで出遅れているんですけど、この2人はまだまだ余裕だと思います。あんな若い連中、眼中にないと思います。ねえ、HARASHIMAさん」HARASHIMA「一回負けたぐらいで、そんなこと言わなくていいよ。今だってリングの真ん中、僕らじゃん。10年以上、DDTでやっていて、今組むからこそ、今しか見せられないおもしろいものを見せられると思うから、みんな期待してくれよ。みんな期待してくれるはずさー!(観客『なんで~!?』)他のユニットには負けないはずさー!(観客『なんで~!?』)僕らユニットがDDTの中心に立ってやる!(観客『なんで~!?』)なんでかって!? それは鍛えているからだー!」
バックステージでのコメントは以下。KUDO「今回、僕から声をかけさせてもらったんですけど、前回の大阪で石井に負けた直後に、澤田さんの引退という僕の中で大きなニュースがあって。澤田さんとはDDTの練習環境が整っていない時から、プライベートでもお世話になったし、練習も見てもらったし。そういう偉大な先輩がいなくなって、僕らの世代ががんばらないといけないんじゃいかって。あとプライベートなことなんですけど、マンションを買って、35年ローンを組んだので、あと35年は闘い続けないといけない。HARASHIMAさんも、ウラノさんも一緒にタッグのベルトを巻いたことがある信頼できる2人と組んで、ずっと、最低35年はDDTの中心にいたいと思います」HARASHIMA「KUDOとウラノ君とはずっと付き合いがあって、10年以上、組んだり闘ったりして、気の合うというか互いにやることもわかるし、これ以上ないユニットになると思うので楽しみです。10年以上経って、ここで3人で組むと新しい刺激的な何かが生まれるはずなのでワクワクしています」ヤス「KUDOから言われて引っかかるものがあって、今日の試合の結果もあって、断る理由は何もないし、この2人と組めてこんなにワクワクすることはない。信用できるKUDOくんの35年を守っていかなきゃいけないなら、自分も35年かけてデカいものを買ってやろうと。それも含めて、DDTをもっともっとおもしろくしていくために、この2人とならできると思います」HARASHIMA「(ベテランでのユニット結成はチームドリフの存在が大きい?)若手が決起して刺激的ではあるよね。一回勝っただけで調子に乗っているところもあるので、ここはガッチリ叩き潰して」KUDO「若手が脅威というより、ウラノさんと別れてからベルトを取ったり、いろんな経験をして、DDTに入る前から友人だった3人で組んで何か新しいことができるんじゃないかという期待だけですね。何が起こるかわからないけど、何か起こるだろうと言う確信はあります」HARASHIMA「昔のDDTで僕ら3人、リング屋やっていたからね。そんな中でウラノくんはプエルトリコに行くってなって、僕らはマスクマンでシレッとデビューしたリアルな歴史がある。でもまだ3人でチームを組んだことなかった。DDTにとってもいい刺激になるんじゃないかな」KUDO「(チーム名は?)今日決まったことなんで。募集しています」HARASHIMA「35がキーワードになると思うけど(笑)」ヤス「この2人と組むということはドリフと闘うことになる。アイツら若手っていうけど、プロレスラーに若手も何もない。結局、チャンスがある時に伸びていかないと何も残らない。自分は長く続けていく自信があるけど、彼らは今掴まないと、ダラダラと続けてどうしようもないようなレスラーになってしまう。彼らに長く続けていける覚悟があるのか。KUDOもHARASHIMAくんも若いうちのベルトを巻いたわけじゃなく、苦労して苦労してベルトを掴んだ。彼らにその重みがわかっているのか。全力で来た方がいい。全力で叩き潰すから。オマエらは後がないぞ。余裕ぶってんなよ。叩き潰して、オマエら終わらせてやる」KUDO「じゃあ、あと35年一緒にがんばりましょう! 行くぞー! 35!」
石井「なんか35年? トップで居続けるって言ってたけど、俺たちは今いく。今トップを取って、中心にいく」高尾「今動けるアイツらを倒してこそ、トップを取る意味があるってことだ」入江「時は来た。それだけだ」