14日、福岡・さいとぴあにて「KING OF DDT FUKUOKA 2014」がおこなわれた。試合前はKING OF DDT 2014の選手入場式。トーナメントを争う全16選手が北側ステージに揃うと竹下が選手宣誓。「我々選手一同は、両国のメインを目指し、プロレスラー精神のっとり闘うことを誓います! 平成26年4月14日…(会場がザワつく)6月14日、選手代表、竹下幸之介」
第1試合はアントーニオ本多vsヤス・ウラノのトーナメント1回戦。グラウンドの攻防からヤスがヘッドロックを決めると続いてナックルの打ち合いに。劣勢のアントンが場外エスケープ。アントンは追ってきたヤスをエプロンに叩きつけてリングに戻し、ニーオンザベリーのキャメルクラッチで苦しめる。カウンターの回転エビ固めをクリアしたアントンはスリーパー。これを凌がれるとテーズプレスからナックルを見舞い、エルボードロップへ。これを回避したヤスはナックルの打ち合いを制すと、ハーフダウンのアントンへスライディングキック。カウント2で返すアントンもバイオニックエルボーからダイビング・フィストドロップを狙うも剣山で迎撃されてしまう。ヤスはフランケンシュタイナー。アントンはカウント2でクリア。ナックルの打ち合いからヤスがツームストーン・パイルドライバーの体勢に入る。これを察知したアントンがかわして瞬時に卍固めに切り返す。グイグイ絞るとヤスはギブアップするしかなかった。まずはアントンが1回戦を突破。
第2試合は入江茂弘vs高尾蒼馬のトーナメント1回戦。フィンガーロックの力比べで高尾を押し倒す入江。ブリッジする高尾は入江に体を落とされても耐えていく。高尾はカウンターのドロップキック。さらに四つん這いの入江にスライディングキックを発射し、セカンドロープとサードロープの間をすり抜けていった。入江は重いエルボーで反撃し、フェースロック。ロープ際で倒れる高尾を踏みつけると、ボディースラム、ボディープレス、WARスペシャルと波状攻撃。なんとかエスケープした高尾はランニングエルボーで打開。その場跳びスイングDDTはカウント2。シュバインの体勢を回避した入江はブレーンバスター狙い。高尾はこれを踏ん張って逆にブレーンバスターで投げていく。入江はコーナースプラッシュで流れを変えると、垂直落下式ブレーンバスター。高尾も向かってきた入江にカウンターのトラースキックからハーフダウンの入江の顔面にトラースキック。ジントニックは耐えられてしまうも、エルボーの打ち合いから不意打ちの腹部へのエルボーを決める。ならばと入江は頭突きで逆転。ブラックホールスラムで叩きつけ、フライングソーセージを投下。これはカウント2。高尾もカウンターの延髄斬りからトラースキックを決めたまではよかったが、ビーストボンバー狙いを二度読み切ってかわしたものの、三度目で食らってしまって万事休す。入江が勝ち上がり、トーナメント2回戦でアントンとの対決が決定した。
【大会後のコメント】
アントン 1回戦を勝ったわけですが、この試合において全力を出し切ってしまいました。この試合について言うと、勝ち負けにかかわらず、こんなにプロレスをやっていて楽しいというか、ひじょうに深いところでプロレスに触れることができる感覚に陥ったのは、相手がああいう方だからだと思う。私はあの方とはずっと練習をしていたけど、シングルマッチは初めてで。DDTのほかの選手とはまったく違う試合になってビックリしました。それは当たり前なんですけど、お客さんもたぶんよく見る私の試合と全然違うという感じになったと思う。勝ったことはうれしいんですけど、それを置いておいても、価値が大きい試合だったと思います。感無量です。明日もこの気持ちでいけば、イケると思います。
――相手は入江選手です。
アントン 今日とはまったく違う闘い方になると思いますけど大丈夫です。勝てます。
ヤス アントーニオ本多は自分がDDTで試合するようになってからずっと近くにいたんですが、シングルは初めてで。トーナメント1回戦という状況は関係なく、アントーニオ本多が一番近くて、一番遠い存在なんだなと思いました。この関係というのはどうなっていくのかわからないですけど、闘って紡いでいきたいです。
入江 (ニコニコしながらピースサインを振りまき)勝ちましたよ! 高尾クンに勝って、明日は本多さんと試合なんで、明日も必ず勝ってトーナメントを優勝して、去年の両国ではHARASHIMAさんに負けたので、今年も両国までHARASHIMAさんがベルトを持っていると思っているので、挑戦者と王者の立場は変わるけど、もう一回挑戦して僕が必ず両国でHARASHIMAさんからベルトを獲ります。
――試合後、高尾選手に言葉をかけていましたが?
入江 僕は必ず優勝するからと約束して。今はHARASHIMAさんからベルトを獲ることが目標なので、ベルト獲ってタイトルマッチをやろうと言いました。
高尾 今日、入江クンと久々にシングルをやったんですけど、結果としては自分が負けてしまったんですけど、完全には負けたと思ってないので、また次いつか絶対入江クンに勝ちたいと思います。トーナメントは勝てなかったですけど、入江クンが勝ったので、入江クンが優勝して無差別級の次期挑戦者になってほしいと思っています。ドリフ対決もあまりないことなので、石井クンや入江クンと試合して自分がその2人に勝つことも目標にして、自分もドンドン上にいきたいと思います。
第3試合はケニー・オメガvs松永智充のトーナメント1回戦。ケニーがドロップキックからスリーパー、フェースロックで優位に試合を進めていく。松永は向かってきたケニーにカウンターのヒザ蹴り。間髪入れずにパイルドライバーでケニーを真っ逆さまに叩きつけると逆転。動きの鈍くなったケニーに左腕攻めを展開していく。ケニーはダブルスレッジハンマー。松永はチョップを叩き込むとケニーはエルボーで応戦。松永は電車道からダブルアーム・スープレックスでケニーを投げる。続くバックドロップ・ホールドはカウント2。ケニーは松永をリバースショルダーすると、STOP!エンズイギリへ。しかし松永が「STOP!」で突きだした腕を取ってアームブリーカー。松永のタイガードライバーはケニーがフランケンシュタイナーで切り返し、ダイビング・ボディーアタックへ。松永はこれを食らうも、その反動で丸め込みに切り返して、あっと言う間に3カウント。松永は大逆転勝利に大喜び。
第4試合はMIKAMIvsKUDOのトーナメント1回戦。KUDOが入場して紙テープが投げ込まれる中、MIKAMIが奇襲。ゴングが鳴らされるとスク~ルボ~イ。さらにミッキーブーメランから450°スプラッシュで一気に畳み掛けたがカウント2。スライディング式スク~ルボ~イ、さらにはデュランダルからドラゴン・スープレックスで固めるもカウント2。コーナーに登ったMIKAMIは追ってきたKUDOをキャッチすると雪崩式デュランダルも決めてみせた。カウント2で返したKUDOがバズソーキック。これがクリーンヒットしてフラつくMIKAMIにダメ押しのバックスピンキック。KUDOが押さえ込んで勝利し、2回戦での松永戦が決定した。
【大会後のコメント】
松永 今まで何回も勝ちますってお客さんに言ってきて8年間、一つも有言実行できなくて。だから本当にうれしい。うれしいしかない。ただそれはケニーと2月闘って、自分の足りないものを考えたので、それに気づかせてくれたケニーに感謝しているし、本当に強い相手だったし。だからこのトーナメントに出て両国で優勝する前に、僕はこの熱いDDTのメンバーの中で、1回戦勝てたのは誇りに思いたいし、そして予選も合わせれば遠藤、そして今日はケニーに勝ったのだから、次も勝つしかないし。今まで自分勝手な自信を持っていたけど、それが今日結果が伴った自信がついたなと。みんなは今日の勝ちが奇跡だと言うかもしれないけど、別に奇跡って何回も起こせるものなので、何回でも奇跡を起こして、次も勝ちます。
――次の相手は前チャンピオンだが。
松永 正直な話、僕がケニーとやりたかったのは一番強い人だと思ったから。恐れるものは何もない。やるだけです。次も絶対に勝ちます。
ケニー ちょっと信じられない、松永は良い選手ですけど…。今年の両国のメインに本当に出たかった。でも、あきらめない。まだチャンスはあると思う。まだ違う方法があるから、絶対あきらめない。必ず両国のメインに出る。これから頑張って、メインに入れる方法を探す。
KUDO このトーナメント、本当にそうそうたるメンバーが出ているけど、MIKAMIからの一勝…この価値を一番わかっているのは間違いなく僕なんで。MIKAMIさんがこのトーナメントに懸けていたのは感じていたし、僕はそれに蹴りで応えたし。もう両国のメインに立つことしか考えてないので、このまま突っ走りたいと思います。
――2回戦の相手はケニー選手に勝利した松永選手です。
KUDO 僕の中でも想定外だったんですけど、松永はもちろん実力がある。プロレスラーとして大事なことというか強味というのは、プロレスが好きなことが一番なんじゃないかと思っていて。そういう意味では松永はDDTの誰よりもプロレスが好きな人間なんで。もちろん舐めてかかるつもりもないし、今日と同じように蹴り倒したいと思います。
MIKAMI 悔しいね。痛恨の一撃。優勝を狙っていたんでね。長くなったら蹴りが怖いので短期勝負を狙って序盤から押していったんだけど、最後はスピンキックか…。まあしょうがない。今はピンピンしているけど、その時はいいのをもらって…KOだな。俺に勝ったんだからKUDOに優勝してもらわないとね。
第5試合はHARASHIMA&彰人&相島勇人&アズールドラゴン&中澤マイケルvs高木三四郎&大石真翔&遠藤哲哉&伊橋剛太&ばってん×ぶらぶらの10人タッグマッチ。高木、大石、遠藤、伊橋がリングインすると続いてHARASHIMA軍が入場する。ばってんが不在なことにマイクを持った高木は「俺達のチームの博多の生んだあのスーパースターが、どうしてもピンで入場したいって言い出したんだ。今日は別入場です。ピンで入場です」と説明。すると博多ぶらぶらのテーマから『威風堂々』にスイッチする入場曲でばってんが入場するも、リング上では両軍がぶつかり合って試合開始のゴングが鳴らされる。場外戦の中、ばってんはリングサイドのお客さんにアピールしながら練り歩き、ようやくリングインするも、その背後を彰人とマイケルに攻撃されてしまった。高木のルチャ殺法に苦しんだマイケルはばってんと伊橋を両腕ラリアットでなぎ倒すと、アルティメット・ベノムアーム狙い。ばってんが凌ぐもマイケルは空いている腕でさらにアンダータイツを取り出し装着。ダブルで狙っていく。ばってんがその腕をクロスしてばってんポーズ。するとばってんポーズを解除した反動で両サイドからアシストせんとした高木と遠藤にアルティメット・ベノムアームがそれぞれ被弾。さらにばってん、救出せんとした大石もアルティメット・ベノムアームの餌食となってしまう。タッチを受けたHARASHIMAはコーナー最上段からカンフーキック。自軍コーナーまで飛ばされたばってんと伊橋がスイッチ。相島が伊橋にブレーンバスターで投げると、すかさずHARASHIMAがスワンダイブ式ボディープレス。彰人が大石をジャーマンで蹴散らし、アズールもプランチャでアシスト。孤立した伊橋にHARASHIMAが蒼魔刀を決めて勝利した。
試合後、HARASHIMAがマイクを取る。「いよいよKO-D、このベルトを狙うトーナメントが始まりまして、1回戦をさっそくやってます。誰が勝ち上がっても自分は絶対そいつに勝って両国のメインをカッコよく締めたいと思います。次の福岡大会も絶対にベルトを巻いてきたいと思います。両国大会、誰がトーナメントを勝ち上がっても絶対にこの僕は勝ってやるさー!(場内『なんで~!?』)次の福岡大会もベルトを巻いてきてやるさー!(場内『なんで~!?』)そしてその試合でももちろん勝ってやるさー!(場内『なんで~!?』)なんでかって!? それは鍛えているからだー!」
第6試合は飯伏幸太vs石井慧介のトーナメント1回戦。石井のエルボーに飯伏はミドルキックで応戦。場外エスケープした石井に飯伏は「来いよ!」と挑発する。石井はエプロン越しのエルボーからロープを挟んでのショルダーネックブリーカー。さらにエプロンを走り込んでのフロント・ハイキックと攻め込み、リングに戻った飯伏にヘッドシザースを決める。ロープに逃げた飯伏はエルボー合戦からミドルキックでダウンさせるとその場跳びムーンサルト式ニードロップ。続く槍投げは石井が回避して高角度DDT。サマーソルトドロップ、フィッシャーマンバスターと猛攻。飯伏はコーナーへと向かう石井をキャッチして槍投げを決めると、さらにジャーマンへ。腕を取るもこれを凌がれると後頭部へのラリアットからタイガー・スープレックス・ホールドへ。カウント2で返されるや顔面フロント・ハイキック。飯伏もエルボーで応戦してエルボー合戦へ。石井がここからカンガルーキック。飯伏もすぐさまオーバーヘッドキックを見舞うも、石井も延髄斬り。飯伏もショートレンジ・ラリアットを振るうと続いてラリアットを決めてシットダウン・ラストライドの体勢。石井が踏ん張って高角度ダブルアームDDTに切り返したがダブルダウン。先に起き上がってコーナーに登った石井。蘇生した飯伏も追いかけるが、これをかわした石井が雪崩式タイガー・スープレックスへ。飯伏は着地すると続くニールキックをかわしてハイキックをズバリ。シットダウン・ラストライドにつないで勝利した。
第7試合はマサ高梨vs男色ディーノのトーナメント1回戦。後入場のディーノが男性客を漁っていると、高梨が襲撃して場外戦でゴング。カウントが進む中、ディーノが場外ブレーンバスターからリングに戻ろうとするが、高梨が脚を引っ張ってリング下へと落として、先にキャンバスへ。カウント19でディーノは生還する。高梨の丸め込みをホモイェで止めたディーノは男色クロー、さらに生男色クローと畳み掛け、ナイトメアへ。コーナーに登るディーノだったが、高梨にロープを揺らされてしまうと、揺れの反動でロープ中央までつたってからトップロープに股間を痛打。ジョン・ウーからコーナーに登った高梨にディーノは男色ヴィーナスからカリクビクラズム。コーナーからローリング・ネックブリーカーを決める高梨にディーノは垂直落下式ブレーンバスターからダブルリストロックへ。これはロープに逃げられる。リップロックを食らうも続く男色ドライバーを回避してソバットを決めた高梨はタカタニック狙い。ディーノはこれを察知して途中で動きを止めて、高梨の頭部をキャンバスに突き刺した。そこから押さえ込むもカウント2。高梨もソバットから自身のタイツを広げて掟破りの男色ドライバー狙い。タイツに頭部を差し込まれたディーノだが、ジャックナイフ式エビ固めに切り返した。カウント2でクリアした高梨がすぐさまタカタニック。ガッチリ押さえ込んで勝利した。勝ち上がった高梨は2回戦で飯伏と対戦することに。
【大会後のコメント】
――石井選手に勝利して2回戦進出を決めました。
飯伏 (石井は)前より全然強くなっていて、当たる回数はそこまで多くないから、当たるたびに成長している。すごいですね。全日本プロレスにも出ているし、かなり危なかったですね。高梨さんとはほとんどシングルをやってないので、いやあわかんないですね、どうなるのか。シングルマッチをほとんどやってないし、自分でも読めないです。でもなんとかそこを勝って優勝したいと思います。
――どういう攻撃に警戒する?
飯伏 いやあ、本当にわかんないんですよ。全部怖いですね。とりあえず結果だけは残したいです。
石井 トーナメント初めて出た2010年に準決勝までいけて、2011年は1回戦負け、2012年は2回戦負け、去年は出ていないくて、今年も1回戦で負けてしまって、すごく悔しい気持ちでいっぱいです。あとアジアタッグ王者として負けてしまったのが悔しいです。飯伏さんとは今まで3回シングルをやっていて、一度目が2009年7月19日、8分49秒、ハーフネルソン・スープレックス・ホールドで負けて、二度目が2013年4月13日に11分23秒、シットダウン・ラストライドで負けて、そして今日も7分53秒、シットダウン・ラストライドで負けてしまって、すごく悔しいんですけど、僕は何度でも飯伏さんと闘っていきたいですし、今回両国のメインを立てないかもしれないけど、またドンドン上を目指して頑張っていきます。
高梨 奇襲とかあったけど前KO-DチャンピオンのKUDOがMIKAMIに負けるわけねえんだよ! 残念だったな、MIKAMI! このブロックはKUDOが勝ち上がるからな! 2回戦に来た松永、オマエはケニーに勝ってすごいかもしれねえけどマグレは二度も続かねえ! 兄貴が現実ってやつを見せてやるよ! そして俺ら酒呑童子は今日の坂口の敗北を忘れねえ! イサミ、テメエもトーナメント勝ち上がってきて、借りをキッチリ、KUDOが返してやるからな! 楽しみにしとけよ! 俺からは以上だ!!
ディーノ …完敗ですかね。ちょっとわかんない。何がどうなったのか、本当にわかんない。私勝つために高梨の横に座ったから、本当にわかんない。自分が負けた気がしてないというか…明日のことも考えていたんだけど、ちょっとわかんない。ごめんなさい。
セミファイナルは坂口征夫vs木高イサミのトーナメント1回戦。イサミのエルボーと坂口のミドルキックの応酬。イサミが坂口の蹴り脚をキャッチして回すと伊良部パンチと思わせて腹パン。坂口も腹パンでやり返しミドルキックからカバーするもカウント2。坂口の腕十字狙いをかわしたイサミが足関節を取りにいき、リバース・インディアンデスロックから鎌固めへ。坂口は体を入れ替え腕十字を決めたがロープに逃げられた。イサミは串刺しエルボーを決めると、場外からコーナー下にもたれかかる坂口へスライディングキック。コーナーに登るイサミに坂口は最上段にうつ伏せにセットしてランニング・ニーで突き上げる。坂口のPKをかわしたイサミがロケットパンチ。ここから打撃の応酬。場外エスケープした坂口にイサミがトペ・スイシーダを狙う。坂口がハイキックでこれを止めて、リング下に落ちたイサミへエプロンからのPK。リングに戻してPKを決めるがカウント2。スリーパーを狙う坂口をイサミがバックドロップで叩きつけ勇脚。続いて勇脚・斬を狙うイサミに坂口がかわしてコブラクラッチ。これを何とか逃げたイサミは坂口の腹部に飛び込むように頭突きを放つと、ここからパンチのラリー。坂口が首相撲でヒザを突き上げ、ブレーンバスターを狙う。イサミが逆に投げ返すと、坂口もすぐさまハイキック。ダウンしかかるイサミがへたり込む坂口に頭突きを見舞う。イサミが再び頭突きを食らわせると、ハーフダウンになった坂口に勇脚・斬。これでフォールを奪った。試合後、イサミはバックステージに下がることなく、北側ステージでメインイベントを観戦することに。
メインイベントは竹下幸之介vs佐々木大輔のトーナメント1回戦。じっくりとした攻防から竹下のドロップキックで試合が動く。向かってきた竹下に対して、トップロープを下げて場外戦へと誘い込んだ佐々木。場外戦では竹下が佐々木をイスに座らせてランニング・ビッグブーツ。リングに戻された佐々木は竹下をロープに固定すると左脚にスライディングキック。場外へ転落した竹下を掴まえて鉄柱に左脚をぶつけてダメージを蓄積させる。リングに戻して左脚にダイビング・ヒットマンエルボーを決めた佐々木。続く足4の字はロープに逃げられた。竹下は強引にブルーサンダーで叩きつけてペースを取り戻し、ハーフハッチ、ジャベリンキックと猛攻。佐々木も蹴り脚をキャッチしてドラゴンスクリューで回していく。コーナーに登った佐々木を追いかける竹下。佐々木が飛んで反対側のコーナーへ。竹下がきびすを返して串刺しビッグブーツ。佐々木も串刺しドロップキックでやり返す。佐々木はエルボーの打ち合いからドロップキック。さらに竹下をトップロープに引っ掛けて顔面への低空ドロップキックをヒットさせると、朦朧とする竹下にエビ固め。クリアされるやクロス・フェースロックで捕獲する。なんとかエスケープした竹下は後頭部へのドロップキックからジャーマンへ。さらにもう一発も決めきれないと再びクロス・フェースロックの餌食に。これを決めきれない佐々木は体勢を入れ替えて十字架固め。これはカウント2。佐々木のウラカンラナ狙いを途中で止めた竹下。背後に着地した佐々木にローリング・ラリアット。カウント2でクリアされるとすぐさまタッチダウンを放ち、勝利。最後の2回戦組み合わせはイサミvs竹下となった。
試合後、竹下がマイク。「佐々木さん、ありがとうございました! 今年のKING OF DDTトーナメント、僕が優勝します。僕が今、一番強いということを証明してみせます。イサミさん、明日楽しみですね」イサミ「楽しみだね」竹下「絶対、僕が両国のメインに立ちますので楽しみにしてください! ありがとうございました!」
この結果、トーナメント2回戦の組み合わせが決定。アントンvs入江、松永vsKUDO、飯伏vs高梨、イサミvs竹下が6・15大阪でおこなわれる。
【大会後のコメント】
イサミ 坂口さんの打撃が痛いですね。戦前、お互い明日のこと考えないでやるんじゃないかと思ったけど、本当に明日のことを考えるの忘れてましたね。正直に言えば、楽しかったです。坂口征夫と1回戦当たれたことが、僕の自信になりました。今日は本当に楽しんだんで、その続きをまた明日、大阪でするだけです。竹下なんで一切、僕に対して遠慮することないだろうし、そういう人間でもないからドンドン向かってくるだろうし、それをドンドン潰して。リングで竹下が「僕がトーナメント優勝します」と言っていたけど、彼はDDTの未来かもしれないけど、僕はユニオンの人間だし負けるわけにはいかない。ケンカを売りに来ている以上、2回戦で帰るわけにはいかないですよ。でも、楽しみます。
――竹下選手のイメージは?
イサミ やっぱリスペクトしているからなんですかね、ジェネリコと雰囲気が似ているなと思いますね。僕は何回もジェネリコと試合してきたので雰囲気が似ているなと思いましたね。
――今日の激しい打ち合いを見ると明日にダメージが残らないか心配だが。
イサミ それは向こう(坂口)も一緒なんで。それがわかっていてトーナメント出ているわけですから。覚悟の上です。まだ痛いんで水炊きでも食べて立て直してきます。
※坂口はノーコメント。
竹下 今年もこの季節がやってきたなと。もうあれから1年、早いですね。去年は地元大阪でベスト4。今年は2回戦が大阪であって、相手はイサミさんで。イサミさんとはずっと闘いたい憧れの選手の一人でした。それを地元の大阪でシングルができるというのが楽しみでしょうがないです。今日、佐々木さんから初めてのシングルマッチで勝てたし、去年より自分の中では手ごたえがある。去年よりも何倍もスケールの大きい試合をして僕が後楽園まで突っ走って、僕が両国まで引っ張っていきたいと思います。
――イサミ選手の印象は?
竹下 イサミさんも僕と一緒でプロレスが楽しくてしょうがない人だと思うんですよ。本当に毎日プロレスがしたくてしょうがない。そういう人と闘うというのは、もちろん経験にも自分のステップアップにもつながると思うけど、それ以上にお客さんも楽しめると思うし、何より自分が一番楽しめると思う。今トレーニングも頑張って、体力もさらにつけている状態なので、その成果をこのトーナメントで出されたらなと思うので、それをイサミさんに120%ぶつけて勝ちたいと思います。
佐々木 竹下とは初めてだったんだけど、試合中も3回ぐらい勝ったと思ったシーンがあったが、それを返されていたという。さらに7倍返しぐらいにされてしまった。ちょうど10個下なんで。僕は正直、アイツがすごい人間だとは思っていないけど、今日だけはすごいなと思いました。そんな感じです。
――試合後、伊橋に担がれて引き揚げたが。
佐々木 あれは誰が誰かわからないもの。人間のぬくもりだけを求めたら、それが伊橋だったという事実。試合中もアイツがいたの知らないぐらい集中していた。まあ佐々木大輔の夏は終わったという感じです。