社長レスラー兼オーナーという座長システムを維持しているDDTで両国国技館や日本武道館をやってみてわかったんだけど、あれだけの興行規模をやるにはスタッフの数だって足りないし、興行のプロフェッショナルがいないとできない。現に外部の運営会社の力をお借りしたわけで、座長システムを有する経営母体ができる興行規模を超えているんだよ。
でも、かつてはいろんな団体でこの座長システムを維持して、1年にすごい数のビッグマッチを打って何回も成功させてきた。なぜ、それができたのか。これは俺様の推測だけど、プロレスを中継するテレビ局サイドが興行のすべてを仕切っていたんじゃないだろうか。地方興行だって昔は必ずテレビ中継があったわけだし、地方のネットワーク系列局に興行を仕切らせれば座長システムでも全国展開は成立できるはずなんだ。
DDTではいまだに座長システムを維持しているけど、そもそも俺様だって社長レスラーではなかった。俺様とNOSAWA(論外)とMIKAMIで立ち上げたDDTは旗揚げ1年で資金がショートして、俺様の知り合いだった事業家の三和亮さんに運営をお願いすることになった。
でも今までプロレスにかかわったことのない人間が入ってくると、選手やスタッフが拒絶反応に近い壁を作ってしまうんだ。プロレス村という閉鎖的な部分はこの座長システムが築いてしまった弊害でもあるんだろうけどね。まず三和さんの言うことを聞かない。三和さんからギャラをもらっているのに呼び捨てにしたり、ぞんざいな扱いにしたりしてね。それに三和さんも三和さんでDDTに求められていないものを方針と打ち出してしまったんだ。俺様は下から「やってられない」と突き上げを食らうし、三和さんからは「オマエがちゃんと選手を管理しなくちゃダメだろう」と言われてしまって、ノイローゼになりそうな時もあった。
こういう苦労をしてきたからこそ、オーナーがいて、CEOと呼ばれるような経営的統括者がいて、選手がいるような組織はあり得ないというのが俺様の考え。プロレスはトップにどれだけの負担が圧し掛かろうとも、この座長システムでないと成り立たない。もちろん、座長システムでできる興行はある程度の規模までだし、全国展開と大会場での開催を目指すのであれば、資本力や組織力の持っている企業と手を組むか、傘下に入らない限りはできない。もしくは違う異業種で一発当てて、その資本で団体を回していくしかないだろうね。(この項つづく)



