21日、愛媛・松山市総合コミュニティセンター展示企画ホールにて「DDTプロレスリング レッスルフェス in 松山」がおこなわれた。鶴見亜門GMの前説には現在いつでもどこでも挑戦権保持者の男色ディーノが登場するも、腕につけているのは松山名菓「一六タルト」。「いつでもどこでも挑戦権はどうしたの?」と亜門GMから言われるとディーノは「このイチでもロクでも挑戦権じゃダメ?」。さらに「忘れてきたのか?」と問い詰められると「持ってきたはずなのに控え室にないのよ!」。ここで本日の対戦相手である高梨がいつでもどこでも挑戦権をつけて現れる。高梨は「兄貴のために俺が今日これをいただく。返してほしけりゃ、試合で取り返せ!」と挑発して退場。ディーノは観客にいつでもどこでも挑戦権の奪還を誓うと「一六タルト最高!」とオープニングコール。
第1試合はヤス・ウラノ&彰人vsお城下キッド&宮武俊のタッグマッチ。江戸時代からタイムスリップしてきたというお城下キッドが昨年の松山大会ぶりに登場。「よろしくお願いするでごじゃる」「ブレイクでごじゃる」「反則でごじゃる」などしゃべりでも場内を沸かせる。「まつ・なが・ともみつー!」ばりの「おじょ・おか・キッド!」とポーズを決めてみせた。パートナーの宮武がヤスと彰人に攻め込まれるも、お城下キッドが「This is 坊ちゃんカッター!」や「正岡式(子規)エビ固め」といった松山にちなんだ技で盛り返す。それでも最後は宮武が彰人のサソリ固めにギブアップした。
第2試合は樋口和貞vs大石真翔のシングルマッチ。樋口の怪力に防戦一方の大石。何とか切り崩そうと繰り出したスイングDDTは途中で踏ん張られ、ミラクルエクスタシー狙いもアイアンクローで阻止され、ダイビング・ボディーアタックは突っ張りで叩き落とされてしまうと、最後は轟天で3カウントを聞いた。
【試合後のコメント】
樋口 完勝と言って良いと思います。あとは後楽園までなにもないので、後楽園で2つ勝って、それしか考えてないです。ここまできたら、あとはやるしかないですね。相手、坂口さんに決まってますけど、今日見てもらってわかる通り、体も充実しているので。持ち上げて、叩きつけて、ぶっ飛ばすだけですね。今は絶好調です。
第3試合はダンシングスター平田一喜四国初上陸マッチ。平田は高木とのタッグで石井慧介&入江茂弘と対戦。高木が「四国にダンシングスターが上陸だ!」と呼びこむと、あの曲が流れて平田がリングイン。踊ろうとしたところを石井に丸め込まれて秒殺された。
平田のアピールによって再試合が組まれると、またしても開始早々に丸め込まれるが、これはクリアする。その後、一方的に攻められた平田が何とか反撃に出て高木とスイッチ。高木が戦況を五分に戻したところで、平田がタッチを求めてしゃしゃり出る。勇んでリングインしたところを入江のブラックホールスラムで叩きつけられてしまう。それでも石井と入江をドロップキックでなんとかダウンさせた平田。HIRATA GO!サングラスを着用するとあの曲が流れて無双状態に。ドリフだけでなく味方の高木までなぎ倒して踊り切ったところで、石井にニールキックをブチ込まれてフォール負け。
第4試合は男色ディーノvsマサ高梨のシングルマッチ。高梨が奇襲して丸め込み連発。これを何とかクリアしたディーノは股間をワシ掴みにして動きを止める。その後、男色殺法に悲鳴を挙げた高梨だったが、コーナーに登ったディーノを見てロープを揺らす。バランスを崩したディーノは股間を痛打。一進一退の攻防からディーノがファイト一発! フラつく高梨だったが、木曽レフェリーをディーノの広げた漢タイツに入れてしまって、そのまま丸め込んでいく。これはカウント2。ディーノのリップキックが木曽レフェリーに誤爆してしまうと、木曽レフェリーがダウンして不法状態に。その中、高梨はタカタニックを狙うが、ディーノはこれを切り返して脳天から突き刺すとパイルドライバー。高梨がダウンするとディーノのセコンドの大石真翔が乱入。大石「ディーノ、ケツ出せやあっ!」ディーノ「松山名物、ケンカ御輿じゃーっ!」2人は「よってこい! よってこい!」の掛け声を出し、ディーノがコーナーで尻を出してセット。大石が高梨を尻に吸い込ませようとするも切り返されて誤爆してしまう。高梨はいつでもどこでも挑戦権のアームカバーを肛門に突き刺すと、それでぶん殴ってタカタニックへ。蘇生した木曽レフェリーがマットを3つ叩いて試合終了。この結果、ディーノのいつでもどこでも挑戦権が高梨に移動となった。
試合後、高梨がマイクを取る。「残念だったな、男色さんよ。まさか俺が勝っちゃうなんてな。俺がいま一番驚いてる。先の事なんて何も考えてねぇ。適当にホラ吹いてたのによ。取っちゃったもんは仕方ねえ。往生際が悪いぞ、コノヤロー。とりあえず、これを肴に酒盛りだ!」
【試合後のコメント】
高梨 まさか、いつでもどこでも挑戦権、俺の元に来るとはな。プロレスとは、わかんねぇものだよ。成り行きってのは恐ろしいものだよ。ただな、俺の元に来たってことは、こんなものがあるからな、みんなが不毛な争いを続け、KUDOのベルトを狙っていく。こんな争いごとをなくすためにも、こいつはどっかに流失させちまったほうがいいんじゃないか。それもな、絶対にDDTの手の届かないところへな。なんだったらな、俺はDDTに関係ない団体にいっぱい出てるからな。もしかしたら女子プロかもしんねぇぞ。もしかしたら、俺の次の対戦相手はアルティメット・スパイダーJrだぞ。どうやってそれを取り返すんだ。なんだったらな、業界を震撼させてな、シンガポールまでいってな、中澤マイケルと闘ってきてもいいんだぞ。こいつを渡してきてやってもいいんだよ。そういうことだ。こいつが俺の元に来ちまったのはな、DDTの運の尽きだ。もっともドラマティックな展開を見せていってやるからな。
――挑戦権を全部集めると発言していたが、大家健の持つ挑戦権も集める?
高梨 大家健が持ってる分には、俺が持っている以上に安パイだろ。あんな間抜けに兄貴はやられねぇよ。いつでも使ってみろって。前回、兄貴が大の字になって挑発したらな、それでもいかねえのは、アイツはビビッてんだよ。アイツにはちょっと重すぎるんじゃねえか。さっさと誰かに負けて渡しちまったほうがいいんじゃねえか。わざわざ俺が収穫しにいくまでもねえよ。そういうことだ!
セミファイナルはHARASHIMAvsMIKAMIのシングルマッチ。じっくりとしたグラウンドの攻防からHARASHIMAはMIKAMIの腹に集中攻撃。場外戦で優位に立ち、リングに戻ってミサイルキックを決めたMIKAMIだったが、ハイキック → ファルコンアローを食らって逆転を許す。それでも山折りからの蒼魔刀を回避するとミッキーブーメラン。さらにキャトルミューティレーションで固めたが、HARASHIMAに耐えられてしまう。その後、エルボーとチョップ合戦から張り手の打ち合いへ。HARASHIMAがハイキックを繰り出し、リバース・フランケンから蒼魔刀。MIKAMIがこれを察知してスク~ルボ~イ。続けてデュランダルからディープ“M”インパクトを放つもフォールは奪えない。HARASHIMAはバズソーキックからその場跳び蒼魔刀を決めると正調の蒼魔刀で勝利した。試合後、2人は握手から抱擁をかわして引き揚げた。
メインイベントはKUDO&坂口征夫vs飯伏幸太&佐々木大輔vsアントーニオ本多&竹下幸之介の親譲りの無鉄砲で子供の頃からそんばかりしている3WAYタッグマッチ。坂口vs佐々木vs竹下で試合スタート。佐々木が両者に握手を求めるも、2人が応じないためリング下へ。坂口と竹下でグラウンドの攻防。ウォール・オブ・タケシタ狙いの竹下を場外から入ってきた佐々木が丸め込むも返された。続いてKUDOvs飯伏vsアントンの顔合わせ。飯伏とKUDOの攻防にアントンは蚊帳の外。なんとかこの闘いに加わろうとしたら、2人から攻撃されてしまった。竹下が救出に入って2人でボディーへの正拳突き。敵チームを場外に出すとアントンがケブラーダを狙うが、足を滑らせて失敗した。そのまま場外戦に雪崩れ込み、ゴールデン☆ストームライダーズが台車を持ち出すが、佐々木が乗せられてやられてしまう。リングに戻ると佐々木がハッピーモーテルに攻め込まれたが、竹下のパンチをアントンに誤爆させるとドロップキックを決めて、ピンチを抜け出す。タッチを受けた飯伏が三角飛びケブラーダで舞い、佐々木のケブラドーラ・コンヒーロにフットスタンプを合わせて盛り返す。飯伏が竹下にその場跳びフェニックスを決めるも坂口がカットする。目まぐるしい攻防からアントンがKUDOにバイオニックエルボーを決めてコーナーへ。これは坂口がカットしてKUDOとサンドイッチPKをアントンに放つ。坂口は串刺しランニング・ニーを決めるとKUDOが地獄の断頭台をアントンに狙うが、これは竹下がカット。飯伏がミサイルキックで飛び込んで坂口をダウンさせる。飯伏とKUDOの蹴りあいはハイキックの相打ちとなって両者ダウン。佐々木が入って坂口にキークラッシャーからクロス・フェースロックへ。坂口が凌いで逆にPKを決めると、竹下が入ってジャーマンで投げて、アントンもダイビング・フィストドロップでアシスト。最後も竹下がジャーマンで坂口を叩きつけて勝利した。
試合後は竹下がマイクを取る。「絶好調です。自分は今DDTでおこなわれているトーナメントの1回戦で師匠であるアントーニオ本多選手と闘い、そして勝ち進みました。2回戦に勝って、あとは来週の後楽園ホールで準決勝と決勝戦があります。あと2つ勝てば両国のメイン、3つ勝てばKO-Dのチャンピオンです。僕が勝って、ずっと言っていた未来を見せることを実現させます。今日、勝ったのはやっぱり監督のアシストなので、監督に締めてもらいたいと思います」アントン「もしあなたがトップロープやセカンドロープに足が絡まって、どうにも身動きができなくなったらどうします? そういう経験を私がちょっと前に青いコーナーでおこなっていたわけですが、しかしながら、ロープに絡まったカモシカのような脚でも、自力で抜け出すことができ、さらにこの後輩のように、仲間のように、先輩のような気もする竹ちゃんのアシストで勝てました。ちょっと2分前までは苦しんでいたのに。まさにプロレスは人生の縮図なのです。いろんな辛いことにがんじがらめになっても、必ず抜け出し、カモシカのような脚で再び走り出せばいいんです。いつものやつでお別れしましょう。3、2、1、人生とはプロレスのようなものだ!」
【試合後のコメント】
KUDO 坂口さんをちょっとカバーしきれなかった。後半一人にしてしまったんで申し訳ないと思います。でも、俺はトーナメントに坂口さんが上がってくると信じてます。あと、大家健。やっぱり、やる気ないね。今日、来てないし。大阪に自分の車を運転してきたときは、すげえなと思ったけど、結局使わないし。今日も車で来てたら、ちょっと認めてやろうかと思ってましたけど、まあ、そんなもんでしょう。
――高梨選手が挑戦権を手にしましたが?
KUDO 酒呑童子で二つですね。まあ、策士ですからなんとも言えないですけど、俺は坂口さんも高梨も信じるんで。
――両国メインに立つ可能性はどれぐらい?
KUDO そういうのは考えてないです。一歩一歩進むだけです。誰が上がってくるのか。坂口さんに上がってきてほしいですけど、気にしてないです。それは僕の意思で動いていないので。一試合一試合勝って、そのときの相手と闘って、両国で酒盛りします。
佐々木 俺が飯伏幸太に勝った地球最強の男だから。トーナメントは、やっぱ飯伏幸太の無念を晴らすために俺が優勝して、両国のメイン、そしてあのベルトを取り返すよ。
――前哨戦でもあったが?
佐々木 竹下と征夫ちゃん。いや、触った感じはね、どっちもたいしたことない。幸太に比べれば、たいしたことない。見えてるよ。
竹下 試合を見てもらえばわかると思うんですけど、内容も結果も今、心身ともにすごく充実してます。僕は絶好調ですけど、ハッピーモーテルも来てて。欠場している遠藤選手も、すっごく回復してて。すごく体が大きくなってて。ハッピーモーテルもそうですけど、このまま勝ちます。トーナメント1回戦で監督と試合した時点で、僕が優勝するという気持ちの中で確信してたんですけど、今日の試合、1週間前に来て、さらにそれが確信が、さらに上の確信に、絶対的な確信、完全にいけると。佐々木選手が最近、勢いがあるんですけど、今日はちょっと控えめな感じがしたんで、そこは警戒しつつ、なんか企んでいると思うので。準決勝の相手を警戒しつつも、うまくつかんで、投げて、ブリッジでホールドしてスリー取って。決勝は、坂口選手でも、樋口選手でも、バックとって、クラッチして、ブリッジして、ホールドして終わり。そして両国メインでチャンピオンに勝つ! “ザ・フューチャー”は“ザ・ナウ”になります。