DDTロゴ
DDT

【富士リポート】メインは酒呑童子が完勝、酒盛り締め/入江と樋口がトーナメント2回戦を前に激しい前哨戦を繰り広げる/飯伏が富士山の

この記事をシェアする

    • 13日、静岡・ふじさんめっせにて「Road to Ryogoku 2015 in FUJI~ドラマティック・ドリーム・つけナポリタン~」がおこなわれた。まずはキング・オブ・ダーク選手権試合から。第2代王者の宮武俊は伊橋剛太を相手に初防衛戦。嬉しくない王座だがチャンピオンの宮武には歓声が起こる。伊橋がマイクを取ると「鶴見、今日のマッチメークを組んだのはオマエか。なんでダークマッチで組んでんだよ!」と文句。しかし亜門GMは「そんな約束をしていない。今日も勝ってせいぜいベルトの呪縛から逃れてくれ」と聞かない。伊橋は宮武に「なんだかんだ言ってオマエとはこれで4回目。何か縁を感じる。今日は正々堂々と勝負しよう」と言って右手を差し出すが急所蹴りで試合を始める。伊橋の「イェイカモン!」にファンはどスルー。宮武はボディースラムで投げつけ「イェイカモン!」とマネして伊橋をバカにする。これで怒った伊橋はレッグラリアット。宮武も負けずにブレーンバスターで投げていったが、伊橋はすぐにラリアットで撃墜。ムーンサルト・プレスは回避されるもバックに回った宮武に急所蹴り。クロス・ボディーアタックで勝利した。亜門GMは「何やってんだよ!」と怒り心頭に宮武にベルトを返却。調子の乗っている伊橋は「俺が本戦に出て引っ掻きまわしてやる!」と誓ったが、明日の大阪もキング・オブ・ダーク選手権試合に組まれている。

      鶴見亜門GMの前説で各試合の見所を説明したあと、オープニングコールを務める選手として「大石選手と男色ディーノ選手です」と呼びこんだが、現れたのはディーノと大石の母・マチコさん。そのまま進めようとする3人だが、大石が慌てて「それマチコ」と駆け付ける。地元の大石にディーノは「凱旋なんだから王様の気分でいればいい」とアドバイスし、全力でサポートをすると誓う。「ありがとう」と頭を下げる大石にディーノは「王様は頭を下げない」と言うと、大石は早くもお高く出ていた。最後はマチコさんの「DDT富士大会…」の後に息子の大石が「スタート!」とレインメーカーポーズでオープニングコール。

      第1試合はヤス・ウラノvs松永智充のシングルマッチ。松永のヘッドロックにヤスがロープエスケープから場外に出てひと呼吸。リングに戻ったヤスに待っていたのは松永の執拗なヘッドロック。ヤスが逃れてもアームホイップから今度は腕を決められる。松永はアームホイップからキーロックを決めて5分経過。場外エスケープしたヤスは松永を挑発。追いかけるとすぐさまリングに戻ってエプロンの松永に向かっていったが、再びヘッドロックで捕まってしまう。松永の丸め込みを返すヤス。ここから丸め込みの応酬となるが、松永のエビ固めをヤスが切り返してフォールを奪った。

      第2試合は大鷲透vsDJニラのシングルマッチ。大鷲が向かってきたニラを転ばしてマヒストラルで丸め込んで秒殺。試合終了。大鷲「おーい! なんで俺が止めなきゃいけないんだ! 負けたヤツが『もう一回やらせてくれ!』って言うのがセオリーだろ! 大石の地元だから手を抜きたいのはよくわかる。でもそうするとそこにいる大石のお母さんが喜ばないんだよ! おい、DJニラ。再戦を要求する!」こうして再試合がスタート。大鷲が向かってきたニラを転ばせてマヒストラルで丸め込むもニラはカウント2でクリア。ロケットパンチがかわされて自爆に終わったニラが猫だましを連発してコーナーに追い詰める。コーナーに振られそうになった大鷲が切り返すも、勢い余ったニラがコーナーに激突。ニラはマイクを要求したが、それを大鷲に差し出しつつロケットパンチ。回避した大鷲が串刺し攻撃を狙うが、かわしたニラがDJタイム。大鷲にかわされたニラがDJタイム2。これもかわされてしまう。一人で勝手にダメージを負うニラはDJタイム3を木曽レフェリーの手助けを借りて狙ったが、大鷲にキャッチされてノド輪で叩きつけられる。これがカウント2。大鷲がコーナーに登ったところで帽子にメガネをかけ、チョビ髭を生やした“吟遊詩人のおじさん”が『あの素晴らしい愛をもう一度』を唄いながら駆けつける。ハモろうとするニラを大鷲が阻止。すると亜門GMまで唄いながらエプロンへ。ニラは“吟遊詩人のおじさん”との熱唱で大鷲の気を逸らせてロケットパンチを命中させる。すると伊橋や映像班の久保、さらに木曽レフェリーも歌いながらピラミッドを作ると、ニラがそのテッペンからロケットパンチを放つが、大鷲にまったく届かず自爆。大鷲が押さえ込んで3カウント。

      第3試合は高木三四郎&デヴィン・スパークス&リック・エリスvs飯伏幸太&佐々木大輔&MIKAMIの6人タッグマッチ。飯伏がリングインしたところでT2ひーが奇襲して試合スタート。アーガントバスターズはさっそくトペ・スイシーダの競演。佐々木はドサクサに紛れてスパークの入場時のジャケットを奪って着用。高木はMIKAMIを客席へと投げていく。飯伏は台車に高木を乗っけて客席へと突っ込ませるとさらに「外いくぞー!」と建物の外へ。コンクリートの上で佐々木がスパークへ、MIKAMIがエリスへ足4の字固めを決めていると、そこへ花火を手にした飯伏が登場。誰かれ構わず5連発花火をブッ放し続ける無差別PKを繰り出し、ファンから歓声やら悲鳴やらが上がった。松井レフェリーに叱られた飯伏はリングに戻るかと思われたが、外に停めてあったリングトラックからムーンサルト・アタックで舞うなどやりたい放題。ようやくリングに戻るとT2ひーが攻勢に出て高木がアーガントバスターズのDEATH FROM AVOBEをアピール。2人が準備に入るも、これは飯伏が分断。混戦の中、MIKAMIがデュランダルからスライディング式スク~ルボ~イで勝負を決めた。

      第4試合は石井慧介&入江茂弘vs樋口和貞&岩崎孝樹のシングルマッチ。入江と樋口はトーナメント2回戦を前に激突。先発は入江と樋口。樋口が入江をショルダーアタックでフッ飛ばして場内大歓声。岩崎が出てくるとハーフダウンの入江にローキック。入江は重いエルボーでやり返して石井とスイッチ。岩崎は石井をボディースラムで投げるも、すぐさまフロント・ハイキックでやり返される。エルボーの打ち合いから向かってきた岩崎をリング下に出した石井は入江とともに場外マットへのハイジャック・パイルドライバーを決める。石井が岩崎をリングに戻して押さえ込むもカウント2。苦しい岩崎は石井にカウンターのヒザ蹴り。替わった樋口は石井にビッグブーツからボディースラム。さらに拷問式フェースロックを決める。これは入江がカット。樋口のノド輪を堪えた石井が延髄斬り。樋口はスイッチした入江のエルボーに逆水平で応戦。ラリーからドロップキックを決める。樋口からスイッチした岩崎はバックドロップ。樋口のチョップにローキックを合わせたダブル攻撃を入江に見舞った岩崎はダブルアーム・スープレックスを仕掛けるも踏ん張られてしまう。向かってくる岩崎をブラックホールスラムで叩きつけた入江はパイルドライバーで突き刺し、フライング・ソーセージで潰して勝利した。

      【試合後のコメント】
      入江 明日トーナメントで当たる樋口とぶつかってみて、すごいなという一言しかないですね。当たりも強いし、パワーもすごいなと。でも自分はタチムカウ。先輩だろうが後輩だろうが、キャリア何年だろうが、メジャーだろうがどインディーだろうが関係ないです。僕はタチムカウだけです。タチムカウって気持ちで必ず樋口を倒して優勝して両国のメインにいきます。
      ――前哨戦が組まれてよかった?
      入江 今日組まれてどうこう考えるというのはないので。別に関係ないです。

      樋口 今日初めて当たって石井さんの上手さ、入江さんのパワー…本当にすごいなと。さすが元アジアタッグチャンピオンという感じでしたね。強かったです。
      ――前哨戦で当たってみて入江選手のパワーはどうだった?
      樋口 すごいですね。ただ自分も負けてない自信はありました。ただ入江さんもまだ出していない技があると思うし、そこが未知なので怖いですね。
      ――前哨戦で当たれてよかった?
      樋口 そうですね。どれぐらいの力なのかわからなかったので。自分でわかってよかったです。

      セミファイナルは男色ディーノ&大石真翔vsHARASHIMA&彰人のタッグマッチ。いつでもどこでも挑戦権保持者のディーノがマイクを取り「みなさん準備はいいですか? ついにこの富士の英雄、富士の帝王様がご帰還あそばされる。皆の者、敬礼をもって迎え奉ろう。さあ、いでよ! 大石トミユキの入場です!」とコール。ディーノは敬礼して大石をリングに迎え入れた。大石が先発に出るとHARASHIMAがリングインして試合スタート。場内は「トミユキ」コール。腕を取られても、すぐにロープに巻き込む形で取り返し、アゴで彰人に出てくるよう挑発。素早いロープワークから大石がフライング・フォアアームを決めてディーノとスイッチ。ディーノは男色殺法で彰人から悲鳴をあげさせる。替わった大石がブレーンバスターを決めて、すぐさまディーノへタッチ。ディーノはナイトメア。5分経過、大石はアピールしてスピニング・トーホールド。さらにリバース・インディアンデスロックをかけながら、カットに入ったHARASHIMAに河津落としを決める。苦しい彰人はディーノのリップロックを回避すると水車落としを決めて、ようやくHARASHIMAとタッチ。HARASHIMAはディーノに雪崩式ブレーンバスター。替わった彰人が足4の字固めを決めると、さらにHARASHIMAがスワンダイブ式ボディープレスでアシスト。追い詰められたディーノは大石の助けもあって、王様命令でなんとか自軍へ帰還。替わった大石がミラクルエクスタシーを決めてHARASHIMAをキャッチしてディーノの漢タイツへと送り込ませると、ディーノが男色ドライバー。2人で「やったー!」と抱擁をかわすも、大石のカバーはカウント2。万策尽きたと嘆くディーノに王様命令と指示を出した大石。ディーノは敬礼してコーナーで尻を出す。ディーノの尻へと彰人を送り出した大石はHARASHIMAにクロスアーム・バッククラッカーを決めてレインメーカーポーズ。しかし、HARASHIMAが切り返して大石をファイアーマンキャリーで担ぐとディーノの尻へ頭部をなんどもぶつけた上、さらに擦りつけてから山折り。コーナーのディーノのケツを蹴飛ばしてから蒼魔刀を決めて勝負あり。

      【試合後のコメント】
      ディーノ 無事にこのいつでもどこでも挑戦権を守り抜きましたよ。
      大石 コイツが1個持っている挑戦権。どうするか楽しみだな。
      ディーノ 今、2回戦に上がっているだろう。両国で会おう。今日はこういう試合をやることでヤツらの目をトミユキに向けさせた。そしてこれを守り切った。これを作戦勝ちとしてなんと言うか。さあ両国で会おう。
      大石 次、俺たちが会うのは両国国技館のリングの上だ。楽しみに待っているぜ。
      ディーノ 思い切りこいよ。
      大石 わかっているよ。
      マチコ ……。

      メインイベントはKUDO&坂口征夫&マサ高梨vsアントーニオ本多&竹下幸之介&福田洋の6人タッグマッチ。竹下vs高梨、福田vsKUDOときてアントンと坂口が対峙。坂口の蹴りにアントンが翻弄されて5分が経過。坂口にミドルキックを決めて喜んでいたアントン。坂口がすぐさまハンマーパンチを振り下ろすが、竹下と福田が救出に駆け付ける。竹下のハーフハッチが決まると福田がハンマーロックで続く。坂口だけでなくKUDO、高梨も場外に出されると、アントンがケブラーダを狙ったが足を滑らせて失敗。これで戦況は一変。リングに戻った坂口がアントンにパンチを決めて替わったKUDOとダブルのミドルキックを放つ。酒呑童子に捕まったアントンはナックルパンチから渾身のバイオニックエルボーを決めてようやくピンチを抜け出す。替わった竹下は高梨にドロップキック、ブレーンバスター。高梨は竹下の蹴り脚をキャッチしてドラゴンスクリュー。スイッチした坂口がヒザ蹴りで襲い掛かるも、竹下はトラースキックでやり返す。KUDOと高梨の連係に捕まったが、KUDOのダイビング・ダブルニーアタックをキックで迎撃。高梨にブルーサンダーを決めて福田とスイッチ。福田へのKUDOのバズソーキックはアントンと竹下がカットに入って、アントンがスパインバスター。福田がラリアットを決めるもこれは高梨と坂口がカット。星条旗を手にした福田をフロント・ハイキックで迎撃したKUDO。坂口の串刺しランニングニーのアシストがズバリと決まると、KUDOが地獄の断頭台。このカバーはアントンと竹下に阻止されたが、坂口と高梨が排除するとKUDOが福田にダイビング・ダブルニードロップを決めてフォールを奪った。

      試合後、KUDOがマイクを取る。「完勝です。僕はこのままこのベルトを両国国技館まで守り続けます。そして僕の仲間がKO-Dトーナメントを勝ち抜いてくれることを願っています。そして両国国技館のメインでこのベルトを懸けて酒呑童子対決を必ず実現させます! 今日もたくさんのご来場誠にありがとうございます。富士と言えば富士山ですね。日本一の富士山の麓で飲むお酒は日本一の味だと思います。また自分がチャンピオンとしてこの富士に帰ってきます! いくぞー! 酒盛りだー!」。なお、エンドアナウンスは大石親子が務め、試合後の売店でのサイン会もディーノ&大石親子が担当し、大盛況に終わった。

    この記事をシェアする