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【潜入リポート】レスリー氏撮影によるDDT写真集発売

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    • 6月23日、東京・後楽園ホールにて行われたDDT『What are you doing 2013』にて世界的な写真家であるレスリー・キー氏撮影によるDDTの写真集を両国2DAYS(8・17&18)で販売することが発表された。レスリー氏は1971年にシンガポールで生まれ、93年に来日し東京ビジュアルアーツ写真学科卒業後98年にフォトグラファーとしてデビュー。2001~2005年はニューヨークを活動の拠点とし、アジアのトップアーティストを撮るというライフワークを実践するべく日本へ戻ってきた。もっとも尊敬する松任谷由実の写真集を皮切りに吉川晃司、浜崎あゆみ、倖田來未、海外ではレディ・ガガらのジャケット写真や写真集を手掛ける一方、06年にはスマトラ沖地震津波被災者へのチャリティーを目的としたアジアの有名人300人を撮り下ろした写真集を発売。その後、東日本大震災チャリティーのための写真集も出した。プロレス・格闘技系では秋山成勲ヌード写真集や、棚橋弘至も撮影している。

      世界中のトップアーティストを撮影しているようなレスリー氏が、なぜDDTの選手を撮影することになったのか。「DDTをもっと世間に押し出していきたいという中で、やっぱりインパクトが必要だと思った時に、じゃあインパクトってなんだ?と考えた結果“脱ぐ”しかないなと思ったんです。それで、著名な写真家の手で芸術的に撮ってほしいといろんなツテをたどった結果、ファッションブランド『DRESS CAMP』の岩谷俊和代表をご紹介いただいたんですけど、DRESS CAMPさんは全日本プロレスさんにガウンを提供するなどプロレスもお好きで、僕らの意図も理解していただいて、インパクトというなら世界的な方がいいということでレスリー・キーさんを紹介していただいたんです。それでお会いしたら…これはもう、一流だなと感じましたね。プレゼンがすごいんですよ。テンションが高くて『いいモノ作ろうよ!』という感じで来る方なんで、こういう方だったら世界中の著名人と一緒にやるだろうなと。なぜそれほどの方を引っ張り出せたかといったら…情熱だけですね。ウチはお金がないから、本当に情熱を伝えるしかなかった。アーティストの方々って、いい作品を作りたいという意識の前ではお金は関係ないんですよ」(高木)

      飯伏幸太、ケニー・オメガ、HARASHIMAなどヴィジュアル的に優れた選手が揃う中で、こんなにもすごい体をしているプロレスラーがいることを大社長は世に発信したかった。同時に、選手たちには「常に緊張感を持ってないとダメだということをわかってもらいたかった。見られる職業なんだから、見られる部分に気をつける。一流の方と仕事をすることによって、一流の感覚を体感してほしかったんです。これほど大きなスタジオで、これほどのスタッフがいる中で撮ってもらうことで、見られることを意識してほしい。ヌードだから、ちょっとした気の緩みでお腹がたるんで写ってしまう。僕もこの撮影のために10kg減量しましたから」と、意識の部分での刺激を与えるのも狙いなのだという。じっさい、岩谷氏を介してレスリー氏と対面したところ、DDTは知らなかったにもかかわらずパンフレットを見た瞬間に「この人とこの人はすごいね!」と、どれも人気のある選手をチョイスしたそうだ。

      5月某日、スタジオには写真集のモデルに抜てきされた9人の選手が集まった。挨拶代わりに、レスリー氏は過去に出した写真集をひとりひとりに手渡し、どんどんプレゼンしていく。そうすることで被写体を、自身の作品で描かれる世界観へと引き込んでいくのだろう。DDTからは飯伏、ケニー、HARASHIMA、高木の4人を提示したが、レスリー氏は「僕のラッキーナンバーが9だから」と、そこにKUDO、彰人、坂口征夫、大石真翔、そして男色ディーノの5人を加えた。まずは飯伏から撮影がスタート。通常、プロレス媒体におけるスタジオセッションは2、3時間ほど。だが始まって5時間が経っても飯伏ひとり分も終わらない。見ると、レスリー氏は完全に“入って”いた。作品のためには妥協を許さぬ姿勢がビッシビシと伝わってくるため、自分の番を待つ他の選手たちも圧倒されるばかり。

      そして、撮影スペースについたてが設置される。いよいよヌード撮影に入った。まるで金網に囲まれたオクタゴンの中で、レスリー氏と被写体であるプロレスラーが1対1で対戦しているような雰囲気だ。すき間から中を覗くと、飯伏は普段はしないようなポーズをとらされていた。見ているだけでキツそうなのが伝わってくる。「あんな大勢の前で裸になったのは初めてです。精神的なダメージがあり得ないレベルなんで今後、これ以上はないなと。(普段は裸を撮られるよりも撮る方が多いと思われるが)もう撮るのはやめようと思いました。反省しました。けっこうダメージ、大きいんだなと。通常のスタジオ撮影と感覚は違います。(見につけているものが)全部ないんですから。あるのとないのとでは全然違いました。ポーズを撮っているモデルの人たちはすごいと思います。ふくらはぎがパンパンだし、筋肉が持たない。言われた通りにやるとすごくキツいんですが、その部分の筋肉が浮き出てくるんで、なるほどなと。(お尻は日常的に出しているが)前を出すのと後ろとでは全然違いました。やっぱり恥ずかしくて、ポーズよりも隠そうする方に気持ちがいってしまう。覚醒? いやいや、むしろ萎縮するというか、目線を感じるとさらにヤバいことに、通常よりも小さくなります。1/2ですよ。まあ、縮んだ方が隠せますけど」(飯伏)

      撮影を終えた飯伏は、まるでロングバウトを闘い終えたばかりのように控室でぐったりとなった。それをレスリー氏は1カットたりとも気を抜かずに9人分やるのだから超人的な集中力である。大社長によると、撮影する上でのコンセプトはDDTから一切出しておらず「こっちは撮られるだけで丸投げ。できてみなければどんなものになるのかわからないです」と、レスリー氏に全幅の信頼を置いている。両国では、これまでのイメージとはまったく違う作品がお目見えするだろう。

      「プロレスの撮影は何回もないけど、すごく気が入りますね。みんな力が強いから、それを自分なりにファッションっぽく撮るのはかなり苦労しています。今日も、普通よりポーズとかライティングを考えています。(コンセプトは)一枚一枚世界観を作っていこうと。今日、飯伏さんを撮ったのも1~4カットでもひとつのストーリーなんです。そうやって少しずつストーリーをつけていく。彼も苦労したよ。筋肉使うからね。でも、何回も撮ることで、撮ったことがないものが見えるかもしれない。今までは普通のプロレスの格好だったけど、布とかマスクとかライオン(の小道具)とかを絡ませて撮るのは初めて。私、アフリカにいったことがあってライオンやゾウを撮ったことがあるんだけど、飯伏さんはそこの壮大なところに生きている動物のような強さを感じる。質がいいから、スターの顔をしていますよね。あと必要なのは、スターとしての写真。それが私の仕事です。撮影前にメンバーの顔を見て、映像で動きを見てひとりずつストーリーを作りました。だから僕の頭の中に9人分のストーリーがある。ただ、撮っていると彼らの表情も変わるから時間もかかります。(DDTのピンときた点)今までのトラディショナルなプロレスから違う風を吹かせることができる団体だと思しました。高木さんから、大胆にヌードを撮影したいと聞いたけど、それだけでも新しいことを起こしたいという行動じゃないですか。私もそこに参加できるのはしあわせです。会場の何千人というファンに、今まで見たことがないDDTを感じてもらえたらいいなと思いました。プロレスファンが見ることは意識していますよ。まず、彼らが見たいのはいつものファイトの格好。それを今までより格好いいものに私が撮って、その上でファッショナブルなもの、そして最後はヌード…これをひとつのストーリーにしてプロレスファンにも伝えたい。プロレスはエンターテインメントでしょ? 私から見たらヒーローです。肉体の痛み、苦しみを置いてでも会場に集まったお客さんのために喜怒哀楽を表現し、伝えていく。日本のプロレスは3回生観戦したことがあるけど、最初見た時はビックリしましたね」

      飯伏の撮影を終えたところでインタビューに応じたレスリー氏は、そう情熱的に語った。結局、午前10時から始まった撮影は深夜3時までかかった。17時間、まったくテンションが落ちることなく撮り続けたレスリー・キーという写真家が、DDTの選手たちに与えたプロ意識は大きかった。写真集の完成が楽しみである。

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