メインイベントは火野裕士vs飯伏幸太のKO―D無差別級選手権試合。両者ロックアップからスタートし、序盤は静かな立ち上がり。飯伏がドロップキックで火野を場外に落とすと、バミューダトライアングルを狙う。火野は両足を掴んでエプロンに落とすと、向かってきた飯伏に逆水平。場外で火野が逆水平を叩き込み、客席に飯伏を座らせてから逆水平を放つ。鉄柱を背にした飯伏は火野の腕を鉄柱に誤爆させる。リングに戻った飯伏は火野の痛めた右腕にミドルキック。しかし、火野は右腕で逆水平を決めていった。飯伏をフェースロックに捕えつつ、胸板にチョップ。さらにヘッドシザースに移行して、なおも胸板にチョップ連打。飯伏は火野にミドルキックからその場跳びムーンサルト → ムーンサルトプレスを敢行。しかし、火野が剣山でかわすとバックフリップへ。飯伏が突進した火野にバックエルボーを決めてランニングレッグボンバーを放つ。火野が場外に出ると、飯伏はバミューダトライアングルで舞った。苦しい火野はカウンターのフロント・スープレックスでやり返し、飯伏のミドルキックに逆水平で対抗。飯伏のハイキックをものともせず、火野がショートレンジラリアットを振るい、ダブルダウンとなった。先に起き上がったのは火野。飯伏にスタンディングドラゴンスリーパーの体勢。これを抜け出した飯伏をキャッチしてランサルセでコーナーへと叩きつける。飯伏のムーンサルト・アタックもキャッチしてキャンバスへと落とし、ダイビング・ボディープレスを投下。飯伏はこれをカウント2でクリア。オーバーヘッドキックからスターダストプレスを浴びせる。飯伏のシットダウン式ラストライドは火野がリバースショルダーでかわし、レフトハンド・ラリアット。火野はここでFucking BOMBの体勢。飯伏がかわしてラリアットを放つと、シットダウン式ラストライドを決めるが、火野がカウント1でクリア。飯伏のハイキックに火野はよろめきながらも、崩れず。飯伏のミドルキックをキャッチして、ラリアットをブチ込んだ。そこからFucking BOMBへ。カバーにはいかず、大の字の飯伏に「起き上がれ!」と大根斬りチョップを連打して挑発。飯伏がミドルキックを放つと、火野はラリアットで飯伏を黙らせて、コーナーへと登った。ここで飯伏が蘇生し、オーバーヘッドキックで火野の動きを止めると、コーナーでうずくまる火野をうまくパッケージして、2009年8・23両国以来となるフェニックスプレックスホールドを解禁。3カウントを入れて、2年半ぶりにベルトを取り戻した。
試合後、亜門GMは飯伏にベルトを渡す。亜門GM「飯伏くんおめでとう! これで武道館のメインが決まりました!」と呼びかける。飯伏「出れるんですか!?」亜門GM「出れますよ。メインが決まりました!」飯伏「うれしいですね」亜門GM「で、次の挑戦者なんですけど…」すると、「いつでもどこでも挑戦権」を手にしたニラがフラッとリングイン。ニラは「生き残ったのは飯伏、お前のほうだったか。いいか、飯伏幸太よ。よーく聞け。DDTの日本武道館大会の、メインに立つに相応しい男はお前しかいない! 飯伏幸太、お前はドラマティック・ドリーム・チームを背負って闘う覚悟があるのか!?」飯伏「ありますよ」ニラは飯伏を抱き寄せて、「いつでもどこでも挑戦権」を行使することなく引き揚げた。亜門GMは「とりあえず使わないみたいなんで、抽選会をやりたいと思います」と呼びかけ、8・18武道館での挑戦者を決める『KING OF DDT』トーナメントの組合せ抽選会を行なった。出場選手が箱の中から数字の書かれたボールを取り出し、ボールに書かれた数字の若い方から、トーナメントの枠を決めていくというもの。抽選の結果、6・30新木場、7・8淀川のトーナメント組合せは以下の通り決定した。
☆6・30新木場
▼トーナメント1回戦
①松永智充vsマサ高梨
②ケニー・オメガvs佐々木大輔
③中澤マイケルvs佐藤光留
④入江茂弘vsHARASHIMA
⑤石井慧介vs高尾蒼馬
⑥KUDOvsアントーニオ本多
⑦ヤス・ウラノvs大石真翔
⑧彰人vs男色ディーノ
▼トーナメント2回戦
<A>①の勝者vs②の勝者
<B>③の勝者vs④の勝者
<C>⑤の勝者vs⑥の勝者
<D>⑦の勝者vs⑧の勝者
☆7・8淀川
▼トーナメント準決勝
○Aの勝者vsBの勝者
○Cの勝者vsDの勝者
▼トーナメント決勝戦
バックステージでのコメントは以下。
飯伏 キツかったですね。全部キツかったですけど、結構ボロボロに、ボコボコにやられました。ベルトが戻ってきてよかったです。
――あらためて火野という選手については?
飯伏 本当にすごかったですね。一発一発がすごすぎて、キツすぎました。ラリアットとかパワーボムで追い込まれました、精神的にも。
――パワーファイターで向かっていったが?
飯伏 自分はまだまだなんで。そんなに通じなかったです。でも一瞬勝つことができたので、成果がありました。
――それはどの部分で?
飯伏 ラリアットですね。
――シットダウン式ラストライドがカウント1で返されたが?
飯伏 あれを返されたら、自分は何もないので。ハイキックも効いているのかわからない。運よく相手がコーナーに登ったので、あれを出そうと思って。
――フェニックスプレックス?
飯伏 2回目ですよね。初めての両国以来です。
――狙っていた?
飯伏 狙ってないです。全部出し切ったので、あれしかなかったです。偶然、相手がコーナーに登ったので、これはチャンスだなと思って。
――途中、スターダストスプレスも出したが?
飯伏 あれはKUSHIDA選手と内藤選手からもらいました。返されましたけど。すいませんでした。
――これで武道館のメインに、ニラを除けば確定したが?
飯伏 武道館は出たことがあるけどメインではないし、DDTで初めての武道館で15周年。それだけで満足ですけど、誰が来ても自分は勝ちます。武道館で勝つまでが目標なので。
――トーナメントの組合せも決まったが?
飯伏 誰でもいいです。トーナメントで強くて運のいい人が決勝に残っていると思うので、誰でもいいです。
――その前にはIWGPジュニア戦もあるが?
飯伏 ベルトを2つ持っていきたいですね。
――新日本後楽園にはKO-Dのベルトを持ってあがる?
飯伏 もちろん、DDT(所属)なんで。
――復帰して体調は戻った?
飯伏 体が戻ってきたような気はします。今日はパワーも出せたし、体重も前より増えているので、あとは精神的な部分をさらに強くしたい。
火野 残念やったね。でも、そんな悪い気分じゃないし。あんまり覚えてないですけど、最後キレ過ぎて、もうちょっと落ち着いていたら勝てた。そこも含めて自分の弱さです。でもこれで終わったわけじゃないし。
――あらためて飯伏については?
火野 試合する前まではすごい運動神経で跳び技で日本一やと。試合をガッチリやってみて、力もあるし、ペラペラかと思ったらちゃんと厚い。
――最後は笑顔で握手をかわしていたが?
火野 覚えてないです。
――相手の技を受けてタフさを見せたかった?
火野 それは貫き通せたと思います。
――Fucking BOMBのあと、何度もチョップを出したが?
火野 パワーボムを出して、パワーファイターとはこうだと見せつけたかった。このままじゃ終わらんぞと。