6月4日午後1時より、東京・新宿歌舞伎町のドロップキックにて高木三四郎社長、甲田哲也氏、NOZOMI(旧リングネーム・だいのぞみ)が記者会見を行ない、「東京女子プロレス」の設立を発表した。
「東京女子プロレス」はDDTのいちブランドではなく、DDT内事業部として設立される女子プロレス団体。2010年大晦日をもって解散した女子プロレス団体・NEOの社長を務めていた甲田代表が代表あるいは事業部長として責任者に就任し、だいのぞみ(2010年引退)改めNOZOMIが所属選手第1号となる。
まずはじめに高木社長は「東京女子プロレス」設立の経緯を説明した。3・20博多大会でデビューした大崇(だいたかし/欠場中)の入門にあたり、「“だい”という名前の響きに思い当たる節があった」という高木社長は、「親戚はいないか」と聞いたところ、大の姉が元NEO所属選手で、引退しただいのぞみであることが判明。その中で、のぞみ本人と話し合いを持ち、のぞみの復帰の意思を確認した高木社長は、DDT興行の手伝いをしていた甲田代表も交えて協議し、「東京女子プロレス」の旗揚げを決めた。
「NEOを10年間やって、既存の女子プロレスの枠組みの中でできることは全てやり切ったし、完全燃焼した」という甲田代表もDDTのバックアップを受け、“新しい女子プロ”の構築を決意。団体コンセプトとして“文化系女子プロレス”“ニュータイプの女子レスラーの発掘・育成”と、高木社長たっての希望で“三禁”の3つが掲げられた。
“文化系女子プロレス”に関して、高木社長は「自分の中でのアイディアですが」と前置きしたうえで、「選手本人がやっていたこと、既存のものを変えていきたい」とヘアメイクやスタイリストによる選手プロデュースや、会場の装飾などのバックアップを約束。甲田代表も「新しいことをやりたいと思っていても、自分が固定観念があることもある。DDTさんのノウハウやアイディアをいただいてやっていけるように」と“ニュータイプの女子レスラーの発掘・育成」”に意欲を燃やした。
高木社長が定めた“三禁”はかつての全日本女子プロレスと同様に酒・たばこ・男が禁止となる。「夢を与えないといけないと思うので、酒やたばこ、男はイメージ的にひじょうに良くない」と見解を示した高木社長は、違反者の即時解雇などは否定しつつ、「話し合いの中で(男性と)別れないなどがあれば、プロとしてはどうかと思うところもあるので、契約解除もある。見られているというプロの姿勢を持ってほしい」とコメント。「当然、守られるルールというよりも、モラルとして掲げたい。DDT、東京女子プロレスのファンの方にとっても三禁を掲げるうえでも、極力接触しない方がいい」との考えから、東京女子プロレスの事務所は、DDT事務所のある東京・新宿御苑前ではなく、埼玉県川口市に構えた。
現時点での興行日程は未定で、今後、新人を育成しながら旗揚げを目指す。“三禁”抵触の危険をなるべく避けるため、DDTとの合同練習は行わないが、DDTからコーチが派遣される予定で、甲田代表は「全女はロックアップからボディースラムからやり方がや技術が違った。DDTさんの枠組みの中でやって、DDTさんと同じ世界標準にしたい」と話した。また、既存選手の移籍に関して甲田代表は「あると言って来なかったら人気がない、ないと言って入ったら(移籍したら)ウソになる。あるともないとも言えない」と明言を避けた。
新団体設立にあたり、約1年半ぶりに復帰するNOZOMIは「今回、東京女子プロレス所属の第1号となりました。復帰するにあたり、WWEのクリス・ベノワ選手のような力強い試合ができ、ショーン・マイケルズ選手のようなスター性もった選手を目標に、東京女子プロレスを引っ張っていきたいと思います」と意気込み。ユニオン6・17北沢大会で、同時期デビューの花月戦で復帰し、その後は他団体に参戦しながら試合勘を取り戻していくつもり。「再デビュー戦か復帰戦か? どちらにしても新しい気持ちで、だいのぞみを引きずる気持ちはないです。あくまで新しいNOZOMIという選手でいきたい」と決意を新たにした。
最後に週刊テキストの須山健記者の好みで“ふくよかな女性レスラー”の参戦を希望されたが、高木社長は「誰が見たいんだよ!」と一喝。それでもDDTのネットワーク力を駆使し、一時話題となった2m6cmの女子レスラー・アイシスアマゾンらとの交渉にも乗り出す構えをみせていた。