KAIENTAI DOJO代表のTAKAみちのくです。今回、DDTオフィシャルサイト取材班からKAIENTAI DOJO所属の火野裕士の強さを書いてほしいという依頼があったんだけど、俺は今の火野の勢いは誰も止めることができないんじゃないかと思っています。
入団する前の火野って、WWEのことしか知らなかったんだ。日本のプロレスは知らないし、今もあまり興味ないみたい。ハルク・ホーガンに憧れていて、少し前に「対戦したい相手いないの?」って聞いたら「ハルク・ホーガンですね」って。日本の選手もよく知らないんだよ。だからどんな日本人選手が来ても、まったく物怖じをしない。
それにアイツのパワーはナチュラルにすごい。その上、どうしたらお客さんを楽しませられるかを考えるプロレス頭がある。ただの筋肉バカとは違うんだよ。最初からレスリングの下地があって均整の取れた体をしていたし、入団してからもガンガン、ウエイトトレーニングをやっていたから、見るたびに筋肉の厚みが増していったんだ。対戦した時、正攻法じゃかなわないって感じてしまうほど、バランスの取れたレスラーなんだよね。
ボディースラム一つにしても、火野は普通に投げているつもりでも、ナチュラルにパワーがあるからこっちは強烈なダメージを負ってしまう。普通の人の倍ぐらいの感じ。それとあのチョップ。チョップ一発で皮膚が切れてしまうからね。チョップを何十発も打ち合って、皮膚が切れてしまうのならわかるけど、火野の場合は一発食らっただけで流血するときがあるくらいだから。ボディースラム一発、チョップ一発が殺人兵器だよ。だからFucking BOMBなんて食らったらひとたまりもない。そして、パワーファイターでごついのに、体がゴムみたいにやわらかい。どんな体勢でも投げられるから、こっちは耐えきれないんだ。
だから正攻法で勝てる相手はいないんじゃないか? ウチで真っ向勝負できるのは真霜(拳號)ぐらい。あとは変化球を使える相手、意外性のある相手じゃないと無理だと思う。俺も最近の火野には丸め込んで勝つのがやっとだったから。DDTで言えば(ヤス・)ウラノみたいなタイプかな。変化球で攻められる選手ならばチャンスはあるかもしれない。パワーで真っ向勝負できるとしたら高木大社長ぐらいかなあ。あとは想像つかない。そうなると、5・27札幌で挑戦するHARASHIMAは正攻法のファイターだし、厳しいんじゃないかな。
最近のプロレスラーってカッコいい体を目指しているけど、火野はとにかく食って、ウエイトトレーニングをして体をどんどん大きくしていったからね。デビューした頃は『ジュノン・スーパーボーイコンテスト』でけっこういいところまでいったイケメンだったんだけど、気づいた時はどういうわけか、ゴリラみたいになっていたからさ。
でも今の火野はホント、千葉の檻から放たれたゴリラだよ。外に出たら大変なことになるとは思っていたけど、今はDDTがシングルもタッグもベルトを取られて大変なことになっているじゃない。タッグはともかく、シングルでアイツから取り返せるヤツはいるのかな? とにかく札幌のお客さんは火野のすごさを嫌でも目に焼きつけることになるでしょう。
それに、このままKO-D無差別級王座を守り続けたら、日本武道館のメインに立つことになるんでしょ? それはKAIENTAI DOJOとして願ってもないチャンス。ウチの選手が武道館を締めるんだからね。俺はいけるんじゃないかと思っているよ。(TAKAみちのく)