新年度から高校3年生となる竹下幸之介は「4月から出場できない大会が増えるため、3月はこれまでで最も多い4大会に出場する」ことが発表され、3・10横浜ではマサ高梨と対戦。3・20後楽園では藤波辰爾との一騎打ちが決定している。“レジェンド”との対戦を目前にして“ザ・フューチャー”はどのような春休みを過ごしているのだろうか。 (聞き手・オフィシャル取材班)
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――もう春休みですか?
竹下 もう春休みですね。
――春休みということは毎日が部活動(陸上)ですか。
竹下 陸上のシーズンが4月から始まるので、それの前段階って感じです。4月から夏前までは大きな大会が続きますし、インターハイの予選もありますからね。そういうのもあって、プロレスの大会に出られないのが3ヵ月ぐらい続いてしまうんですよ。まあ、8月過ぎれば部活動は引退するんですけど。
――部活動にプロレスに忙しいですね。
竹下 プロレスのファンの方たちには陸上も応援して下さっているので、陸上でも結果を残さないといけないですから。目標は混成競技で最低でも全国インターハイ8位入賞です。
――険しい道のりですね。
竹下 はい。プロレスに取り組んでから体を大きくしたことで、陸上をやると負担があるんですよ。高校に入学した時より体重が15kgぐらい増えているんで。砲丸を投げる分にはいいんですけど、400m、1500m走や走り高跳びで腰やヒザに負担が来ています(苦笑)。
――体を陸上用に作り変えたりしますか?
竹下 動ける体に少し変えたりしています。それでも運動能力の部分でプロレスに生かされるとは思います。
――頭を使いますね。
竹下 頭を使っています(笑)。陸上とプロレスはスポーツのカテゴリから言えば真逆にあると思うので、自分なりに考えながらやっています。
――このような事情もあって、竹下選手は3月はこれまでで最も多い4大会に出場しています。3・10横浜大会ではマサ高梨選手とのシングルマッチでした。
竹下 今までの試合の中で学ぶものは大きかったです。高梨さんは僕より身長が低いんですけど、それをハンディとせずに長所として闘っています。それに比べて僕は身長があるのに使い切れていない。そういう部分でも、もっと頭を使ってプロレスをしなくちゃいけないと思いました。
――そういう反省が今後に生かされなければいけません。
竹下 飯伏さんとのシングルも含め、今年に入ってからの試合でいいものを吸収できていると思います。
――次の3・20後楽園では藤波辰爾選手とシングルマッチで闘います。藤波さんの試合を見たことはありますか。
竹下 小学校3、4年生ぐらいに藤波さんと西村修選手の一騎打ちは見たことがあります。もちろんビデオでも藤波さんの試合は見ていますし、偉大なプロレスラーだということもわかっているんですけど…う~ん、やってみないとわかんないんです。僕は試合が決まると頭の中でシミュレーションするんですけど、まったくできていないです。
――藤波選手のイメージは?
竹下 ジュニアの先駆者であり、ジュニアのスター選手でしょうか。この試合が決まってからYouTubeで試合の動画を見たりするんですけど、藤波さんのジュニア時代って体はそんなに大きくなかったですけど、ドラゴン殺法というオリジナリティある技で伸し上がっていった。僕も体は大きくないし、オリジナリティを出そうとする部分では近いのかもしれない。だから藤波さんのような道を進んでいくんじゃないかなと、勝手に思っています。
――胸借りる気持ちはありますか。
竹下 高梨さんの時もそうだったんですけど、このタイミングで組まれたということは、何かを学ばなければならないと思うんです。試合を通していろんなものを吸収できたらいい。極端な話、試合のリズムや技など何でもいいんで、今後に生かせられるものを吸収したいです。
――竹下選手は藤波選手にどういう部分を見せたいですか?
竹下 僕の今持っている身体能力というか、「こういうドロップキックを打てるぞ!」というのは見せつけたいし、藤波さんを納得させたいです。
――すごい春休みですね。
竹下 すごい春休みですよ。だって新学期迎えたら、藤波辰爾とシングルマッチをした友達がクラスにいるんですよ。今回ばかりは学校中の先生が僕にサインを求めてきましたからね。「よぉ出世したな」って(苦笑)。
――それに陸上の部活動と。
竹下 怒涛の春休みです。チョー最高、チョー楽しいですよ。