ゴールデンウィークの最後を飾る5月6日、栃木・那須高原自然学校の那須町野外研修センター施設内にて史上初の『那須高原自然学校プロレス』が行なわれてしまった。「自然を思う存分に満喫してもらいたい」という主催者サイドの要請によって実現した今大会。那須連山の麓に広がるキャンプ場には、開場時間の正午前から多くのギャラリーが野を越え山を越え集結し、開戦を今や遅しと待ちかまえた。ところが開始時間が近づくに連れて空は暗くなり、雨が降り出したばかりか強風とともに雷音が近づいてきた。地元スタッフさんの「空気が変わりました。これは確実に降ります」という予報を待つまでもなく、十数分前までは晴れていたのが一転し集中豪雨に。あたりはリアル・サンダーストームに包まれ傘を差して広場で待っていた観客も近くのバンガローに緊急避難。スタッフが「建物にさわっていると感電する恐れがあるので触れないでください!」と叫びながらまわるその状況と、路上プロレス史上最悪と思われるバッドコンディションに緊張が走った。
だが、10分ほどすると雨が小降りとなり、雷も聞こえなくなった。結局、25分遅れて進行が再開され、石で囲まれた輪に沿って166人(超満員)の観客が再び待ちかまえる。伊橋剛太、ばってん多摩川、高尾蒼馬、HARASHIMA、エル・ジェネリコ。そして飯伏幸太とひとりずつ入場し、いよいよ6WAYマッチ(時間無制限1本勝負)のゴングが新藤力也リングアナウンサーによって打ち鳴らされた。序盤は輪の中で攻防を繰り広げた6人だったが、飯伏が北に向かい始める。ネイチャーランド・オム以上に地面はぬかるんでおり、完全なる山道。選手も追いかける観客も足をとらわれぬようにと慎重に歩を進めるが、そうした中でも飯伏は木の後ろに身を隠していきなり襲いかかったり、枝で人を突っついたり、さらには傾斜が急な坂からジェネリコやばってんを落とそうとしたりするなど、経験値と鬼畜度の高さを見せつける。そのまま下方へ進むと川が流れており、こけに覆われた橋がかけられている。この上で飯伏とジェネリコが落とし合いを見せたが、最終的に川へ落とされたのはばってんだった。一方、上の方の沢で闘っていたHARASHIMAが高尾をボディースラムで叩き込むが、2人とも流されてしまう。スタート地点の広場に戻ってきた飯伏は、ベンチの上でジェネリコをスリーパー絞めつける。落ちる寸前となったジェネリコだったが、不屈の闘志で反撃。そこから民族大移動は徐々に南下。その間に飯伏は伊橋の手をステップ台にしてのムーンサルト・プレスをHARASHIMAに成功させると、尿意をもよおしトイレへ。コーラを補給しながらばってん、ジェネリコと連れションをする。
そこからさらに南下すると、キャンプ時にゴミを集める巨大な穴を発見。HARASHIMAが蒼魔刀を狙ったものの伊橋にかわされ穴に転落。さらにばってんの手をつかみ「ファイト! 一発!」をやったが、ばってんが引きずり落とされる。一方、ジェネリコは木を蹴ってのスイングDDTで飯伏に反撃。そのまま流れで6人全員がキャンプ用テントの中へ乱入し、見えない乱闘を繰り広げた。戦場はなおも南下。バンガローの階段上でHARASHIMAと高尾が立札を持ってのチャンバラ。「10」を持った高尾が「4」のHARASHIMAに打ち勝つと、HARASHIMAは蒲田行進曲ばりの階段落ち。数字の大きい方が勝つことが証明される。一方、飯伏はバンガローの階段上からスワンダイブ。手すりが不安定だったため、さすがにケブラーダは「怖くてできなかったです」。いつの間にか星条旗を取り出したばってんはその裏に隠れるが、HARASHIMAによってあっさり見つけられてしまう。気がつけば戦場はキャンプファイアー広場へ。軽トラを発見した飯伏は目を輝かせて乗り込もうとするが、この男にハンドルを握らせたらまずいと思ったHARASHIMAがそれを阻止し、2人で荷台へ。空いた運転席に滑り込んだのはジェネリコだった。さらに、ばってんが伊橋を車に振ると、フロントガラスが大破! 言うまでもなくこの軽トラは主催者側の持ち物。器物破損行為をおこなった伊橋をジェネリコがひと思いにはねる。



