17日、埼玉・春日部ふれあいキューブにて「DDTプロレスさいたまスーパーアリーナへの道3」がおこなわれた。鶴見亜門GMと井上マイクリングアナによる前説では以下の事項が発表された。
①DDT×BiS異種対バン路上ライブプロレス6・5花やしきでのチケットがわずか2時間で完売となったため、5月18日に追完販売される。
②飯伏幸太とケニー・オメガは6・8川口大会を新日本代々木大会参戦のため欠場。替わりの特別ゲストを思案中。
③次回の春日部ふれあいキューブ大会は8月。
そして前日の全日本プロレス後楽園大会で石井慧介&入江茂弘がアジアタッグ王座初防衛に成功したことを埼玉のファンに報告した亜門GMだが、突然「キーーーーッ! 悔しいよぉぉぉぉ!」と言い出す。全日本がアイアンマンバトルロイヤルを開催していることに関して「ウチの至宝で商売するなんて! せっかくだからウチから選手を送り込みたいけど、2大会ともウチの裏じゃねぇか!」と文句を垂れる亜門GMだったが、全日本側からアイアンマンバトルロイヤル開催の事前連絡があったにも関わらず、亜門GMは「どうぞどうぞ」と承諾してしまったという。その代わりにDDT5・29新宿大会にその時点でのアイアンマン王者を招聘するとのこと。
続いてDDT新プロジェクトとして「テーマ曲プロジェクト」を発足するとアナウンス。ニコ生などでも対応できるよう、選手テーマ曲をオリジナルのものにリニューアル。楽曲制作はAKB48などの曲も手掛けているSizuk Entertainmentが担当する。その第1弾として完成した竹下幸之介の入場曲は今大会から流される。また、テレ玉『さいたまースラム』のテーマ曲である『ゲット・レディ』(Sizuk Entertainment制作)も6・29後楽園から『Into the Light』に替わってDDTテーマ曲として使用される。
最後に5・20新木場で男色牧場classicの収録を行う男色ディーノプロデューサーと主演のワンチューロが登場。ディーノいわく「思ったよりもいい作品になる」とのこと。ワンチューロは「サヨナラではないけど、一応バイバイです」と涙を堪えながら挨拶。すると亜門GMは宮武をリングに上げると、着ていた無地の黒Tシャツを引き裂いて「練習生Tシャツを着てこい!」と一喝。そこからワンチューロが「アー・ユー・レディ!? レッツゴー!」とオープニングコール。
オープニングVTR明け、高木三四郎、大鷲透とともに赤井沙希がリングイン。高木が「本日のインフォマーシャルの題材は5月30日に発売される赤井沙希さんのイメージDVD『Beautiful Day』です!」と発表すると、赤井を担当するオスカープロモーション・松本隆博マネジャーが見どころを解説。そして赤井が挨拶しようとしたところで中澤マイケル、大石真翔、DJニラが乱入。マイケルも自身のイメージDVDを2日前に自宅で撮影しており、「今回のインフォマーシャルマッチではどちらのイメージDVDをインフォマーシャルするのかの勝負です」と言い出す。そしてマイケルは「今日は目にものというか、いろんなものを見せてやるから覚悟しろよ」と赤井に宣戦布告した。
第1試合は竹下幸之介vs勝俣瞬馬のシングルマッチ。新テーマ曲で入場した竹下。その竹下が握手を求めていくが、勝俣は無視。ガブっていった勝俣は竹下が回転して脱出しようとしてもついていく。しかし、アームホイップで投げた竹下はもう一度握手を求める。これに張り手で応えた勝俣に対し、竹下も張り手を返していくが、ロープワークからアームホイップで投げていった勝俣はカウンターのドロップキック。腰攻めをどうにか堪えた勝俣はチョップから張り手を返すと、コーナーに飛び乗ってのダイビング・ボディーアタック。さらにスワンダイブで飛び付いてのフェースバスターを決めていったが、カサドーラを狙いはバックブリーカーで叩きつけられてしまう。逆エビ固めは悲鳴をあげながらもロープに逃れた勝俣。ブルーサンダー狙いをウラカンラナで切り返すと左右の張り手を連打してからロープに飛ぶ。竹下はカウンターのビッグブーツで迎撃するとブルーサンダーへ。ここからウォール・オブ・タケシタに持ち込んでギブアップ勝ち。試合後、勝俣の髪の毛を掴んで睨みつけた竹下に勝俣はエルボーを叩き込み、負けん気の強いところを見せた。
第2試合はアントーニオ本多vsワンチューロのシングルマッチ。スクリーンにはアントンが映し出され、バックステージリポーターとして自ら対戦相手のワンチューロにインタビュー。「チリ帰る前にアントンさんと対戦するの嬉しいよ」と答えたワンチューロがマイクを受け取ると、今度はリポーターとなってアントンにインタビュー。アントンは「試合後にはワンチューロの髪型が和田勉の髪型のようになりますよ!」と言う。試合が始まると互いにキャメルクラッチを狙うが、なかなか決まらない。どうにかワンチューロが決めるが、アントンはそのまま立ち上がると腰をグラインドさせてからワンチューロを投げ飛ばす。アントンがご立腹な様子になると、ワンチューロは必死にポルトガル語で訴える。すると「カリエンテ~」とアントンも笑顔で握手して和解。そこをトーキックで襲いかかったワンチューロは場外でアントンを痛めつける。「アミーゴ」と訴えるアントンに「アミーゴじゃない!」と言って踏みつけた。アントンもカウンターのテーズプレスを浴びせると、馬乗りナックルから顔面ニードロップ。続くDDTはワンチューロがロープを掴んですっぽ抜けさせると、コーナーに登ってドラゴンリングイン式の地獄突き。アントンもナックルパンチからバイオニックエルボーを狙う。ワンチューロはトーキックで迎撃し、逆にナックルパンチからバイオニックエルボーを狙う。アントンはこれをトーキックで阻止。続くナックルパンチからのバイオニックエルボーは相打ちでダブルダウン。カウント9で両者同時に起き上がると、アントンはボディーブロー。しかし、ワンチューロも逆さ押さえ込みからチリロール。カウント2で返したアントンはワンチューロの蹴りをキャッチするも、ワンチューロは延髄斬りで抵抗。アントンもカウンターのボディースラムで叩きつけ、ダイビング・フィストドロップへ。これを寸前で回避したワンチューロはネックブリーカーを決める。カウント2でクリアしたアントンはボディーブローを叩き込むと、ワンチューロもナックルパンチでやり返す。互いにアッパーカットで激しく殴りあうと、ワンチューロがロープに飛ぶ。アントンはカウンターのトラースキックをヒットさせた。ワンチューロも強引にボディースラムを狙うが、これをアントンがくるりと首固めで丸め込み勝利した。
試合後、アントンは「このワンチューロ選手、今月28日でチリに帰国されます。私は彼とボリビアという日本の真裏で初対面いたしまして、まさかこのようにDDTの中核を担う選手になると……思ってました!」とマイク。ワンチューロも「アントンさんは最高です! 今日は楽しかったけど、次の火曜はもっと楽しいです!」と言って、ファンに5・20新木場への来場を呼び掛けた。
第3試合は松永智充vs遠藤哲哉のKING OF DDT予選。松永から握手を求めると、遠藤も慎重に応じてから試合開始。「よしっ!」と気合いの雄叫びをあげた遠藤をロックアップからロープに押し込んだ松永だが、まずはクリーンブレイク。バックを取った遠藤の腕を取った松永は逆にバックに回る。今度は遠藤が松永の腕を取るが、松永がヘッドロックで切り返す。ヘッドシザースで脱出した遠藤は松永をコーナーに追い詰め、制止するレフェリーを突き飛ばして踏みつけると、そのまま場外に連れ出してボディースラム。松永をリングに戻した遠藤は逆片エビ固めへ。何とかロープに逃れた松永はストンピングを落としてくる遠藤に「もっと来い!」と挑発すると、蹴り脚をキャッチして倒してから逆に顔面を蹴り飛ばし、さらにレッグスプリットへ。拷問式で遠藤を悶絶させた松永は、遠藤を場外に連れ出すとボディースラムをお返し。さらにマットのない場所まで連れていき、会場の床にボディースラムで叩きつける。場外カウント19で辛くも戻った遠藤だが、今度は逆片エビ固めで捕獲されてしまう。どうにかロープに逃れた遠藤は松永に執拗にカバーされるが、歯を食いしばって何度も肩をあげていった。10分経過、松永のバックドロップを着地した遠藤はドロップキックからその場跳びムーンサルト。スワンダイブ式エルボーから串刺しエルボーを叩き込んだ遠藤がノーザンライト・スープレックスを狙う。これを松永はフロント・ネックロックで切り返す。さらにリバース・ブレーンバスター。遠藤もエルボー合戦を挑んでいくが、松永は左右の張り手を叩き込むとラリアット。2発食らっても倒れなかった遠藤は、カウンターのラリアットでなぎ倒すとブレーンバスターへ。しかし松永も脚にしがみつく。どうにかストンピングで引き離し、コーナーに登った遠藤はムーンサルト・プレスを投下。これをカウント2で返されると、もう一度コーナーに登った遠藤。松永がしがみついて阻止。強引にスタイリングDDTを決めた遠藤がフェニックス・スプラッシュを投下。しかし、これがかわされて自爆。すると松永が急角度バックドロップでブン投げる。遠藤のオーバーヘッドキック狙いもかわしてエルボードロップだ。これを回避した遠藤はその場跳びムーンサルト。松永もオースイ・スープレックスで押さえ込んだがカウント2。ならばと低空バックドロップで投げていった松永はDDTからタイガードライバーを決めてフォール勝ち。KING OF DDT本戦出場を決めた。
第4試合は高木三四郎&大鷲透&赤井沙希vs大石真翔&中澤マイケル&DJニラによる「オスカープロモーション赤井沙希最新イメージDVD ‘Beautiful Day’」インフォマーシャルマッチ。試合中、高木組がジャイアントスイングで相手選手を回すとその間、スクリーンで赤井のイメージDVD『Beautiful Day』が映し出されるが、逆にマイケル組がジャイアントスイングで相手選手を回すとその間、スクリーンではマイケルのイメージDVDが映し出されるという爆裂お父さん方式。赤井に高い位置での力比べを要求された大石は赤井の髪の毛を掴んでいくと、早くもジャイアントスイングの体勢に。しかし体をひねって逃れた赤井は高木にタッチ。マイケルにカウンターのフライング・クロスチョップを叩き込んだ高木は619からジャイアントスイングへ。その間、スクリーンでは赤井の映像が流され、高木は思わず見入ってしまう。続いてニラが猪木-アリの体勢になって大鷲を挑発。アリキックで大鷲を倒すとジャイアントスイングの体勢になるが、重さで回せない。そんなニラに上手投げを決めた大鷲。号泣するニラに替わってマイケルが出てくると、赤井が入ってきてミドルキック。しかし蹴り脚をキャッチしたマイケルは何と腿にキス。嫌がる赤井の替わりに高木が入ってきてマイケルをジャイアントスイングで回していくが、マイケルも赤井をジャイアントスイングで回して、自らのイメーDVDを流すことに成功。怒った赤井は大石にサッキーカッターを決めると、コーナーからダイビング・ボディーアタック。さらに高木と大鷲がダブルのフライング・クロスチョップを叩き込むと、大鷲が羽交い絞めにしたニラに高木がセーバーチョップを振るう。さらに2人がかりでニラをジャイアントスイングで回していく。そこにマイケルが入ってきて赤井をジャイアントスイングで回していく。そこからマイケルはアンダータイツを脱いでアルティメット・ベノムアームを狙うが、赤井は必死に腕を掴んで阻止。するとマイケルはその状態でもう一枚アンダータイツを脱いで両手でアルティメット・ベノムアームを狙う。高木と大鷲が赤井の救出に入ってくるが、マイケルは両腕で高木と大鷲にアルティメット・ベノムアームを決めてみせた。大石が「よくやった。これで赤井沙希は俺たちのものだ」とマイケルに近づいていくが、マイケルは何と大石にもアルティメット・ベノムアームを見舞ってKOに。ニラが裏切り者のマイケルに対して傘で刺そうとするが、あっさりかわされたため自決。リング上で選手たちが次々に倒れてしまい「だ…誰もいなくなった」と狼狽する赤井。マイケルは「やっと2人きりになったね。こんなイメージDVDなんて出してないで、2人でもっと過激なDVDを出そうよ!」と気持ち悪いことを言い出す。すると、オスカープロモーションの松本マネジャーが飛び込んできて「そんなDVD、オスカーが許可するわけないじゃないですか!」と至極全うに抗議。しかしマイケルは松本マネジャーにもアルティメット・ベノムアームを見舞ってKOしてしまう。マイケルはこれで邪魔者がいなくなったと赤井にアルティメット・ベノムアームで襲いかかるが、赤井はハイキックでどうにか迎撃。するとマイケルはタイツまで脱いで赤井に襲いかかる。必死にマイケルのバックに回った赤井は、マイケルのタイツが足元に絡まっているのを利用してマイケルを転がすと、実に嫌そうな表情で何とかカバーして3カウント。竹下が慌ててTシャツでマイケルの尻を隠す横で、赤井は泣きそうな表情でマイクを取ると「ボロボロでぐちゃぐちゃで臭いんですけど勝つことができました。今回の試合でDVDのいいところがちょっとわかっていただけたかなと思います。『Beautiful Day』、買ってください!」とアピールした。
休憩時間、40歳を迎えたユニオンプロレスのチェリーがリングインし、ユニオン5・18後楽園大会について「私のパートナーの男色ディーノは実は明日、誕生日です!」と告知した。
第5試合は飯伏幸太&ケニー・オメガ&佐々木大輔&伊橋剛太vs石井慧介&高尾蒼馬&MIKAMI&平田一喜の8人タッグマッチ。スクリーンでは高尾が平田に向かってお手製のマスクをつけて踊る姿を見たいと言い出す様子が映し出される。しかし高尾を一喝した平田は「リング上で踊るなんて三流レスラーのすることだよ。試合で見ているヤツらの心を躍らせてやるよ!」と豪語した。リング上では伊橋が「オイ、佐々木。今日はゴールデン☆ストームライダーズとゴールデン☆らんでぶぅ~が初めて組むんだ。仲良くやろう」と言って握手を求める。佐々木も素直に応じ、伊橋の先発で試合スタート。キレのある動きで平田を場外に追いやった伊橋だが、高尾が口に含んでいた水を伊橋の顔面に噴射。しかし、飯伏とケニーが入ってきて石井と高尾に同時ドロップキック。そこにMIKAMIがミサイルキックで飛び込んできてG☆Lを蹴散らすと、佐々木とやり合う。しかし伊橋が入ってきてMIKAMIを蹴散らすとと佐々木に向かって「俺のほうが強いぜ」とアピール。その背後から平田がローキックを叩き込む。伊橋もボディーアタックで平田を吹っ飛ばすと飯伏と交替。スリーパーで捕獲した飯伏に続き、ケニーが逆水平チョップ。さらに佐々木がドロップキックを叩き込むと、ラヴァーズが入ってきて相手コーナーにフロント・ハイキック。さらに伊橋を加えた4人でトレイン攻撃を決めると、ゴールデン☆ストームライダーズが平田に3連続ケブラドーラ・コンヒーロを決めて、さらに伊橋がジャンピング・ボディープレス。すると佐々木が「テメエじゃねえだろ!」と伊橋をどかしてカバーする。怒った伊橋が佐々木にストンピングを落として一触即発。仲裁せんとするケニーに平田が襲いかかる。佐々木をコルバタで投げた平田は石井と交替。フロント・ハイキックから串刺しジャンピングエルボー、ウルトラタイガードロップを決めた石井がバックドロップで投げる。これを着地した佐々木に石井は強烈なオーバーハンド・チョップ。佐々木もネックスクリューを返して何とか飯伏にタッチ。ここでMIKAMIが入ってきてデュランダル。さらにケニーに延髄斬りを叩き込むと、飯伏をスク~ルボ~イで丸め込む。さらにケニーにコルバタを狙うが、回転を止めたケニーはそのまま飯伏に向かってMIKAMIを放り投げ、キャッチした飯伏がジャーマン。そこに伊橋が入ってきてらんでぶぅ~でのアルティメット・ゴールデンバーガーを決める。しかし高尾がカットに入り、伊橋に口に含んだ水を噴射してからミサイルキック伊橋もレッグラリアットを返すとデッドエンドで投げていく。そして「イエイ、カモン!」を連呼しながら佐々木に指示。佐々木が高尾を押さえつけている間に伊橋がコーナーに登っていくが、高尾が佐々木を突き飛ばすと、ロープに激突。その揺れで伊橋がコーナー上でシットダウン。すかさずエプロンから石井が蹴り上げて転落させると、MIKAMIがダイビング・セントーンを投下。続けて高尾がダイビング・フットスタンプで踏んづけて勝利した。
試合後、ケニーは敗因を伊橋にあるとして糾弾。伊橋は佐々木がロープを揺らしたのが原因だと主張するが、佐々木が反論すると、ケニーも「オマエがすべて悪い!」と伊橋に言い放ち、飯伏も「そう思う」と同調。完全に裏切られた伊橋が半狂乱になると、そこへマイケルと松永が現れて伊橋に向かい、「俺もアイツらと仲良かったんだよ。でもアイツらは利用するだけ。俺、そのことに昨日気付いちゃった」と言い出す。松永が伊橋に「リング上で何をしたいの?」と尋ねると、伊橋が「目立ちたいです!」と応える。するとマイケルは「オマエは今のままで大丈夫! ありのままで大丈夫!」と言って『Let It Go~ありのままで~』を歌い出す。マイケル&松永と共闘する道を選択した伊橋は、亜門GMに向かってゴールデン☆ストームライダーズとの対決を直訴。「早く決着をつけたほうがいいから」と5・29新宿大会での6人タッグマッチを決定した亜門GMは「負けたほうは解散だからな」とサラッと宣告。それでもゴールデン☆ストームライダーズへのリベンジに燃える伊橋は、マイケル、松永とともに「1、2、3、ブヒィ~」で締めくくった。
【試合後のコメント】
ケニー 信じられないんですよ。友達かと思ったのに、結局、伊橋君は裏切り者なんだよ。
佐々木 裏切ったね。
ケニー いや、最近問題になりましたよね。
佐々木 いつも負けて、いつも言い訳して。
ケニー スミマセン、佐々木君。オマエは最初から正しかった。
佐々木 うん、そうだね。
ケニー そしていまから中澤さんと松永さんと組んでいくと言った。どうしよう。怖いですか? その3人のチームで。
飯伏 いや、大丈夫。
ケニー 大丈夫と思う? 大丈夫? 新宿、大丈夫と思う?
飯伏 大丈夫と思う。
佐々木 大丈夫と思う。
ケニー 私も大丈夫と思いますよ。何か言いたいことあるの? 私、ちょっと落ち込んでる……。
佐々木 落ち込んでるの?(笑) 友達に裏切られて?
ケニー そうですよ、はい。
佐々木 でも新宿で伊橋がどう来るかじゃない?
ケニー う~ん……どう伊橋が来るか?
佐々木 そうそう。中澤さんと松永に騙されて。
飯伏 あり得るね。
ケニー でも気にしないっすよ、私。この手で(拳で自分の手の平を叩きながら)ウー! 一発、二発、三発、ウー! ウー! ウー!
佐々木 おぉ~。
ケニー 飯伏、やってみて!
飯伏(拳で自分の手の平を叩きながら)ウー!
ケニー 佐々木!
佐々木(拳で自分の手の平を叩きながら)ウー!
ケニー(3人で拳で手の平を何度も叩きながら)死ね、死ね、オマエ~! 死ね、死ね!
飯伏 よし、それでいこう
ケニー はい。気持ちよかったですね。
松永 もうこっちは怒ってますよ! なんでみんなね、彼の良さに気付いてないの? もう自分の良さを言ったほうがいいっすよ!
伊橋 まず飛べる! 動ける! 料理ができる! 甘いマスク!
松永 お~! あとは?
伊橋 包容力のある体!
松永&マイケル なるほど。
伊橋 どっしりとしたこの足!
松永 はいはい。モテるんですよね?
伊橋 モテますよお。
松永 逆に言ってやったほうがいいっすよ! オマエらは学校の先生にホレれれたことがあるかって! そのときの話、してくださいよ! どうだったんですか?
伊橋 学校の先生にホレられて……ちょっと話しづらいですけど(苦笑)。
松永 いいんですよ!
伊橋 美術の先生ですよお! オマエら美術の先生にホレられたことあんのかよ?
松永 ちょっと滑舌が悪いですけど(苦笑)、美術の先生にホレられたことがあるのか?
マイケル 佐々木も飯伏もケニーもないだろう?
松永 どうだったんですか、ホレられた結果!
伊橋 ホレられた結果は……まぁ、その……楽しかったっす!
松永 楽しかったのは当然ですよ。どうなっちゃったんですか? 男と女の関係として
伊橋 まぁそれなりに……男と女になって……。
松永 飯伏、ケニー、佐々木はそういうことがあるのかって、もうこっちは怒ってますよ! こんな凄い人をのけ者にしちゃって。世の中が間違ってますよ! どうなんですか?
マイケル 人生の経験値で言えば伊橋は勝っているんですよ。
松永 だから5月29日の新宿大会ですか。新宿大会ですね、ちょうどうまくいった! 解散マッチでしょ? 飯伏、ケニー、佐々木のゴールデン☆ストームライダーズファンの人はさ、最後の姿を観に来たほうがいいんじゃないですか?
マイケル そうですね。
松永 もう5月29日の新宿ではどうなっちゃいますか?
伊橋 ゴールデン☆ストームライダーズは解散して、俺たちが新しい中心のユニットになるよ。
松永 俺がさっき言ったことを繰り返しているんじゃないかみたいなところがありますけど……。
伊橋 違う、俺たちがDDTの中心になるんだよ。
松永 からの?
伊橋 からの……そしてアイツらをぶっ潰して、俺たちのチーム名を発表する!
松永&マイケル お~~なるほど。
松永 じゃあ5月29日、アイツらを倒してそこで素晴らしいユニット名を発表しようじゃないですか。
セミファイナルは男色ディーノvs入江茂弘vsアジャ・コングの3WAYマッチ。スクリーンではアジャの控室に引きずり込まれた入江が何事かされて出て来る姿が映し出される。その後、ディーノの控室にはリポーターの宮武が連れ込まれてしまっていた。リングに上がったディーノは泣いている入江に襲いかかる。そこへようやくアジャが登場し、ダーリンの入江を救出。するとディーノは入江にどちらがいいのか決めてもらおうと提案。すると入江はディーノにエルボ-。さらにアジャにもエルボーを叩き込んでいく。ディーノはまずアジャをナイトメアでKOにすると、入江へ「こっちの世界に戻ってきなさい!」と襲いかかる。入江が必死で逃げたため、ディーノのリップロックは木曽レフェリーに誤爆。レフェリー不在の中、入江はディーノにラリアットを叩き込んでカバーするがカウントは入らない。松井レフェリーが呼び込まれるも、今度はアジャのリップロックが誤爆してしまう。松井レフェリーもダウンしてしまって緊急事態が発生。ディーノとアジャが入江の唇を奪い合う無法地帯と化したリング。困り果てた亜門GMが「誰かレフェリーはいないのか~~~!」と絶叫。するとあの曲がヒットし、とあるアイマスクを付けた平田がレフェリーとして登場。ダンスに興じた瞬間、ディーノとアジャからダブルのリップロックを食らってしまってKO。ついに無効試合を告げるゴングが鳴らされると、リング上に一人取り残された入江は、何か大事なものを失ってしまった様子で泣きながら引き揚げた。
メインイベントはKUDO&坂口征夫&マサ高梨vsHARASHIMA&ヤス・ウラノ&彰人の6人タッグマッチ。握手を求めるウラシマ彰人だが、酒呑童子が応じないとみるや奇襲攻撃を仕掛けていく。いきなり場外乱闘に雪崩れ込むと、リング上の高梨の背後からHARASHIMAが忍び寄る。高梨はHARASHIMAの手に噛みついて場外へ落とす。今度はその背後からヤスが襲いかかっていくが、坂口がリングに戻ってきてボディーブロー。しかしヤスが蹴り脚をキャッチすると、彰人が入ってきて合体攻撃で坂口の脚を痛めつける。KUDOが入ってきて彰人を蹴散らすと、ヤスにミドルキック。そこから高梨との連係攻撃を決めていく。坂口がミドルキックをヤスに叩き込むと、KUDOにタッチ。KUDOのミドルキックから坂口がチキンウイング・フェースロックへ。ヤスはこれをうまく逃れて彰人と交替する。坂口の左脚にDDTを決めた彰人はアンクルホールドへ。しかし、坂口は下から彰人を捕獲するとスリーパー。カットせんとするHARASHIMAにKUDOがキック。すると壮絶な蹴り合いからハイキックの相打ちに。その間に彰人が自力でどうにか脱出したが、替わったヤスが高梨によって場外へと出されてしまう。そこに坂口がエプロンでのPK。ヤスをリングに戻すとKUDOがエルボー合戦を仕掛けていく。ヤスもKUDOに対して感情的に向かっていくがチキンシンクを食らい、坂口のヒザ蹴りに遭ってしまう。高梨はヤスをコーナーに貼り付けにしてドロップキック。坂口のブレーンバスターからKUDOがスリングショット式ダブルニーを投下。KUDOがヤスをコーナーの上に寝かせると、坂口が串刺しランニングニー。苦しそうなヤスのバックを取ったKUDOだが、ヤスはサムソンクラッチで丸め込むとドロップキックでやり返してHARASHIMAとスイッチ。10分経過、ダイビング・カンフーキックを発射したHARASHIMAはKUDOの8×4をかわしてバッククラッカー。さらにスワンダイブ式ボディープレスから山折りを狙う。これを着地したKUDOはローキック。HARASHIMAも水面蹴りを決めてエルボー合戦へ。そこからの張り手が相打ちになると、坂口と彰人がリングイン。坂口のハイキックをかわしてヒザに低空ドロップキックを叩き込んだ彰人は俵返し。しかし坂口もミドルキックでやり返す。蹴り脚をキャッチした彰人はアンクルホールド。どうにか逃れた坂口がハイキックを叩き込むと、KUDOがダイビング・ダブルニーアタック。そこから高梨がタカタニックを狙うが、彰人もどうにか脱出。丸め込みの応酬になったところで、彰人はそこからサソリ固めを狙う。これは坂口にカットされた。高梨はもう一度タカタニックを狙うが、彰人はゴリースペシャルの体勢で切り返すと、そのままシットダウンして高梨の両ヒザをマットに突き刺した。そこから今度こそサソリ固めに捕らえる。カットに入ったKUDOにHARASHIMAがリバース・フランケンから串刺し式の蒼魔刀。その間に彰人はサソリ固めからトライアングル・スコーピオンに移行。これでギブアップを奪って新ユニットでの初陣を勝利で飾った。
試合後、HARASHIMAがマイクを取る。「KUDO、前哨戦、こっちがガッチリ勝ちました。名古屋で絶対にその黒と金のほうのベルト、こっちに取り返してやるからガッチリやろうぜ! 絶対取り返してやる!」。これにKUDOはHARASHIMAを睨みつけながらKO-D無差別級のベルトを誇示し、坂口、高梨とともに引き揚げた。
するとヤスが「酒呑童子ってすごいよね。何かベルトいっぱい持ってるじゃん! 3人のベルトも持ってるけど、その3人で勝ったんだから、あのベルト僕らのもんじゃん! でもその前に僕と彰人君はほかの人たちと闘うんで。その2人はすごい誇らしい2人なんだよ。DDTにいながら全日本プロレスのベルトを持っている、とっても誇らしい2人なんだよ! 九九の七の段もロクに言えないのにアジアタッグを獲っちゃうような2人なんだよ!」と、やたらにアジアタッグ王者の石井&入江を持ち上げる。そこにご機嫌な様子で石井と入江が登場。石井が亜門GMに向かって、5・25名古屋大会でヤス&彰人相手にアジアタッグの防衛戦を組んでほしいと訴えるが、アジアタッグが全日本の管理のため、亜門GMは「交渉はしますが、即答はできません」と答える。しかし、石井はこれを無視して「アジアタッグ決まりましたー! 5月25日、名古屋でアジアタッグの防衛戦をやります!」と勝手に宣言。石井と入江が引き揚げたあと、彰人まで「アジアタッグ、決まりましたー!」と言うが、亜門GMは「決まってない、決まってない!」と慌てて訂正した。
7
ここでHARASHIMAがユニット名を発表しようとしたのだが、昼ぐらいまで九分九厘決まっていたユニット名が残念ながら使えなくなったと告げる。何でも当初は“YAH YAH YAH”というユニット名にして、テーマ曲も同名の曲を使用しようとしていたらしいのだが、諸事情によりそのユニット名も曲も使えなくなったと説明。観客も納得する中、彰人が改めてユニット名を“スマイルスカッシュ”と発表するも、観客の反応は微妙。しかしスマイルになってから、相手をひねり潰すような決めポーズを四方に披露すると最後は彰人が「俺たちには夢がある! I have a dream! You have a dream!」と叫んで春日部大会を締めくくった。
【試合後のコメント】
HARASHIMA 酒呑童子との前哨戦、今日僕ら新ユニット、スマイルスカッシュがガッチリ勝って。もう僕は5月25日の名古屋、タイトルマッチ闘うだけです。絶対にKUDOからKO-Dのベルトを取り返します。もうね新しい仲間が増えて、うちらキテますよ! いい感じ! ねえ?
彰人 僕らもタッグ、25日の名古屋大会で決まったんで。絶対、入江&石井組から獲って、僕らがアジアタッグのベルトを巻いて、全日本に乗り込むくらいの気持ちで。
HARASHIMA そしたらまた3人で酒呑童子のベルト、6人タッグ。今日、実際勝ってるからね。
彰人 もうベルトを動かしてもいいくらいですからね。
ヤス もうね、今日朝、お風呂に入りながらユニット名決めたいたいなぁと思って。彰人が言ったのを……。
彰人 YAH YAH YAHがいいって前から言っていたんですよ。
ヤス あのときはバカにしたけど、超いいじゃんって思って。
彰人 ユニットのテーマ曲も『YAH YAH YAH』で入ってきてって決めていたんですけどね。
HARASHIMA(ヤスは)バンダナ伸ばしてサングラスかけてね、僕のガウンをなびかせて入場しようかな、ぐらいに思っていたんだけどね。
彰人 そうですね。ただ昼間ちょっと悲しい出来事があってね……けどね、代わりにいいユニット名が結局ついたんで。
HARASHIMA あれは一般公募で来た名前なんで。
彰人 スマイルスカッシュとしてね。
――決め手は?
ヤス まあ切羽詰まったってところですか(笑)。
HARASHIMA まあ僕らのユニットのイメージ? ほかの候補にね、顎髭がみんなあるから“顎髭烈風隊”とか“顎髭危機一髪”とかあったんですけど、何かもっとねスカッといきたい……スカッといきたいと言ったときに一般応募で来たんですけど、スマイルスカッシュ!
ヤス 初めからから決めてましたからね。
HARASHIMA レモンスカッシュ的な感じで。
彰人 笑顔でね対戦相手をみんな潰していきたいなと。
――イメージとしては弾ける感じですか?
彰人 そうですね。スマ~イルのスカッシュ……。
HARASHIMA 笑いながら相手を握りつぶすような。たぶん握り潰すってスクイーズですよね? レモンスカッシュは造語だと思うので、スカッとさせるみたいな。まあそれを合わせて。たぶん英語で正確に言うと違うんですよね? スクイーシャーとかになっちゃうんで。
――ウラノ選手と彰人選手はアジアタッグにどのようなイメージを持っていますか?
ヤス ものすごく由緒が正しい、日本で一番由緒が正しいんじゃないかな?
彰人 古いベルトですね。わからないけど。
ヤス まあアジアって言ってもわからないですけど、日本に現存するベルトの中でもの凄く歴史が深くて、日本らしさがあるベルトだと思います。自分、全日本プロレスに出ていた時によく見ていたので。
――リング上で王者組をかなり褒めて……いなかったと思うんですけど、王者組のイメージは?
ヤス はい。バカですね。あんなバカだとは思わなかったですけど。
HARASHIMA でもある意味、幸せだよね。そう思いました。
彰人 何か同世代として恥ずかしいかなと、はい。
KUDO 俺は3月にHARASHIMAに勝ってんだよ。でもこのタイミングで挑戦してきたってことは、要するにまだ負けたと思っていないってことでしょ? ふざけんなって! 俺は勝っているんだし、次も勝ってもう二度と挑戦させません。完膚無きまでに叩き潰して、勝てるなんて思わせないような形にします。(2つの酒瓶を持ちながら)札幌と埼玉……祝杯あげられなかったんで、名古屋で札幌と埼玉と名古屋の地酒、3本全部飲み干したいと思います。以上です。