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【春日部リポート】KO-D無差別級前哨戦は入江勝利も「福岡が終わったら修行に出ます。野獣になって帰ってくる」/石井が世界ジュニア

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    • 13日、埼玉・春日部ふれあいキューブにて「さいたまスーパーアリーナへの道8」がおこなわれた(試合結果)。鶴見亜門GMの前説では以下の説明があった。
      ①本日20時からYouTubeのDDTオフィシャルチャンネルにて、11・28北沢でのDNA旗揚げ戦の模様が煽り映像込みで全試合アップロードされる。
      ②明日の博多大会に向けてグッズなど、ある程度の荷物を先に輸送したところ、誤って各タイトルのベルトまでボックスに入れて送ってしまっていたことが発覚。「スタッフのミスは私のミス。最高責任者として最高のお詫びの仕方でお詫びさせていただきたいと思います」と亜門GMはカツラを外して頭を下げた。

      今回のオープニングコール担当として呼び込まれたのは2014年度の東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞で女子としては史上初の新人賞を獲得した赤井沙希。「DDTのお客様、みなさまのおかげで受賞できました」と喜びを語った赤井は亜門GMから「次は女子プロレス大賞だね」と促されると「MVPを狙います!」と宣言して「春日部大会、スタート!」。

      第1試合はMIKAMIvs大石真翔vs高尾蒼馬の3WAYマッチ。共闘を持ちかけたり、組んだり裏切ったりが激しい3WAYマッチは、高尾のドロップキックからのカバーにMIKAMIがセントーンを発射。大石はMIKAMIにリバース・インディアンデスロック+高尾に河津落としを決めるなど器用に攻める。MIKAMIは高尾にデュランダルを決めつつ大石にはセントーンを同時に決める。MIKAMIは2人まとめてブーメランからスワントーンボムを投下。しかしこれはかわされて自爆する。高尾は大石にスイングDDT。続くジントニックを凌いだ大石のバックを取るも、そこをMIKAMIがまとめてスク~ルボ~イで丸め込む。これはカウント2。大石の高尾へのミラクルエクスタシーからのカバーをMIKAMIがスワンダイブ式スク~ルボ~イで丸め込むが、大石はこれを丸め込みで切り返して技あり勝利。





      第2試合は中澤マイケル休業カウントダウン2「僕、足を舐めるのは浮気だと思ってませんよ」。対戦カードは高木三四郎&大鷲透vs中澤マイケル&赤井沙希。マイケルがさっそくマイクを取る。「赤井さん、改めて新人賞おめでとうございます。そんな赤井さんは、こんなケダモノ2人を相手にするまでもないですよ。シンガポールに行く前にカッコつけさせてください。この2人を相手に僕一人で闘ってみせます。さあ井上、闘いのゴングを鳴らせ!」。ゴングと同時にマイケルが向かっていくも大鷲のビッグブーツが決まって3カウント。

      「どうですか? おもしろかったでしょ? 6試合のうちの1試合がさくっと終わってよかったですよ。それではみなさん、さよなら、さよなら、さよなら」と勝手に終わらせようとするマイケルに赤井は「私、新人賞を取って初めての試合やのにアンタ、もうちょっと頑張りなさいよ!」とビンタし、「そんなんやったから嫁はんに逃げられるんよ! そんなんやったらシンガポールに嫁はんついていかへんで!」とマイクを投げつける。さらに大鷲に向かって「おい、黒豚、ウチと試合しろ!」。

      こうして再試合へ突入し、赤井は「これが新人賞のグラビア固め」で攻めたてるも大鷲の逆水平一発でダウン。さらに高木も厳しいエルボーを食らわせる。赤井はビッグブーツでやり返すと、大鷲のノド輪落としもウラカンラナで切り返した。赤井は交替を嫌がるマイケルの背中にタッチ。しかしマイケルの攻撃は弱々しく、高木の「やる気あんのか!」というチョップに「やる気ありません」と無気力なチョップで返答する。「いつものやるやれよ! 熱くなってきたぜとかやれよ!」と高木に促されても「俺はもう終わってんでよ! 俺はとっとと6試合やってシンガポールに行きたいだけなんだよ。もういい! この試合が終わってシンガポールに行く!」と言いだす始末。すると宮武、木曽レフェリー、映像班の福田&久保、井上リングアナ、週刊プロレス・加藤朝太記者、亜門GMがマイケルに憧れていたことを告げてズボンを下ろし、パンツを見せる。これで元気になったマイケルが攻勢に出ると「みんなの元気をオラにわけてくれ!」。すると憧れていた面々がバックステージへと下がり、各々が脱いだパンツを渡そうとするが、これを高木と大鷲が阻止。するとマイケルは2人を押さえつけて「赤井さん! 俺がこうしている間に君が元気玉を完成させるんだ!」。各々が嫌がる赤井の右腕にパンツをかけるとマイケルは「その元気玉をこの2人くれてやるんだ!」。意を決した赤井が「おのれフリーザ!」と向かっていくも、あっさりかわされてマイケルに誤爆。高木がマイケルにシットダウンひまわりボムを決めて勝利した。



      第3試合は竹下幸之介&遠藤哲哉&アントーニオ本多vsKUDO&坂口征夫&マサ高梨の6人タッグマッチ。竹下&遠藤vsKUDO&坂口は12・23後楽園のKO-Dタッグ選手権試合の前哨戦。竹下vs坂口の先発で試合スタート。まずは坂口がグラウンドに引き込んで優勢に出る。続いて遠藤vs高梨。遠藤がドロップキックを決めるとコーナーに控えるKUDO&坂口をリング下に落として、アントンが加速を付けての遠藤&竹下による合体エルボーを高梨に極める。酒呑童子も場外戦に持ち込み、リングに戻るとタッチワークで遠藤を孤立させる。苦しい遠藤はKUDOにオーバーヘッドキックを決めてピンチを脱出。替わったアントンが一気呵成の攻め。KUDO&高梨にまとめてバイオニックエルボー。テーズプレスからエルボードロップを見舞うもKUDOはカウンターのチキンシンクでやり返して、坂口とタッチ。坂口は腹パン。アントンはサミングからマンハッタンドロップを決めて竹下とスイッチ。坂口のミドルキックにエルボーでやり返す竹下。竹下のブレーンバスターはカウント2。ウォール・オブ・タケシタ狙いを坂口はアンクルホールドで切り返す。竹下は空いている脚で蹴り上げて解除し、ハーフハッチ+遠藤のその場跳びシューティングスターを決める。しかし、酒呑童子もKUDO&坂口で竹下にサンドイッチPKを決めて、さらにKUDOが遠藤をスピンキックでダウン。コーナーにセットされた竹下に坂口が串刺しニーからKUDOが地獄の断頭台。カットに入ったアントンが排除されると、酒呑童子③人で竹下をいたぶる。高梨のトラースキックからタカタニックは遠藤がスワンダイブ式エルボーでカット。アントンがKUDOを、遠藤が坂口をバックドロップで場外へと追いやり、さらに遠藤が2人にケブラーダ。竹下のタッチダウンをかわした高梨が丸め込むもカウント2。竹下が今度こそタッチダウンを決めて勝利した。試合後、竹下&遠藤とKUDO&坂口が激しく睨みあった。





      【試合後のコメント】
      KUDO なんなの、竹下。「俺から取って見ろ」って言ってたよな。今日、何だあれ。俺らから取る気ねえだろ。俺らから取れないから高梨から取ったんだろ!? フザけんじゃねえって!
      坂口 この間、テメエが言っていたことを、そっくりそのまま返してやるよ。直接対決があるから、アイツから取ってやるよ。俺ひとりで十分だ。
      KUDO 明日、4WAYで坂口さんが竹下を殺(や)ってくれますんで、俺は遠藤をタッグマッチで殺します。
      坂口 もう23日、怖くて怖くて後楽園これないぐらいに植えつけてやる。
      KUDO 飛んだり跳ねたりするつもりはないから。遠藤とは殴りあい、蹴りあいで明日、ケリつけたいと思います。
      坂口 あんなカッコつけてるヤツには負けないですね。ぶっ殺してやります。


      アントン 前回の私とタケちゃん組の敗戦もありですね、そこから学んだことは今日生かせたと思います。一回落ちることによって学んでいく。これがハッピーモーテルであり、人間の姿ではないでしょうか。なんかよかったと思いますよ。
      竹下 先週、監督が取られてしまった時に僕は「監督から取るんじゃなくて、俺から取ってみろ」と言いました。今日はどうなのか。僕は高梨さんから取りました。これは仕返しですね、簡単に言うと。仲間がやられる辛さ、怒りを味わってもらおうと。仕返しです。ただ一つ言うなら、余裕はなかったです。正直強い。でも一つ前の監督の借りは返せたんじゃないかなと思います。
      遠藤 KUDOのバックスピンは正直、ちょっと効いたよ。ただそれだけ。それしかない。蹴りなんていくらでも我慢できんじゃん。今日は俺たち3人揃って上だって証明できたから、それでいいんじゃないですか。
      竹下 正直、今日の蹴りは僕は我慢できませんでしたが、でもこの素晴らしい仲間たちが助けに入ってくれたんですよ。
      アントン 正直、今日の遠藤に対する蹴りはかなりやばかったと思う。そこをあえて「それだけですよ」という遠藤。その気丈なところが私は素敵だと思います。たぶん、チョー辛いと思います。でも効いてないようなツラをして、ポーカーフェイスでね。それがハッピーモーテルであり、本来の人間の姿ではないでしょうか。あるべきアティテュードじゃないでしょうか。
      竹下 哲ちゃんはもうすぐですよ。後楽園では覚醒しますから。蹴られて、蹴られて、ハングリー精神を出して覚醒しますから。その時、本当の姿になりますから。
      アントン 今、遠藤はモスラでいったら地をはっている幼虫タイプ。これがどうなりますか。羽根生えちゃうでしょ!?
      竹下 羽根生えてガルーダテツになりますから。
      アントン 繋げることもなかったと思うけど(笑)、わかりにくいところに着地することもなかったと思うけど、この(竹下の)ドヤ顔! それが23日、イブイブに飛び立つのはこの遠藤哲哉であり、竹下幸之介であり、地味にセコンドで飛んでいるアントーニオ本多だ。


      第4試合はゴールデン☆ストームライダーズ新メンバーオーディション一次審査。亜門GMに呼び込まれた審査員の飯伏幸太&佐々木大輔、オーディション参加メンバーの勝俣瞬馬、宮武俊、伊橋剛太、DJニラがリングイン。亜門GMによれば「厳正なる書類審査に通過した4名です。ほかにも素人さんから4通ほど応募がありましたが残念ながら落選となりました」とのこと。ルールはこの4人が自分の魅力を存分にアピールしながら闘い、誰かが審査員からフォールやギブアップを取れば即合格。逆に審査員からフォールやギブアップを取られた場合は失格となり、今回は2名が脱落するまで続けられる。残った2名が12・23後楽園の最終審査に進出できる。4人が意気込みを述べて試合スタート。

      ニラはなぜか審査員側のコーナーに控える。宮武が筋肉アピールすると伊橋がしゃしゃり出て、勝俣が飯伏を丸め込むと伊橋がカットに入る。ニラは飯伏や佐々木がコーナーへ戻ってくるたびに金銭やタバコをあげていたが、いつの間にか正規のコーナーへと戻っていた。その間にも勝俣が飯伏と佐々木の連係で攻め込まれる。なんとかダブルのドロップキックを決めたが串刺し攻撃は伊橋がカット。伊橋は飯伏にカウンターのラリアット。続いて佐々木vs宮武。佐々木のクロス・フェースロックはロープエスケープした宮武はバックエルボー。このカバーは勝俣と伊橋がカット。3人が「邪魔するな!」と仲間割れを起こすとニラが「こんな醜い争いを見て楽しいのか! それもすべてこんなインチキオーディションを組んだオマエらのせいだ!」と審査員に向かっていくも、飯伏のジャーマンでフォール負け。丸め込みで奮闘する勝俣に飯伏がラリアット。続くシットダウン式ラストライドが決まったところで、なんと場内に中邑真輔の入場曲『Subconscious』がヒット。場内が騒然とするなか、花道に現れたのは西口プロレスの中邑珍輔だった。リングサイドをアピールしながら1周した珍輔はリングインするなり、たぎって木曽レフェリーにボマイェを決めてしまってノーコンテストに。


      試合後、ジェスチャーでゴールデン☆ストームライダーズ入りを熱望した珍輔だったが亜門GMは「履歴書も送ってないんでしょ? ダメ、ダメ!」と拒否。しかし、聞かれた審査員には「大丈夫です!」(飯伏)「合格です!」(佐々木)と高評価。困った亜門GMは「百歩譲って」12・23後楽園で失格にならなかった伊橋、勝俣、宮武に珍輔を加えた4名で最終オーディションをおこなうことを伝えるも珍輔は「どーしよっかなー?」。これに「オメエに選択権なんかねえわ!」と逆ギレしたが再度懇願すると珍輔は「DDT、答えはこうだ! イヤァオ!」。珍輔はダンボールで作られた白いインターコンチネンタルのベルトを飯伏に見せつける。新日本1・4ドームで中邑真輔のIWGPインターコンチに挑戦する飯伏は珍輔となぜか視殺戦を繰り広げて退場した。


      第5試合は平田一喜vsベルナール・アッカのシングルマッチ。さっそく『●O●●O ●O!』で踊る平田だったがアッカに睨まれてしまうとダンスを終了。平田「ちょっと怖すぎでしょう。とりあえずアッカさん、俺はこの前の後楽園であなたにKOされましたよ。ああ無様でした! それが地上波に流れました、それも無様でした! でも逆に言うとKOされても地上波に出たってことですよ! ということは、あなたを倒してLiLiCoさんからベルトを獲れば、ビッグ地上波ってことですよ! アッカ、今日はテメエを踏み台にしてやる! 闘いのゴングを慣らせ!」しかし、アッカの左ストレートでさっそくダウン。なんとか立ち上がった平田は「なかなかやるじゃねえか。オマエのその熱い気持ち、ここに響いたよ。今日はこれぐらいで勘弁してやる!」と退散しようとするが、高木と大鷲が花道を塞ぐ。追いかけてきたアッカがリングサイドで平田を蹴って蹴って蹴りまくる。リングに戻った平田はソバットから延髄斬り。さらにエースクラッシャーを決めるもカウント2。しかし、アッカは強烈なカウンターのバックキックで平田の動きを止めてハイキックであっさり料理。



      試合後、高木が平田を抱き起すと「こんなもんで、俺に勝ったと思うなよ! アッカ、12月23日、後楽園ホールで平田一喜&俺様でリマッチだ!」と前回の後楽園よろしく腹話術状態で操ったが、亜門に「高木さん、ちょっと平田じゃ無理がありますよ。完全KOされているじゃないですか」と渋られる。するとアッカは「彼がかわいそうですよ。社長なんだから責任取りましょうよ! どうせやるなら強い人とやらないと意味ないじゃん!」と高木との対戦を要求。亜門GMも「高木さん、腹くくってください」と呼応する。アッカは「今日みたいな試合だとLiLiCoさんは納得しないんで、次はちゃんとそこに座らせてカッコいいところを見せます!」と12・23後楽園のLiLiCo来場もアナウンスした。こうして12・23後楽園での高木vsアッカが決定した。


      セミファイナルはDDT EXTREME級選手権スリーコンプリートマッチ。第30代王者の彰人は松永智充を相手に4度目の防衛戦。ゴングが鳴っても両者はしばらく動かず。松永が無理やり彰人を押さえ込んで試合が動き出す。松永が執拗なヘッドロックで彰人を封じる。ヘッドロックでやり返そうとする彰人にバックドロップからスモーピオン・デスロックは逆に彰人のサソリ固めに切り返され、それを切り返した松永がサソリ固め。彰人がこれでギブアップして松永がワンコンプリート。丸め込みで活路を見出したい彰人。オモプラッタクラッチでフォールを奪ってワンコンプリート。





      彰人がキャメルクラッチでギブアップを迫る。何とか逃れた松永はスリーパー。そこから十字架固めに丸め込み、フォールを狙う。彰人はキャンバスへのニークラッシャーで逆転。松永はこれで左ヒザを痛めてしまう。ここから彰人は左ヒザ攻めを展開。鉄柱を使った攻撃に松永は悶絶する。彰人は満を持してアンクルホールド。松永は何とかエスケープして15分が経過。松永は向かってくる彰人をエプロンに出す。その松永も彰人によってエプロンへと出されると、松永は奈落式エメラルド・フロウジョンで彰人を場外マットへと叩きつけたが両者オーバー・ザ・トップロープで両者2コンプリート。リングに戻ると松永は彰人をコーナーにセットして雪崩式で顔面から落としていく。彰人もリバースゴリーから松永の両ヒザをキャンバスへと叩きつけた。松永はバックドロップを決めると雄叫びをあげ、ダブルアーム・パイルドライバー。さらにトミーボンバーで畳み掛けるがカウント2。松永のトミーボンバーが再度決まるがこれもカウント2。彰人は足横須賀で逆転すると関節技を狙うも逃げられる。すると彰人は頭突き4連発。松永の電車道を何とか迎撃した彰人が足横須賀。彰人は松永をコーナーにセットしてヒザのサポーターを下げさせた上で雪崩式足横須賀を決めると腕取り足4の字固めでギブアップを奪い、3コンプリートで彰人が勝利した。



      試合後は両者が健闘を称えて握手をかわす。松永はベルトがあるものとして彰人の腰に巻いてあげて退場。彰人はマイクを取る。「ちょっと今日の試合、しんどかったんで座っていいですか? 松永さん、ありがとうございました。松永さん、今日やってわかりました。やっぱり松永さんは門番です。松永さんから勝った、どんどん勝っていくうちに僕は負けられない。それが心地いいプレッシャーです。さいたま(スーパーアリーナ)もベルトを巻いて臨みたい。EXTREMEのベルトは俺のもんだー!」。

      【試合後のコメント】
      松永 まあ完敗ですね。僕の中で作戦を考えたときにギブアップを取って勝った記憶がなくて…これは苦手なものから消していくのか、得意なものから消していくのか、そういうルールだったと思うけど、やっぱりギブアップ取って、オーバー・ザ・トップロープに関しては割り切ったものがあって、相手にダメージを与えられればいいなぐらいに思っていて、外に出されたときに機転が効いたというか。これはいけるかなと思ったんですけど、何回も防衛しているチャンピオンだから強かったですね。応援してくれたお客さん方にすげえ申し訳ないけど、また一つ一つやってこういうチャンスを手にして、次はベルトを手にしたいです。すげえ悔しいけど、スッキリしています。チャンピオンは強かったですね。
      ――チャンピオンになって中澤選手とのタイトルマッチを熱望していたが。
      松永 本当ですね。それは今気づきました(苦笑)。中澤さんは1月3日のカードがあるから、そこでというのもあるけど、俺が決めるものじゃないしね。ただタイトルマッチができなかったことはプラスに考えれば、あの人が何かしらの形で戻ってきたときに、俺がベルト巻いていれば実現できると思うので。何かいい方向に考えて、そういうシチュエーションを手にして応援してくれているお客さんのためにも次は勝ちたいと思います。

      彰人 今日は今までのEXTREMEで一番タフネスな試合だったかなと。ルールが3カウント、ギブアップ、オーバー・ザ・トップロープ、全部一つの試合で取らなきゃいけないというのが頭も使うし、体力も使うし。試合終盤は今までで一番ヤバいなと追い込まれて。う~ん、何が勝因だったんですかね。僕的には松永さんの方がクレバーだし、力もあるし、スタミナもあるし。だけど僕はEXTREMEというベルトにすごい思い入れを持っているんですよ。ディーノさんという憧れの人から獲ったというのが一番大きくて。そのベルトを渡したくもないし、あと2ヵ月後にはさいたまもある。目の前にさいたまがある。だからベルトを持ち続けてさいたまも挑んで、そこでも勝ってEXTREMEのベルトをずっと持ち続けて、ベルトの価値をどんどん高めたいと思っていたので、最後は気持ちで勝ったかなと思います。今日のスリーコンプリートルールは、ほかでもああいう形式は見たことなかったので、自分の中でもターニングポイントになる試合だったので、あのルールは大事にしていきたいなと思います。
      ――対戦相手が松永選手でよかった?
      彰人 そうですね。松永さんは僕にとって初めてDDTに上がって対戦した人間で、僕にとっては門番であり、トータルバランスもいい鉄人だと思うんですよ。だから松永さんとタイトルマッチができたのはプラスになったし、これからのEXTREMEの弾みがついたと思います。

      メインイベントはHARASHIMA&ヤス・ウラノvs石井慧介&入江茂弘のタッグマッチ。HARASHIMAと入江は12・23後楽園でのKO-D無差別級選手権試合の前哨戦。石井vsヤスが激しくやりあい場外へと雪崩れ込むと、入江はHARASHIMAへ一直線。リングに戻るとHARASHIMAとヤスが代わる代わる石井を攻撃していく。石井がなんとかHARASHIMAにボディースラムで叩きつけて入江とタッチをかわしたが、ヤスが松井レフェリーを引きつけて目視できず、入江が出てきてもタッチは認められないまま。ヤスは石井にバックブリーカーからカナディアン・バックブリーカー・ドロップ。石井は打点の高いドロップキックでようやく逆転。入江が向かっていくも、今度はヤスに捕まってしまう。替わったHARASHIMAは入江の右腕を絞っていく。ヤスもハンマーロックでダメージを重ねる。HARASHIMAがアームブリーカーを決めて10分が経過。HARASHIMAの腕十字はニアロープ。ヤスが入江の右腕に向かってミサイルキック。続く腕固めは入江が無理やり持ち上げて解除した。ようやくタッチを受けた石井はヤスにアームホイップからダブル・ニードロップ。ジャーマンを決めたがカウント2。ヤスは延髄斬りからHARASHIMAにスイッチ。ダイビング・カンフーキックを決めたHARASHIMAは串刺しフロント・ハイキックから雪崩式ブレーンバスター。石井はウラカンラナでHARASHIMAを投げてヒザ蹴り。入江が出てくるとテディベアを投下する。これはカウント2。HARASHIMAはバッククラッカーからミドルキック。その脚をビーストボンバーで刈った入江。それでもHARASHIMAは右ハイキックを決めたが、入江がビーストボンバーでやり返してダブルダウン。先にタッチを受けたヤスが入江にバックドロップ。これはカウント2。入江はブレーンバスターからコーナーに登る。これはHARASHIMAが阻止。コーナー上の入江をヤスが雪崩式フランケン。直後にHARASHIMAがスワンダイブ式ボディープレス。ヤスがスライティングキックからカバーするもカウント2。入江は重いエルボーでヤスを倒すとHARASHIMAにはランニングエルボー。ヤスに石井がgo 2 入江 sleepから入江がブラックホールスラム。さらにフライング・ソーセージで続くがHARASHIMAがカット。入江がHARASHIMAをビーストボンバーで蹴散らして、ヤスに渾身のビーストボンバーをブチ込んで勝利した。





      試合後、入江はダウンするHARASHIMAに声を荒げる。HARASHIMAは入江を睨みつけて引き揚げた。亜門「入江クン、おめでとう。見事な勝ちっぷりでした。すごかった。これで23日んほ後楽園に向けて一歩優位に立ったんじゃないの?」入江「チームの2人のためにも応援してくれるお客さんのためにも負けられないので絶対勝ちます!」亜門「期待しているから」入江「はい! 後楽園では亜門のために絶対ベルト獲ります!」亜門「あの~…さんぐらいはつけようか」入江「亜門のためにベルトさんを獲ります」亜門「最後、勝ったんだから締めてください」入江「今日はこのチームドリフのおかげで勝つことができました。後楽園では僕ひとりですけど、この2人の気持ちを背負って必ずベルトを獲ります。そしてさいたまスーパーアリーナのメインに僕が立ちます! いくぞー! プロレスは絶対に裏切らない! 最後までタチムカウ!」



      【試合後のコメント】
      HARASHIMA 前哨戦であらためて入江の破壊力を思い知りました。彼は一つ一つがフィニッシュ級の技なんで、攻撃力がすごいのをあらためて感じさせられました。
      ――最後に受けたビーストボンバーはかなりのダメージがあるようだが。
      HARASHIMA そうですね。久々にヤバいと思いました。でもアゴは折れていないので大丈夫です。ちょっとトラウマが…。気をつけたい思います。今日のチームの負けで、彼の強烈な攻撃を食らって、なおさら気を引き締めていかなきゃいけないと思いました。
      ――1・26後楽園のタイトルマッチの時の入江選手とは違う?
      HARASHIMA 全然攻撃力は上がっていると思いますね。
      ――中盤のエルボーの打ち合いでも倒されていましたが。
      HARASHIMA エルボーは前から強烈でしたけど相変わらず強いですね。
      ――試合後、入江選手に何か言われていたようだが。
      HARASHIMA 僕がボーっとしていたのであまり聞いてなかったです。ヒザが立たなかったので下から見てました。
      ――それぐらい威力があった。
      HARASHIMA 彼の攻撃は一つ一つがすごいです。

      入江 今日勝ちました。HARASHIMAさんから直接ではないけど、2人とも蹴散らして何とか勝ちました。でも今日試合をして、少し自信は出てきたんですけど、まだまだ僕はちょっと野獣にならないといけないと思っているので、明日の福岡が終わったら修行に出ます。野獣になって帰ってきます。

      石井 ちょっとDDTとは関係ない話かもしれないけど、入江クンが12月23日にKO‐Dに挑戦して、僕も今年はいろんなタイトルに挑戦してきたんですけど、今ここにきて明日、全日本プロレス後楽園大会である青木篤志vs渕正信、世界ジュニア戦の結果と試合にすごく気になっているというか興味があります。できれば年が明けて、すぐに動き出したい気持ちでいます。

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