15日、愛知・名古屋国際会議場にて「友情、努力、勝利 in NAGOYA 2016」がおこなわれた。鶴見亜門GMの前説では出場を予定していたマンモス半田がひき逃げ事故に遭って左足を負傷したため欠場。代替として3代目ウルティモ・ロビンの参戦が改めてアナウンスされた。オープニングコールには本日のメインでKO-Dタッグに挑戦する彰人&ヤス・ウラノが呼び込まれる。彰人「僕は名古屋で生まれて、プロレスラーとしても名古屋で生まれて。自分の生まれ育った土地でタッグのベルトを必ず獲りたいと思います」ウラノ「彰人クンと一緒にタッグのベルトを獲れたら、これ以上幸せなことはないので。人生の上がりぐらい嬉しいです。気持ちはこもってます。応援よろしくお願いします」最後は2人が「DDT名古屋大会」と呼びかけ、観客の「スタート!」の掛け声でスタート。
第1試合はスーパー・ササダンゴ・マシン&赤井沙希vs高木三四郎&3代目U・ロビンのタッグマッチだったが、井上マイクリングアナから高木三四郎も「私用」で急きょ帰京しなければならない状態となり欠場。高木の代わりに島谷常寛が参戦することがアナウンスされた。まずは島谷が一人入場。続いてEXTREME級王者のササダンゴ、アイアンマン王者の赤井がリングイン。ササダンゴはマイクを取る。「おい、若手! オマエ今日、高木三四郎どこにいったんだよ! 聞いてねえよ! オマエみたいな若手とやったところでブランド価値は上がらない」島谷「東京に帰ってよ」「ため口!」「高木さんは私用で東京に帰りましたよ! 代わりに僕が試合に出ます」ササダンゴ「どのぐらいやってんの」島谷「6戦目ぐらい…」ササダンゴ「大丈夫なの? 緊張してんじゃないの?」島谷「メチャクチャ緊張してるよ」ササダンゴ「ピンチなんじゃないの?」島谷「今日は名古屋の血を引く…」ササダンゴ「名古屋の英雄の!」島谷「緊張してるよ! 名古屋の英雄の血を引く男、3代目ウルトラ・ロビン( ← 言い間違い)を呼ぶ! 僕に名古屋の皆さん、力を貸してください! 僕は今メチャクチャ、ピンチです! 助けてください! 僕がせーのと言ったら、みんなで『ウルティモ・ロビン』と言いましょう! せーの…」観客「ウルティモ・ロビーン!」ロビンさんの入場テーマ曲で登場したのはロビンマスクの3代目ウルティモ・ロビンだが、必要以上に「デスティニー!」と観客に叫び続ける。試合が始まると「デスティニー」と言いながらクロスチョップから619を狙うがかわされてササダンゴとドロップキックが交錯。赤井との身長差がありすぎる島谷が長い手足で攻め込まれ、ササダンゴのサーフボードに捕まってしまう。3代目ロビンは必要以上に「デスティニー!」と島谷に檄。苦しい島谷はドロップキックを決めて、ようやく3代目ロビンとタッチ。ササダンゴが3代目ロビンに垂直落下式リーマンショック。しかしマスクがすっぽ抜けて高木三四郎っぽい素顔が露わになる。慌ててロビンマスクを奪い返した島谷がそれを装着して覚醒。「デスティニー!」とポーズを決めてダイビング・ボディーアタック。これをカットに入った赤井がロビンマスクを奪って被ると「デスティニー!」とポーズを決めると素顔が露わになった3代目ロビンを場外に落としてコーナーからプランチャ。赤井からロビンマスクを受け取ったササダンゴがそれを被って覚醒。「デスティニー!」とポーズを決めると垂直落下式リーマンショックを島谷に決めて勝利。
第2試合は大鷲透&平田一喜vsアントーニオ本多&福田洋vsマサ高梨&ワンチューロの3WAYタッグマッチ。平田がダンスで入場せんとすると、福田がマイクを取って発声練習で邪魔をする。「試合をやるか!」といきり立つ両者だったが、福田はあっさりコーナーに下がった。モーテルが高梨に猛攻。カットに入った平田がモーテルを外に出して大鷲に連係を呼びかける。大鷲が高梨を羽交い絞め。「頼むから絶対に当ててくれ!」の大鷲の声もむなしく平田のランニング・フォアアームはかわされて誤爆。平田がモーテル、ワンチューロ、高梨に串刺し攻撃をされたばかりか、大鷲もこの輪の中に参加。すると平田は手刀で敵味方関係なくバッタバッタとなぎ倒し、サングラスを装着しようとするが、モーテルが阻止。ダブルのナックルパンチからダブルのバイオニックエルボーを決める。連結式のブレーンバスターの仕掛けあいは松井レフェリーも巻き込んで投げ合いに。すると平田がサングラスを装着してダンスせんとしたが、福田がカット。福田は『君は薔薇より美しい』をアカペラで唄おうとする。歌とダンスのバトルは結局、福田が踊ってしまって敗北。平田がソバットから延髄斬り、さらにバイアグラドライバーを仕掛けるも、その背後をワンチューロがドロップキック。すかさず平田を丸め込んで勝利。この結果、平田の持ついつでもどこでも挑戦権はワンチューロに移動した。
第3試合はKENSOの「KING OF DDT 2016」トーナメント出場が懸けられた査定試合。対戦相手はチェリー。チェリーにKENSOは張り手。KENSOはチェリーを場外に連れ出して床へのブレーンバスターを仕掛けるも、すぐさま下して張り手。KENSOはチェリーを南側客席に連れ出してやはりブレーンバスターを仕掛けて張り手を見舞う。場外カウント19でリングインしたチェリーにKENSOはラリアット。カウント2で返されるとSTFで苦しめる。大ピンチのチェリーだったが、なんとかロープに逃げる。コーナーに登るKENSOを捕まえて雪崩式DDTのような形でキャンバスに打ち付けたチェリーだが、続く串刺し攻撃はことごとくビッグブーツで返されてしまう。KENSOはチェリーの串刺し攻撃を回避するも、木曽レフェリーがチェリーと接触。ダウンしている隙に3代目ロビンが現れるとマスクを脱ぐ。高木三四郎の顔が露わになると「デスティニー!」とポーズを決めてスタナー! 直後にチェリーが丸め込むと、蘇生した木曽レフェリーがマットを3つ叩いた。
試合後、亜門GMがKENSOに査定試合不合格につき、KING OF DDTエントリー見送りを伝える。KENSO「これは仕方がない。結果を受け入れる。俺はチェリーに負けた。これは仕方がない。KENSO、KO-DトーナメントならびにDDT入団をあきらめます」するとチェリーがKENSOに「バカヤローッ!」と張り手。チェリー「オマエ、いくつだ?」KENSO「41歳です!」チェリー「私は昨日、41ちゃいのお誕生日を迎えた。KENSO、オマエと同級生なんだよ! 私は年齢に負けず、老化に負けず、必死に食らいついてんだ! そんな簡単にあきらめるなんて言うんじゃねえよ! それから(3代目ロビンを見て)…オマエ、高木だろ! こんなバカげた格好で何乱入なんかしてんだよ! アンタの乱入なんかなくても、アタシはKENSOに勝てていたんだよ! 高木、オマエ、今いくつだ!」3代目ロビン改め高木「46ちゃい」チェリー「46にもなって、こんな変な恰好ではしゃいでんじゃないよ! そんなに査定、査定言うなら、アンタがKENSOと査定試合やればいいじゃん。この2人で後楽園で査定試合組んでくださいよ!」亜門「どうでしょう、高木さん。5月29日の後楽園で高木さんとKENSOさんで査定試合を組むというのは」高木「(声色をロビンっぽくして)ちょっと鶴見クン、待ってくれないかな。僕は3代目ウルティモ・ロビンだよ」高木「じゃあロビンさんvsKENSOさんで査定試合を…」高木「(声色を戻してマスクも脱いで)いやいやいや! 俺様自ら査定してやるよ!」こうして5・29後楽園での再査定試合が決定。高木が引き揚げるとKENSOがマイクを取る。KENSO「俺、チェリーちゃんのこと好きになっちゃった! 一つだけお願いがあって、高木三四郎は今日みたいなくだらないことやってくるでしょ? 次の後楽園でも何をやってくるかわからない。だからチェリーちゃん。今度、チェリーちゃんのためにきれいな着物とちょっと顔を白く塗って。大きい意味はないんだけど、それこそ家にあるんで。チェリーちゃんのために新しい着物とちょっと濃い目の高級なお化粧道具を用意しようと思います。次の後楽園、KENSOwithおチェリーちゃんでビチッといってもいいですかー! KENSO、おチェリー、情熱を持ってビチッと!」
【試合後のコメント】
KENSO 同級生だし、本当にありがたいなと。42年前、43年前、我々の両親が頑張ったからこそ生存しているわけなんだけど、本当にありがたいなと思います。
――チェリー選手に着物をきさせる?
KENSO 着物と濃い目の化粧を用意しようかなと思っているんですけど。
――なぜ?
KENSO 夏なんで。もうそろそろかなと。
チェリー 着物大好きだから着物来てKENSOちゃんと一緒に、あの悪い高木三四郎を2人で力を合わせて。
KENSO アメリカ製の着物なんだけど大丈夫?
チェリー アタシ何でも着こなす自信があるわ。大丈夫、大丈夫。
KENSO 化粧もハリウッドの化粧なんだ。
チェリー 素敵! ハリウッドデビューしちゃうかも。
KENSO けっこう肌が荒れるという。
チェリー 何も怖いものはない。大丈夫!
第4試合は竹下幸之介&遠藤哲哉vs坂口征夫&梅田公太のタッグマッチ。酒呑童子が入場したモーテルに襲い掛かって開始のゴング。酒呑のタッチワークに捕まった遠藤だったが、梅田にコルバタを決めてさらにドロップキックを放ち、ようやくピンチを脱出。替わった竹下が一気呵成に攻める。梅田もカウンターのドロップキックを決めると替わった坂口がランニング・ミドルで飛び込む。竹下の回転ラリアットの腕をキャッチした坂口が腕十字。これを竹下がパワーボムで解除する。遠藤が出てきて坂口にバック宙キック。坂口もハイキックでやり返してダブルダウン。竹下vs梅田の局面。梅田は坂口とともに竹下にサンドイッチ・ミドルキックからサンドイッチPK。竹下もエルボーで盛り返して梅田に投げ捨てドラゴン。遠藤も加わってダブルのトラースキック。カットに入った坂口に遠藤がスワンダイブエルボーで蹴散らす。竹下がジャーマンを仕掛けるも、これを丸め込みで切り返す梅田。竹下は起き上がりざまの梅田にラリアットからジャーマンで仕留めた。
第5試合はHARASHIMA&渡瀬瑞基vs男色ディーノ&大石真翔のタッグマッチ。渡瀬がディーノの男色殺法に捕まってしまう展開。タッチワークに翻弄された渡瀬だが、男色ドライバーを踏ん張ってドロップキック。ブレーンバスターを仕掛け、股間をワシ掴みされながらも投げ切った。替わったHARASHIMAがダブルのドロップキックなどで一気呵成に攻める。ディーノへの雪崩式ブレーンバスターはケツを触られカウント2で解除。ディーノはブレーンバスターを踏ん張って股間を掴むと男色スクリュー。大石が出ていくもリフトアップスラムで投げられる。替わった渡瀬に大石がランニング・フォアアーム。ディーノがコーナーで尻出しセット。HARASHIMAが地獄門へ送り込まれ、続いて渡瀬はシーソーホイップで投げられて地獄門へ。大石のミラクルエクスタシーはHARASHIMAがカットし、ハイキック → リバース・フランケンから蒼魔刀。渡瀬の体を引っ張ってカバーさせるもカウント2。渡瀬がバックドロップで投げるも、これはディーノがカット。HARASHIMAがディーノを釘付けにし、渡瀬が腕決めDDTで大石を垂直にキャンバスに突き刺すもカウント2。続くバックドロップを堪えた大石が直伝トルネードクラッチで技ありの3カウント。
試合後、ディーノがマイクを取る。ディーノ「うそ~~~! 何かの間違い?」大石「…勝ったんだよ」ディーノ「ちょっと、GM」亜門「何?」ディーノ「今、勝ちましたね。実績できたでしょ?」亜門「まあ渡瀬に勝った…」ディーノ「(遮って)HARASHIMA組に勝った!」亜門「HARASHIMA組だけど」ディーノ「バトルニュースなら『HARASHIMAらに勝つ』ってなっているわよ。じゃあベルトに挑戦しよう」亜門「何、前々から目標を定めるとか言ってたのは、タッグのベルトに挑戦しようと思ってたの? そんなの無理だよ。実績ないもの」ディーノ「えぇ~!? HARASHIMAらに勝ったのに?」亜門「渡瀬に勝ったんだろ! 渡瀬なんかデビューして1年も経ってないのに。アンタ何年選手だよ。渡瀬に勝ったぐらいで挑戦できる安いベルトじゃないんですよ、KO-Dタッグのベルトは!」ディーノ「あ! ああそういうことですか。そのメガネは度が入っているんですか? 狭いですね~。見えている範囲が。誰がKO-Dタッグを獲るって言いました? 私たちはつねに世界を…いや、アジアを目標にしています。アジアタッグ挑戦させてください」亜門「アジアタッグなんか余計無理だよ!」ディーノ「そういうと思って今のチャンピオンに『今日勝って挑戦するよ』って言ったらOKって言ってもらえたの」亜門「ヤンキー二丁拳銃でしょ? チャンピオンはOK出すよ。今のアナタたちなら簡単に防衛でき…」ディーノ「おーいっ!」亜門「チャンピオンがOK出しても、ベルトを管理している全日本プロレスさんのOKをもらわないと無理だよ」ディーノ「それがアナタの仕事でしょう。PWFの会長は?」亜門「ドリー・ファンクJrさん」ディーノ「言えばいいのよ」亜門「無理だよ! なんて言えばいいの!」ディーノ「ちゃんと『フォー・エバー』って」亜門「それはテリーでしょう! じゃあ聞くだけ聞いてみるけどね。早いほうがいい?」ディーノ「テンション高いうちがいい」亜門「じゃあ1ヵ月以内で何とかできませんかねって聞くだけ聞きますよ。善処はします」
【試合後のコメント】
大石 俺たちがアジアタッグを獲れば全日本プロレスの歴史に男色ディーノの名前が刻み込まれる。
ディーノ 自分はいいの?
大石 自分はおまけみたいなものだ。
ディーノ オマエ、さっき試合前になんて言った?
――兆がイチないのかなと。
大石 あったろうがい! 勝ったな! 兆がイチ勝ったな!
ディーノ あと兆回、試合したらあと一回勝てるってことよ。その一回がもし決まった時の次のアジアだ。防衛戦ではもう三兆目のイチがやってくるぞ。
――チャンピオンの二丁拳銃は強敵だと思いますけど…。
大石 うるせーよ!
ディーノ 二丁拳銃さんから見ても、我々は強敵でしょうな。
大石 オメエはうまいこと言うな。
ディーノ 生きてて恥ずかしくねえなあ! いや、恥ずかしいな。
大石 恥ずかしいけど生きてんだ、俺たちは!
ディーノ 恥ずかしくて何が悪いんだ!
大石 その生き様、アジアで見せてやるよ!
セミファイナルはKO-D6人タッグ選手権試合。第24代王者組の樋口和貞&勝俣瞬馬&岩崎孝樹は石井慧介&入江茂弘&高尾蒼馬を相手に3度目の防衛戦。試合は序盤から勝俣がローンバトルを強いられる。石井の逆片エビをロープに逃げた勝俣はカウンターのドロップキックを決めてようやく岩崎とスイッチ。岩崎は石井にバックドロップ。張り手の打ち合いから石井が顔面ニーアタック。これはカウント2。岩崎もカウンターのキチンシンクで返していく。替わった樋口が岩崎と連係。しかし、石井を羽交い絞めにした岩崎にラリアットが誤爆してしまう。石井はノド輪を回避してエクスプロイダーニーを決める。替わった入江がショルダーアタック。樋口もオクラホマスタンピードでやり返して10分経過。樋口の逆水平に入江がエルボーで返して両者の打ち合い。入江の頭突きを食らった樋口がぶちかまし。ラリアットは入江と相打ちになって勝俣vs高尾の局面。勝俣はXファクター。これはカウント2。ライトニング・スパイラルを回避した高尾が串刺しニーアタックから背中へのダイビング・フットスタンプ。勝俣もカサドーラで飛びついてフットスタンプ。これをカットに入った石井が樋口にフランケン。石井との連係から高尾が岩崎に顔面トラースキック。これは樋口と勝俣がカット。岩崎は投げ捨てドラゴンからのPK。このカバーを石井と入江がカット。樋口が場外に2人を出すと勝俣が場外ダイブ。リング内では高尾が岩崎のキャプチュードを決めさせず、バズソーキックを回避してジントニックの体勢。これを丸め込みで切り返す岩崎をさらに切り返してのジントニックで勝利した。
試合後、高尾がマイクを取る。「ベルト、獲りました! 最後の最後でこのベルトが自分たちの手元に戻ってきて、すごくうれしいです! チームドリフは今月で解散してしまいますが、最後にベルトを獲れてよかったです。残りわずかですが、最後まで応援よろしくお願いします!」
【試合後のコメント】
樋口 一言でいえばドリフは強かった。悔しいですけど。でも自分らこれで終わったわけじゃないし、ベルトは失いましたけど、またDNAで次はシングルでもタッグでも、KO-D6人でもいいし、メンバーを変えてもいいから、また挑戦して上を目指していきたい。
岩崎 本当に自分が取られたので2人に申し訳ない気持ちは強いんですけど、明日からイチから練習して、また強くなって。ドリフと闘うことはないけど、あの人たち個人個人にこれからも挑んでいきたい。
勝俣 悔しいです。今までスマスカに勝って、酒呑童子に勝って。今日は負けましたけど、どのユニットも強かったです。そしてチームドリフに対してナメているとありましたけど、これが結果ですから。入江さんのプロレスも全力で受け止めました。チームドリフと闘うことはもうないけれど、僕たちは今日で終わったわけじゃないので、これからもっともっとみんなで切磋琢磨してDDTのトップに立ちたいと思います。
高尾 今日、無事にチームドリフにこの6人タッグのベルトが戻ってきました。最後に言ったんですけど、このベルトはどうしても獲りたかったので、最後に獲れてよかったです。DNAは成長して強くなってましたけど、チームワークでウチらが優っていたのかなと思います。
入江 6人タッグのベルトと言えばチームドリフ。やっと自分たちの元に戻ってきたねと。なかなかこのベルトを獲り戻すチャンスもなかったので、やっと巡ってきたチャンスをモノにすることができました。何より僕は名古屋でデビューしたので。名古屋国際会議場は自分たちの夢の場所だったので。そこでずっと応援してくれたお客さんの前で思い入れのあるベルトを獲ることができて幸せです。
石井 去年の9月以来、6度目の戴冠ですごく久しぶりに感じたんで。これは思い入れが深いベルトですし、また帰ってきて嬉しいです。解散は近づいてきたんですけど、一つ借りを返さなきゃいけない相手としてスマイルスカッシュを希望したい。なんならベルトを懸けてやってもいいし、スマイルスカッシュと最後にやりたいと思います。
――ベルトを懸けて防衛して有終の美を飾りたい?
石井 それはずっと言っていることですし、ベルトを獲るところまできたので、あとは防衛して有終の美を飾りたいと思います。
メインイベントはKO-Dタッグ選手権試合。第54代王者組の佐々木大輔&石川修司は彰人&ヤス・ウラノを相手に3度目の防衛戦。石川がウラノにパワーで攻め立て、佐々木がナックルパンチで続く。石川のフットスタンプはカウント2。さらに合体ストマックブロックと腹部攻めを続ける王者組。ウラノは左足へのナックルパンチでようやく動きを止めると、替わった彰人は救出に入った石川に足横須賀。佐々木にはキャンバスへのニークラッシャーを放つ。ウラノは佐々木をコーナー逆さ吊りにするとコーナーを使って脚を絞っていく。ボディースラムで叩きつけた直後もアンクルホールドを極められる佐々木。クロス・フェースで切り返すが、彰人がさらにアンクルホールドに切り返してキャンバスへのニークラッシャー。彰人はリバース・ブレーンバスターから佐々木にサソリ固め。ウラノが石川に鎌固めでアシスト。これは佐々木がなんとかロープに逃げる。佐々木は彰人に抱えられるもDDTで切り返して石川とタッチ。彰人は石川を俵返しで投げ切る。石川をコーナーに乗せてツープラトンの雪崩式ブレーンバスター。佐々木もなんとかエルボーで盛り返して場外のウラノを石川が肩車。佐々木が場外ダブルインパクトを仕掛けるも、これはウラノが回避。逆にウラノが場外シルバーブレットを決めてみせる。ウラノと彰人は合体フェースバスター。ウラノがフロント・ネックロックで絞ったが、ギブアップしない石川が投げ捨てドラゴンからニーリフトで逆転。佐々木がウラノをケブラドーラ・コンヒーロ。彰人も場外に出して2人まとめてトペ・スイシーダ。さらに2人をイスに座らせるとコーナーからスーパーダイブエルボーを投下する。佐々木はリングに戻したウラノへダイビング・エルボードロップ。カバーをカウント2で返されるとクロス・フェースへ。これを粘られると佐々木は佐々木式ウラカンを仕掛ける。ウラノがこれをツームストーン・パイルで切り返し、さらにムーンサルト・プレスまで繰り出したがかわされて自爆。佐々木式ウラカンをウラノが丸め込みで切り返し、さらにモダンタイムス。カウント2で返され、エビで固めるウラノを石川がキャッチしてファイアーサンダー。ダブルインパクト狙いでコーナーに登る佐々木を彰人がキャッチしてキン肉大移動を仕掛ける。これは石川がニーリフトでカット。石川の正面跳びドロップキックの勢いを借りて佐々木が十字架固め。これはカウント2。ダブルインパクトからのカバーを彰人にカットされるも石川が排除すると、最後は佐々木がベトナムドライバーⅡで熱戦に終止符を打った。
試合後、佐々木がマイクを取る。 「ヤス・ウラノ、彰人、HARASHIMA。スマイル“ファッ●ン”スカッシュ、俺が全員倒したぞ。ただ満身創痍だよ。二冠を持つっていうのは楽じゃない。挑戦してくるヤツがいれば、それなりの覚悟を持ってこいよ! 次は誰だ? 俺たちに挑戦する覚悟のあるヤツ、いねえだろ! 誰でもいいんだぞ。地球人でも宇宙人でも、人間でも、ライオンだったら負けちゃうかな…(石川を見て)ライオンでも勝てるって笑っています。いいか? 俺たちがこのDDTのグッドコムアセット(キャンバスの中央の企業広告)の真ん中に立っている最強の2人だ。今日はいないけどマッド・ポーリーっていうのはカワイイんだよ。最後にメンバー紹介をしたいと思います。195cm、140kg、ビチョビチョのカワイイおっさん。石川“エイドリアン”修司! そしてこの俺がKO-Dタッグチャンピオン、そしてKO-D無差別級チャンピオン、最強の男だぜ。この俺は二冠王、“カリスマ”佐々木大輔だ! サンキュー・名古屋!」
【試合後のコメント】
彰人 また獲れなかったですね。スマイルスカッシュ、ユニットのベルトを獲れないというジンクス的なものがあります。今日に関して言えば、仲間を過信しすぎたのかなと。もちろん信用するのは大事だけど、百わかりきってなかったのかなと。ウラノさんの気持ちを百わからず。もっともっと絆を深めていかなきゃいけないなと。今日は獲れなかったんですけど、僕らはドリフと違くて解散するとかではないので。明日から、またイチからやり直しですね。今日のスマイルスカッシュより、明日のスマイルスカッシュのほうが強くなっているはずなので。またイチから3人でユニットのベルトを狙っていきたいと思います。
――チームドリフがKO-D6人タッグの挑戦者にスマイルスカッシュを指名しましたが。
彰人 僕らは札幌でノンタイトルで勝っているので、そういうのが自然な流れなんでしょうが、今日僕らは負けてしまったので自分だけでは決められないので、持って帰って決めようかなと。ドリフ、次の後楽園で解散するんでしょ? 解散するのにベルトを獲った相手が近々で負けたスマイルスカッシュにリベンジをして、なんならそれで勝って防衛して解散するって虫が良すぎる話というか。とりあえず3人で相談して、会社とも話して決めたいです。
佐々木 見ての通り。楽勝、完勝、汗一つかいてない。
石川 記者会見通り、試合前に水一滴も飲んでないから。
佐々木 水も飲んでないし、汗もかいてないよ。
石川 完勝。
――連係で攻め込まれた場面も見られたが、それを上回るだけのものがあった?
石川 チームワークという点でも俺らのほうが上だったと思うんですけど、どうですか? 加藤さん。
週刊プロレス・加藤朝太記者 はっきり上だと思いました。
石川 でしょう? チームワークも個々の強さも、俺たちのほうが上だったでしょう。弱点なんかねえから。あとヤス・ウラノとか試合に懸ける気持ちをもっともっと出さないとダメだね。
佐々木 覚悟がないんだよ。
石川 覚悟がないね。ムダにキャリアを積んでいるから。そう思うでしょ。
加藤記者 はい。
石川 そう書いておけよ。
――佐々木選手は次、後楽園で竹下選手とシングルの防衛戦です。
佐々木 その前に平田が挑戦する気がするんだよ。どこでくる? 春日部か? 大阪か?
――平田選手は今日、ワンチューロ選手に取られてしまいました。
佐々木 なんてこったー!
石川 今度、ワンチューロがくるかもしれないね。
佐々木 ワンチューロがくるのか…。俺の計画がすべて狂ってしまったよ。平田をKOして竹下に見せつけてやろうかと思ったんだけど。なんで負けたんだ、アイツは?
――丸め込みです。
佐々木 そうか…。竹下は俺を止められるのか? 俺を止める覚悟があるのかって。そう伝えてください。
公式スマホサイト(http://ddtpro.jp)では大量の写真をアップしています。ぜひご覧ください!