東西全面対抗戦は西軍が勝利! 殊勲の須見和馬が「いつどこ挑戦権」を獲得し、津での凱旋大会開催を熱望!
8月17日、エディオンアリーナ大阪第2競技場で「大阪vs東京~ドリーム東西プロレス合戦2025~」が開催。出身地別の東西全面対抗戦は西軍が須見和馬の大奮闘で勝利。殊勲の須見は「いつでもどこでも挑戦権」を獲得し、地元である三重・津での凱旋大会の実施を熱望した。
東西全面対抗戦は昨年8月10日、同会場で初開催し、4勝3敗で西軍が勝利しており、今年で2回目。第1試合から熱戦が続き、セミファイナルを終えた時点で東軍が1勝1分け、西軍が1勝1敗1分けで東軍がリード。
メインイベントはスペシャルイリミネーション8人タッグマッチ。東軍は樋口和貞&佐々木大輔&HARASHIMA&アントーニオ本多で、西軍は上野勇希&岡谷英樹&KANON&須見。出身地別とあって、ユニット枠を超えて、DAMNATION T.Aの佐々木と岡谷が対戦、遺恨深き岡谷とKANONが組むという異色のマッチアップとなった。
だが、いざ試合が始まってみると、佐々木と岡谷は戦うことはほぼなく、共闘のスタンスを取った。まずは東軍が岡谷にトレイン攻撃も敵の佐々木がカット。佐々木はHARASHIMAをトップロープから転落させて失格。次に岡谷が本来は味方のKANONに串刺し式クレイモアを叩き込み、佐々木がフォールしてKANONが消えた。その後、樋口のラリアットで岡谷、佐々木が転落して失格。
そして、8・31後楽園でKO-D無差別級王座を懸けて対戦する可能性がある樋口と上野がバチバチにやり合う。上野が樋口にJul.2を狙うも、かわした樋口が投げようとして上野はエプロンへ。そこに樋口がショルダータックルで転落させて上野が失格。
この時点で東軍は樋口と本多が、西軍は須見一人で2対1に。須見はエプロン上の樋口にドロップキック、そして手を蹴り飛ばして転落させ、樋口が失格。リングはアントンと須見のタイマン勝負に。須見はスク~ルボ~イで丸め込むもカウントは2。アントンはジャパニーズ・レッグロール・クラッチ・ホールドも2カウント。アントンのナックル、須見のエルボーの応酬に。須見はトラースキックからスク~ルボ~イで大先輩のアントンから3カウントを奪取し、西軍が勝利。
この結果、西軍は2勝1敗1分けで、1勝1敗1分けの東軍を上回り、2年連続で勝ちどきを挙げた。そして、アントンが保持していた「いつどこ挑戦権(緑)」が須見に移動した。
須見はマイクを持つと「西軍が勝ったぞ! 上野さん、勝ったから一つお願いいいですか? 今日の西軍のリーダーは上野さんでした。次から西軍のリーダーは僕でもいいですか?」とアピールすると、上野が「今日の元気一番は須見ちゃんや。来年リーダー頑張ってくれ」とOKサイン。すると須見は「リーダーになったからには、一つ夢があるんです。僕は三重県津市生まれです。デビューして3年経つんですけど、まだ1回も凱旋したことがなくて。今年こそ凱旋できるよう頑張ります」と凱旋試合を熱望。さらに「『いつどこ』も獲りました。上野さんが8月31日、後楽園でKO-D無差別級の試合があります。上から目線なんですけど、西軍のリーダーから言わせてください。頑張ってください。獲った暁には僕が狙いにいきますので覚悟しててください」と予告した。
バックステージで上野は「8月31日、樋口さんと秋山(準)さんの勝ったほうに僕が挑戦して、僕が勝ったら……。その前に(いつどこを)使う可能性もあるのかな? もしかしたら、こいつを使って、(8・31後楽園で)チャンピオンとして、僕を迎え撃ってくるかもしれません」と警戒していた。
秋山準が山下実優との一騎打ちを制す!「握手をはたいたんだから、その借りどこかで返させてもらう」
これまでKO-D無差別級、GHCヘビー級、三冠ヘビー級などの王座を戴冠したプロレス界のレジェンド秋山準が“東京女子のエース”山下実優との“性別の枠を超えた”一騎打ちを制した。
この日、第四試合で「西軍提供試合」として、秋山と山下が対戦。秋山は女子選手とのタッグマッチでの対戦こそあれ、シングルとなると、キャリア33年にして初体験。対する山下はプリンセス・オブ・プリンセス王座を4度戴冠、DDT UNIVERSAL王座を獲得したこともあり、ミックストマッチの経験は豊富。あの丸藤正道(プロレスリング・ノア)をして「対戦してみたい女子選手」と言わしめたこともある女子プロレス界の強者だ。
序盤、山下はロープブレイクでミドルキックを叩き込む。怒った秋山は腕固めから場外へ。山下は鉄柱にぶつけると、エプロンを走ってミドルキック。秋山は場外マットのないフロアにボディプレスで投げつけた。リングに戻ると、秋山は逆エビ固めで締め上げ、山下が脱出するとパイルドライバー一閃。山下はエルボー、サッカーボールキック、ミドルキック連打、リターン・クラッシュで反撃。秋山はフロント・ネックロック、ニーリフト、バックドロップ、フェースロックと怒涛の攻めもエスケープ。山下はミドルキック連打、ハイキック、Skull Kick、アティテュード・アジャストメントもカウントは2。秋山はジャンピング・ニー、顔面にニーリフト3連発、エクスプロイダーも山下はフォールを許さず。ならばと秋山はサポーターをずらして生ヒザを顔面に叩き込んで3カウントを奪った。秋山は握手を求めるも、山下はその手を払った。
バックステージで秋山は「あいつ、男か? 男みたいな蹴りしてたよ。またどこかでやるのかやらないのか分からないけど、握手をはたいたんだから、その借りどこかで返させてもらう」とコメント。
山下は「秋山さんと戦えるのは最初で最後って……。プロレス人生で秋山さんと戦えるって想像してなかったので。現実にリングで秋山さんと向かい合えてよかったし。でもやっぱり、倒せなかったのはめちゃくちゃ悔しいんで。次こそはって、言ってあるかないか分かんないじゃん。どうしても倒したかったし、これが現実なんで。負けをしっかり受け止めて、これからも強く進んでいきたい」と悔し涙。そして「今日はデビュー12周年の日なんです。その日に昼は東京女子での仲間たちとの戦いがあって。夜は秋山さんと試合できてホントに特別な日になりました」と感慨深く語った。
また、「いつでもどこでも挑戦権争奪4WAYマッチ」(彰人vs吉村直巳vs高尾蒼馬vs翔太)は、高尾が彰人にフランケンシュタイナー、そこに翔太がフロッグスプラッシュでROMANCE DAWNの必勝パターンも、高尾がパートナーの翔太をラ・マヒストラルで丸め込んで3カウントを奪取し、「いつどこ挑戦権(赤)」を獲得。高尾は「翔太を裏切って獲得したぞ。翔太、ありがとう。去年は2個獲ったけど、全部奪われちゃったから、今年は獲られないように数増やして、使うか、オークションで待って高く売るか、大事にします」と不穏な発言。KO-D無差別級王者に行使できる「いつどこ挑戦権」(期限は10・19後楽園)は今大会終了時点で、平田一喜(黄)、岡谷英樹(青)、須見和馬(緑)、高尾(赤)の4選手が保持。次の同王座戦は8・30ひがしんアリーナ(墨田区総合体育館)での樋口和貞(王者)vs秋山(挑戦者)だが、DDTの全大会で行使可能なだけに目が離せないところだ。
なお、首の負傷で昨年5月から長期欠場していた瑠希也が1年4カ月ぶりに地元大阪で復帰戦を行った。オープニングマッチで瑠希也は石田有輝と組み、高鹿佑也&佐藤大地と激突。瑠希也はエルボー連打で高鹿、佐藤を攻めていった。瑠希也は高鹿のムーサルト・プレスも2カウントで返す粘りを見せたが、最後は高鹿の生ヒジでのエルボー・バットで沈んだ。瑠希也は「ここから一から頑張って、皆さんに追いつけるよう、一生懸命頑張っていきます」と決意表明。