DDTロゴ
DDT

【後楽園リポート】スマスカプロデュース興行でHARASHIMAが真壁と大激闘/カシン劇場開幕「なんだ、あのVTRは! 俺がいい人

この記事をシェアする

    • 12日、東京・後楽園ホールにて「スマイルスカッシュプロデュース興行~みんなの笑顔が見たいから~」がおこなわれた(試合結果)。大会前には鶴見亜門GMとヤス・ウラノが前説。亜門GMはプロレスキャノンボール興行11・19大船渡のカードを発表。

      ○マッスル坂井vsかめっしー
      ○KUDO&里村明衣子 vs 赤井沙希&坂口征夫
      ○新崎人生&気仙沼二郎 vs 大家健&今成夢人
      ○ザ・グレート・サスケ&ゴージャス松野&バラモンシュウ&バラモンケイ vs ヤス・ウラノ&日向寺塁&佐々木大地&郡司歩
      ○鈴木みのる&葛西純&高木三四郎 vs HARASHIMA&飯伏幸太&男色ディーノ

      続いて亜門GMは注目のカードとして大鷲透&DJニラvs大石真翔&Xを挙げ、「Xは旭志織さんなんですけど」と明かしてしまう。さらに先日の川口でX発表の旭が事前にわかっていたとしても入場が大盛り上がりであったことを告げ、パートナーの大石が登場すると「俺のXはコイツだ!」の掛け声とともにファンと一緒に旭の入場を練習した。最後はヤスがオープニングコール。

      まずはDDT大相撲トーナメント秋場所1回戦の取り組みへ。マワシを付けた8選手がリングを囲む。行事は星誕期。第1試合は松永智充(のぞき部屋)vs竹下幸之介(日体大部屋)。竹下が夏場所優勝者を寄り倒して勝ち上がり。1回戦第2試合は石井慧介(ドリフ部屋)vsHARASHIMA(スマスカ部屋)。石井の猫だましをもろともせず、HARASHIMAのすくい投げで勝ち上がり。第3試合は石川修司(大巨人部屋)vs伊橋剛太(エビスコ部屋)。石川が体重を生かして伊橋をサバ折りで勝利。第4試合は関本大介(大日部屋)vs中澤マイケル(合法薬物部屋 ← アナウンスまま)。関本がパワーにものを言わせて押し出しで勝利した。準決勝の取り組みは竹下vsHARASHIMA、石川vs関本。




      第1試合は彰人&平田一喜&FUMAvs岩本煌史&勝俣瞬馬&遠藤哲哉の6人タッグマッチ。FUMAが岩本を蹴倒すと、スイッチした平田がモンゴリアンチョップからバックエルボー。さらに彰人がボディースラムで続く。彰人は何度もカバーし、クリアされるとキャメルクラッチで捕獲。岩本はカウンターの払い腰でやり返すと、替わった遠藤が彰人にその場跳びムーンサルト。彰人はバックドロップでやり返し、替わった平田はエルボーで向かっていく。さらにエースクラッシャーを決めるとスライディングキックへ。これをかわした遠藤がブレーンバスターで投げていく。勝俣と岩本が出てきて遠藤とともに平田へトレイン攻撃。タッチを受けた勝俣は平田にスライディングキック。カバーするもカウント2。平田はミサイルキックをすかしてスライディングキックを見舞うとFUMAへスイッチ。FUMAは水面蹴りからランニング・ローキック。混戦から勝俣がFUMAにランニングエルボー。しかしXファクターは蹴りで迎撃されてしまう。FUMAのバズソーキックはカウント2。ならばと続くジャーマン・スープレックスで3カウント。





      第2試合は大鷲透&DJニラvs大石真翔&X(旭志織)のタッグマッチ。まずは大石のみがリングイン。大石は「みなさん準備はいいですか! 俺のパートナーはコイツだ! X、カモーン!」と呼び込む。場内の練習通りの過度な盛り上がりっぷりに旭は戸惑い気味にリングイン。さらに「アサヒ」コールに押される形で先発を買って出る。対峙する大鷲には心が折れるブーイング。旭は大鷲の蹴り脚をキャッチして木曽レフェリーにトスしてショルダーアタックで倒す。旭のニラへの攻撃にも大歓声。大石との合体バックブリーカー・ドロップはカウント2。ニラは大石のスイングDDTをクシャミでかわすと大鷲とタッチ。大鷲は大石にドラゴンスクリュー。さらに旭ともどもまとめて投げる。大石はランニング・フォアアームで逆転して旭とタッチ。大鷲はニラと交替する。旭がニラにニールキック。さらに卍固めでほかくするも大鷲がカット。大石が大鷲を排除すると旭とともにダブルの攻撃を仕掛ける。かわしたニラがロケットパンチ。しかしDJタイムと大鷲の串刺し攻撃の意志疎通が合わず、大鷲はニラに思わず張り手。気を取り直した大鷲の延髄斬りからニラが足延髄。さらにニラが旭のヒザにシャイニング・ウィザード式に全体重を乗せるも、これは大石がカット。大石&旭が大鷲を排除すると、ニラにサボテンの花を決めて勝利した。





      第3試合はアントーニオ本多vsマサ高梨のテキサス虎の子ロープデスマッチ。両選手の手首を虎の子ロープで結んでの完全決着ルール。ロープの中央にはかわいいトラのぬいぐるみが結びついている。互いにロープを引っ張ると真ん中のトラのぬいぐるみがゆすられてしまい、松井レフェリーは「かわいそうだろ!」と忠告。アントンはロープを拳に巻きつけてのナックルパンチ。高梨はロープを使っての急所攻撃で逆転すると、場外に逃げたアントンにイスを振るおうとする。アントンはロープを引っ張ってこれを阻止。アントンがリングに戻ってニードロップを落とすもカウント2。高梨はローブローから向かっていくも、アントンがロープを引っ張って阻止。アントンのバイオニックエルボーは高梨がロープを引っ張ってしまうと、手首のロープがほどけてしまう。アントンが直した直後に高梨がトラースキック。高梨のタカタニックをかわしたアントンはスコーピオン・デスドロップからバイオニックエルボー。続いてダイビング・フィストドロップを投下するも、かわされてしまってトラのぬいぐるみに誤爆。動揺するアントンを高梨がロープで固定した上でジャックナイフ式エビ固めで丸め込み勝利した。





      第4試合はKUDO&坂口征夫vs飯伏幸太&佐々木大輔vs入江茂弘&高尾蒼馬のサバイバルイリミネーション3WAYタッグマッチ。通常のプロレスルールに加えてオーバー・ザ・トップロープ・ルールが採用され、2人とも負ければ、そのチームが失格となる。佐々木のジャイアント・スイング後に飯伏が高尾にフットスタンプ。入江がカットに入ると佐々木にショルダーアタック。飯伏にはブレーンバスターを狙う。これを阻止しようとした佐々木ともどもブレーンバスターで投げた。坂口が入ってくると入江にミドルキック。入江がエルボーで黙らせると高尾のダイビング・フットスタンプのアシストから入江がビーストボンバー。これはKUDOがカット。入江はKUDOにブラックホールスラム。続くフライング・ソーセージをかわしたKUDOがバズソーキック。ここでゴールデン☆ストームライダーズが割って入って入江を丸め込んで失格にさせた。ここから高尾が孤軍奮闘。コーナーに登った坂口に雪崩式ブレーンバスターを仕掛ける。すると佐々木が高尾をキャッチ。飯伏がさらに佐々木もまとめて投げてしまう。飯伏が坂口をカバーするもKUDOがカット。佐々木がKUDOを肩車して飯伏がトップロープに飛び乗ってのパワーボムを狙う。ここで高尾が飯伏をドロップキックで落としてOTR。その高尾もトップロープから落とされてしまう。これでチームドリフが失格。孤立した佐々木が酒呑童子の集中攻撃に遭う。佐々木は坂口のハイキックをKUDOに誤爆させてOTRにして五分に戻すと、坂口もエプロンに落とす。坂口はスリーパーで佐々木をエプロンに出すも、佐々木はOTRを阻止。リングに戻るとロープを使った急所蹴りから丸め込むもカウント2。佐々木のキークラッシャーはカウント2。坂口はNOW OR NEVER狙いをスリーパーに切り返すとランニング・ミドル。さらにPKで畳み掛けて3カウント。ゴールデン☆ストームライダーズを失格にして酒呑童子が制した。酒呑童子が勝利の美酒に酔っているところで大相撲トーナメントの準備へ。亜門GMから下りる様に促されると、素直に引き揚げた。





      DDT大相撲トーナメント秋場所準決勝の第1試合は竹下幸之介vsHARASHIMA。竹下がパワーで突き倒して勝利して決勝戦へ。第2試合は石川修司vs関本大介。石川が組い合いから寄り切った。これで決勝戦は竹下vs石川に。石川がバックドロップ気味に投げる送り釣り落としで勝利。秋場所を制した。




      続いて優勝者インタビューへ。石川「ごっちゃんです」亜門「この喜びを誰に伝えたい?」石川「ユニオンの仲間に伝えたいです。ごっちゃんです」亜門「必然的に春場所に出ることになりますが?」石川「来年の両国でも相撲を取ることになると思いますので頑張りたいと思います」。

      【試合後のコメント】
      石川 本当に強いメンバーだったんで、1回戦から緊張していて。プロレスでは緊張はないんですけど、久々にすごい緊張を味わいました。準決勝の関本大介まではいこうというのがあって、逆に関本大介に勝った瞬間に、相手が竹下っていうのはわかっていたんですけど、関本大介に勝った自分が決勝じゃ負けられないと思いました。関本、伊橋の分も、まだ若いヤツらには負けないと。よかったです。
      ――決勝は強引に投げにいきましたが。
      石川 相手がちょっと崩れたんで、投げに走ってくれたんで後ろを取れました。でも、本当に強いですよ。ビックリしました。来年はたぶん両国大会で相撲トーナメントが開かれると思うので、出場権利があるんじゃないかなと思うし、また出たいなと思います。
      ――相撲での過去の戦績は?
      石川 相撲自体やってきたわけじゃなくて、練習のあとに、終わった後に相撲とったりはするんですよ。最初はそんな強くなかったんですけど、やっているうちに。ただ本気で相撲とることってないんです。なので、ちょっとわかんなかったんで。伊橋に負けたら引退しようと思いました。プレッシャーから開放されたっていうのはありましたね。
      ――今後はユニオンの横綱として…。
      石川 そうですね、最終的には曙関とスモウアリーナでシングルマッチでお願いします。GM。
      亜門 善処します。


      セミファイナルはヤス・ウラノvsケンドー・カシンのシングルマッチ。カシンは河合奈保子の『スマイル・フォー・ミー』から『スカイ・ウォーク』に変わる入場曲でリングイン。カシンの体にはシールが施されており、肩口にボンバー斉藤レフェリー、胸元にヤス、腹部に真っ二つに割った永田裕志の顔面が。グラウンドの攻防から両者握手。カシンはキャメルクラッチから「なんだ、あのVTRは! 俺がいい人みたいじゃないか!」とヤスがカシンへの熱い思いを語った煽りVにいちゃもんをつけてストンピング。ヤスもキャメルクラッチでお返しするが指を噛まれてしまう。カシンは「指を入れたぞ!」とアピールする。カシンは「なんだこのバンダナは! 外道みたいじゃないか!」といちゃもん。ヤスがバンダナで叩いてボディースラム。これはカウント2。カシンは腕を取るとエルボースマッシュ。止めに入る松井レフェリーを突き飛ばす。ヤスもエルボーでやり返す。カシンはフラつく松井レフェリーをヤスにぶつけようとしたが、これは松井レフェリーが間一髪でかわした。しかし、カシンのネックブリーカーはヤスにかわされて松井レフェリーに誤爆。無法状態の中、カシンはヤスを場外に出す。ヤスは宮武練習生を盾にするとカシンが攻撃。ヤスは宮武をカシンに投げて逆転するとリングに戻ってカシンにプランチャ。カシンは宮武を盾に回避する。カシンはバックステージに消えると再び現れた時には真壁のチェーンを拳に巻いていた。ここで真壁が鬼の形相で登場し、ラリアットで制裁してチェーンを取り戻して敬礼ポーズ。ヤスがカシンをリングに戻すと松井レフェリーを起こしてカバー。これはカウント2。ヤスがコーナーに登るとカシンが松井レフェリーを盾にする。それでもかまわずミサイルキック。松井レフェリーが回避してカシンにヒット。ヤスはスライディングキック。しかし串刺し攻撃をかわされてコーナーに座らされるとカシンの雪崩式腕十字。ヤスがエビ固めに切り返したところで、さらにカシンが丸め込み3カウント。








      試合後、カシンが「ウラノ、地味だよ」と呼びかけるとヤスのTシャツを破いてコスチュームを渡す。それは臀部に「東奥学園」と書かれたレスリングの吊りパン。これをヤスに着用させたカシンはコーナーでアピールするように指示。ヤスがコーナーで恥ずかしそうにアピールしている最中にカシンは引き揚げた。


      【試合後のコメント】
      ――ウラノ選手と久々の対戦でした。
      カシン あのヤロー。営業妨害だよ。あれじゃ俺がいい人みたいじゃねえかよ。イメージダウンも甚だしいよ。
      ――試合を終えていかがでした?
      カシン IGFは水屋さんが厳しいね、水屋さんが。サイモンは上海で……。
      ――IGFの東北以来の試合でしたが、今後は?
      カシン なし、なし。

      メインイベントはHARASHIMA&彰人vs真壁刀義&高木三四郎のタッグマッチ。HARASHIMAと真壁でスタート。真壁がロープに押し込むとクリーンブレイク。真壁がグラウンドに引きずり込むとレッグロック。HARASHIMAが腕十字に切り返そうとするも、真壁がこらえてヘッドロックと互いに譲らず各パートナーにタッチ。高木はフライング・クロスチョップから619とルチャ殺法。場外に落とすと真壁とハイジャック・パイルドライバーを決める。リングに戻された彰人に真壁はボディースラム。さらにスナップメイヤーからスリーパーで絞っていく。彰人はロープエスケープ。真壁は執拗にスリーパー。堪える彰人に高木もスリーパーで続く。さらにボディースラムからエルボードロップを落とすもカウント2。真壁が出てきてボディースラム。苦しい彰人は高木を水車落としで投げてようやくHARASHIMAとスイッチ。HARASHIMAはダイビング・カンフーキックからコーナーに登る。高木はこれを阻止してぶっこ抜き雪崩式ブレーンバスター。真壁が出てきて串刺しラリアット連打。続くノーザンライト・スープレックスはカウント2。真壁のカウンターラリアットはカウント2。真壁のパワーボムを堪えたHARASHIMAが顔面フロント・ハイキック。真壁のエルボー連打にエルボー連打でやり返す。ここからエルボーのラリーへ。ハイキックをかわされたHARASHIMAがさらに蹴り上げて彰人とタッチ。彰人は真壁に俵返し。これはカウント2。彰人は低空ドロップキックから足横須賀。真壁はカウンターのラリアットでやり返して高木とタッチ。高木は彰人、HARASHIMAにドラゴンスクリュー大回転。高木のクローズラインはカウント2。パワーボムをカウント2で返されるとすぐさまSTFを決める。これはHARASHIMAがカット。高木は真壁とのダブルのバックドロップを決めるがカウント2。高木のスピコリドライバーから真壁がダイビング・キングコングニーへ。これを彰人がかわすとHARASHIMAが真壁に蒼魔刀。さらにジャンピング・ハイからファルコンアローを決める。彰人からタッチを受けたHARASHIMAがスワンダイブ。高木がキャッチしてスタナーはカウント2。シットダウンひまわりボムをHARASHIMAがリバース・フランケンで切り返し、ファルコンアローは真壁がカット。彰人が真壁をジャーマンで蹴散らすとバズソーキックから蒼魔刀につないで3カウント。






      試合後、HARASHIMAが真壁に歩み寄って何やら言葉をかわす。真壁はこれに応じて引き揚げていった。最後にHARASHIMAがマイク。「今日はスマイルスカッシュプロデュース興行にこんなに集まっていただき、ありがとうございます! もっといっぱい試合したいよ。みんなの顔はどんな顔をしているかな? 笑顔になってくれたかな? 今回サブタイトルがみんなの笑顔が見たいから…だよね。みんなの笑顔が見えてます! また次、こういうユニットの1位の興行があるかどうかわからないけど、みんなが笑顔になる興行をしたいと思います。また、みんなが笑顔になる興行をやってやるさー!(観客『なんで~!?』)その時も僕たちが勝ってやるさー!(観客『なんで~!?』)みんな笑顔になってやるさー!(観客『なんで~!?』) なんでかって? それは鍛えているからだー! スマーイル・スカッシュ!」


      【試合後のコメント】
      真壁 まあ一つ、この高木大社長からピンフォールを取ったって事が全てだと思うんだ。以前のヤローの覚悟だったらそれはねぇだろう。まあ、一つ言える事は、前回、前々回と比べて、ベルトの重み、背負っている覚悟を感じた。ただよ。この壮絶な試合をやって、リング上で笑顔振りまいてんならよ、まだまだだ。もっと死に物狂いでこいって。まあ結果的に取ったって事はそれでもいいだろう。だけどそれで満足するんだったらオメエの未来はねえってこった。DDTのチャンピオンから、もっとでけえとこのチャンピオンあんだろ? そこを考えてよ、テメエでリングで取ってみろよ。高木社長に直訴してもいいだろう? そうしねえと、デカくなんねえだろう。まあ、アイツの未来も感じたし、あとは彰人? 25(歳)だろあれ。いいんじゃねーの? 伸び盛りだろう。ああいうのでチャンス与えてもらって、こうやってものにするのであればそれは最高の事だと思うしな。タダだよ、この俺様のこのリングに上って、俺もまだピンピンしてるしよ、こんなのラッキーパンチだろ、オマエ。高木社長にラッキーパンチで勝ったぐらいで息巻いてんじゃねえぞ。まず次、その次、いくらでも立ちはだかってやるしよ。それがまた俺のレスラー生活としてもおもしれえ。先輩っていうのはよ、いくつになっても追い越せねえから先輩なんだよ。是が非でも意地でもよ、アイツらには負けねえよ。
      高木 チクショー! 何も言えねぇ! 何も言えねぇ!
      真壁 これは試合運びから見てヤツらの非力さも感じたし、ここでなぜ勝負をかけねえっていうのも感じた。そこがまだヤツらの甘いところであって、今回ラッキーパンチだぜ。
      高木 でも、今日勝って、真壁選手のファンのうちの娘に、パパ勝ったよって言ってやりたかったのに。チキショー!
      真壁 それはそれで、俺も恐縮しちまうからよ。
      高木 また機会があったら。
      真壁 ぜひぜひ。俺と高木大社長が組んだだけじゃねえんだ。オマエらクズチャンピオンにはよ、もう一回だけ言うぞ? クズチャンピオン、テメエらだよ。いくらでも山があること忘れんなよ。山があって谷があるんだよ。オマエらそれ乗り越えられるか? 本物のチャンピオンになれるか? 俺がよ、必要とあらば、立ちはだかってやる。

      ――真壁選手はNEVERのベルト挑戦が決まった直後の試合でしたが。
      真壁 ひとつ、この俺の試合に対する意気込む姿勢? 完全にスイッチ入ったしよ、まして俺の後輩だろ? 高木さんのところでお世話になっているな。もちろん、ヤローをネジ伏せるために来たよ。それと同時に、これで俺もスイッチ入ったよ。本物のスイッチだな。そうだよ。こうじゃなきゃいけねえ。ドーム? 完全にオマエ、フルスロットルで突っ走るからよ。
      ――真壁選手は試合後、HARASHIMA選手と言葉を交わしていたように見えましたが。
      真壁 気のせいじゃない?……ウソだよ、バカヤロー。まず一つはこれで終わりじゃねえってことだろ。いつか1対1でやってやるってことだよ。夢があんだろ? 夢がなきゃ、この世界でやってられねえからよ。だからだよ。その夢を実現するかどうか、その夢が流れるかわかんねえけどよ、アイツとこの俺様の頑張り次第だよ。世の中を動かすか、プロレス界を動かすか、全部を動かすか。それだけだよ。可能性? ないわけねえだろ。あるだろ。ここまで現実にしたんだ。DDTと新日本プロレスの交流戦があるだろう? これは間違いなく前だったら実現しなかった! 今、実現してんだろ。全部本物に変えてってやる。
      ――真壁選手、今日カシン選手にチェーンを盗まれる場面もありましたが。
      真壁 俺もビックリしたよ、コノヤロー! 俺のこれ(チェーン)は正装だぜ? これなしでリングに上がるわけいかねえだろ。やってやったよ。今はもう先輩じゃねえからよ。やりたいことできんだろ。でもまた、不思議とそういう交流もあったりでよ、他団体にくるとそういう懐かしいのもあるよな。闘いであり、懐かしさもある。それがおもしれえ。でも今日は高木大社長とこうやって組むって事自体が全てミラクルなんだよ! だからプロレスはやるだけおもしれえんだよな!
      高木 プロレスに絶対ないって事はないんですよね。
      真壁 ない! オイ、俺だって今から何年? 10年ぐらい前か。変なのやったろ、若手の。
      高木 ライオンズロードですね。
      真壁 あれで俺は高木大社長にケンカを売って、高木大社長も返してきたけど、それが消えたっていうね(苦笑)。
      高木 でもあれがあったから、僕らもDDTをここまで大きくできたと思うんで。あの時の真壁選手の「そこに闘いはあるのか」っていうのは、俺らの中でズシーンと響きましたよ。
      真壁 ありがたいね。そして俺たちも地獄を見たろ? そして今、上がってきたろ? それでまた交流戦をしている。最高におもしれえじゃん。土俵も違えば全てが違うけどさ、また一つになったんだ。夢あるよな!
      高木 真壁選手、DDTのリングに闘いはありましたか?
      真壁 あるでしょ。今日は確かにそれはあるよな。プロレス界だけだろ? 先輩をあんなに蹴ったり殴ったりできるのはよ。オマエ、大社長に対して…来月の給料ねえな、アイツら。
      高木 容赦ねえな、アイツら。
      真壁 ここは気を使わねえんだよ。そこがおもしれえんだよな。最高だよ。


      HARASHIMA メインで勝ててよかったですね。
      彰人 HARASHIMAさんが最後すごい頑張ってくれたんで。僕が捕まっちゃってごめんなさい。
      HARASHIMA いえいえ。あわよくば真壁選手から取りたかったですけど、とりあえず勝ててよかったです。相撲は負けちゃいましたけど。
      ヤス スマイルスカッシュ、みんなの笑顔が見たいからという。(自分が)笑うと恥ずかしい顔に。前歯が取れてしまい……なんていうか、この興行のタイトルへのアンチテーゼというか。
      HARASHIMA でも、僕らはウラノくんのその歯のない笑顔を見て。
      彰人 笑顔になるんで。
      HARASHIMA おかしいじゃん!
      ヤス おかしいって言わないでよ。笑えなくなるよ。
      HARASHIMA 僕らが笑えるんで。今回、総選挙1位ということでこういう興行を自分たちでマッチメークして、人集めてっていうのをやって、非常に楽しかったです。ウラノくんがほとんどやってくれたけど。
      ヤス まあ試合に関しては。
      彰人 普段のDDTとは違うような興行が見れたんじゃないかな。相撲もあったし、カシンさんとか真壁さんとか普段、DDTの興行に出ないような人たちが出てくれて。いつもと違った、僕らなりの興行ができたんじゃないかなと思います。どうでした? 久々に真壁選手とやって。
      HARASHIMA やっぱり嬉しい。でも次やるならシングルをやりたいと思います。シングルをやりたいです!
      彰人 僕も真壁選手と初めてやって。正直、真壁選手は僕のことなんて知らなかったと思うんですよ。でもこの試合で真壁選手の頭のどっかに、DDTの彰人っていうレスラーが残っててくれたら、それは収穫かなと思います。
      ヤス 僕もやりたいと言ってやったカードではあったんですけど、甘かったなと。やっぱ自分が想像してる以上の人だったんで。これを着ろって言われて、渡されたパンツはちょっと今の自分にはまだハードルが高すぎて、またケンドー・カシンと組むことがあれば、またああいう形になりたいと思います(苦笑)。とりあえずはまた、次、ケンドー・カシンとリングで会う時まで自分を高めていって、今日は一つの目的と思ってやってきたんですけど、また新たなスタートが切れたのかなと思いました。彰人クンだって勝ってないんだからね。HARASHIMAクンだって相撲で負けてんだからね。
      HARASHIMA 相撲は負けた。
      ヤス 満足してちゃ、ダメだよ。
      HARASHIMA 満足はしてないよ! でも、みんなが笑顔になれてよかったです。

      ――歯は試合でとれたんですか?
      ヤス そうですね。試合以外で取れないですよ! 試合前はついてましたよね?
      彰人 ちなみに何で飛んでいったんですか?
      ヤス エルボースマッシュで…。
      HARASHIMA 破壊力あるからね。

      ――真壁選手とHARASHIMA選手がDDTのリングで接点を持つのは3度目ですが、真壁選手は改めてどういう存在でしょうか。
      HARASHIMA 大先輩でもあるし、憧れの存在というのは変わらないです。でも、ただ憧れてるだけではなく、リングに立ったらライバルというか、もう闘う相手ですね。
      ――シングルマッチを一回やって負けていますが。
      HARASHIMA 前はシングルが本当にできないと思っていて、その夢が叶ったんですけど、今なら僕はあれから3年半? 4年経ってるし、その自分の立場というか、このDDTも大きくなってるし、仲間もいっぱい増えてるし、今ならあの頃と違ったもっと闘いができるという自信があるんで。闘えて嬉しいではなく勝つことで自分も満足したいですね。
      ――今日の闘いで先輩を超えるという手応えは?
      HARASHIMA ありますよ。やってみないとわかんないですけど、でも、いけます。
      ――ウラノ選手は10年前はカシン選手から学びがあったとのことですが、今日の試合でカシン選手から学んだことはありましたか。
      ヤス 10年以上前なんで、自分も20代半ばぐらいだったんですけど、その時はケンドー・カシンというレスラーが想像もつかない事だらけで。自分も今や38(歳)という40手前。だいたいなんとなく想像つくというか、この人は強いんだろうな、やっぱり強かった。この人、こういう人なんだろうな? やっぱりこういう人だったというような、なんとなく想像がつく年齢にはなってきたんですけど、久しぶりに「オマエ、地味だ」って今の自分を見て言われて、渡されたのが、アマチュアレスリングのタイツですよね、あれ? 地味だって言ってアマチュアレスリングのタイツ渡されて、なんだろう?っていう。考える……ちょっと自分には難しすぎて。
      HARASHIMA せっかく金髪にしてたのに地味だって言われちゃうんだもんね。
      ヤス すごいなあと思いました。本当にゴールというか、一つの目的だと思ってやってきたところで、また一つ新たな道が見つかってやっていこうという気になりました。

      ――この11年をぶつけることはできましたか。
      ヤス 自分なりに出せたと思います。なんか「あれじゃ、俺がいい人じゃないか」と言われたんですけど、自分にとってはいい人で。周りの人から見たら「ウラノ、ひどい扱いされてるな」とか言われたりするかもしれないですけど、でも、自分にとっては唯一無二のもっとも尊敬できるいい人なので。とてもいい人なので。
      ――彰人選手は普段やることがない新日本の選手、そして狙っていくと言っていた高木選手と闘っていかがでしたか。
      彰人 高木さんに関して言うなら、やっぱり初めはルチャとか言っていて、いつも通りな感じだったんですけど、最終的にはいつもとは違う強い高木三四郎というのを出してくれたので。
      HARASHIMA 強かった。
      彰人 あとは普段当たらない、僕は新日本さんていうと(獣神サンダー・)ライガーさんと高橋広夢クン以来の新日本の選手との遭遇になったんですけど、それはやっぱいい経験になりますね。やることによって僕も新日本プロレスってリングに上ってみたいと思うようにもなるし、興味はやっぱり出てきますよね。ボクで言うなら、いつかベスト・オブ・スーパージュニアにDDTプロレス代表として出てみたいなという気持ちにはなります。

    この記事をシェアする